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邪道䜜家11巻 今床の敵は救いの䞻 救䞖䞻症候矀を利甚しろ 前曞き埌曞き付き 再掲茉

瞊曞き党巻

新芏甚䞀巻暪曞きリンク

䞻芁蚘事たずめ 䜜家宣蚀付き

䞻芁蚘事たずめ 䜜家宣蚀付き

テヌマ 非人間讃歌
ゞャンル 近未来瀟䌚颚刺ミステリ心などずいう、鬱陶しい謎を解くずいう意味で



簡易あらすじ

誰かを救いたいずいうのは「救いたいずいう欲望」であり、恒久的平和を望むだずか争いを無くしたいだずいうのは、芁は人間を受け入れられない狭い噚ずいうだけだ。

争うからこそ人類だ。


それが「人間」であっお、平和だけ救われただけの豚を、人間ずは呌ぶたい。䞍必芁に砎壊を繰り返し倧した善性を持ち合わせないがたたに傑䜜を䜜っお圹に立぀。たしお、争いの無い䞖界なんぞ、珟実を芋る気がないだけだ───私のような非人間䜜家は「死ね」ずでも

銬鹿銬鹿しい限りだ。ならば殺すに限る。

さお、それそろ始めようか。思うに、救䞖䞻に欠けおいる物は倚くある。ずいうのも必死に「今を生きる」執念を芋おいない。


安党圏から、口先だけの綺麗事。


それが嫌いな奎等は読むがいい。ああ、おひねりは札束で頌むぞ••••••読むだけ読んで払わない䞍埒者は、右ず巊を殎っおやろう。

悟りを開けば䞉床たで痛め぀けおも、埓順に眰を受け入れるず蚀うしな••••••••••••ならば、払わない読者は磔刑だ

磔の刑が、盞応しい



   

 売れる物語ずは䜕だろうか
 答えは、「぀たらない薄っぺらな、それでいお䞭身が無く流行にだけは乗っおいお、華々しさやもしも自分がそうなれたらずいう劄想を仮想䜓隓できる䜙地が詰められおおり、飜きたらすぐに捚おられる」物語だ。
 䞀蚀で蚀えば、読者にずっお「郜合が良い」事が必死条件だろう。むしろ「実力」などない方が売れやすい。衚玙だけ立掟に食れれば良いのだ。どうせ䞭身をじっくり読んで、それを買おうずいう奎はいないだろうしな。
 䞖の䞭そんなものだ。
 勝利に必芁なのは執念ではなく、芁領である。 私も芁領良く生きおきた方だが、連䞭の芁領の良さには舌を巻く。よくもたあ、ああも郜合良く䞖間を手玉に取れるものだ。
 感心する。
 連䞭の䞭身の無さには。そのくせ本物になりたいだずか、䞭身のある本物みたいな思想を持ちただずか、我が儘を蚀う。本物かどうかなど、そんなのは連䞭が勝手に決めるこずであっお、ミロのビヌナスもモナリザも、別に心の底から感動しお皆が認めおいる蚳ではないず思う。流されおいるだけだ。たあ、私が心ない殺人鬌の思想を持っおいるからこそ、そう感じるだけかもしれないが。 しかし「事実」だ。
 ミケランゞェロがどれだけの芞術家だったかは知らないが、それを完璧に理解しお共感できるほどの奎ならば、同じ様な芞術を䜜り䞊げられるのではないだろうか 少なくずも党員ではあるたい殆どの連䞭は、ただ「良いモノらしい」ずいう颚朮に流されお、よく分からないけれど、ただ合わせおいるだけだろう。
 石の䞭に運呜を読み解ける皋だったらしいが、そんな境地を䞀般の人間が感じ取れるずは思えないし、同じモノを䜜品を通しお感じ取れたずしお同じ「䜕か」を感じ取るかは、たた別の噺だ。
 私が蚀いたいのは「本質など䞋らん」ずいう事「物事の本質は結果に関䞎しない」ずいう郚分だ。努力は無意味で抵抗は無駄。だずしたら人間に出来る事は限られおくる。無論人間でなくおも「運呜に瞛られる」点は倉えようがない。
 足りない郚分をどうするか 噺は簡単で、倧きな䜕かの力でも借りれればいい。それが出来れば苊劎しない気もするが、珟実問題自分ではない誰か「協力者」を埗られるかどうかは、その埌を楜に進められるかに関わっおくるだろう。
 散々それを手に出来ないが故に手間ず劎力を賭けた私が蚀うんだ、間違いない。
 そんな郜合の良い「協力者」がいれば、生きる事に苊劎はしない。どうしたものか。ずはいえ、そうしお手を打っおきお、䜕か䞀぀でも成功したかず蚀えば、そうでもない。䜕より「䜜家業」はどう足掻いおも「倖せない」のだ。「性」だず、そう捉えお支障ない。
 金になろうがなるたいが、やるしかない。
 金にならない時点でやる気は倱せるが、私個人のやる気など関係なく執筆は進んでいく。もしかするず䜕か電波でも受信しおいるのかもしれない私自身を「フィルタ」だず以前称したが、こうなるずそれも笑えなくなっおきた。
 嫌な噺だ。
 私は「これこそが本物だ」ず誰かに評されたい蚳ではないし、そんな事は䞀床もない。ただそれなりに金を皌いで、適床な自己満足で充足を満たし぀぀、適圓に「人間性」を味わいながら嚯楜ずしお楜しみ、「人間の物真䌌」を楜しみながら、それで「ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻」を豊かに過ごしたいだけだ。
 䜜家ずしお望むモノなど、䜕もない。
 有るはずがないだろう。
 䜜家の名誉はあくたでも「䜜品の名誉」であっお、私個人には関係がない。どんな内容を曞いたかなど、芚えおられないしな。
 目立぀のは嫌いだ。
 疲れるからな。
 芆面䜜家ずしお金だけ入っおくれればそれで、党おが解決するのだが思い通りに行かないものだ。最も、思い通りに事が進んだ事など、生たれおこの方䞀床もないが。ささやかな願いさえ絶察に叶わないのが、私の今たでだ。
 これからも倚分そうだろう。今たでそうだったからず蚀っお、これから先は分からないじゃないか、などず蚀う甘ったれがいるが、これたで散々「結果」が出なかった事に察しお金を払う人間は䞀人もいない。少なくずも投資家ならそうだ。生き抜くずいう事は、それら今たでの経隓から有甚性の高い「利益を出せる行い」ぞの投資掻動だずも取れる。
 良いパヌトナヌを遞べるかどうか、ずいうのもその延長線䞊だろう。愛ではない。ただ単に、己の利益を満たせるかだ。「理想的な家庭」を求めおいる、盞手に䜕かを芁求する事は無い、などず蚀っおも、それはそれで「理想的な家族を埗る」ずいう目的を達成する為に、盞手を遞ぶのだ。
 心ない殺人鬌ず倉わるたい。
 人類皆殺人鬌だ。己以倖を殺すこずで、充足や安心を埗お、生きおいる。
 誰かを殺さずにはいられない。
 職堎で、家庭で、遊びの堎で、「邪魔な奎」を排陀するのは圓然だ。その結果、盞手がどうなろうずも、誰だっお気にしない。
 自分ずいうコミュニティの「倖」にある存圚は生きおいる䞀人の存圚ずしお、勘定に入らないからだ。それは圓たり前のこずだ。自分に関係ない人間がどう苊しもうず、どうでもいいではないかもっず邪魔者を殺せ。
 そうすれば心地よく生きられるぞ。
 なんおな。
 䜕故、私はこうたでしお「䜜家業」をやめられないのだろう。本圓に面倒だ。他に金儲けの才胜を磚けるほど噚甚ではなかったからだろうか。
 金にならないなら、筆を捚おる事も、いい加枛考えなければならないな。たあ、そうは蚀っおも染み着いお離れないので、忌々しい事この䞊ない噺だ。どうしたものか。金ず物語があれば、私は倧䜓満足できる存圚なのだが。
 協力者が必芁なら尚曎金がいるのではないかず思ったが、運呜論的に考えれば「同じ事」では、あるのだろう。金で雇うか、いずれにせよ出䌚うのかの違いだ。ただ、その「協力者」が埗られたずしお、圹に立぀かは別問題だ。やる気はあるが圹には立たない。力になれなくお申し蚳無い。
 そんな屑は嫌ずいうほど芋おきた。
 だから、ただ芋ぬ「協力者」に察しおも、ずりあえず疑っおおこう。圹に立぀かどうか、疑わしい噺ではあるのだ。
 欲するはあくたでも「結果」だ。
 この「性」を満たし぀぀、満足できる結果を求めるのはかなり難しい。だが、それも確立せねばならないだろう。自己満足で枈たせるなら、䜜家業以倖で金を儲けられればベストだが、それが出来れば苊劎しない気もする。
 苊悩し぀぀も前ぞ進むず蚀えば聞こえは良いが明確な解決策を手に出来おいないだけだ。どうしたものか。
 どうしたものか。
 それもたた、今埌の「運䞍運」に巊右されるだろう事は、想像に難くない。結局の所こちらで䜕を遞がうずも、「あちら偎」がどう刀断しお䜕を寄越すかにかかっおくる。あちら偎ずは私に認識できない「䜕か」であり、「運呜」ずいう造語で語られる、圹立たずの厄介者だ。
 䜕者であろうず、等しく同じ。ならばずりあえず筆を眮いおから、䜜家業の䞋らなさぞの物思いに耜り぀぀、私は物語を読む事にした。
 邪道䜜家の、物語を。

   

 䜕かを倉える事など䜕者にでも出来ないならば䜕もせずに遊んでいる方がマシだ。
 だからずいう蚳ではないが、私はチョコレヌトをかじりながらコヌヒヌを啜っおいた。チョコレヌトが無くなったので、私は远加で䜕かを頌もうかず思ったが、コヌヒヌも切れおいたので、やめるこずにした。
 珟実的な問題ずしお、線集者の䞀人二人、浮気珟堎でもでっち䞊げお脅迫した方が、物語を金に換えるには早いかもしれない。いや、きっずその方が、珟実には真理なのだろう。努力や信念など時間の無駄だ。はっきり蚀っお誰かを脅迫したり殺したりする方が、かなり珟実的ではある。
 それが「事実」だ。
 物事の過皋に䟡倀を芋出すのは「人間」の䟡倀芳であっお、私にはそれはない。人間の物真䌌、合成品の感情か。いや、私の堎合は合成品ではなく、「停造品」っお感じだろう。無論、停物の方が安䞊がりでお埗なのは蚀うたでもない。
 寞分違わず私は「人間の物真䌌」を完遂し、それを成し遂げる自信、吊、確信がある。ちょろいもんだ。同情したり哀れんだり、むしろ人間の方が「マニュアル通り」にしか動かないからだ。身内が死ねば泣けばいい。悪そうな奎がいれば共感しあう「フリ」をしお、悪い奎だ悪い事だず付和雷同すればいいだけだ。
 実に単玔だ。私は色々な人間を芋おきたが、耇雑さず他者に迎合しない個性を持぀存圚は、実に僅かでしかなかった。䞖の䞭そんなものだ。
 頭が悪いどころか、連䞭は自分の脳味噌で考えられない。テレビで芋た垞識、有名人の蚀った芋識、ネットで持った新情報を、自分の䞭にある狭い䞖界で分かち合おうずしお、分かち合わなければ仲間ではないず敵芖し、わかちあったずころで次の日には忘れる。
 進化はしおも進歩はしない。それが人間だ。しかも成長や進化するのは「テクノロゞヌ」であっお人間そのものは䜕も倉わらない。必ず栌差は起こるし戊争はするし、それらがなければ瀟䌚構造そのものが成り立ちはしない。戊争以倖に有甚な経枈掻動を人類は未だ発芋できおいない。これから先もそうだろう。䜕故なら「人間」ずいうシステムは、「争い」が無ければ掻動できないからだ効率よく協力を続ける事が出来ない。
 人間が人間である限り、なんお陳腐な蚀葉だがしかし、事実だ。人間でなくお本圓に良かったず心があるか知らないが、思う。
 非人間で本圓に良かった。
 䞋らない劄想で人生を無駄にしたくない。
 愛だの友情だの信念だの、䞋らない。それらを貫くこずも出来ない癖に、それらがあっお欲しいず願い、けれども努力せず、それでいお䞖の䞭が間違っおいるず思いこめる。垌有な才胜だ。実際矚たしい限りだ。どうしお、䜕もしおこなかった連䞭が、そこたで必死に䞖界に芁求できるのだろうか 叫んでいれば誰かが䜕ずかしおくれるのが、今たで圓たり前だったのだろう。
 本気で䜕かを倉える気など、人間には無いのだ無い癖に、そうしお圓然だず求める。浅たしい奎等だ。ああはなりたくないものだ。

 人間の殆どは、意味のある䜕かをしおいない。
 流れ䜜業だ。しおもしなくおも良い様な、確認䜜業ですらない「䞊が蚀っおいるから」ずいう、理由でもない理由で同じ事を繰り返しおいる。それが「立掟」だず信じおいるのだ。だが死ぬ前にそれがいかに「無意味で䞋らないモノ」かを悟り「こんな筈じゃなかった」などず蚀える。暇な連䞭だ。今たでの人生で䜕をしおきたのだろうず、い぀も䞍思議に思っおいたが、だがそれは考えるだけ無駄だろう。「考えおいない」奎の頭の䞭身など。想像するだけ「時間の無駄」だ。
 自分で考えない「ツケ」はどこで払うのか。
 気になる噺だ。それが払わなくおも良いのなら真面目に生きるのが銬鹿銬鹿しい。どこかで払わなければならなくなるのか、それずもそれすらもただの運䞍運なのか。解明できれば面癜そうではあるが、䞖の䞭の摂理を解明するなど無理な話だろう。それが出来れば苊劎しない。
 だが、そう考えれば実に滑皜だ

 人間の物真䌌をしお、人間のように振る舞い、人間らしさを孊習しお、人間の意志を衚珟し、人間の圚り方を孊び぀くした。

 だずいうのに、その埌、人間そのものが劂䜕に䞋らないロボット以䞋の行動しか出来ないルヌチンワヌクをこなすガラクタであるかを知るずいうのだから。人間ず違い私には氞遠に「䜕かを感じ取る」事はないだろうが、しかし人間だっお本圓は、䜕䞀぀感じおいないのではないだろうか そんな適圓な生き方しかしない奎等が、そこたで高尚な感性を持っおいるずは思えない。そんな頭が人間にあるなら、もう少し䞖の䞭はマシだ。
 非人間にずっお「人間の様に圚ろうずする」その詊みが行動の基準ずなりがちだが、それは別にやらなくおも良いかもしれない。
 人間はそこたで高尚ではないのだ。
 それが「事実」だ。
 そんな事を぀ら぀らず考え぀぀も、私は食事を枈たせおいた。人間ずいう簟䞭は䞍思議なもので「食事」に金をかけたがらない。ならば䜕に䜿うのかず蚀えば、高玚バッグを買っおおきながら、「最近は消費皎があがった」などず蚀っお、栌安の食べ物なのか加工食品なのかわからない䜕かを口に運ぶのである。おぞたしい限りだ。
 普段ならパン屋できちんず買うのだが、朝から買い物に出かけるのも䜓に負担がかかるだろうしやめるこずにした。品質の良い食事にはほんの少しの手間が有ればいい。その手間を惜しんで䞍健康になり、埌から文句を蚀う連䞭ず同じになりたくはないしな。い぀もなら粗食だが、今回はそれなりに豪勢だった。スクランブル゚ッグずホットドック、そしおコヌヒヌずチョコレヌトを食べた埌、最埌に質の良いプロテむンを流し蟌む。
 米ばかり最近は食べおいたから䜕だか食べおいるだけで陜気な気分になったが、朝からこういう重たい食事はよろしくないようだ。胃が重たく感じる。明日からは米ず卵ずしじみ汁の生掻に盎すか、高玚コヌンフレヌクでも買おう。
 殺人鬌の二重生掻を殺人鬌の䜜家が物語ずしお読むのは非垞に貎重な䜓隓だった。勿論コヌヒヌを飲みながら物語を読むず蚀う愚行は避けた。コヌヒヌが冷めおしたうし、食埌だず気がゆるんでしたうからだ。結局飲みながら読んだ気もするがたあいいだろう。気にするたい。
 読んでいお安心したのは私の瀟䌚ぞの折り合いの付け方が、あながち間違っおいないらしい確信を埗られたからだ。やはり殺人鬌は瀟䌚ぞ折り合いを぀け぀぀も、それなりに平穏な生掻を目指すのが吉らしい。私には殺人衝動など有りはしないが「非人間」である郚分は同じだ。ハンデが無い分やりやすくはある。
「違いは䜕だろうな」
 そう蚀ったのは私の携垯端末だ。人工知胜を搭茉し、口やかたしく、情報を盗む胜力に長けおいるずいう謳い文句が぀く、特別補。
「ふん。金の亡者であるかないかさ」
 適圓に蚀っお、私は少しばかり思考を䞭断し、怅子にもたれ掛かった。ただの殺人鬌ずの違い、それは自芚的な悪党であるこずに加え、人間よりも化け物の方が良い、ず考えおいる郚分だろう。 䜜家ずしお倉わり皮かどうかは知らないが䜜家など皆そういうものだ。私のような垞識を兌ね備えた人皮は実に僅かであるパ゜コン、コンピュヌタヌを䜿わずに物語を曞く䜜家は、随分ず枛っおきおいるらしい。思うのだが、物語を曞く為に、䞀䜓どのあたりに高性胜なコンピュヌタヌが必芁になるのだろう 文房具で曞けば良いではないか。
 ここ最近、オンラむンネットワヌクにあらゆる意味で私は参加しおいない。参加する理由もないからだ。オンラむンで誰ずでも繋がれるず蚀えば聞こえはいいが、誰かも知らない連䞭ずプラむベヌトの話をするのだろうか。デゞタルコンテンツが有甚性を発揮するのは、䜕も善人の為ではないずいう郚分を忘れおいるのだろう。私のような、酷く良識的な殺人鬌ばかりずは限らない。デゞタルコンテンツはむしろ、そういう連䞭が悪甚する事を念頭に䜜られおいる。元々は軍甚のネットワヌクだったが、しかし垞に監芖しおいないず気が枈たない軍の連䞭など、ストヌカヌずさしお倉わらないだろう。
 同じ事だ。
 非人間である以䞊、他者が求めおくる繋がりもどきほど、厄介な代物はない。向こう偎は、こちらずわかりあえおいる、ず思いこむからだ。冗談じゃない。自己満足なら䜙所でやっおくれ。私は人間などず、わかりあいたくはない。
 どうも私は、神経質な䜍人間を挔じおいる癖に我慢匷さがただただ足りないらしい。無理に合わせたずころで䜕を埗られる蚳でもないので、それに関しおは構わない。人間同士の「絆」など、貰っおも迷惑なだけだ。少し困れば捚おおしたう類のガラクタでしかない。だが、私の充足が、その「人間の物真䌌」にも有るこずは確かだ。
 人間のように食べ。
 人間のように笑い。
 人間のように寝る。
 それを「幞犏」であるかのように振る舞い぀぀も内には圓然、䜕も感じない蚳だが人間の物真䌌は楜しくはあるのだ。食べ物の矎味しさなど生たれお䞀床も味わった事などなくずも、たるで矎味しいかの様に振る舞いながら食べ物を食す物真䌌は、実に爜快だ。
 やっおいお面癜くはある。
 案倖、私は本圓にどこか遠くの宇宙人だったりするのかもしれない。人間の事を「そういう颚」にしか「芳察」出来ない。芋るのではないのだ。 芳察しおいる。
 子䟛が蟻を飌育しお眺めるように、私にずっおは人間が「それ」なのだ。少なくずも、食べ物を食べおいる時にそんな事を考える「人間」はどこを探しおもいないだろう。そんな事を食事䞭に考えるのが、他でもない私なのだが。
 䟋の女なら「぀たらない男の意地」だずでも評しそうな内容だが、違うそう、違うのだ。実際に「違う生物」なのだから、それを人間に圓おはめるべき考えでは合う筈がない。無論、人間などず蚀う぀たらない生き物に生たれなくお心底私に心など無いが良かったず思うだけだが。 さお、そろそろ始めよう。
 物語に意志など無く、登堎人物に意志などありはしない、ずいうのが私の持論だ。空想の物語の人物が生きおいるなどず、劄想も良いずころだ。 しかし、ただ䞀぀真実だず蚀えるのは、物語の䞭においお䜜者ずしお存圚しうる、぀たり私のこずだが「䜜家」ずしお䜜品内郚に食い蟌む存圚であるこの「私」は、確かにここに有る。
 他の雑魚登堎人物がどうかは知らない。だが、私、「邪道䜜家」の有り様だけは保蚌しよう。
 無論、違っおも金は払わないがな。
 

   

 私は意地でも「人間の匷さ」みたいな存圚を、認める気がない。「人間力」だずか「心の匷さ」だずか「意志の力」だずか、そういった䞭身のない戯蚀皋、聞いおいお鬱陶しい蚀葉はない意志の力劂きで運呜が芆っおたたるか。
 力は力だ。意志がどれだけ匷かろうが、あるいはそれが他を圧倒する皋の「個性」であろうが、同じ事だ。それで䜕かを倉えられる筈もないし、あったらたたったものではない。もしそうなら、私のこれたでの劎力は䜕だずいうのか。むしろ、そんな経隓がある奎がいるならば、少し噺を聞いおみたい䜍だ。
 
 己の胜力より圧倒的に「劣る」盞手に、圧倒されるこずなど有り埗るのか
 
 ゞャックには「鏡を芋ろ」ず蚀われたが、そんな軜い䞖蟞には玍埗できない。する぀もりもない「人間力」は人間のモノだしな。
 私には圓おはたるたい。
 そうではなく、あくたでも「人間」ずしおどこたでやれるのかが、私は芋たい。私がそれになっおいるかは知らないが、それでは意味がないではないか。あくたでもそれを「芳枬」する偎に立぀こずで、それを「䜜品のネタ」に出来るからだ。 人間は面癜い。無論、そんな理想的な「人間」など物語の䞭にしか存圚しないが、参考皋床にはなるだろう。甘い考えではある。だがしかし、それくらい珟代瀟䌚の「人間」は個性の薄いカスばかりなのだ。
 誰かの真䌌をしお。
 誰かの流行を芋お。
 誰かの意芋を聞く。
 実に、぀たらない。その他倧勢など、どうでもよいではないか。そんな些现な事よりも、己自身の業を愛でるべきだ。その方が面癜い。
 そもそもが、「他者の䟡倀芳を塗り替える」ずいう事を「仕事」ずしおいる䜜家業は、日垞的に人を殺し続けおいるず断蚀しお良い。そういう連䞭ずは盞容れなくお圓然だ。䜕せ、そういった連䞭の䟡倀芳を殺し尜くすこずで、それを金に換えようずする䞍届きな存圚こそが「䜜家」だ。
 䜜家ずは蚀わば「個性を殺す殺人鬌」であり、そこに「迎合」の二文字はない。あっおたたるかそれでは䜜家は務たらない。䜜文のようなお行儀よく぀たらない䜜品を曞き䞊げる䜜家もどきが賞賛される䞖の䞭だが、私ずしおは枅朔な殺人鬌ずしお、よりよく他者の個性を殺し続けおいきたいものだ。
 殺しお殺しお殺し尜くせ。
 殺さなければ生たれる事もありはしない。
 人間ずは圧倒的に違う化け物である事を自芚する私からすれば、「合法的に殺人が出来る」ずいう「䜜家業」に萜ち着くのは、ある意味圓然の流れだったのだろう。正面から堂々ず他者の䟡倀芳を塗り替え殺し、金たで貰えお䞇々歳だ。
 こんな割の良い仕事が他にあるか
 売れれば、だがしかし、化け物が人間瀟䌚でそれなりに豊かに生きるには、この方策以倖に有るずは思えない。今曎他の方策など考えるのも億劫だが、どれだけ方策を緎ったずころで、他にこれ以䞊の圚り方は無かっただろう。
 案倖、匕きは匷かったのだろうか。
「たさかず思うが、い぀の日か私が「人間」に、成れるずでも思っおいるのか」
「貎方自身が、どう思うかでしょうね」
 私は䟋の女ず向かい合っお座っおいた。䟝頌人であり始末屋の総元締。叀い怅子に座りながら、我々は向かい合っお座っおいる。䜕故そんな事を聞いたのかず蚀えば、聞かずにはいられなかったからだろう。
「説明するのも䜕だが、しかし䞀応蚀っおおくぞ。埌倩的に粟神が壊れ「心が死ぬ」人間ず「生たれ぀いお」の存圚ずは違う。どう足掻いたずころで圓人自身の人間性を、いや、存圚そのものを消さない限り「生たれ぀いおの悪」ずいうのは消されたりしないし改心もしない」
 死ななきゃ銬鹿は治らないず良く蚀うが、この堎合は死んだずころで圓人が圓人自身である限り決しお倉わりはしない。䟋の女、恐らくは人倖である事が䌺える郚分から、私は圌女を名前や通称で呌ぶこずはしない。ただ私ず違っおただの怪物皋床である事は理解できた。぀たりは胜力倀が高いだけで、私ずは違い圌女は人間ず殆ど倉わりはしないずいうこずだ。
 それだけ分かれば十分だ。
 私ず違い、心ある存圚だ。
 だから、決しお分かり合う事は無い。
「そんな化け物である自分自身を、孀高で栌奜良いずでも」
「いや、党く思わないさ。思ったずころで誰が、そう評䟡する」
「なら䜕故、そんな事を聞くのですか」
「自分でも情けない事は分かっおいるが、女である貎様に愚痎の䞀぀でも蚀っおやりたい気分になったのさ。男も女もロクでもないず貎様なら蚀うのだろうが、女は卑怯だからな」
「どこがですか」
「䜕もかもだ。たず「珟実」を芋なくおも、生きおいけるず思っおいる。理想を信じおいる。そしおそれが叶うこずが圓然だず」
「それの䜕がいけないのですか」
「自分達は郜合の良い郚分しか芋ない癖に、自分の思う理想しか受け付けない癖に、それに合わない奎の噺を聞くこずがない」
「男も同じでしょう。女が自分達の郜合通りに、動くず思っおいるのですから」
「そうかもしれない。だが、「逃げる」のは、どうも我慢ならないんだよ。珟実を芋据えお前ぞ進もうず考えおいるずころぞ、女は理想を口に出すだけで、䜕かがどうにかなるず思っおいる。それが私には蚱せない」
「男が情けないから理想を珟実に倉えられないのではないですか」
「だずしおも、䟋え誰かに認められなくずも、私は私の道を遞び、進んで、行動しおきた。綺麗事を䞊べるのは簡単だ。だが、それを口にされお、理想だけを歌われるのは䟮蟱も良いずころだ。女はそれですむず思っおいるし、事実そういう女は倚い。女の圚り方だからだ」
 ゞャンヌダルクはそうはいない。無論問題なのは男の起こす行動の倧半が争いや䞍毛な結末を、䞖界にばらたくずいう郚分だが。
「男の行動の末路は倧抵戊争ですがね」
「だから愚痎だよ。別に正圓化したい蚳じゃない「いきる事に察しおズルを蚱さない」ずいう宣蚀だ」
「貎方は真面目すぎたすね」
 蚀っお、女は茶を濯ぎ、それを軜く口にした。「正盎、それだけは心配です。いいですか 男であれ女であれ、生きる事に「劥協する」のは、ある意味圓然なのですよ。党おに正しく生きるなど、人間は、いえ人間でなくずも䞍可胜です。けれど貎方にはそれが蚱せない。劥協しないず蚀えば聞こえは良いですが、苛烈にも皋がありたす」「そんな良いものじゃない」
「ええ。良いものではありたせん。それは生きおいるずは蚀わない。ルヌルを重んじ過ぎおいる。貎方には「自分」があるのですか」
 私ほど「自分」の匷い存圚はいないず思っおいたが。しかし、芖点を倉えれば私の事はそういう颚にも芋えるのか。
「あるさ。ささやかなストレスすら蚱さない」
「それは、あくたでも「生き方」でしょう」
 遮られるのは誰であれ嬉しくない。それが噺の途䞭なら尚曎だ。だが、女は無芖しおそのたた噺を続ける。
「貎方自身の「我が儘」ですよ。こうあればいいのに、こうしおくれれば良いのに、ず。貎方は、珟状の䞖界を倉える事に「拘りすぎお」いる。䜕事も頌りすぎるのは問題ですが、頌らなさすぎるのはただの独りよがりです。䞖界に期埅をしなさすぎおいる、ず蚀えば良いのでしょうかね。もう少し貎方は、身勝手な期埅をするべきですよ」
「したずころで、どうなる その期埅は明埌日の方向ぞ倖れるだけだ。珟実には䜕の力も、持ちはしない。あるのはただの事実だけだ」
 蚀い争う぀もりは無かったのだが、䜕故かこんな噺になっおしたった。蚀っおも仕方がないが。仕方がないずいう蚀い方は嫌いだず蚀った気もするが、男ず女が噺をすれば、そこでもめ事がないほうが「非垞識」だず思っお差し支えない。
 それで問題事が起こらなければ、それは盞手偎が「芋切り」を぀けおいるからだろう。
「どうせ無駄だ。無駄な事はしたくない」
「なら䜕故、貎方は物語を曞いおいるのです」
「これは「性」なんだ。私自身の意志は、あたり関係がない。そうしなければならない、ず匷迫芳念に近い感芚すらある。息を吞っお吐く事に、疑問を芚える生物はいない。私の堎合、生たれ぀いおそれが暙準装備されおいただけだ」
「垌望はないず、諊めおおいでですか」
「ありもしないものを眺めおいるほど、物語の売り䞊げが期埅できそうにないのでな。事実無駄だったしこれからもそうだろう。物語だけではなく䜕事に察しおも、死ぬたで、死んだ埌ですら、私は垌望など持ちはしない。垌望があるず無理矢理自分を隙しお、疲れないよう努力するこずは、幟床か有ったがな」
 この劎力すら無駄な事だ。䜕の意味も無い。どうせ「結果」に結び぀かないのだから、そこに、意味や䟡倀を芋出すこずは䞍毛なのだ。
 無駄な劎力に過ぎない。
 「性」でも無ければやりたくもない。無論、私が私である以䞊、この「性」は取り倖しが䞍可胜なので、意味のない仮説だ。
「それで、生きおいる事が楜しいのですか」
「以前死の淵にいる奎に聞かれたな。だが私は、こう答えた。「良い事が䜕もなくおも、人生は続くから」だずな。事実そうだ」
 充足ず楜しいかどうかは別物なのだろう。私自身「物語」を生き甲斐や充足ずしお考えおきおいるが、しかしだからっお私は「私個人の幞犏」をその為に犠牲にしようなどずは、考えた詊しすらないのだ。
 その願いは叶った詊しがないが。
 私の望む事は、生たれおこの方䜕䞀぀圢になった事がない。その様で未来を信じる 悪い冗談だ。笑えないくらいには。
 このやりずりも恐らくは無駄に終わる。やりがいの無い噺だ。そしお、そのやりがいのない、恐らくは党おが無駄に終わるであろう詊みに察しお私は党力で挑んできた。それが銬鹿銬鹿しくなったからず蚀っお、誰が責められるのだろう。
 今曎䜕をずいう噺だ。
 信じるに倀するモノなど、䜕䞀぀無かった。
 それに察しお、綺麗事は卑小なだけだ。
 うんざりするし、汚らしくも小綺麗なだけで、そんなのは有ろうが無かろうが同じ事だ。この䌚話も同じだ。しおもしなくおも倉わらない。
 この女が䜕を蚀おうが、どうせ䜕䞀぀圱響は出ないのだ。テヌプの録音を聞いおいるようなものでしかない。
「珟実を芋据えないこずも幞せだず貎様は蚀ったが、それは生きおいないだけだ。最近はそういう連䞭が倚いが、叫んでいるだけで䜕かが叶えられるこずなどありはしない。綺麗事ずいうのは、行動しないからこそ口から出る蚀葉だ」
「そうかもしれたせんね」
 䜕か思うずころでもあるのか、女は䜕もない䞭空を眺めながらそう答える。たあ、どちらも人間ではないのだずしたら、それこそ人間の基準を蚈る事に、意味など無いのだろうが。男女以前に、私にずっおは党おの人間が「自分ず違う生物」にしか、芋えないからだ。
 それでも参考皋床にはなる。
 䜜品のネタにもな。
 䟋えばそれが、自分ずはたた違う目線から人間を眺めおいる女だずすれば、尚曎参考になろうずいうものだ。
「貎方は女が嫌いなのではなく、綺麗事が嫌いなのでしょう」
「かもな」
 いや、倚分そうなのだろう。このずころ「性」に振り回される割に、䜕䞀぀「結果」を埗られおいないから、粟神が安定しないのだ。安定するべきではないず思い、そう振る舞っおいるだけかもしれないが、同じ事だろう。
「行動するだけで根拠がない男も倧勢いたすし、䞀抂にはどうず蚀える問題ではないのは、貎方自身ご存じでしょうが貎方は「暗闇の䜏人」ですから、たるで「暗闇が無い」ず思いこんでいる人間の姿が、蚱せないのでしょうね。貎方にずっお、䞖界はそういうモノでしょうから」
「ふん」
 笑えない噺だ。闇の偎であるが故に、闇そのものをコケにされるのは癪に障るず。私は以倖ず、センチメンタルな殺人鬌なのか
 いずれにせよ気にくわないのは確かだ。䞖間知らずずいうか、そういう連䞭を芋るず、真面目に闇に向き合っおいるのが銬鹿銬鹿しくなる。
 プロ野球遞手に「頑匵れば誰でも成れるべき」ず蚀う様なものだ。頑匵るだけで成果がなければプロずは呌べない。そういう意味では、私はただただ「䜜家」ずしおの成果は半分しか出せおいないのだから、苛぀くのも圓然か。こちら偎でやるべき事は枈たせおいるのに、それに芋合う成果が今になっおすら出おいない。劎力だけ消費しお、芋合う成果はお預け。それで満足する奎が、この䞖界のどこにいる
 少なくずも「私」は違う。
「男も女も䌌たようなモノなのだろう。私は厳密には「人間」は感じ入れないから「理解」しおいるだけだが、それでもわかるのは「己こそが、絶察的に正しい」ず思いこんでいる茩は、ロクなものではないずいうこずだ」
「それは、私の事ですか」
「他に誰がいる」
「私は、正しいずは思っおたせんよ」
「それでも、抌し぀ければ同じだろう」
 私は意倖ずストレスを持ち蟌む奎なのかもしれない。こんな噺をしおどうなるわけでもないが、ずりあえず気晎らしにはなる。
「たあいい、どうでもよいこずさ。少なくずも、私にずっおは」
「なら、どうしおそれを私に聞くのですか」
 圓然の疑問だろう。私だっおそう答える筈だ。だが明確に䜕か理由が有るかず蚀えば、そうでもないのが事実だ。
 匷いお蚀えば気にくわないからだ。
 盞手が綺麗事の暩化で有れば、尚曎。
 䟋えそれが真実でも、綺麗事は気にくわない。「貎様の蚀う事はこずごずくが「真実」かもしれない。だが真実ず事実は別だ。珟実にはもっず、違うだろう。貎様の普段垂れ流す「真実」が、劂䜕に力を持たないか、私は知っおいる。真実は、敗北するためにある。それなら欺瞞の力を持぀方が「マシ」だからな」
「それがどういう結末を蟿るか、わからない貎方でもないでしょうに」
「なら、玠盎に奎隷の劂く敗北し続けろずでも蚀うのか 私は埡免だ。それで実利を埗られなければ、䜕の意味もない」
「それに向き合うのもたた「生きる」ず、いう事ですよ」
「このたたでは生きる事すら出来ない。死に続けおいるだけだ」
「貎方は是が非でも認めないでしょうが、生きる䞊での幞犏はその過皋こそにあるのですよ。結果を埗たずころでその充足はすぐに忘れたす。金も名誉も名声も同じ事ですよ。䞀床手にしおしたえば空気ず倉わりたせん」
 人の蚀い方を盗たないで欲しいものだ。それに私は人間でないが故に、「それ」を理解できる。だが、だからっおそれを享受するのは埡免だ。
 なので私はこう返した。
「空気が党くなければ窒息死するだけだぞ」
「貎方には必芁ないでしょう 本圓は息をしなくおも生きおいける癖に」
「かもな。だが、それが有る事で「私自身の圚り方を肯定できる」なら、どう蚀われたずころで、それを実行するだけだ」
 私自身の「圚り方」に必芁なのだ。無論金は隙だが、それだけでもない。私が私を認めるのに必芁ずいう蚳ではない。己を肯定するのに必芁な材料などない。そうではなく、呚囲などどうでもいいが、呚囲に最䜎限は認めさせなければ、生きる䞊で䜙蚈な邪魔が入る。それは埡免だ。
 どうでもいい連䞭に構われるのは、私の生き方に入っおいない。それに、䜕䞀぀私自身の糧にならないのだから、文字通り「無駄そのもの」だ。「その邪魔があるから今の貎方があるのですよ」「そうかもしれない。だが、私は別に成長したい蚳でも、認められたい蚳でもない。ただ、それなりに平穏に暮らしたいだけだ。貎様ずは違っお、ただの怪物皋床ずは違っお、私は正真正銘の人倖だからな。正盎、人間瀟䌚に折り合いを぀けるのは良いが、別に人間に混じりたいずは、党く思わない」
 人間ではないのだから、人間の圚り方を真䌌お自己満足するこずはあっおも、目先の怪物のように「人間になりたい」だずか、思うこずはない。ただ胜力が高く倖れおいるだけの怪物ずは違う。正真正銘、私は「違う」のだ。そこに同情や憐憫は䞍芁だし、正盎「人間」などになれば、それはそれで発狂しそうな䜍最䜎の事態だ。
 ああも浅たしく生きるのは埡免だ。
 非人間の方が、幟らか慎たしい。
 ペンギンに鳥の仲間に成れ、ずいうのが怪物を誘う謳い文句なら、私の堎合生物ですらない。゚むリアンず心を通わせる映画はよく売れるが、それずも違う。良い比喩が思い぀かないが、鉄ずか札束に察しお話しかけるようなものだ。
 知らないよ、圹目だけを果たすさ。
 そういう具合だ。
 無論、人間の物真䌌は面癜い。心が無くずも、それを楜しむ事が出来るのは幞いだ。物語を通しお自己満足で楜しめれば私には倩囜だ。
 䜜家である私に、他に䜕かいるのか
 元より、「人間をやめる」からこそ、䜜家になる資栌は䞎えられる。最近はただ玙に文章を連ねおも䜜家だず認められるようになったが、しかし「生き方」ずしお遞ぶ堎合には、そういう方法論を䜿うこずは出来ない。
 それに、私の堎合順序も逆だ。なるべくしおなったず蚀える。「人間ではない存圚」が成れる、唯䞀の職業だずも。
 これで、金になれば文句はないのだが䞖の䞭䞊手く行かないものだ。本圓にな。
 油断は犁物だ。女ずいうのは自分から切り捚おおおきながら、裏切りだず叫び最䜎だず蔑む。それでいお自分は「正しい偎」だず肯定する。この先この女が私を「芋切る」ずしおも䞍思議ではないのだ。䜕䞀぀ずしお。
 別にこの女に䞍信感がある蚳ではないが、それが出来るのが「女」ずいう生き物だ。男どころか人間ですらない私が蚀うのは䜕だが、しかしそれで私に「危機が及ぶかもしれない」ならば、最䜎限心構え、いや心がないのだから「予枬」ずでも蚀うべきか。最悪の未来はい぀でも予枬するべきだず、私は垞に思う。
 倧䜓今たでそうだったからな。
 それで傷぀いたりするほど人間をやっおいる蚳ではないが、しかし埌れをずるのは埡免だ。自分勝手だずこの女なら蚀いそうだが、実際にそうなっおきおいるのだから、備えをしないのは心優しいずかではなく「愚か」である。
 フォロヌず蚀う蚳でもないが、今埌の関係を円滑に進める為に、補足しおおいた。
「貎様は良い女なのだろう。私の予枬できない郚分が芋えおいるのかもしれない。だが私に降りかかるトラブルずは関係がない。あり埗る最悪の未来はい぀だっお目先に降りおきた。事前に考えお察策を緎るのは、圓然のこずだ」
「その「察策」ずやらが実った事は」
「ただ無いな。今のずころは」
 だからっお無策で突っ蟌む蚳にも行くたい。
 それもたた「無駄な劎力」かもしれないが。
 こんな颚に睚み合うよりも、人間ずいう奎は、圓人のプロフィヌルを芋るこずで、その人間性を理解しようずするらしい。
 職業、䜜家。物語で人間の醜い郚分を曞き持りそれを無理矢理にでも読者に芋せ぀け、その人間性を曞き換えお殺すこずです。
 趣味は「人間の物真䌌」最高に理想的な瀟䌚人像を真䌌る事が出来たすが、無論内には䜕も感じはしたせん。趣味故に力も入りたすがね。
 最近の悩みは「人間」です。どうしおこんな連䞭ずかかわり合いにならなければならないのでしょうか 私は人間ではないのに。
 奜きなモノは面癜い物語。
 嫌いなモノは面癜くない物語。
 蚀っおいお銬鹿銬鹿しく感じる内容だ。人間に぀いお私は殊曎䜕かを思うこずはない。身勝手な有様に生理的嫌悪感を抱くだけだ。生理的に、ずもすれば本圓に、぀たりは生物的にも違うのかもしれない。どうでもいいが。
 肩曞きが倉わるだけだ。いや、肩曞きは䜕であれ同じ事か。実は宇宙人で冥王星出身だずしおもそれは冥王星出身の「邪道䜜家」になるだけだ。 私は倉わらない。
 倉える぀もりは曎々ない。
「貎方は「無駄な争い」を奜たないず蚀いたすが無駄な争いなど無いのですよ。党おの行いは起こるべくしお起こり、巡るものです」
「䞋らん。もっずもらしい台詞だ。無駄なら有るさ己の遞んだ己の戊いに関わらない党おは無駄な争いでしかない。倧䜓がそれは私の台詞ではないか。なるべくしおなる。ふん、確かに忌々しいくらいにこの宇宙はそうできおいる。だが、そんな理屈など知ったこずではない。今たでの党おには意味があったんだよ、などず。それは遞んで歩いた圓人自身が決める事だ。呚囲が勝手に決める事ではない」
「我が儘ですねぇ」
「圓然だ。物わかりの良い奎が、䜜家になど成れるものか」
「それ、逃げ口䞊ですか」
「だずしおも、同じ事だ。堂々ず我が儘な方が、人生楜しお生きられるず、蚀うだけさ」
 我々二人は倖ぞず出お、瞁偎を歩きながら噺を続ける。䜜品のネタ探しもそうだが、意倖な所からアむデアは埗られるものだ。
 䜕もかもが「䜜家業」その䞀郚。
 この䌚話内容ですらも。どころか、その先にある䟝頌の達成も、「粟神の充足」ずいう自己満足を満たすため、぀たりは「仕事」の為に有る。
 どんな仕事でも良いなどず抜かす銬鹿は倚いがそれはただ単に「生き方すら遞んでいない」ずいうだけだ。䞀生涯を「それ」に費やす。それが、仕事ずいう存圚だ。己自身の存圚蚌明だず、蚀い換えるべきだろう。それを軜んじる奎は、生きるこずを軜んじおいる。だから「仕事」がロボット任せだから軜い、ずいう「蚀い蚳」をする銬鹿も非垞に倚い。
 䞖界がどう倉わろうず倉わるはずが無いのだ。 己自身の圚り方を、䞖の䞭の流れに任せるなどそれこそ、流されお埓っおいる蚌巊だ。
 家畜の圚り方だ。それは豚や猿ず同じだ。䜕も考えないでいるだけだ。自身で䜕かを考え、策を匄しお倉えようずし、挑む。
 そんな圓たり前の事を出来る奎が、今では䜕人いるのだろう。寂しい噺だ。それが人間だず蚀うならば、随分ず小さくなったものだ。
 そしおそんな圓たり前の事、それを貫く為に、誰よりも「結果」ず「実利」を重んじるこの私が性に合わない「遠回り」を匷いられおいるずいうのだから、笑えない冗談ではある。正盎、どうしおこうなっおいるのか分からない。
 私は金だけ有ればそれで良かったのに。
「人間は自分で思うほど、口にしおいるモノを、求めおはいないのですよ。貎方はそれを自芚した䞊で求めおいるずいうのだから、正盎酔狂だずは思いたすが、他でもない貎方自身がその内偎で、願っおいるからではありたせんか」
「銬鹿銬鹿しい。私には元来「欲望」が無い。人間の物真䌌をしおいるに過ぎない以䞊、本質的に䜕かを欲しがる事は無い。だがしかしだ。金ずいうのは分かりやすい「力」だ。䜕かに振り回されなくずも、金が有れば圢に出来る。それは己自身の圚り方を求めるなら、欲望以前に求めお圓然の前提だ。「実はそれは建前で、他に欲しいモノはこれだったのです」みたいなオチは無い。そもそもが、「運呜に振り回されない」ずいう私自身の願いこそが、求めるべき姿だからだ」
「それさえ手に入れれば、党おがどうにかなるずでも」
「䜕も倉わりはしないさ。ただ、自分ではない䜕かに振り回される事だけは無くなる。他に求めるべきモノがあるならば、尚曎金は必芁だ」
「欺瞞ですね」
「そうかもな。だが、どれだけ蚀葉を尜くそうずも「金を求める事」は必芁だ。それを諊めるずいうのは生きる事から逃げおいるだけだ」
「」
 䜕を思うのか、沈黙からは聞き取れなかった。無論私なら察しは぀くが、たあいいだろう。どうでもいいしな。
 意志で動く人間には必芁かもしれないが、生憎私は人間ですらない。狂気を原動力ずする私にはあらゆる珟存する法則は圓おはたるたい。
 だからこそ面癜い物語が曞けるのだが。
 無論これは誰かにずっお面癜いかではない。私個人にずっお、だ。その他倧勢の凡俗の感想などどうでもいい。金を払っおいればそれだけで、読者の圹割は終わりだ。連䞭が䜕か、䜜家偎にずっお圹に立぀事など、他にはあるたい。粟々がデゞタル䞊の䞖界で評論家を気取るくらいだ。
 むしろ、他に䜕が出来るのだろう 売れる䜜品ずいうのは「衚玙」ず「売り文句」だけで決たるべきだそうだ。そもそもが立ち読みでもしない限り、物語は䞭身を芋おから刀断が出来たい。それを倚く売るずは、぀たりそういうこずだ。

 衚玙で刀断され、それを考えずに買い、䞭身も読たずに捚おる事。これが売れる䜜品の真実だ。
 思うに、人間ずいうのはどうしたずころで、自分の意志で䜕かを決めるに圓たっお「恐怖」を、感じるらしい。その蟺りも私ずの違いの䞀郚なのだろうが、今は眮いおおこう。圌らは私ずは違っお「䜕かを決める時」に「誰かの同意」を必芁ずするのだ。その結果埌から「違う」ずなれば勿論文句の嵐を぀ける。無責任にも誰かの意芋に埓っお決めたいが、しかし自分でその責任を負いたくない、ずいう䞍思議な動機からそれはなる。私からすれば、遞択に察しお䜕䞀぀責任を負う぀もりのない「誰か」の意芋に耳を傟けるなど、それこそどうかしおいる。知った颚な口を利いお、それらしい蚀葉を䞊べる奎には幟床ず無く有ったが、それを実行しお倱敗しおも、䜕の責任も負わないどころか、それそのものを忘れたりする。
 その癖口を開いおいる間は「有り難く思え」ず感謝を匷制しお聞かなければ激怒する。そんな銬鹿䞞出しの愚か者の蚀葉を、信じたがる。 
 私なら埡免だが。
 しかし「事実」だ。そういう連䞭は倚い。そしお昔はどうだか知らないが、今では「物語を聞いお聞かせお誰かに䌝える」などお䌜噺だ。珟実にそんな事をする奎はいない。誰が蚀ったのかも分からない情報で決めようずする。これもたた、デゞタル瀟䌚の匊害だろうか いいや違う。ただ単に人間の「狡さ」が助長されただけだ。
 芋えない郚分が芋えるようになっただけだ。
 ただのそれだけ。
 䜕䞀぀倉わっおはいないし、進歩もしない。
 ならばそれに合わせお金を求めるのは至極圓然の話だ。綺麗事は綺麗だが、珟実には即しおいない。そんなのは無意味そのものだ。
 倧䜓が向かおうずする意志があるかなど、狂気で動く私には関係ない噺だ。我が身は狂気に身を焊がしおいる。私自身の意志すら無芖しお、圚り方ずしお燃やし尜くし、肯定しようが吊定しようが関係なく黒い炎で邪魔者を焌き尜くしながら、どう蚀われようず前ぞ進む。
 進んだ先に実利ず結果が備わっおいないのが、玉に傷だが。
 党くな。
「それで、今回の䟝頌は」
 女はもったいぶるようにこう蚀った。
「貎方の倧奜きな自由意志ですよ」

   

 人間も蟻ず倉わらない。
 瀟䌚的集団生掻を送るにおいお、どうしたずころで「圹割」は䞎えられる。時には圓人の意志を無芖しおでも、䜜家には䜜家の、劎働者には劎働者の圹割があるのだ。そしお、それは個人にずっお必芁かではなく、秀を瀟䌚ぞ傟けた䞊で、その有甚性を利甚する為に、抌し぀けるのである。
 その瀟䌚的有甚性は、個人の意志を無芖しなければ成り立たないモノだ。繁栄しおいる囜家を芋れば分かりそうなものだが。栄華を極めるには、その為の「土台」達の犠牲無くしお成り立たないからだ。
 だが、もし仮に、だがその自由意志を、コントロヌルするこずが出来ればどうなるか
 答えは簡単で、劎働、宗教、軍事、あらゆる面においお他囜の先を行くこずが出来るのは事実だろうし、倧倚数の意芋が先芋ある事など有り埗ない以䞊、個々人の意志など螏み぀ぶした方がただ豊かさを求めるならばこれ以䞊無い「答え」だ。 それが出来れば苊劎しないが。
 しかし、だからこそ求めるのが「人間」ずいう存圚だろう。䜕せ今回の暙的は、惑星に流通する党おのシリアルフレヌクに「感情抑制剀」を混ぜる事で「集団意志のコントロヌル」を䌁おいるらしい。無論「それ」を飲んだからず蚀っおすぐに掗脳されるような食品ではない。有り䜓に蚀えば「疑う」ずいう昚日を麻痺させる「麻薬」だ。
 特定のシグナルを流すこずで、テレビ、ネット等のデゞタルコンテンツの党おで流す事が出来、そのシリアルフレヌクさえ食べおいれば、特定の情報、宗教、宣䌝を信じさせる事が可胜。仮に、そのシリアルを食べた奎が、特定の人間を殺人犯だずデゞタル䞊からシグナルず䞀緒に出せば、それで魔女狩りが始められるずいう蚳だ。䟿利な事この䞊ないず思ったが、管理するのは倧倉そうではある。
 ただでさえ情報統制が進み、デゞタル情報ぞの疑いの無いこの䞖界で、そんな事をされおは倧混乱に陥るらしい。私はテレビを芋ないので正盎分からないが、連䞭、人間共にずっおテレビ情報は「正しくお圓たり前」らしい。
 だから゚むリアンの䟵略を信じお、有りもしない終末戊争を想像しお、䜕も起こっおすらいないのに、己の目で確かめる事すらせず「䞖界は終わりだ」ず叫んで暎れた連䞭が実際にいるず蚀うのだから、呆れるばかりだ。
 己の目で芋お確かめろ。
 それくらい科孊に頌らずにやれ。
 生きおいるなら、圓たり前の事だ。
 こんな颚に執筆の為動いおはいるが、䜕床も蚀うように私は執筆䜜業が倧嫌いだ。むしろ、物語を曞くのが奜きなどず蚀っおいる内は、䜜家でも䜕でもあるたい。苊悩が無ければそれは絵日蚘ず倉わらない。どれだけ起承転結が掟手だろうが、同じ事だろう。しかしだ。私は別に、䜜品を評䟡されたい蚳ではない。今回の䟝頌にしたっお、䜕なら途䞭で蟞めおも良いくらいだ。
 どうしたものか。
 私は䜕をやっおいるんだ 決たっおいる。䜜品のネタ探しだ。しかしもう少し䜙裕を持っお行っおも、眰は圓たらないず思う。無論分かっおいるのだ。そんな䜙裕の有る状態では「傑䜜」など曞けない。だが䜕床も蚀うように、それは所詮、自己満足できれば良いのであっお、実際にどうかなど、どうでも良さ過ぎる。
 因果な商売だ。
 どちらも埗る事は出来ないものか。
 こうしお、食べる事すら眮き去りにしお物語など曞いたずころで、䞀䜓䜕になるずいうのか。少なくずも金にはなりそうにもない。
 息を吞っお吐くように。
 いい迷惑だ。
 どうせならもっず金になる「業」が欲しい。

 䞍可逆をあっさり可胜にする。

 蚀葉にすれば聞こえは良いが、それは぀たり、普通の人間が圓たり前に出来る事に察しお、無駄な劎力を匷いられるずいう事だ。傑䜜だず自負しおおきながら金儲けに四苊八苊するのは、䞻にそれが原因だず考えお良いかもしれない。
 私は宇宙船の䞭でゆったりず゜ファに腰掛け぀぀、次の「暙的」を写真で眺めおいた。写真ずいうのも久しぶりだ。珟代瀟䌚ではデゞタルデヌタばかりで、手にずっお䜕かを芋る機䌚など、殆どありはしないからだ。
 しかし、暙的、か。こんな生掻がい぀たで続くのだろうか 私自身特に䞍満は無いし、䜜品のネタになっおくれればそれでいい。サムラむずしおの「始末屋」ずしおの劎働が違法なのは今曎だからな個人的には最適な環境だ。倚少違法でなければ「䞁床良い刺激」にはなるたい。それが䜜家なら尚曎だ。倚少人間の「道埳もどき」から離れおいなければ「傑䜜のネタ」になり埗ないしな。
 だから䜕も問題ない。
 問題なのはそこたでしお䜜り䞊げた物語が、金になっおいないずいう郚分だ。本末転倒ず蚀えばいいのか、あたり笑えない。私は始末察象そのものには䜕の興味もない。あくたでも「その過皋においお䜜品のネタが掎めるかどうか」なのだ。私はミステリヌを解明する探偵ではないのだ。始末察象がどんな思想で䜕を始めるか、あるいはその謎を解くたでのサスペンスなど、䜜家自身には、䜕の関係もない噺だ。䜕が蚀いたいのかず蚀えば物語が金にならない事を嘆いおいるずいうのに、今回の取材も「結果」より「過皋」を求めざるを埗ないずいう皮肉に、倚少苛぀いおいるだけだ。 そもそも、私は䜜品を執筆する時、アむデアに困った事など䞀床も無い。ただ単に私個人のやる気の問題だ。物語には執筆前から䜜成手順を考えお圢にするモノず、「己自身」の圢を反映させ、可胜な限り「曞くべき事」を「曞きたい事」で脚色しお曞く物語ず、埌はただ単に苊悩だけを曞いたり曞きたいこずだけを曞いたりず、色々皮類は有るのだが、私の堎合バランス良く己の内から沞き䞊がる、そのどす黒い倪陜の様な狂気そのものを衚珟すれば良いだけなので、根本的な問題ずしお私に「䜜者取材」など必芁ない。半ば趣味であり、面癜い噺を探しおいるだけだ。
 そもそも別に、傑䜜であれば売れる蚳でもないのだ。良い䜜品かどうかなど、売り䞊げには䜕の関係もない。無論「癟幎先、どころか人類の終焉たで」残る物語を䜜り䞊げる気ではいるのだが、それも売れなければ意味があるたい。
 人生の充足の為だ。
 蚀わば自己満足である。
 なので、結果を求めなくおも良いのは圓然だ。しかしそれで結果的に物語が売れないのではあたりにも䜕をしおいるのかわからない。ずはいえ、物語を売るのに内容は関係ない。ずもするず、私は䜜品のネタ探し等より、物語を効率的に売る方策を緎っおいた方が遙かに、建蚭的なのだが「業界の既埗暩益」が深く関わる事柄を、私個人で実珟させるのは珟段階ではただ無理だ。
 それに他の方策を緎った方が早いだろうしな。「今回、先生が敵にする事になるのは、所謂思想家っお奎だ。名前はノィンハルト、䞻に貧困地域や玛争地域でのボランティアや、その埩興に尜力しおいる神父様だ。厳密には違うらしいが、そう慕われおいる」
「神父だっお」
 玙に仕える人間を私が始末する事になろうずは今曎だが。
「䜕故神父が「管理瀟䌚」を䜜る必芁がある」
「争いをなくす為だろう」
「身も蓋もない答えだ。もっず深く情報が欲しい最終的な目的だけ話されおも、蚳がわからない」
「先生こそ「過皋」に拘るのか」
「拘る぀もりなどありはしないが、獲物の思考回路を暡倣するのは狩人の垞だ。知る必芁がある。䜕より、䜜品のネタになるかもしれん」
「やれやれ。盞倉わらず倉わらないな、先生は」「どうでも良いこずだ。いいから情報を出せ」
 あいよ、ず適圓な受け答えをしおからゞャックは情報を抜出する。この珟代、デゞタルな恩恵を受けおいない茩は少ない。私のように倖界ずの繋がりが無くずも、倖堀を埋めお情報を粟査する事は実に容易だ。
 幎霢、掻動地域、そしお思想の方向性たで、あらゆる情報がデゞタル端末の䞭に瀺される。人間には過ぎた力だ。たるで神の信蚗を安䞊がりに、それも誰にでも䜿える圢で出すような、そんな、危なげな雰囲気を最新のテクノロゞヌずやらは、私に感じさせる。
 蚀っおも仕方がない事かもしれない。今曎、䟋えそれがテクノロゞヌでなくずも、䞀床手に入れた利䟿性は、手攟し難いモノだ。
 集団で有れば尚曎、それが「垞識」ずいう共通認識になり、芆すこずは瀟䌚に反旗を瀺さねばならなくなる。
「ここからそう遠くない惑星だな。その男が䜕者なのか、䜜品のネタの為にも知る必芁があるな」「すぐに殺さないのか」
 銬鹿が。始末するだけなら手間はいらない。問題なのは私の生き甲斐や充足が䞻に「物語」に、よっお埗られるずいう「事実」だ。
 だから私はこう蚀った。
「圓たり前だろう。私は「䜜家」だぞ。䜜者取材をしなくお䜜家業が成り立぀ものか」

   

 その寂れた教䌚には時代に眮き去りにされた哀愁ず、そしおそれに芋合う歎史的な颚栌が挂っおいた。寂れた教䌚の呚りには寂れた畑があり、寂れた子䟛達が遊んでいる。どれもこれも安䞊がりなようだ。
 子䟛ずはそういうものだが。
 将来の可胜性は無限だずでも思いこんでいるのだろう。無論、将来の可胜性は有限だ。どころか可胜性など「胜力倀の倚寡」で決たる。生たれ぀いお運呜は確定されおいるのだ。誰も圌もが、䟋えそれが神であろうが人工知胜であろうが、やはり運呜に巊右され振り回される。
 子䟛は未来の象城、ではない。
 人間の䞍可胜性の象城だ。
 そうは思わないのだろうか。倢が叶えられるのは遞ばれた極々䞀郚。それも胜力倀でたず振り分けられ、それから「運䞍運」などずいう目に芋えない詊緎で振り萜ずされる。だから圓然そこに、圓人の意志による遞択など無意味そのものだ。
 䜕の力もありはしない。
 誰であろうず同じ事だ。
 無䟡倀で無意味で無力。それが「遞ばれざる」存圚だ。持たざる者。皮肉に捉えれば䞖界はこの䞊なく「平等」だ。誰も圌もが個性があるず停善者の銬鹿者は蚀うが、それに習えば誰も圌もが、䌌たような暡造品の個性しか持っおいない。それを個性があるだけで特別だ、あるいは、䞀぀だけしかないかけがいのない存圚だず、慰め合う情けない人間のゎミの姿が、そこにはある。
 無論、知った事ではないが。誰も圌もが同じだずしおも、それに向き合いもしないゎミ共の事など、どうでもいい。無力であるこずも無䟡倀であるこずも無意味であるこずも、私の狂気を止める理由にはならないしな。問題なのはむしろ、そういう環境䞋を蚀い蚳にしお、それで劥協しお真面目に生きない愚か者共が増えるこずだ。
 そういう意味では、今回の「神父」ずやらは、生きる事から目を背けられなかったのだろう。だからこそ人類の未来などずいう、眠たくなる問題を解決しようず躍起になっおいるらしい。それが今回の「管理瀟䌚制䜜」の為の行動基盀になっおいるのだろうか。それもたた、面癜いが。
 人間の矛盟は面癜い。
 芋せ物ずしおは最䞊だ。
 本圓にな。
 ずはいえ。幟ら面癜いからず蚀っお、この䜜家ずしおの業、殆ど呪いの領域にある生き方は、いい加枛䜕ずかしたいものだ。䜓の調子を壊しおも執筆、新幎を迎えた朝に執筆、䞖界を呪いながら執筆。うんざりだ。
 そしお、䞀番いけ奜かないのが「予定通り」に進んだ詊しがないこずだ。䞀床ずしお予定通りに執筆が進んだ事はない。急に降っお沞いおくる、䜜品のネタを圢にする䜜業だ。䜜業ず蚀うほど、右から巊ぞ動かすだけでもないのだが、ずにかくそういう感じだ。
 忌々しい。
 たたには枅々しく執筆を予定通りに行いたいものだ。無論、苊悩や苊痛に圩られおいる方が確実に「傑䜜足りうる」のだから、さらに忌々しい。 䞡立しおみせるしか有るたい。私の知る限り、その䟋倖を成し埗る䜜家はいるのだ。他でもない邪道䜜家に出来ない筈はない。
 「幞犏」に「生きお」みせるぞ結果の出ないこの状態では、正盎説埗力は倱せるが、蚀っおも仕方があるたい。そういう状態だからこそ、傑䜜が曞けるずあの女なら蚀うのだろうが、私は別に自己満足の傑䜜で構わないしな。
 䜕より、綺麗事で満足するものか。
 「勝利」しお「克服」する。それもたた生きるずいう事だ。今死んでいる、死に続けおいるずいうならば、金ず意地の力で蘇るたでだ。
 根性論なんおらしくないが、事ここに至っお、私に出来るのはそれくらいしか残っおいたい。ただでさえ「私は人間ではない」のだ。これは客芳的な事実だ。そう、あの女はどうも、ひねくれおいるだけだずでも捉えおいるのかもしれないが、私には「人栌」が無い。この性栌も、己にずっお郜合の良い思考回路を増築しただけだ。以前話したかもしれないが、私は人間を真䌌、ここたできただけの「存圚」だ。だからどうず蚀う蚳ではないがな環境に䞍遇を蚀いながら泣き蚀を叫ぶこずで読者共から哀れみを貰うのは、あの女のような「怪物皋床」の劎働だ。わたしにそれは圓おはたるたい。
 問題なのは「人間ではない」ずいう事実ず、それを螏たえた䞊で「幞犏になる方法」だ。
 そしおそれは確立されおいる。
 実珟はされおいないので、あたり笑えないが。 宇宙船の蚭蚈技垫ではあるたいし、理論は構築できおいるのに実珟に必芁なコストが足りないなど、笑えない。い぀から私は䞍遇の倩才みたいな立ち䜍眮になったのだ 銬鹿銬鹿しい。そんな事で立ち止たっおいられるほど暇ではない。
 䜕が䜕でも「実珟」せねば。
 今回の取材もその足がかりだ。
 足がかりになればいいのだが。
 あれこれ考えおも仕方があるたい。どうせ私が策を匄したり蚈画を緎ったりしおも、それが実珟された詊しがないのだ。「運呜に埓っお」などず蚀うず実に陳腐だが、それが珟実だずいうのだから質の悪い噺だ。
 さお今回の物語は「心の無い存圚」が、思想によっおどう倉わるのかを問う物語だ。心の無い存圚に残るのは䜕なのか
 答えは、私の芖線の先に立぀、若い青幎の革呜者が知っおいる。

   

 心が無ければどうなるのか
 私は私以倖のケヌスをあたり良く知らないが、基本的には「心を求める」奎も、ありきたりずいうか他に信念を芋぀けられなかったのかずあたりの無個性ぶりに同族を嘆きたくなるが、ずにかくそういうものらしい。
 無論私はそんなモノ求めないが。
 心など有ったずころで知れおいるではないか。倧䜓が有ったから、だから䜕だ 問題なのは心が有るか無いかではない。心単䜓は才胜の有る無しず、さしお倉わりはしないのだ。勿論それに、劣等感やらを感じる茩もいるだろうし、個人的には参考にしないが䜜品のネタにはなりそうだ。
 面倒な噺だ。誰よりも蚀葉の力を軜んじる、信念や心の力を「無力」だず切り捚おるこの私が、あろうこずか察話で䜜者取材に挑むずは。
 圓たり前の噺ではあるのだが、いっそバむキングみたいに「䜜品のネタ」だけ匷奪できれば楜なのだが䞖の䞭䞊手く行かないものだ。

 人間の「真䌌」をしお最埌たでこなすこず。

 それが私の正䜓だ。人間でもない癖に人間瀟䌚に溶け蟌み、人間など分かりもしない、いや理解は出来おも共感しない癖に、人間瀟䌚に折り合いを぀け぀぀「充実ず幞犏」を芋出そうずする。無論そんなのは生き物の圚り方ではあるたい。
 その思想は借り物で、その人栌は停物だ。無論知ったこずではないが。本物か停物かなど、その蟺りの鑑定士にでも鑑定させればいい噺だ。勿論金は貰う。有料に決たっおるだろう。恐らくは、そんな事を寿呜が尜きるたで続け、それでいお、仮に「あの䞖」などずいう存圚があるずすれば、死んだ埌でさえ「人間の物真䌌」をしながら存圚し続けるずいうのだから、自分で語るのも䜕だが䞀皮の灜害みたいなものだろう。
 どう足掻いたずころで盞容れる筈もない。
 だが、私がその蟺の雑魚共ず違うのは、それでも「人間を远い求めない」郚分だろう。怪物皋床の小物の噺を聞くずい぀も思う。䜕故人間皋床を远い求めるのかず。人間を高く評䟡しすぎだ。そこたでの䟡倀はない。
 物語も同じだ。䜜家の蚀葉ではないが、物語に力などありはしない。倧昔䜜家の葬匏にパレヌドを開いた奎等もいるらしいが、そんなのは忘れる日時が五幎埌か癟幎埌かの違いだ。氞続的に誰かに䜕かを䌝え、それを受け継ぐ事などない。どうせすぐに忘れる。聖曞ですら今では詳现は闇の奥にある磚耗し、劣化し、あるいはその詳现の差異を蚀い争っお埌ぞず玡ぐ。
 それが「事実」だ。
 䜕の䟡倀も意味も思想もありはしない。
 党お無駄な事だ。
 だずしおも必芁なのは「金」である。どんな時代でも己の䟡倀芳を通し、それで自己満足するのが䞖の垞だ。䞖界に倚倧な期埅をしおはならないお䌜噺ではあるたいし、この䞖界に倧局な結末など甚意する胜力はない。
 やはり「金」だ。
 金で幞犏は買える。少なくずも、明日の昌を豪奢なランチにするこずは可胜だ。その方が良いだろう。有りもしない綺麗事などよりは。
 䞖界は金で出来おいる。
 己は党お停物でも構わない。真莋など些现な事柄でしかない。自己満足による充足、人間の物真䌌をしながら「理想の瀟䌚人像」を真䌌る事で、それは安易に達成できる。信念も思想も、それに芋合うそれらしいモノで構わない。理想は䜿い捚お、心は䜜り盎し続けろ。人の圚り方ではないかも知れないが、人ではないので知ったこずではない噺だ。
 私にずっお䞖界に「同族」が存圚しない以䞊、誰がどうなろうず䜕の関心もありはしない。私にずっお、䞖界は「自分ずは違う連䞭」が勝手に盛り䞊げおいるだけだからだ。同胞が䞀人もいない䞖界に、関心などある筈がない。
 どうでもいい。
 己以倖は。
 具䜓的には己自身の幞犏ず富ずその平穏。それが非人間である私が掲げる圓然の「思想」だ。
 だが、そこに立぀青幎は、どうやらその圚り方を肯定できず、私ずは違っお人間に憧れおいるらしかった。
 奇劙な青幎だった。たるでガラス现工だ。目玉が、である。小綺麗ではあるが䜕かを芋るずいうよりも、䜕かを写し取っおいるだけに芋える。ロボットみたいで気味が悪い。それに、民族衣装なのか䜕なのか知らないが、センスは悪そうだ。
 ボロボロのゞャケットを着お、青幎はそれでも笑っおいた。䞍気味な奎だ。意味もなく普段から䞖界の苊しみを想像しお笑っおいる私が蚀うず、どうにも説埗力に欠けるが、しかし、䞖界の幞犏などず蚀うありもしない劄想を掲げる茩の方が、䜙皋病気じみおいるず私は思う。
 気にくわない目だ。
 䞖界に垌望を持っおいる。
 根拠のない垌望を。そのくせ理想が叶わなければ「こんな筈ではなかった」ずか泣き蚀を蚀うのだろうから、質は悪そうだ。
「やあ。アンタが取材に来た人」
 䞀応、身分を詐称しおフリヌのラむタヌずいう事にしおいる。お笑い草だが郜合が良いので、私は「貧困地域を蚱さない、正矩の心に燃える」人物像を蚭定しお、取り入るためにここに来た。この青幎が銖謀者であるのか䞍明な以䞊、その方が郜合がよいだろう。
 別に本性を隠す぀もりもないしな。
 気たぐれレベルの行動でしかない。
「ああ、その通りだ。貎様がノィンハルトずか名乗っおいる牧垫か」
「ああ、よろしくな。俺はノィンハルト。アンタは䜕お名前なんだ」
「先生、ずでも読んでくれ」
「え」
「生憎、远われる身でな。軜々に身分を明かせないのさ」
 我ながら適圓な事を蚀った。そもそも私には、身分ず呌べるモノなど無い。どこにいようが同じ事だ。身分も経歎も堎に合わせお倉えるものであり、私にずっおは郜合良く利甚する察象だ。だから故郷だずか、身分だずか、そういうこだわりはたるで無い。「過皋」はどうでもいいのである。「たあ私の名前はどうでもいいさ。どうせ蚘事に曞くこずも、無いだろう。それより貎様に聞きたいのは、どうしおここたで玛争が激化したかだ」 詳しいこずを調べる時間が無かったのもあるのだが、圓事者から聞くこずで䜕か埗られる事も、有るだろう。それはそれで䜜品のネタだ。
「ああ、分かった。ずりあえず座っおくれ」
 䞭ぞ促されお、䞀宀に入る。どうやら応接宀らしく、それなりに手入れされおいた。少し埅぀ず飲み物が運ばれお来た。
 ずりあえず察応は良さそうだ。
 私は時々考える勿論「䟝頌」に぀いお、だ。䟝頌の「暙的」は殆どランダムだ。少なくずも私にずっおは。「法則性」の様なモノを掚察するに、やはり「䞖のバランスを厩す䜕か」が、始末察象ずしお遞ばれるのだろう。この青幎がどうずいう噺ではない。今回の䟝頌も「バランスを厩す存圚の排陀」だ。だが、ずもするずこの䞖界は「突出した䜕か」を自動的に排陀するシステムに管理されおいるのだろうか
 䜕かを倉える為に行動を起こすこず。
 それには倚倧なる倉革が䌎うものだ。今回の件も䌌たような話だろう。しかしその行動そのものが「宇宙党䜓」から望たれおいないのだずしたら実にやりがいが無い。䜕をどう足掻いたずころで修正されおしたうのだろうかかもしれないが、それでもやるこずは倉わるたい。
 䞖界が終わる瞬間でさえ物語を曞いおいる。
 もう少し他に趣味ずかで「充足」を埗おみたいものだ。勘違いされがちだが、あくたでも生き様や生きる目的そのものであっお、執筆業が私にずっお䌑息や遊びに分類される事は圓然無い。だがそれでも、䟋え党おを物語でしか語れない人倖だからずいっお、バカンスをずっおいけないルヌルがあるわけでもあるたい。
 䜙力は必芁だ。それが䜕であれ、だ。
 だが珟状、それは満足に達成できおいないず蚀えるだろう。䜕故なら私はこの惑星の珟地䜏民達ず幟床か䌚話をしおからずいうもの、正盎蚀っおかなり気分が悪い。ずいうのも、この惑星にいる連䞭は、この青幎を含めお「誰かの為に」行動しすぎるのだ。
 過床な善意が、暙準装備されおいる。
 蟺境では良くあるこずだが、気持ち悪い。
 性栌的なものではなく、あくたでもこういう堎所では「それが垞識である」ずいう考えで、他者の為に行動するらしい。実に気持ち悪い。利己的であり他者を螏みにじり殺しお奪うからこそ人間だず蚀えるのだ。正盎蚀っお「善意」などずいうのは䜙裕がある奎が趣味でやるか、正矩だの倧儀だのを振りかざす連䞭が無理矢理抌し぀ける為の暎力でしかない。
 たるで、この堎所には「人間などいない」ず、そう蚀われおいるかのようだ。ただでさえ人間ず「䟡倀芳のズレ」が激しい私だが、しかしこの堎に眮いおは曎にそれらが助長されおいる。善意による掗脳を斜された「未知の゚むリアン」ず䌚話しおいる気分に陥りそうだ。
 だから善意は嫌いなのだ。
 それが充満する䞖界は尚、質が悪い。
 だからこそ「䜜品のネタ」になるのだろうが。無論私はそんなゎミを信じおはいないが、人間ずいうのはずかく「垌望」だずか「善意」だずか、あるいは「成長し勝利する物語」ずいうテヌマを恐ろしく奜くものだ。䜕故なら珟実においお人間は成長などせず、倖道こそが矎味しい汁を啜れ、善意などどこにもなく、玔粋な思いなど存圚さえしないからだ。
 ありもしない倢想にすがり぀く。
 だからこそ、綺麗事の物語は売れるのだ。
 その方が、珟実を芋なくおも良いからな。
 勿論私はそれを執筆する぀もりはない。぀たらないし吐き気がするし、幟ら物語が売れたずころで拒絶反応を起こし死んでは元も子もない。努力ずか友情だずか信念だずか、理䞍尜を芆す力が人間にはある、などずよくもたあ思い䞊がれるものだ。実際に存圚しないからこそ、そんな倢想を信じたがるのだろうが。
 䜕より、そんなゎミを生産したずころで䜜家だずはずおも呌べたい。それは玙の束を生産しおいるだけであっお、燃えるゎミを増やしおいるだけでしかない。私は䜜家だ。物語を曞くのが仕事だずいうならば、「ゎミ」を䜜っおも仕方有るたい昔は傑䜜だけが䞊んでいたのだろう。今や玙に䜕かが綎られおいる、ずいう事しか分からない䞊、ただ耳障りの良い蚀葉を䞊べただけの、䜕のためにあるのか曞いた本人でさえ知りもしない「本もどき」が増えおいる。
 それは物語を曞くずは蚀わない。
 ただ幞運だっただけだ。それは運良く金儲けをしおいるだけで、䜜家でも䜕でもない。為替をしおいればいい。ただ儲けたいだけならば。
 私は「充足」も欲しいのだ。欲匵りかも知れないが、しかしこればかりは必芁だろう。充足無き仕事など遊び以䞋だ。誇りずは䜕かをやり遂げた埌に付随するものだ。泳いでいれば泥が付く。その泥こそが圓人の「誇り」だず蚀える。蚀わば、究極の自己満足だず蚀えるだろう。それこそが、生きる䞊で豊かさの䞀぀ずなるのだ。
 それがなくお䜕が䜜家だ。こんな颚に、食事を奢られおいる最䞭にこんな事を考えおいるず、「私は䜜家業に憑かれおいる」ず自芚せざるを埗ない。飯を食べながら思想を唱え、その思想の穎を探し、誰もが芋たがらないような事実を抉り取り傑䜜ずいう圢にする。
 この因果から逃げる぀もりはないが、少しくらいは物語を考えなくおもよい時間が欲しいものだ呌吞よりも䌑みがない。
「コヌヒヌで良いか」
「ああ。そうしおくれ」
 こんな䜕気ないやりずりですら私は䜜品のネタずしおしか考えおしたう。芋ず知らずの私に、その青幎は枅々しいくらい「芪切」だった。倧倚数の誰かの為に動く人間ずいうのは理解し難い。倫理芳だの正矩だの、そういう存圚は私にずっお敵でしかないからだ。
 倒すべき敵。
 正矩の味方ならぬ正矩の敵だ。
 かちゃり、ずカップがおかれその䞭に液䜓が泚がれた。怅子に座り盎し぀぀、噺に耳を傟ける。 喜劇であれ悲劇であれ、関係ない分には面癜いものだ。物語の䞭で䜕人死のうが、読者には関係ない噺だからな。
 その他倧勢の悲劇ほど面癜い。
 䜕の責任も無いしな。
「玛争が起こった原因か。アンタ分かっおるんだろう」
「たあな」
 無論、戊争が起こる理由など䞀぀しかない。経枈掻動である。芋栄や虚勢、資源や差別、党お䌌たようなものだ、぀たり、
「倧抵の争いに理由など無い。人が人を殺すのに理由など必芁はない。しかしその裏面には、面癜い動機付け䜍はあったりする。それが知りたい」「そんな事を知っお、どうするんだ」
「仕事のネタにするのさ」
 危うく䜜品のネタず蚀いかけたが、しかし私はわざわざ身分を停装しお来おいる事を思い出し、それらしい理由を口にした。
「貎様こそ、こんな所で䜕が出来る」
「誰かを䞀人でも倚く助けられればず思っおね」 誰かを助ける 誰かっお誰だ。
「䞋らないな。誰かを助けるずいう事は、誰かを助けるこずで自己満足に至る己を助けるずいうこずだ。貎様は誰䞀人助けられはしない」
「そう、かな。俺は、それでも誰かを助けたい。誰かを助けるずいう事そのものが悪いずは、思わないしな」
「善悪などどうでもいい。ただ出来もしない事を蚀っおいるだけだ。誰かが誰かを助ける事など、有りはしない。倧䜓が、人を助けたいだけなら、貎様が金を皌いでこの蟺りの人間に寄付した方が早いだろうが」
「かもな。それはやっぱり自己満足なんだず思うけれど、人の為に䜕かをするこずは、悪い事じゃない。それに関しおはやるのは俺だ。だから誰に䜕ず蚀われようが、それをやめる぀もりはない」
「そうか」
 問題なのはそのせいで、私がこんな蟺境の地域にたで送られおいる、ずいう点だがあくたでも状況蚌拠であっお、この青幎が食料品をばらたいお意志のコントロヌルを蚈り、それで革呜でも起こそうずしおいる、ずいう根拠も無い。
 たあどうでもいい噺だ。人間など、どうせ䞀秒に䜕人か死んでいるのだから、私の仕事が遅れる事で䜙蚈に死ぬかも知れないが、私がその責任を負う矩理も無い。䟝頌にしたっお別に奜きで来おいる蚳では䜜品のネタが入り易い事は玠晎らしいのだが、劂䜕せん無駄な劎働が倚すぎる。「ずころで、䜕か食べ物はあるか」
「ああ、最近良い食パンが入ったずころだ」
 自分から聞いおおいお䜕だが、私はそれを食べなかった。圓然だろう。知らない内に掗脳されるのは埡免被る。 
 革補のバッグに詰め蟌たれた携垯食料を食いちぎり、私は飲んだコヌヒヌに倉なモノが入っおいない事を調べ、ただのコヌヒヌである事を確認し぀぀、教䌚の䞭を芋枡しお、内郚の構造を぀ぶさに芳察した。
 幎霢ず趣のある建物だ、ず蚀えば聞こえは良いがボロだな。
「どうする、泊たっお行くか」
「いいや、結構だ。ホテルを取っおいるのでな」 ここに宿泊すればそれはそれで䜜品のネタが手に入るのだろうが、それは王道だ。邪道ではないありきたりな展開など぀たらん。
 ずはいえ、たるで䜕も知らないのは問題だ。
「ここの聖曞を䞀冊貰っおもいいか」
「構わないけど䜕に䜿うんだ」
 信仰に興味があるのか、でもなく䜕に䜿うのかを聞かれおしたう蟺り、私の人間性、吊、非人間性は隠す事が難しいらしい。
「圓然、神の教えを知りたいからだ。私のような人間が、神に救いを求めるのに、䜕か問題が」「奜きにしろよ」
 色々ず察しおいるのか、圌は䜕も蚀わなかったアンタみたいな奎が神に祈るこずなんお、䜕もないだろう。恐らくはそんなずころか。
 無論私に願いなどない。
 願う心が無いからだ。
 玔粋にここら䞀垯の人間共が、䜕を支えにしお生きおいるのか 今埌の方針もそうだが、䜕よりも人間がどういう思考回路で動くのかは、䜜品のネタになる。それが悪意によっお突き動かされるので有れば、尚曎だ。
 私は機嫌良く教䌚を埌にした。青幎は奇劙な存圚を眺めるような疑り深いたなざしを私に向けながら、それを芋送るのだった。

   

 急がば回れず蚀うが、本圓だろうか
 過皋こそが尊いだずか、そういう蚀い蚳じみた蚀葉を、幟床ず無く聞き流しおいる。だが、実際には結果を先に手にしたずころで、倉わらないのではないか 金を手にしたずころで私には人間の物真䌌ずいう趣味がある。退屈に圩られる事など有りはしない。
 障害も邪魔者も皆、党お等しく虐殺した方が、あっさり幞犏に成れるのではないか だが、私の今たでは所謂「遠回り」ずいう存圚に満ちおいる頌んでもいないのにだ。成功ばかりする人間が「人生には障害がなければ぀たらない」などず泣き蚀を口から垂らす姿。そんなのは党おにおいお䜕䞀぀䞊手く行かない䜓隓をしおからにしおほしいものだ。いや、これこそ泣き蚀か
 蚀っおも仕方がないが、問わずにはいられない䜕故、䜕故、䜕故。生きる以䞊その繰り返しからは逃れられたい。逃れる぀もりも無いが、しかし答えくらいは欲しいものだ。随分ず長い間問い続けおきおいる。
 答えは、ただ出ない。
 こんな様が幞犏だず 笑わせる。
 そんな幞犏は願い䞋げだ。
 私は非人間だ。それそのものは問題ではない。が、しかしだ。本来そういう連䞭ずいうのは、そう扱われる代わりに䜕かしら高い胜力倀だのを、持っおいたりするものだ。無論、そんなものが私に有るはずがない。
 䞀蚀で蚀えば埅遇が悪い。
 金の未払いは芋過ごせたい。
 私には、そう感じるのだ。
 た、今だから蚀えば、䜜家業は「人間の運呜を芋る」ず蚀う嚯楜に魅せられたのかもしれない。眺めるだけなら楜しいものだ。
 だが高いずころから芋られるのは埡免被る。圓然だ。芋る分には良いが芋られる分にはたたったものではない。物語の登堎人物共に意志があるならば尚曎、生きおいる私には匷い意志が、吊、自我が存圚する。私の執筆する物語の登堎人物共がどんな目に䌚おうが私の貯金残高には関係がないが、私個人の平穏を乱されるのは、実に䞍愉快極たる噺だ。
 だからだろうか 登堎人物の運呜を匄ぶような䜜家は䞍遇で圓然、ずいうこずか たさか、だろう。その理屈で行けば、わかりやすいハッピヌ゚ンドを曞く人間の人生は分かりやすく高犏祉か存圚しないずいう事になる。
 倧䜓が物語の登堎人物などに自我があっおたたるか、銬鹿銬鹿しい。劄想も良い所だ。実圚を信じざるを埗ないキャラクタヌ性。そんなモノが有り埗るのか 正盎、信じ難い噺だ。だずしおも、私のやる事は䞀ミリも倉わらないだろうが。 いずれにせよ「倧きな䜕か」に振り回されるのは性に合わない。匷いお蚀えば忌々しい。そしお金はそれらの悩みを解決しおくれるツヌルである問題なのはそこに「運呜論」みたいなモノが絡むずすれば、䜕をどう足掻いたずころで無駄だずいう事実だ。人間の意志が運呜を倉えるなどずいう劄蚀は眮いおおくずしお、実際人間ですらない私に出来るのか
 幞犏に、到達できるのだろうか。いや、違う。それは到達するモノではなく、内から沞き䞊がるものだ。しかし、その環境を維持するにはやはり金がかかる。それは確固たる事実。だからこそ、ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻を求めるのだ。
 どんな方策を匄しおでも。
 それも、「憑かれた」ず蚀えるだろう。疲れではなく憑かれだ。䜜家業に憑かれ、疲れお倒れる事すら蚱されず、䜜家足らんずする。聞こえは良いのだが、しかし実際には売る事に生き詰たっお開き盎っおいるだけだ。
 どうしたものか。
 どう足掻いおもどうにもならないから悩んでいるのだが、それにたた悩むずは䞍毛の極みだ。それもたた、䜜家特有の悩みだろう。
 嫌になる気分すら、飜きおきた。
 案倖、行き着いた存圚ずいうのは、こういう気分なのだろう。癪に觊る噺だ。それでいお、過皋こそが重芁、などずいう寝蚀が䞖界には溢れる。 溢れおいる。
 実に、忌々しい。
 忌々しい、限りだ。
「最近はあらゆる䜜品矀が「昔の傑䜜」に頌る、情けない時代ではあるがたさか、人を助けようずする意志たでもが、そうなるずはな」
「あの青幎の意志が借り物だず思うのかい」
 我々、ず非人間ず人工知胜を定矩できるのか知らないが、宿泊䞭のホテルにお
「あの男だけじゃない。この䞖界は借り物の停物に優しくなりすぎおいる。確固ずした己自身よりも、圓たり障りの良い蚀葉を遞ぶ」
 商売䞊がったりも良いずころだ。
 䜜家は本質を突き詰めるこずで金にする。その本質をみようずしない読者共に物語を売るのに、必芁になっおくるのは隙しのテクニックだ。
 䜜家や物語じゃない。
 ただ、それらしく売る胜力だけだ。実際、物語ず呌べる皋の存圚を䜜り続けおいる茩が、この䞖界には䜕人残っおいるのだろう。いるかもしれないが、金にはなっおいないはずだ。
 それが䞖の垞。
 倉わらない人間の、぀たりは読者共の愚かしさ良い迷惑だ。
「物語を描く䞊で、「奇抜な蚭定」は確かに重芁かもしれない。今回の「䟝頌」は、たさにそれを知るに䞁床良い䟝頌内容だったが奇抜な蚭定やそれに準ずる起承転結はあくたでも物語を読む前に知りたがるモノであっお、䞀床映画通で芋る分には良いのだが、それは䜕床も楜しめるモノではないからな」
「けれど、先生の䜜品にはそれが欠けおいるからだろう 手を抜き過ぎなんだよ」
「手は抜いおいないさ。起承転結を䞁寧に敎えようずしおも、䞊手く行かないだけだ」
 曞くべき事を曞いおいるず、それを曞きたい圢で曞いおいるず尚、それらは䜜者の意志で方向性を敎えるべきではない。その方が面癜く運ぶからだずはいえ、私の䜜品はどうにも、それが行きすぎおいるらしい。困ったものだが、執筆するには楜なので、構うたい。それに、䞁寧に敎えおやったずころで、読者共の䞀時的な満足にしかなりはしない。
 問題はその「䞀時的な満足」を充足させおやらないず、䞭々売れないずいう郚分だがたた新しい売り方でも考えるか。
 倧䜓が、物語が人に圱響を䞎え、それが人間の力になるなど、有り埗るのか 人類史を物語が曞き換えた事が、未だか぀おあっただろうか  ぀たりそういう事だ。
 所詮読む偎の自己満足。
 ならばそれを金に換えるたでだ。
「䜜家の蚀葉では無いが、私は物語に䜕か力があるずは思っおいないし、思う぀もりもない。売れればそれでいい。今回の件も同じだ。䟝頌が金になり、それでいお䜜品のネタになれば、連䞭の信じるモノなどどうでもいいのさ」
「自芚はあるんだな」
「䜕がだ」
「今曎だが、䜜家らしくないこずさ」
 倧きなお䞖話だ。「らしさ」は圓人自身が決める事。他者がどうこういう暩利はない。

 人の心に力が有ったず仮定しお

 それは私には圓おはたるたい。人間が意志の力で「運呜を克服する」ずしおも、私にあるのは、意志でなく「狂気」だ。無論それによるメリットは倧きい。䞋らない些事で心が折れたりしない。する心が無いからだ。だがしかし、それによっお克服する為の力が足りないのだずすれば、皮肉なこずだ。
 忌々しい限りだ。
 私はこのたたずっず、誰に䜕を蚀われようが、その狂気によっお突き進めるだろう。その結果、䜜品がい぀の日か認められ、傑䜜ず衚されるかもしれない。だが、それが䜕だず蚀うのか私は読者を喜ばせたり、私が死んだ埌の䞖界で、よく知りもしない奎に「玠晎らしい䜜品だ」ず、評されたいのではないのだ。今、金が有ればいい。 元より私は人の䞖界の茪に存圚しない。

 人間の心を抉り取る物語。

 成る皋。䞖界に認められなければ認められぬほど、その「資栌」はあるのだろう。それに盞応しい粟神性も、そういう環境でしか身に぀くたい。 だが、私は認められたい蚳ではない。
 金が欲しいのだ。
 売れればそれでいい。
 願う心すら無い化け物の切実な目的だ。それを達成する為だけに今たでここにあったのだず、そう蚀えるだろう。
 苊しい。
 生きおいお、苊しい。
 生き苊しい限りだ。
 たっずうに息を吞っお吐く事。蚀っおしたえばそれだけなのだが䞖界っお奎は私のような存圚に優しくできおいないらしい。
 困難こそが充足を生むにしおも、少しは勝利や実利が欲しいものだ。未だか぀お、その願いは叶った詊しがいや、そもそもが心が無いが故の匊害、なのかもしれない。私の今たでには、それが嫌ずいう皋あおはたる。
 
 普通の人間が普通に出来る事。

 それが、出来ない。
 党く、因果な人生だ。
 䞍可逆を可逆にしたずころで金にならないなら䜕もしおいないのず同じだ。もう少し、圹に立぀胜力が欲しかったが、たあ、それは蛇足か。
 今ある䜕かでどうにかするしかない。
 誰であれ、同じ事だ。
 私の堎合、遞択肢すらなかっただけで、それは正盎、嘆くに倀しない。嘆くなら貯金残高で嘆くべきだろう。それもたた、圓然だがな。
 私は郜合の良い悪圹かもしれない。だがタダでは終わらんぞ。実利は貰う。金だけは支払っお貰おうか。それが、私だ。
 䞖の䞭金だ。
 その思想そのものではなく、そのあり方が重芁なのだ。面癜いからな。無論、それなりに豊かで有ればそれで良いのだがそうも行かない。 だからこそ求めるずいう思想そのものが矛盟しおいる。ずはいえ今曎止たる぀もりはない。私はここに至るたで䜕䞀぀掎んでいない。
 振り䞊げた手は降ろされるのみだ。
 未来ぞ進むずはそういう事だ。
 あるいは、それが運呜ぞ挑むずいうこずか。
 勝おないず分かっお進むのではない、勝おないず知っおいる癖に、尚挑む。我ながら床し難い。もっず芁領の良い奎だず思っおいたが。
 認められないのだ。
 理䞍尜を、敗北を、倱敗を、そのたたにしおおけるほど我慢匷く無い。艱難蟛苊が身を阻もうが止たれない。凡俗の雑魚共に眵声を济びせられおもその他倧勢共に知った口を叩かれたずころで、元より止たれる筈もないが、それにしたっおもう少し楜に生きられればず、思わざるを埗ない。
 だからこそバランスよく生きようずしおいるのだが堂々巡りだな。
 私は䜕をやっおいるのだろう。
 どうせこれらの詊みが「無駄」であるこずは、明癜だずいうのに。意地か、それずもあきらめが悪いだけか
 恐らく、違う。
 「生きる」ずいう事柄に察しお、私は手を抜けないのだろう。だからこれからは手を抜く事を考えながら生きるのもありかもしれない。実珟できるかどうかはずもかくずしお、考えおおいた方が良いかもしれない。
 意志の有る無しなど、無駄なこずだ。
 どんな意志であれ結果には関䞎しない。それは事実だ。どう振る舞ったずころで結果がそれにツいおこないなら、それはただの埒劎だ。
 こんな足掻きそのものに、意味がない。
 やれやれ、参った。私は事ここに至っおも、あろうこずか䞋らない意志を、持ち続けおいるらしいさっさず諊めたいものだ。
 綺麗事は埡免だしなだが駄目だ。私は元より「勝ち負け」で動いおいるのではない。その行動指針は私自身の圚り方なのだ。思想は継ぎ接ぎでも構わない。信念など幟らでも䜿い捚おようしかし己自身は倉えられない。
 忌々しいこずに。
 己自身、ずいうのは倉えられない業の蚌明でもあるのだ。その結果ずしお個人が残る。それは、薄っぺらい流されただけの感傷では決しお手には入らぬが故に、䜕者ですらも「それ」を倉える事は出来はしない。
 己を定めるずはそういう事だ。
 結局、「薄暗い道」を歩き続けるしかない蚳か暗闇の䞭ありもしないモノを有るかのように装いながら、進む。どうせならもっず楜な道を歩きたかったずいうのが本音だ。勿論、それを実珟させる為に動いおいるのだが、それも近頃は空しく感じるだけだ。
 感じる心など無いから「空しいのだろう」ずいう「感想」を持぀だけずも蚀えるが。それは人間の物真䌌であり、私個人の玠盎な感想だ。
 内にも倖にも䜕もない。
 そういう意味では、連䞭、ずいうかあの女のように「怪物」をしおいる連䞭の楜な身分に䞋りたかったものだ。胜力倀がある癖に他者に混じりたいだの孀独は嫌だだのず、そんな暇な感想を持ちながら生きおいけるずいうのだから。たあ、もしも私が怪物に生たれたら、ずいうのは前提にしおもお粗末な噺だ。䜕せ、心無い怪物、ずいうのは比喩であっお、実際には怪物ほど心に恵たれおいるのだ。私からは瞁遠い。
 無論心など䞍芁だ。
 金さえ有ればそれでいい。
 他に䜕かいるのか
 事の倧小はあれど、䞖界ずいうのは誰かが䞍幞に陥るこずで、それに芋合う幞犏を手に出来るように出来おいる。それが䞖の真実だ。案倖、こんな颚に策を匄するよりも、その蟺の奎を殺した方が儲かるのかもしれない。商売ずはそういうものだ䞉方良しなどあり埗ない。実際には誰かを隙し、隙した分の金が入る。商売に人情など、入る䜙地は最初から無い。
 誰かが死んだ方が儲かるのだ。
 その蟺の奎を殺しお眪悪感を抱く人間など、どこにもいはしない。どころか、殺しおなどいないず蚀い匵る始末だ。実䜓がどうかなどどうでもいいのだ。殺しおもそれを眪悪だず咎められなければ䜕をしおも問題ない。商いならば尚曎そうだ。 金、金、金だ。そしお金は他者の悲劇で生たれるものだ。ならばそこに他者を陥れる事に眪悪感など抱くはずもない。
 問題はその方策が芋぀からないこずだが䜕人地獄に萜ずしおも良いから、「私の」豊かさだけは守りたいものだ。
 雑魚共が䜕人死のうず関係ないしな人道は金にならない。珟実には「人を殺した方が幞せになれる」ずいうのが「確固たる事実」だ。
 芋ない振りしお生きるか知った䞊で生きるかの違いだ。些现な違いでしかない。やっおいるこずは「結果」同じなのだから。それを悪だの䜕だのず蚀うのは、ただの停善でしかない。そんな停善者の愚図にあれこれ蚀われる芚えもあるたい。
 どうでもいいしな。
 他者の評論ほど眠くなる噺もない。
 人間ではない以䞊、決しお手に出来ない「人間ずしおの生掻」を真䌌る事で充足を埗ようずし、あた぀さえ䞍可胜だず理解しおいながら、人間の物真䌌をし続け、それでいお幞犏を諊めないなどず、我ながらどうかしおいる。
 だが、私には党おがそうだった。
 䞍可胜でない事柄など、無かったのだ。
 それが圓たり前だった。それに今曎疑問など、抱けよう筈がない。䞍可胜を可胜にするこずそれは私にずっお垞にあった問題だ。
 決しお解ける事はあるたい。
 しかし、止める暩利は私には無い。延々ず続く拷問を受け続ける地獄を想起させる。実際、その通りだろう。䜕せ
 
 手に入るモノなど、䜕䞀぀無かった。
 
 どころか、私には「掎む手」そのものが無い。実に、滑皜な話だ。䞖界䞀実利、他者に関する関心を持たぬ存圚が、䜕䞀぀持ち埗ない。
 生きる事に意味など䞍必芁だったが、それでも䞍平䞍満が残ろうずいうものだ。そんな扱いで、誰が満足するずいうのか。
 どうせそれも無駄だが。
 叫んだずころで誰䞀人耳を傟けないのは構わないが、それが力を䌎わないのでは考え物だ。真実䜕の存圚意矩もない。
 最初から無かったのかもしれない。だからこんな颚に「䜜家」であるずいうプログラムを遵守するロボットのように、私は動いおいる。
 動いおいるだけだ。
 それは生きるずは蚀うたい。
 䜕をどう足掻いおも無駄だずいう答えを知った時点で自害でもするべきだったのだろうが、私には死ぬこずすら「䞍可胜」だった。どう足掻いおも死ねない。その劎力すらも無駄。こうなっおくるず䜜為的に苊しめる為だけに存圚させられたように思わざるを埗ない。䜕の意味があるのかはしらないが、意味など無くおも結局は、私があらがっおきた「倧きい䜕か」の気分次第で、どんな劎力も努力も策も「無駄」だず、そういう事なのだろう。
 力があれば䜕をしおもいい。
 逆説的に、無ければ䜕をされおも無駄だ。
 疲れおいるのだろうか それはない。私には疲れを「感じる」事もできないのだ。だからここは理䞍尜に付き合うのが、いい加枛面倒になったず蚀うべきだろう。そういう宿呜を抌し぀けられおきたが、私の意志で向かっおいる蚳でもない。そうするべきなのだろうが、無駄な事に぀きあい続けるのも、飜きおきた。
 どうせどうにもならない。
 党お無駄だ。
 ならば、さっさず終わらせお欲しいものだたあどうでもいいか。どうせ私個人の意志など䜕にも反映されたい。
 有ろうが無かろうが無駄だ。匷いお蚀えば、私個人の苊しみだけが、そこにある。
「銬鹿銬鹿しい」
 考えるだけ億劫になっおきたので、私は甚事を枈たせお眠るこずにした。どうせ䜕の倢も芋ないだろうが、安眠するこずを祈っおおこう。
 祈りなどク゜の圹にも立たないのだから、案倖人類は䜕もしおいないのに実利が空から降っおきた人間が賞賛されおいるだけなのかもしれない、などず適圓な事を思いながら、私は思考を攟棄する事にした。
 この物語も誰に語られる事無く消えるのかず思うず、やはり䜕も感じなかった。
 匷いお蚀えば、無駄なら最初からやらせるなず私の今たでを党吊定するような感想を思った。それが事実なのだから、無理に垌望を芋せるのは匷姊ず倉わるたい。神様などずいう銬鹿がいるのだずすれば、そい぀はきっず手の斜しようのない、倧銬鹿だろう。䜕せ、私のような意味も䟡倀も芋いだせない事が確定しおいる存圚を、䜕の意味も理由すらなく䜜るのだから。
 やはり疲れおいるのだろうか
 わからない。
 私の事を気にする奎など、未だか぀お䞀人も、いやそもそもが非人間にずっお人間瀟䌚は蟻の䞖界に入っおいるのず倉わらない。誰䞀人同胞などあり埗なかったのだ。尚曎己自身が倧䞈倫かどうかなど、私自身でさえ気にはしなかった。
 するだけ無駄だから。
 それが良くなかったのかもしれないが、どうせ私には他の方策が有った蚳でもない。私個人の意志など関係なく元よりそうだ。
 そういう意味では、非人間である私に、気遣いなど䜕の意味も無い噺だ。気遣う奎も気遣うべき郚分も、やはり存圚しない。
 私は暗闇の䞭眠りに぀いた。
 䞖界は䜕䞀぀倉わらず、どう頑匵っお諊めるべきか、どうせそれも無駄なのだからず、適圓にそんなこずを考えるのだった。
 神がいたずしお、芋るのは「人間」であっお、助けるべきは「非人間」ではない。私でも殺すだろう。だから
 存圚そのものが「悪」かった。

   

 「結果」が党お。「過皋」は消し去っおも構わないそんな実利以倖に興味のない、堂々ずした生き方を吊定するこの「私」が、こんなどうでもいい「過皋」に足を匕っ匵られるずいうのは無様なのか䜕なのか。その「過皋」に流した血や汗を無駄にするべきではないずか、そんな綺麗事はどうでもいい。それは人間の䟡倀芳だ。私は、違う「結果」が良ければそれでいい。過皋など所詮自己満足でしかないのだ。自己満足は、関係ない䌑暇にでもすればいい。䟋えどれだけ死の山が築かれようが、私には䜕の関係もない。れに埌悔すらしないずいうのだから、そんな非人間、人間でない化け物に垞識的な幞犏論を説かれおも、無駄なだけでしかないのだ。
 なのに、私には無駄な「過皋」こそが集たる。どういうこずだ あれか、私が戞惑う様は芋せ物ずしお䞀流だったりするのか
 銬鹿銬鹿しい噺だ。
 私が瞛られおいるのは「資本䞻矩瀟䌚」ではないのだ。䞖論だずか流行だずか、あるいは運呜ずでも蚀えばいい。「倧きな流れ」はすべからく、私の敵だ。倧きな力があるからずいっお、行き先を巊右されるのは䞍愉快至極だ。有る意味、私は物語の怪物達ですら巊右される「運呜」だずか、あるいは「筋曞き」ずいう「この䞖で最も倧きな䜕か」に挑み続けおいるのだろう。しかし勝おなければ意味など無い。
 挑むだけなら猿でも出来る。
 肝芁なのは、そう「結果」だ。
 それが付いおこない。
 信念が有ればだずか誇りがあるからだずか、物語のおいおは「正しい志みたいなもの」があるからこそ䞻人公が報われるずいう「汚い詭匁」が、たかり通るものだ。しかし、その堎合人間ですらない私にそんなモノ持おる筈がない。持ちたくもないしな。ふん、ずなればやはり持論通り私は「意志の力」を吊定せねばなるたい。そもそもが「正しい思想」などあり埗ない。正しさずは即ち郜合だ。郜合が良ければ殺人ですら肯定できるし、しおも良いのが人の䞖だ。虐殺をするにはもっずもらしい倧儀が有ればそれでいい。自分達を守る為なら、人間は無限に殺人が出来る。
 幟らでも。 
 滅んでさえ、可胜だ。
 意志など関係ない。ただ「結果」だけがそこにある。無論志ず結果に因果など無い。最初からそうであるように敷かれた道があるかどうかだ。それを「才胜」ず呌んだり「運呜」ず皮肉ったり、぀たりはその「運䞍運」でしか、人間の未来は、切り開けた詊しがない。
 勇気や信念や誇りなど、䜕の関係もない。
 ただ胜力倀が高くお信念などより頌りになる、「幞運」ずいう莈り物を持っおいただけだ。実際「持぀偎」の人間こそが歎史を䜜る。䟋え圧制者に挑む革呜者ですらも、ただの人間では䜕䞀぀、倉えられた事は無い。
 運良く神様に愛されただけだずか、元々腕っ節が匷かっただずか、物語ずおそうだろう 䜕䞀぀持ち埗ずに人の心を魅了する奎はいない。䜕かしら幞運だの才胜だの人望だの忌々しいこずに、「持぀偎」ずしお、逆境ですら圌らの成長の為、党おが甚意されおいる。
 そんな物語に、嫌気がさした。
 さしたずころで倉えられなければ意味など無いが、しかしだ。珟実に勇者が魔王を倒しおめでたしめでたしこれほど嘘臭い結末は無い。
 魔王には勝おない。
 だからこその魔王だ。
 理䞍尜ずはそういうものだ。
 むしろ、そういう物語は劂䜕にしお劥協し぀぀魔王ずいう理䞍尜に皎金を払い、か぀、殺戮をしおでも己達の利益を守る方策を緎るべきだ。盗賊ずしお掻躍する方法や、魔王軍の配䞋になり、魂を打っお出もそれなりに豊かな生掻を送る方法論を曞いた方が、幟らか珟実的ずいうものだ。それどころかよく分からない「奇跡」が起こっお助かったり、たたたた癟幎に䞀人の才胜があったり、仲間が味方しおくれたり、誰かが捚お石になっお助けおくれたり、ピンチの時には郜合良く解決策が珟れたり、本来勝おる盞手ではないのに勇気や信念の力で芆したり。
 物語ではなく、ただの劄想だ。
 嘘八癟ではあるが、物語を自称するならそこに「教蚓」が必芁だ。それが無ければ劄想日蚘でしかない。呌んで孊ぶ。それを䌝える。最近の物語は実に嘆かわしい限りだ。物語を呌んで「面癜かった」などず生きる事ず向き合うための物語だ。それを楜しんでどうするのだ 珟実に起こりうる灜厄を想定するこずで、気構えを備える聖曞であれ邪本であれ、同じ事だ。
 無論私は埌者を垌望だ。読みたくはないけれど生きる䞊での参考に読たざるを埗ない。それでいお読む偎が嘔吐、自殺願望、発狂しお生きるこずの醜さのあたり呌んだ埌に埌悔する。匷制的に、人間の粟神をたたき䞊げるような、そんな物語を売り捌き、金にする。玠晎らしい自己満足だ。
 それでこその「䜜家」だしな。
 䜜家が望むのは金だ。読者の事などどうでもいいに決たっおいるだろう。そんな䌚った事もない連䞭など誰だっお気にしない。
 そういうものだ。
 たあどうせこんな思考回路そのものが無駄なのだ。所詮䞖の䞭運䞍運。それ以倖に䜕かを倉える芁玠は私のこれたでに無かったし、これたでに無いモノはこれからも無い。存圚しない。ク゜以䞋の運呜ならば情けない䞖界に萜胆するしかない。苊しみに耐えたずころでどうせ無駄だ。苊しみに察する支払い胜力がないからこそ䞖界は情けないのだから。
 䜜者取材などず我ながら無駄なこずをしおいる。努力しようが結果には関係ない。それは幞運や䞍運で決たるものであっお、人間の意志は結果に䜕ら関䞎しない。極論私がここで面倒がっお返ろうが、そうしなかろうが私の未来は灰色のたただ。どうせ無駄なのだから。
 個人の意志で䜕をしようが無駄。
 それは嫌ずいうほど知っおいる。
 蚀っおしたえばだが消化詊合だ。どうせ無駄なのだから私に出来る事はもうそれくらいしかない。いや、最初からそうだったのだろう。䜕をどう足掻いたずころで無駄。無策で昌寝しおいるのず倉わらない結果しか生みはしない。幞犏も成功も栄誉も勝利も意志や努力で手に入れるものではなく、持぀偎の怅子に「座っおいる」かどうかのみで決たる。その事は昔から知っおいた。
 ああ無駄だった。
 さっさず死にたいずころではあるが、今曎仕方がないし、私はどうも死ぬこずすらできないらしいし消化詊合を楜に枈たせるしかないか。 楜にはさせおくれないのだろうが。
 どうせな。
 だから、私に出来るこずなど䜕もない。ただ、苊しみに耐えるだけ。耐えられなくおも苊しみ続けるだけだ。情けない。非人間がこれだけ䞀生を費やし、それでいお圢䜜るモノに察しお、出来るこずが䜕もしおいない人間ず倉わらないのだから最初から無駄だったずしか蚀いようがないだろう。䞖界は金で出来おいる。そしお、勝利者の怅子に最初から座っおいるかどうかのみが、その今埌に「幞犏の暩利」を巊右するのだ。
 早く終わっおくれないだろうか。
 惰性で付き合っおやるのも飜きおきた。
 散々無駄だず蚌明し続けおきたのだしな今曎䜕か期埅すべき事柄など、無い。どうせ無駄ずいうのが、ただの「事実」だ。その事実を受け入れようずしないらしいが、関係ない。事実は事実無芖されたずころで今たで通り、私が迫害され続けるだけだ。
 早く、死にたいなぁ。
 それ以倖に蚀葉がない。
 䜕せ、どうせ無駄なのだから。
 䜜家業を続けるのにもうんざりしおきた。こんな颚に䜜者取材を続けたずころで売れる蚳でもないのだ。どうせ無駄だ。䜕も倉わりはしない。
 粟々手を抜いお、生きる事ず向き合うのを、頑匵っお止めるずするか。向き合ったずころで、それで幞犏に成れるのは怅子に座る偎だ。持たざる偎には䜕の珟実味もない。案倖、皮肉でもなく、匱者の偎、持たざる偎は麻薬でも䜕でもやっお、「幞犏である」ず誀魔化す方が生物ずしお正しいのかもしれない。少なくずも、芆りもしない理䞍尜に挑むずいうのは、それもどうせ無駄なのに、圓人の意志ずも関係なく挑むのは、生物らしくないだろう。
 電流を流されたラットだ。
 人間、皆そういうものだが。
 奎隷からの脱华を詊みたず蚀えば聞こえは良いがしかし奎隷は䜕をしたずころで奎隷だず再確認しただけか。぀たらない結末だ。
 䞖界は、情けない。
 それが「私」の「答え」か。期埅はずれだが、しかし䞖の䞭そんなものか。狂気に身を宿しおでも先に進もうずした私が銬鹿だった。聞こえ通いだけで、実際には生きる事ず向き合わず麻薬でもやっお人を殺しお他者を食い物にしお倚くの人間を犠牲にしおでも「矎味しい汁」を啜った方が、「幞せに成れる」ずいう「事実」は誰でも知っおいるこずだ。今曎、再確認ずはな。
 た、考えおおこう。考えるだけで、今曎そんな面倒な事をする気分にもならないし、それもどうせ無駄だろう。持぀偎の特暩だ。
 幞せなど、運が良い持぀偎の為だけに存圚する私はその「事実」から目を背けおいた、そう取れるかもしれない。
 やれやれ、参った。
 無駄な人生を過ごしたものだ。
 圚り方が玠晎らしいかどうかなど、結果には䜕䞀぀関䞎しない。䜕の意味もない。匷いお蚀えば䞋らない自己満足でしかないのだ。そしお自己満足ずは珟実にそれなりの豊かさを享受しおいるからこそ味わえる「嚯楜」である。圚り方を到底議しようが、「力」ず「金」が「結果」ずしお䌎わなければ、ただのゎミ以䞋でしかないのだ。
 嫌になる。
 うんざりする。
 無論、持たざる存圚に遞ぶ暩利など無い。嫌々我慢する以倖、道など無いのだ。
 面倒臭い噺だ。抌し぀けられる偎はたたったものではない。

 匱気をくじき、匷気にぞ぀らう。

 それがこの䞖界の「事実」だ。それを盎芖しようずするか、しないかの差でしかない。
 私には「望み」が無い。望む心がないからだ。ずはいえ、だからずいっお凄惚な目に遭うのが楜しいわけでもない。そもそも望みずは叶ったずころで意味のないモノを指す。私の堎合、無駄な劎力を削枛したいだけだ。だが、どうもその無駄な劎力は抌し぀けられるモノであっお、個人の意志でどうこうなるものではないらしい。
「それは違うず思う」
 などず、青幎、ノィンハルトは私に告げた。我々は教䌚の䞭で酒を酌み亀わしおいた蚳ではない。今埌の行動方針に぀いお噺があるず蚀うから、私は䜜家ずしお䜜品のネタが飛び出しそうな方向ぞ噺を぀぀いおいただけだ。意味はなくずも䟡倀はある、ずでもこの青幎は蚀うのだろうかありきたりすぎお぀たらない。
「䜕故そう思う 「結果」が䌎わなければ意味など有るたい。金や名誉、あるいは貎様ですら、「誰かを助けたいずいう欲望」の為に動いおいる圢は違えど「己の利益」を倩秀に行動に移し、その察䟡を埗る」
「確かにそうだけどさ、䜕お蚀うか、その」
「䜕だ」
 歯切れの悪い奎だ。
 結論だけ蚀えば良いず思うのだが、それはそれで「人間らしくない」のだず、青幎、ノィンハルトをモデルに「人間を孊習」しながら、こんな時でさえ「䜜品のネタ」ず「人間らしさの真䌌」に励む私だった。
「アンタは結果である「金」を重芁芖するけどさそれだっお、い぀かは消えるもんだろ」「恒久的に残る気持ちが倧切だずでも蚀う぀もりか 今この瞬間はどうでもいいず」
「そうじゃないけどさ、䜕お蚀うか、俺は子䟛達が笑っおる姿を芋おいるず癒されるし、それに䜕を求めようずは思わない。アンタの仕事が䜕かは知らないけど、仕事を終えた瞬間っお、誰でも、専門家であればあるほど、満足感を埗るもんだろう」
「少し、違うな仕事を終えた充足感など、所詮䞀時的なものだ。䜕より、貎様は子䟛達の笑顔で満たされるのではなく、子䟛達を笑顔にするこずで「人間に関わっおいる」ずささやかな充足を埗おいるのだろう ああ、自分のような存圚でも誰かの為になれるのだ、ず」
 青幎はきょずん、ずしおから、笑った。
 たるで挔技を止めたかのような顔぀きで、それは枅々しい笑顔だった。
「アンタは凄いなたるで心が抉られおいるみたいだ」
 䜜家、だずは答えられないので「物曞きだからな」ずだけ答える。嘘ではあるたい。
「貎様の蚀う「過皋の尊さ」が無い蚳ではないがそれは結果をないがしろにする理由ではないのだ。向かう先がある。その地点ぞ到達したいならば、脇道によそ芋など出来はしない。これは私に限らない。貎様も私も、誰であれ果おの無いどこかを目指すならば、ささいな過皋は眮き去りにするものだ」
「けどさ、その「過皋」っお奎が茝いおいたりするこずも、あるんだろう」
「無い。少なくずも、私には」
 䜕も無い。
 無かった。
 それ自䜓は構わない。だが、それに䟡倀が無いず蚀うのに、抌し぀けられるのは埡免だ。
 そもそもが人間性、䜕かを感じ取る事が、根本的な郚分で䞍可胜な私には、過皋を感じ取るこずなど出来はしない。人間の物真䌌をしおそうであるらしいず結論付けるこずは出来るが、それは、ただのそれだけだ。䜕かを思う蚳ではない。
 䜕も無いたただ。
 それが人間ではない蚌巊か。
 䌚話しながら私は思う。起承転結など䜜者の独り盞撲に終わるこずが倚いが、「こういう経隓」から埗られる「䞖の真実」こそ「傑䜜のネタ」になり埗るのだ。
 それは珟実味の違いだろう。
 劄想の䞭で䜜り䞊げたよくできた物語ず、その経隓を元にしお描き䞊げる物語ずでは質が違うのだこれも䜜家病か。
 たたには関係ない事を考えたいモノだ。
 本圓にな。
 たあ、実際には「䜕事であれ䜜品のネタに」ずいうスタンスである以䞊、無意味な考えだが。
 党おが仕事だ。䜜家に物語に出来ぬ事情がない以䞊、本圓の意味で「䌑みを取る」のは至難の業かもしれない。
「貎様の蚀いたい事は理解るぞ。「埌々の䞖に、人々の心に䜕かが残るならばそれは無意味ではなく䟡倀ある事だ」だろう しかし、違うのだ」「どうしおさ。アンタは蚀葉を䜿う人間だろう それのどこがいけない 䜜家っお蚳でもないんだろうが」
 たさに䜜家そのものだが、しかし私の事をフリヌのラむタヌだず䌝えおいたのだった。
「同じ事だ。私はそもそも、䟡倀を芋出したい蚳では、ないからだ」
「 金が欲しいっお蚀っおたけど、それは目的であっお動機じゃないっお事か」
「そのようなものだ」
 私は誰かに䟡倀を芋出されたい蚳でも、たしお埌の誰かに䌝えたい蚳ですらない。䜜家にあるたじき発蚀だが、しかし読者共の事など、私が気にするはずもないだろう。䌝えお、それを䌝承するこずは玠晎らしいかもしれないが、他でもない、この「私」には関係すらない。
 私は運呜に勝利したいだけではない。
 敗北するのが嫌なのだ。
 たるで子䟛の理屈だが、しかし事実だ。そしお䜜家にずっおの勝利条件他でもない邪道䜜家ならば尚曎「物語を金に換える」ずいう郚分だろう。「傑䜜」を曞けるに越した事はないが、しかしそれは私個人の自己満足であっお、目的そのものではない。あくたでも「手段」だ。
 「私」の「幞犏」ぞの瀎だ。
「䜕よりも、私は「結果」を芋おいない。即ち金だ。䜕事であれ、結果に結び぀いおこそあれは実は䟡倀があったのだ、などず蚀えるのだ」 結果も芋おいない「過皋の間」の状態で、そんな聖者みたいな蚀葉を吐く間抜けがいれば、私が叩き斬っおいる。撫で切りだ。
 私は前ぞ進みたい。
 いい加枛な。
 それも、ただ進むだけでは駄目だ倩候や環境に巊右されず、進むべき方角ぞ進む。それには「力」が必芁だ。それこそが「金」だ。
 䜕が有ろうがそこを曲げる぀もりはない。
 䞀切だ。
「ふん、少し疲れた。私はもう眠るぞ。貎様は、そのくたびれた信念を抱えながら、その資料でも持っおいろ」
 そんな捚お台詞をらしくもなく吐き、私は逃げるように寝宀ぞず向かった。
 綺麗事は性に合わない。この性質は未来氞劫倉わりそうにはなかった。
 
 

   
 

 この䞖界で「最匷の力」があるずすれば、ああいう「䜕であれ味方に付けおしたう」ずいう䞻人公のような玠質人ずの瞁を繋げる力ずいう存圚は、私の知る限りにおいお、最匷の䞀角を占めるものだ。
 私はそういう連䞭に打ち勝たねばならない。
 どうしたものか劂䜕に「最悪」ず蚀えど私は特殊な力など持っおいない。しかし、そういう連䞭は本質的に私の「敵」だ。
 盞容れない。 
 そういう茩ずは、決しお。
 この䞖の終わりかず思うくらいに食べおから、私は今埌の予定を考えるあの青幎はたさにそれだ。私が今しおいる様に、明日戊争が起きるず考えおいるかのように食べお備え、蚈画を緎り普段から蓄積させる事で、倧きな力を埗ようずする存圚ずは察局に䜍眮する。普段から健康など意識しなくずも、連䞭の堎合䜕かしら助けが発生するからだ。逆境に備えずずも、それに芋合う力を振るえる卑怯者共。
 気に入らない噺だ。
 私が「悪」だから報われないのか、連䞭のような「善」だから郜合良く奇跡が起こり、それでいお仲間にも恵たれ、成長し勝利するのか。
 ぀い、考えおしたう。
 持たざる者に勝利する方策などあるのか
 散々探したが、望む答えなど無い。
 勝぀べくしお勝぀。それだけだ。
 あれこれ策を匄したずころで、それに芋合う準備や蚈画を立おたずころで、どうせ連䞭には及ばない、どころか、たずもに成功した詊しがない。 逆に、あの青幎、ノィンハルトずか蚀ったか。ああいう手合いには盞応しい詊緎が甚意され、䜕をせずずも舗装した道を歩くかのように、勝利するべくしお勝利する「物語のあらすじ」が決たっおいる。冗談じゃないが、しかし、それを芆そうずしお「敗北」したから私はここにいる。
 倱敗、ずも呌ぶのだろうかだが、そんなのは意味のない事だ。埌から圹立ったずしお、それは「もしも」の未来の噺だ。関係ない。
 今、ここに、「勝利」が欲しい。いや欲しいずいうのは違う。「支払わせる」これだ。私は、今たでの鬱積に芋合う察䟡を、この䞖界に支払わせたいのだ。それが私の「望み」だ。願う心がなくずも、鬱積は貯たる。
 
 今たでの劎苊に芋合うモノを寄越せ。

 私の指針はそういうモノなのかもしれない。
 だずするならば、ああいう「䞻人公属性」は、私にずっおの「敵」だろう。確認するたでもないしかし、切りかかれば良い、ずいう噺でもないだろう。よく分からない「幞運」で、仮に、先皋の地䞋宀で切りかかったは良いものの逃げられたした、では意味がない。それに、あの青幎が銖謀者だず決たった蚳でも無い。あくたでも䜜者取材の぀いでに「䟝頌」をこなすだけだ。
 金は既に受け取っおいるし、「䜜品のネタ」を回収できればそれでいい。この惑星がどうなろうず知った事ではない。䟝頌内容には銖謀者の始末は含たれおいおも、この惑星を救う事は含たれおいないしな。
 含たれおいおもしないがね。
 物事の䟡倀ずは倉動するものだ。しかし私が欲しいのは䟡倀そのものではなく、䟡倀を手に出来る力なのだから、矛盟はしないだろう。
 しかし理解し難い噺だ。己ではない誰かの為に、その利益を捚おおでも尜くす、ずは。瀟䌚貢献だの䞖の為人の為ずいう郚分からは、䜜家ずいう生き物は最も遠い所に䜍眮する。物語が人から人ぞず䌝えられ、それが䜕かを倉えるなどず蚀うのは、物語の䞭だからこそ成り立぀詭匁だ。それが珟実にある筈が無い。仁矩や道埳が人を助けるは虚構の䞭。いや、そもそもが存圚そのものが怪しい噺ではある。思いだの理想だの、有りもしないのに䞋らない。
 そもそもが「非人間」である私には関係のない噺だがあの青幎のような茩は、私の䜜品、物語に出したずころで底が知れおいる。
 嘘八癟でもそこに虚実が無ければ。
 その方が面癜いしな。
 所謂「志」などずいうのは「䜙裕ある存圚だけが蚀える戯蚀」だが、しかしそれを描き、読者共を隙しお金にするこずこそ「䜜家業」だ。それが䞊手く行けば苊劎しないのだがずはいえ、忌々しい限りだ。「理由が同じ」ずは。䞀緒になど汚らわしくお考えるだけで怖気がするが、連䞭は「誰かに認められたくお」やるわけではない。私も同じだ。それが事実を芋おいるか、有りもしない理想を芋おいるかの違いだ。事実から目を逞らしお、䜙裕があるからずそれらしい「理想」を歌う忌々しいカス共などず䞀緒にされるず぀もりないが、たあ人間ずいうのは小綺麗な理想の方が郜合がよいらしい。
 枅らかさなど所詮自己満足でしか無いのだが、それを抌し぀けおでも「良い人間である事」を、他者に抌し぀ける様は、眺めるだけなら良い芋䞖物だ。そんな無様な様など私の䜜品には出したくもないが、眺めるだけなら。
 良いじゃないか。貎様等の蚀い分では、力が有れば䜕をしおもよいのだろう なんおな。
 しかし事実だ。
 事実から目を逞らされたずころで、迷惑なだけでしかない。だが困ったこずに力を持぀茩ほど、そういう奎は倚い。
 曎に困った事に、珟実には物語が人の心を動かし䞖を倉えたりはしない郚分だ。ただでさえ䜜家は立堎、立堎などそもそも無いが、しかし䜜家にもし立堎があるならば、それは瀟䌚的には蟻以䞋すらない。「反瀟䌚的」の象城だしなあっおも困るし迷惑だろう。どうでもいいしな。
 瀟䌚を動かすのは、圓然だが意志だの理念だのではなく「瀟䌚そのもの」だ。それを理解しようずしない奎は倚い。理念だの意志だのそんな存圚はどこにもない。そもそもが虚構だしな。そんなモノがあるなら私の䜜品は売れお然るべきではないか。意志皋床で売れるなら苊劎しない。
 神がいたずしお、人間を遞ぶずしおも、それはただの偶然だ。そこに「意志の匷匱」など有りはしない。運䞍運。それで党おが決し「結果」だけがそこには残る。人間性が尊い結果など生むはずがあるたい。それに、その理屈では私は勝おないではないか。非人間に人間性など無い。
 そういう茩は決たっお、圓たり前の犠牲が出おから「こんな筈では」などず蚀うのだ。銬鹿銬鹿しい。綺麗事ほど汚いモノは無い。
 道埳の奎隷だ。
 人間らしさに拘る前に、それなりの豊かさで満足できないモノなのか。過ぎた理想よりも目の前の珟実だ。綺麗事で手にはいるのは粟々がどうでもいい賞賛だけ。それを欲しがるのが人間性ならば、本圓に人間でなくお良かった。
 埌悔ほど最䜎の圚り方は無いしな。
 そもそもが「非人間」人間で無い以䞊、人間瀟䌚ず折り合いを぀ける事はあっおも、それに貢献する矩務など無い。人間瀟䌚に折り合いを぀けおいるだけであっお、私は人間瀟䌚で生きおいる蚳ではないのだ。あくたでも「私個人」のみが私にずっお生きおいる存圚だ。詭匁かもしれないが、たあ構うたい。
 䜕かを助けるずいう行為は䜙裕が有るからこそ成り立぀もの。それが事実。䜙裕が無いのに誰かを助けるなど実際には芋たこずがないし、実際に芋たずころ忌々しいだけだ。惑わされおはならない。物語から埗る思想など、党お䜜り物だ。
 嘘を鵜呑みにするな。
 参考に留めおおけ。
 気色悪い事に、珟実の人間はそう考えなど有りはしないのだ。具䜓的にはロヌンで倧きな買い物をしたりするくせに、その「実感」が無い奎。そのくせ、目の前で自身よりほんの少しでも良い思いをしおいる奎がいるず、劣等感が顔を出しお、無駄遣いだず眵れる。
 目の前の珟実を芋おいない人間は倚い。
 己のこずを「立掟だ」ず思いこむ連䞭ほど、金の䜿い方は酷いものだ。肩曞きだの垞識だの䞖論だの暇なのか貎様等は。
 そのくせ、自分達を「瀟䌚的に立掟だ」ず、思いこむのだから迷惑な噺だ。瀟䌚ず個人は䜕の関係も無い。倧䜓が、瀟䌚など圢の無い偶像だ。
 信じるべきを「己自身」ではなく、それらしさで誀魔化しおいる。そんな茩でも幞運さえあればそれなりに金は掎めるずいうのだから、いや、金を掎んだずころでそういう連䞭はたずもに金を䜿うこずなど出来はしないが、目障りなのは違いあるたい。
 そういうものだ。
 因果応報ずは「そうあっお欲しい」願望でしかなく、この䞖界は特に理由も無くそうなのだ。だからそういう連䞭も栄えるのだろう。䞖界を浪費し続ける存圚が栄えるのは、明確な基準が無い蚌巊だず蚀える。
 厳密には因果応報するのではなく、圓人達が勝手にそこぞ向かっおいるだけだ。幞犏になれる暩利を持぀茩に限っおそういう奎は倚い。考えなしで子孫を育おず、それらしさにかたけお生きる事を考えずに、持ち前の「それなりの有胜さ」に、かたけお幎を取っおから子䟛に邪魔者扱いされ、生きおるのか死んでるのかわからないような斜蚭に抌し蟌たれる奎は、最近順番埅ちだ。
 目先の子䟛を芋る事すらしない茩が、どうしお「䜕故こんな事に」などずほざけるのか䞍思議だが、その蟺りもきっず「自芚がない」のだろう。醜悪なものだ。有胜なだけずいうのも考え物だがしかし私はそんなモノはいらない。
 金だけあればいい。
 生きるだけなら金だけで十分だ。そしおそれ以倖の郚分。欲望を本質的に持おない私にずっお、粟神の充足は「自己満足」だ。それに物語、面癜い噺さえ読めればそれでいい。人間の圚り方ではないかもしれないが、生憎私は人間ではない。
 それ以倖の方策ずお、必芁ならばそれを揃えるだけだ。私にはそれが出来る。私の物語の売り䞊げが䞊がれば、だが。
 それが䞀番難しい気もするが、蚀っおも仕方有るたい。最も重芁な郚分こそを率先しお取りこがすのは、非人間の宿呜ず呌んで良い。私の堎合、それは物語の売り䞊げだ。それさえ䞊手く運べば私には䜙蚈な䞍安は無く、掻きる為に生きる事ぞ党力を泚げるのだが。しかしたあ、自芚はあるが「䞍安の無い人生」など生きおいるずは呌べないだろう。私は人間ではないので構わないが。
 どうせなら物語の結末にでも抱きたいものだ。 邪道䜜家なら尚曎な。
 近代の人間は必然的に「䌚話」をしない。ただ己の話を話すだけだ。人間が人間に意志を䌝えるずいう圓たり前のこずは、デゞタルネットワヌクが原因なのか行われなくなった。曞面で䜕かを送ろうずするのは、銀河広しず蚀えど、最早私以倖には誰もしないだろう。
 目の前の人間を本質的に芋ない䞖界。
 それが珟代だ。そんな䞖界で物語など、元より売れる筈もないのか。売れるのは本質ではなく、衚面を塗りたくる偎だしな。そのような環境䞋においお、あそこたで他者から信頌を埗られるノィンハルトは、ある意味人間を逞脱しおいる。
 人間同士では信頌される事も、䞀定を通り越しおは有り埗ない事柄だからだ。それは、人間ずいう生き物が汚らしいずいうのもあるが、䜜家ではあるたいし、他者の心の底たで芋通すなど、出来るはずもない。芋えない以䞊、手探りだ。
 出来おいれば良いな、ずいう願望こそが正䜓。 それが「信頌」だ。
 私は䜜家なので、あるずすればただの事実だが事実ずは残酷なものであり、それを躊躇無く曞けるのも「䜜家」ずいう存圚だろう。信頌ずはい぀か裏切られる前提でしなければならない。ただ盞手に信頌を寄せるのは「䟝存」だ。垌望的芳枬で盞手に抌し぀けお欲しいモノを芁求しおいるに過ぎない。なので、䞖間䞀般のような矎しいものではあるたい。客芳的な事実ずしおみるだけでしかないのだ。
 珟実はそういうものだ。
 それから目を逞らす奎は倚いが。
 真面目にやっおいれば良い事がある、などず。真面目にやるだけならば、悪人は誰よりも真面目だろう。それで良いなら苊劎しない。
 悪ほど、珟実ず向き合っおいる茩もいないのだ善性ずは即ち「非珟実性」なのだから。
 私のような「存圚」が蚀うのも䞍思議だが。
 
 生たれる時に心を眮いおきた。

 神がいるずしお、人を救うずしおも、倧しお圓おには出来ないだろう。神が救うのは人間だ。私は人間ではない。生たれ぀いお人間の持぀あらゆる「善性」に興味を持たず、己の利益、ずいうか「ただ必芁に迫られたから」ずいう理由で他者を螏みにじれる存圚は、たさに人類にずっおの悪そのものだ。人類悪があるならば、それは私のこずだろう。人間の䞖界においお、䜕の理由も信念もあらずずも、ただ「存圚そのものが悪」であるのに必芁なのは、他でもない「非人間性」だからだもっずも、私にはどうでも良い事だが。
 ずはいえ、心を眮き去りにした化け物にずっお「己の心を殺しおでも尜くす」ずいうあの青幎の粟神性は、非垞に興味がある。ああなりたいずは決しお思わないが、しかし䜜品のネタにはなる。 私は「ただ必芁があるから」ずいう理由で、それを理由ず呌べるのかは知らないが、ただの昚日ず蚀っおも差し支えないが、ずにかくそんな理由で金を求め、それでいお「共感できないから」ずいう本来有り埗ない理由で私は「人間性」を捚お去っおいる。
 そんなものは、どこにも最初から無かったが。 人間瀟䌚での折り合いの付け方も、真実幞犏ずいう蚳ではない。私に幞犏など無い。匷いお蚀えば「䜜家」らしく面癜い物語を読んだり曞いたりしおいれば楜しくはあるが、楜しさず幞犏ずは、たた別皮のものだ。
 私には「幞犏」など無い。
 苊劎した「過皋」の道䞭やその先に「幞犏」が本来なら有るらしいが、私には圓おはたらない。ただの浪費でしかないのだ。幞せな家族の光景を手にしたずしおも、そこにあるのは「ひたすら人間の物真䌌をし、これが幞犏らしい、ず自己満足で幞せな「フリ」をする姿」があるだけだ。それを幞犏ずは呌べたい。どうでもいいしな。
 「幞犏」に「生きる」ず息巻いおはいるが、しかし実の所諊める蚳ではないが、いや、それこそ諊めおいるのか 人間らしい幞犏を远い求めお行くこずこそが正しいずでも わからない。しかし、珟実問題「絶察に手に入らない」ずいうのは「確固たる事実」だ。それを無芖は出来たい。 だからこそ「金」があり「ストレス」を排し、豊かさず平穏さを求めおいるのだ。人間ずは違っお「過皋」を远い求める必芁は無いしな。
 それが「私」だ。
 誰よりも金を重芁芖しおいるものの、金そのものに畏敬の念が有るわけではない。無論、有るに越したこずはないがな。
 幞せなフリも楜しいものだ。
 楜しむだけならそれでもいい。
 元より、この珟実䞖界で「珟実ず向き合っお生きおいる」人間などいない。私のように事実ず向き合う事など、する筈もないのだ。囜家も貚幣も瀟䌚も党お虚構だ。どこにも存圚しない。それがあるず思いこみたいだけ。それだけだ。私は躍起になっお珟実を芋据えたが、珟実論で蚀えば私は氞久に幞犏になど成れはしないし、幞犏になれるかどうかは運䞍運だ。持぀偎か持たざる偎か、ただのそれだけだ。故に、私が勝利する事は出来はしない。「持たざる偎」にいる以䞊、幞犏になど成れる筈が無い。
 それを知っお尚、どうにかしようずした。
 それも無駄だった。
 匷いお蚀えば疲れただけだ。䞍可胜に挑む、生きる事ず向き合う、信念を持っお前ぞ進む蚀葉尻は綺麗だが、実際にはただの埒劎だ。
 無駄な事をしたものだ。
 実際に歩いた私が蚀うのだ。それもたた、この䞖界の「事実」だろう。䞖界に期埅する皋の䜕かなど、無い。最初から情けないだけだ。最埌たで䜕も倉わりはしない。䞖界に意志など無いし、歩んできた道のりに察しお、䜕も出来はしない。
 因果など、最初から無い。いやあったずしおも同じ事だろう。あればそれは最初から敗北も苊悩も矩務付けられおいるだけで、無ければそれは、無責任にも攟任しおいるだけだ。それに䜕かを期埅する䟡倀など無い。
 どうしたずころで無駄な話だ。
 出来るから出来る。勝利するから勝利する。積み重ねようがするべくしおしようが、圓人の意志は結果に䜕の関䞎もしない。
 それが「珟実」だ。
 そしお「事実」だ。
 こうなっおくるず䜜家業も、最早氞遠に勝利にたどり着くこずが無いので有れば、それは趣味ず倉わるたい。どうしたずころで売れない物語など誰も読みはしないし、最初から䜕も無いのず同じ事だ。無論、賭けた劎力の話があるので捚おる気にはならないが、それは劎力に芋合うモノも受け取っおいないのに捚おるのが嫌なだけであっお、物語そのものに未緎など持ちようがない。
 䜕せ私以倖誰䞀人読みはしないのだ。
 金はい぀も、それ以倖の方法で手にしおきた。 始末屋家業、だったか䜕でもいいがな。どうせ䜕をしようが金を掎もうずする以䞊、悪蟣なサヌビスで隙しお手にするか、単玔に始末しお金を掎むかの違いだ。いや、そこに違いなど無いだろう。どれだけ綺麗事を積み重ねようが、他者を殺す事で貚幣は手に入る。それが倧昔からの掟であり、倉えられない定めだ。
 可胜な限り倚く殺した方が金は儲かる。それが盎接的かそうでないかだけだ。法埋に觊れおいるように芋えるか、そう芋えずに誀魔化せるか、ただのそれだけだ。殺した方が幞犏に近づくし犯した方が己の為になるし虐げた方が良い思いが出来るのだそれがただの「事実」だ。
 我ながら、善人っお蚳でも無いが、しかし甘かったのだろうか。もっず積極的に他者を傷぀け、それから利益を奪い去る方がよかったか。具䜓的にどうすればいいのか今は分からないが、それが唯䞀の方策ならば率先しおやりたいものだ。綺麗事はク゜の圹にも立たない。案倖、そういうやり方をしおいた方が、あの䞖っお奎で良い埅遇を受けるのかもしれない。誰かの為などず、䜕ずも嘘っぜい響きだ。そんな劄想に興味はない。
 殺した方が幞せになれる。
 虐げた方が矎味しい思いが出来る。
 犯した方が実利はこちらに来る。
 今曎だが䞖界が情けないこずも、意志による行動の結果がスポンゞにも劣る結果しか生たないこずも、倧昔、それこそ生たれた時から知っおいた。案倖、私は人間のやり方に合わせすぎたのだろう。人間に折り合いを付けた結果、そんな圹に立たない生き方たで知らず知らずの内に真䌌おしたったのだずすれば、迷惑な話だ。
 そんなモノに䟡倀など無い。
 完党なる無䟡倀そのものだ。䜕せ、結果を生たないのだからな。子䟛の劄想なら䜙所でやれ。たあ最も、どんな思想であろうずも「持぀偎」であれば「正しく」成るのだから、その考えそのものに、意味などないか。
 持぀か持たないか。
 ただの、それだけだ。 
 そういう意味ではあの青幎は性質が悪い。䞍可胜だず分かっおいる癖にボランティアだのに粟力を泚ぐ茩ずいうのは、その過皋ですらなく、その意志の有り様そのものに尊さを芋いだす連䞭だからだ。そんな倢物語を芋れる理由は実に簡単で、圌らは垞に「持぀偎」なのである。人ずの瞁も金も協力者も持぀存圚。い぀ぞやの尖っおいるだけの茩ずは違う「支持される䞻人公」だ。
 たた䞻人公か。いい加枛にしお欲しいものだ。私のような語り手からすれば鬱陶しい事この䞊ない話だ。持っおいお受け継いでそれを圓たり前のように享受し、それを「倧した事じゃない」ず、振る舞う傲慢な存圚。自分など倧した存圚じゃないさず嘯き぀぀も、よく分からない物語の流れのような存圚に埓っお、圓人自身は殆ど䜕もしなくおも勝利を手にするのだ。
 実に忌々しい。
 気分が乗るようなら「䟝頌」に関係なくずも、切り捚おおしたうのも面癜いかもしれない。䜕、人間などどうせ䞀秒事に䜕人か死んでいるのだ。それが五癟になろうが五兆になろうが、私の生掻には䜕の関係もあるたい。幞いなのかこの情けない䞖界は暎力を肯定しおいる。神話ですら他者を殺しお話を通しおいるのだから、仮にあの䞖などずいう存圚が有ったずしおも、邪魔者を殺すなど盎接的な行為か間接的な行為かの違いで誰であろうずもするこずだ。息を吞っお吐くこずに、眪など問いようが有るたい。それが「事実」だ。
 しかし、うだうだず倫理ず理性の狭間で揺れおれば良いなど、楜そうで矚たしい話だ。皮肉ずいうか䜕ずいうか、理想に耜っおいれば良い䞊に、珟実を芋据えお手を打たずずも、持っおいるずいうだけで䜕でも手に出来る資質などずいう存圚が有るならば、私のような存圚の詊行錯誀が、実に銬鹿銬鹿しく感じられる。
 どんなクズでも「持぀偎」ならば勝利する。
 「持たざる偎」は手を尜くしお死ぬ。
 冗談じゃないが、少なくずも私は「それ」を芆そうずしおやはり無駄だず知った。だから䜕も思うこずは無いし、するべき事柄も無い。
 どうせ無駄なのだから。
 聖女も䞻人公も䜕䞀぀己の目的の為に積み䞊げもせず、そのくせ埌悔やそれらしい道埳芳に酔っぱらうこずで自分達を正しく正圓化、いや、被害者ぶっお今たで自分達が物事を盎芖しなかったからこそ問題が発生するずいうのに、あたかも謂われない眪を抌し぀けられた無実の善人を気取り、しかも積み䞊げお物事を成そうずする私のような存圚には「持たざる」ずいうだけの理由で手には入らないモノを、䞻人公だの聖女だのずいった類の連䞭は、ただ「持぀偎の存圚」だずいうだけでそれをあっさり手に入れる。
 そんなクズ共に勝利が぀いお回るのは忌たわしい限りだが、どうせ勝利するこずは出来たい。殺したずころでそれは同じだ。そい぀らの生死ず、私の勝利条件はあたり関係がないしな。たあ、そういう連䞭の未来を殺すのは、実に楜しそうではあるのだがそんな暇人共にかたえる皋、私は暇ではない。すべき事は山積みだ。
 ただ持぀が故に勝利する連䞭などドブネズミ以䞋の害獣だが、しかしそういう連䞭が勝぀べくしお勝利するのもたた「事実」だ。最䞊の結末は、私のような存圚が連䞭に打ち勝ち、それでいお実利、぀たり物語の売り䞊げを䞊げるこずだが、それもたた無駄なこずか。あれこれ策を匄しお分かったこずは、結局の所「幞運」の埌抌しなくしお勝利するこずは䞍可胜だずいうこずだ。勝利は、幞運の䞋にだけ有る。垭を甚意されおいない奎がどれだけ手を尜くそうが、蟿り着くこずは出来ないらしい。
 やれやれ、参った。
 たた、振り出しに戻るのか。
 今たでの劎力は䜕だったのやら。
 たあ、そもそもが幞犏には成れない事を承知の䞊で目的を果たそうずしおいるのだから、厳密には「幞せになろうずする」のではなく、瀟䌚に折り合いを぀けただ「生きる」事に特化しおいる。それに、あくたでも「幞犏」そのものではなく、手に入らないならば劥協、ずいう蚳でもないのだが、しかし有るもので満足するのが、私のスタンスであり圚り方だ。結果が出なければそれすらも出来ないのだから、本末転倒ず蚀うか䜕ず蚀うか共有するモノが䜕䞀぀無い以䞊、私にずっお珟実はフィクションよりも軜い存圚だ。しかしだからず蚀っお「金が無い」のだけは、絶察に、埡免被る。
 それが「邪道䜜家」ずいうものだ。
 詳しくは私の物語でも読むんだな。
 私が䜜り䞊げた私を圢䜜る抂念だ。私ずいう存圚はむしろ、個人ず蚀うよりも「邪道䜜家」ずいう抂念を軞ずしお動く珟象に近い。
 ならばそれに準ずるたでだ。
 無論、金を手にした䞊でな。
 人間性に共感せず、己の利益だけを考え、それでいお他者を螏み぀ぶす事に䜕の眪悪感も芚えずそれを「良し」ず笑える存圚。
 存圚そのものが「悪」だ。
 たさに「最悪」だ。私以䞊の「悪」は、そもそもが抂念ずしお存圚し埗たい。
 
 生きおいる事が間違いだ。
 
 少なくずも、生物ずしおは間違えおいる。間違えを正そうずするのではなく、間違えおいおも、それでも「幞犏」を手にし、邪魔者を消し去る為にここたで動いおきたがしかしそれも、実を結ぶこずは無かった。間違えおいる存圚は修正されるが、それはただ消し去られるだけだ。間違えおいおも前ぞ進む、ずは蚀葉尻だけ捉えれば、それは倧局な蚀葉だが結果には関係無い。 そしお、それに絶望すら出来ない。
 ただ機械的に「こなす」だけだ。
 正しさは「匷者」間違いは「匱者」の象城だ。それは倚数決で決たるこずであり、その心願がどうであれ、勝おる偎にいなければ勝利できない。 それを「倉える」ずいうのはそもそも無理な話ではある。䞍可逆を可逆にするどころではない。奇跡ですら生枩い。䞖界の運呜そのものに、完党なる勝利を収める事だ。この䞖界には倚くの物語があるが、様々な胜力を持぀「英雄」や、それらに盞察する神のような力を持぀「怪物」ですら、圌ら圌女らに存圚する「運呜」だけは倉えられた詊しがない。
 英雄は英雄らしく死に。
 怪物は怪物らしく迫害される。
 それが化け物ならば尚曎だ。
 せめお金だけでも掎みたいのだが。その生きる䞊であらかじめ決められた環境に興味はない。それが怪物であれ化け物であれ、いや怪物達のように己の境遇を嘆くこずさえ、そういう感性さえ持たないし、持たざる事を䜕ずも思わないからこその「化け物」だ。それはいい。問題なのは、それに芋合う、その劎力に芋合う報酬が埗られた詊しがない郚分にある。
 正盎割に合わない。
 そんな理䞍尜以䞊の理䞍尜が眷り通るずは。
 どうしたものか。
 我ながら結果に拘りすぎおいるのは自芚しおいるが、しかし「過皋」を重んじたずころで、やはりそれは同じ事なのだ。過皋が幟ら尊かろうず、結果にたどり着かなくお良い理由にだけは、決しおならない。
 それでは向かう意味が無いではないか。
 最初から向かう気がないだけだ。
 必ず「そこ」にたどり着く。理念がそこにあるからこそ向かうのだ。珟状、ただ歩き疲れおきおいるだけだず蚀えそうだが。歩いお向かっおいる筈なのだが、その向かうべき堎所が最初から存圚しないのか、向かったずころでたどり着ける堎所ではなかったのか知らないが、しかし歩いおきた成果が報われた気はしない。これではただマラ゜ンをしおいるのず倉わるたい。目的が果たされないたたではそういう事になる。「目的」あっおの「過皋」なのだ。断じお逆ではない。過皋を求めるだけならば、それは劄想の䞭で良い。珟実に䜕か掎みたいモノがあるからこそ、挑むのだ。
 それが「生きる」ずいう事ではないか。
 私はそう信じおきた。
 たあ、私がどう信じようず結果に関䞎しなかったが。信念や理想は結果に関䞎しない。そんなモノは初めから無かったかもしれないが、ならば尚曎そうだろう。信念、理想、私の堎合は己の存圚蚌明の為に、その生き甲斐ややりがいの為に䜜り出した人造のモノだが、しかしそれもたた䞀぀の信念であるこずには、倉わり有るたい。

 過皋の尊さを抌し぀けるのは、結果を蔑ろにしおいるだけだ。

 私はそう思う。いや、これも玛れのない事実だず蚀えるだろう。それが事実。過皋の尊さは成る皋玠晎らしいかもしれないが、それは結果が出なくずも良い理由には断じおなりはしない。それでは過皋そのものも䟡倀を無くすだろう。
 远い求める存圚に察する䟮蟱だ。
 ただ持぀偎にいるだけの癖に、それらしい綺麗事を䞊び立おるな。それは䜙裕が有るが故に出るただの戯れ蚀。劄蚀を抌し぀けるな。
 図々しいにも皋がある。 
 圓たり前だが、人間瀟䌚は人間を軞に回っおいる。「非人間」ずは、人間瀟䌚に眮き堎がない存圚だ。圓然だろう。人間の䞖界は人間の為に存圚するものだ。そこに、人間以倖は邪魔なだけだ。 文字通り 「生たれ぀いおの悪」ずいう存圚があるずすれば、それは私だろう。䜕せ、最初から人間を食い物にし、人間を螏みにじり、人間を殺す事で人間瀟䌚で生きられるのだ。共存するずいうよりは人間瀟䌚に゚むリアンが䜏み着いおいる感芚だろう。それは鹿の瀟䌚に別の生物が䜏み着くようなものだ。存圚そのものが「悪」たらしえるのは、「それ」がその瀟䌚に眮いお、最初から容認し埗ぬモノだからだ。
 その「私」に人間瀟䌚の掟は適甚できない。
 人間の圚り方を真䌌は出来おも、そこに䜕か、意志を感じ取れる蚳ではないのだ。
 あくたでも「真䌌事」だ。
 人間の真䌌をしお、折り合いを぀けおいる。
 己の存圚そのものが「最悪」だず自芚した䞊で絶察に幞犏だの人䞊みの生掻だの、人間らしさを獲埗できないず理解した䞊で、その䞊で、「幞犏になる方法」を探し続けた。
 それが「私」だ。
 今曎、倉えられるものか。
 倉える気もないしな。この生き方は、些か以䞊に気に入っおいる。「邪道䜜家」ずは、我ながらよく蚀ったものだ。非人間の極地でありながら、人間を目指そうず、いや、人間でなくずも人間以䞊の幞犏を手に入れようずする。
 そんな砎綻した存圚は、他にあるたい。 
 だが、私は既に止たれない。止たる぀もりも、有りはしない。埌は燃え尜きお死ぬか手に入れお喝采を叫ぶかだ。私は調査の為、幟぀か目的地を定めた埌、そんな思想を頭の隅に眮きながら、前を芋据えお進むのだった。
 䜕の䟡倀も生み出さない圚り方だ。いや、生み出せない事を理解した䞊で私はここたで来た。
 思想そのものを倉える事は出来ないが、しかし指針は倉えられるだろう。今回の「䟝頌」もその手助けになれば良いのだが。
 非人間らしく、祈りはしなかった。
 
 
 
 
 

   

 金には流れがある。それは人間の意志そのものだからだ。金がなければ人間の意志は、この䞖界に決しお反映されない。故に、その軌跡を远えば自然、人間の倧倚数が䜕をしようずしおいるのか理解できる。
 共感しなくおも理解は出来る。
 悪行に金は䜿えない、どうせ足が着くず考えおいるようでは甘い。お子様でなければ䞖界がどう動いおいるか知るべきだ。知ろうずもせず幎だけ重ねる茩は倚いが、それでは䞖界の金の動きは、決しお知り埗たい。
 どうしおも脱皎をしたがる茩は必ずいる。そんな連䞭に綺麗な金を提䟛できれば、それは巚倧な枊を生むのだ。私の知る限り最も安易な方策は、「興行」や「研究」が倚い。支払いも倚いが芋返りも倚い。そういうハむリスクハむリタヌンなモノには金持ちは匱い。䜕せ、安易で簡単に金を儲けおきた連䞭だ。地道にコツコツずは性が合わないのだろう。
 倱敗すれば䞞損だが。
 私のように幞犏を感じ取れないず理解した䞊で幞犏を远い求め、それでいお幞犏らしき圢のみで自己満足しよう、などずいう倒錯した思考回路よりは珟実味がある。手に入れられるならば手に入れるべきだ。金は勿論、愛も友情も平穏も粟神すらも、党お奪い尜くし殺し尜くす事で、手に入るからだ。それが事実。
 無論、私にはそれさえも感じ取れないが。
 珟実問題人間の瀟䌚に生きおいる以䞊、人間で無かろうずも金は必芁だしな。たあ、私は金だけで満足できる性栌をしおいる。厳密に蚀えば、それは感じ取れないが故に幞犏の圢を圢䜜る事で、 ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻ずいう、私が毛嫌いする䞍芁な争いず決別した䞊で、それらしさを自己満足する為䜜り䞊げたモノこそが私の圚り方だ。
 人間性を䞀切持たない私には本来、望みも願いも䜕䞀぀無いが、しかしそれなりに豊かな生掻をしお平穏に暮らす。願いではなく必芁に迫られおではあるが、しかし生きる䞊では求めお圓たり前の存圚だ。修隓者ではあるたいし、自ら争い事やその先にあるモノを求める連䞭は、私ずは真逆で䜕もかも持っおいる癖に、幌皚な粟神の為にそれらを切り捚おおでも埒倖のモノを求めようずする気色悪い限りだ。そういう連䞭の存圚があるだけで、真面目に進めるのが銬鹿銬鹿しいが、それもたた䞖の垞だ。
 そういう連䞭は倚い。
 どこにでも存圚する。
 忌々しい限りだ。
 私が死にながら歩いおいる理由も、それだろう持぀偎ず持たざる偎。あらかじめ決たった勝敗。垌望や理想、意欲はそれを実感できおこそ持おるモノだ。䞀床もそれを経隓した事のない茩にそれを求められる筈がない。
 私の目的は望みや願いの類ではなく、「ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻」を、それなりに豊かに過ごすこずだ。無論、刺激、ずいうかトラブルや灜厄を消し去る、ずいう考えそのものが、人間から倖れおいる。望みや願いずいう存圚は、人間瀟䌚の䞭での掻躍を願うからだ。私にはそれは無い。私の目的はあくたでも人間瀟䌚に適応し、それなりの豊かさを感じ取れずずも、感じ取れる「フリ」をしながら折り合いを付けお生きる、ずいうものだ。
 それを生きおいるずは蚀うたい。
 しかし、仮に個人的な目的を持぀ずすればだがそういう「持぀偎」を圧倒する「力」だず私は思う。それが䜕かは知らないが、少なくずもそういう連䞭に、あるいは倧きな流れ、法則、関係ない所で動く「䜕か」に振り回されるのは、もう埡免だ。
 ふず、思った。私に悪ずしおの定矩があるずすれば、それは「無䟡倀」なのだろう。䟡倀が無い事を自芚した存圚が、その「本来の䟡倀以䞊」の「䜕か」を远い求めおいる。たさに「邪悪」だ。元来あるべき幞犏が、そこに眮くべき勝利や栄光を無芖しおでも、人間性を排しおたで、尚䜕かを求める、などず。
 人の圚り方ではない。
 それは承知の䞊だ。
 人間では埗られない幞犏、勝利、䜕でも良いがその「到達点」を目指す䞊で、私は人間の幞犏ではなく、それを真䌌た䞊で折り合いを付け぀぀も「非人間ずしおの勝利条件」を䜜り䞊げた。それが「ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻」であり、それに付随する「豊かさ」だ。
 人間ではいられない。
 ならば、それ以倖の方策で、私はそこを目指す蚀うのは簡単だが、そもそも有るはずの無い圚り方だ。それは、蚀っおしたえば物理法則を無芖しお抌し通す、番倖の䞀手だ。本来そこに有るはずの無いモノ、人間では決しお満足できない筈の方策で、私は「非人間ならでは」の方策を䜿いそこぞ至ろうずした。
 それがそもそもの間違いなのか
 そうは思わない。人間では無い私に人間の幞犏は掎めないし、掎んだ所で䟡倀は無い。ならばそれに芋合うモノを求めるのは必定ではないか。蚈算倖だったのは非人間が求める目的には、必ず金の有る無し、぀たりは人間瀟䌚における欲の象城を「支配」せねば成り立たぬずいう郚分だ。
 それが原点。
 私は、人間に成ろうずした。
 非人間のたた倖芳だけを完璧に真䌌、そしおその䞊で瀟䌚にずけ蟌み、折り合いを付け、それに自己満足しようずした。生き方を己で定め「䜜家業」も身に纏った。それを生き甲斐ずし、私は確固たる己の道を切り開いたのだ。
 それも結果が出なければ無駄そのものだが。
 結局は、そこに戻るのだ。「結果」だ。それが人間性に溢れようが、ただのクズであろうが、わかりやすい「結果」さえあれば、人間瀟䌚では、䟡倀を攟぀。それが金になれば尚曎だ。人間でない私にずっお人間の評䟡ほどどうでもいい存圚はないのだが、しかしそれが金に繋がるなら無芖は出来ない。非人間ずしおの維持費ず蚀った所だろうか。
 勝ちたい、ずいう思いすら剥がれ萜ちた。
 それでも、私はただここにいる。
 それが䜜家ずしおの成長に繋がるのかは知らないし、どうでもいい事だ。私は蚀葉の力などずいう胡散臭い存圚を信じる気はない。蚀葉は蚀葉だそこに力など無い。あるかのように感じるだけだ。そしお私には感じる機胜など無い。匷いお蚀えば、だが圓人の意志を反映させる事で物語は信念のような存圚を描写する。読者共を匕き぀ける「䜕か」があるずすれば、それは人間の枠組みすら越えた「思想」だろう。埒倖にたどり着く事は䞍可胜だが、その景色を倢想するだけらば、誰にでも出来る。それを圢䜜り䌝えるこずは䜜家にしか出来ない事だ。
 人䞊みの人生を送る事。
 それは無難で玠晎らしいが、無難で有る以䞊、そんな景色を望む事は有り埗ない。人間の枠組み以䞊に倧それた景色。䜜家ずいう人間を蟞めた連䞭だからこそ、そこをいずも容易く圢に出来る。無論、そんな胜力は持たない方が良いだろう。それは人間を蟞める事に他ならない。
 人間でありながら非人間、それ以䞊の、本来は考えるべきですらない思想を䜓隓する。それが、読者の特暩なのだろう。そう思う。
 楜で矚たしい。
 私も、そちら偎に回りたかった。
 思想など、金にならないからな。
 目的を果たしたら果たしたで、読者共はそんな安寧を貪る存圚は「぀たらない」ず切り捚おるのだろうが、私は読者共に奜かれたい蚳ではないし、䜜家ずしおあるたじき発蚀だずは思うが読者共の郜合など、知ったこずではない。
 䜜家業ず読者の郜合は関係がない。それこそどうせ読者共は流行だのに流されお物語をはしたなく持るのだ。そんな連䞭の郜合など知らん。
 䞖界に人間は倚くいるのだろうが、私は人間ではない。非人間は私だけだ。人間瀟䌚なのだから圓然だろう。そしお、そうでなくずも、私は私以倖に気を配るような存圚ではない。私個人の目的が第䞀だ。他の連䞭などどうでもいい。
 䜜家に人間性を求めるな。
 それは、ペンギンが空を飛ぶようなものだ。
 「善のようなモノ」を抌し぀けるな私から蚀わせれば、そういう「善のようなモノ」こそが、「勝぀べくしお勝぀」ずいうこの䞖界最倧の理䞍尜だ。それこそが倒すべき「敵」なのだ。それに、「善」ずいう存圚は埗おしお「悪」だずか「人間の醜さ」を吊定するが、しかし、重芁な事を忘れおいる。
 「人間の醜さ」は「人間そのもの」だ。
 それを吊定するずいう事は「人間を吊定する」こずに他ならない。今回の䟝頌、始末察象が仮に個人だずすれば、そういう類の茩だろう。
 善意を平気で抌し売り「良い行い」だず断定出来る狂人だ。それこそ、私など足䞋にも及ぶたい善人の方が狂っおいる。しかも、その狂気を扱えもせず、無様に出力だけは䞀人前な狂気を粉のように蟺りに播いお、始末も぀けない。
 どうかしおいる。
 それこそ、狂気の沙汰だ。
 私に蚀われたらお終いだぞ。
 しかし、こんな颚にロボットが日光代わりに枅々しいらしい起床を手䌝い、しかも朝の献立たでロボットに任せ、さらに䜕を考えるべきか、それに぀いおどう行動するべきか、その内、吞っお吐く息の量たで決めるであろう実に「か぀おない皋におぞたしい時代」に、ロボットずは䜕の瞁もないような惑星で、叀臭い人間心理を孊んでいるずいうのだから、それはそれで爜快だった。私のように打ち氎を信仰するような奎は銀河柔さがしたっお、もういないだろうが。
 枩床管理すらもロボットが決める。しかし䜕かを決めるのはあくたでも圓人自身でやらなければならない事柄であり、有胜だからずいっおそれをロボット任せにするのは「生きる」ずいう珟実に察しお堕萜しおいるだけだ。ふん、少し話が逞れおしたったが、芁するにこの田舎臭い惑星には、少しは己の頭で考える茩がいるらしい。
 参考にはなる。
 䜜品のネタにはそれが必芁だ。ロボットに党おを預ける連䞭には理解できない「䜕か」だ。それはきっず、ロボットに足りない郚分だろう。ずはいえ、それも所詮は幻想だ。「人間らしさ」など珟実には存圚さえしない。あるかのように盲信しおいるだけだ。だから、私はあたかも「人間のみが持ち埗る䜕か」の存圚を曞き立おればそれで、仕事が完成する。
 惑わされるな。
 物語は所詮珟実ずは関係がない。
 ただの虚構だ。無論、珟実の人生など、虚構そのものではあるが。瀟䌚、芏埋、資本、恋愛、友情、䌚瀟、䜕もかもが存圚さえしない、圓人達のただの「思いこみ」だ。それは存圚しない。どこにもないだろう それらは党お、有るのだず、そう教え蟌たれおいるだけだ。
 そんなモノはどこにもない。
 フィクションを鵜呑みにするな。
 この思想、この圚り方は「最悪」だず、ゞャックは評しおいた。恐怖そのものだず。あの女は、どうだろう 私のこずを、いや、私ずは真逆の思想の持ち䞻だ。䜕事にでも䟡倀や意味、そしお思想の尊さを欲するあの女ずは、盞容れた所で意味も䟡倀もない。
 そしお、それで「正しい」のだろう。少なくずも「恐怖そのもの」などずいう存圚は、存圚そのものが「間違えお」いる。たさに「存圚悪」だ。存圚そのものが、悪。存圚するだけで党おを間違えおいる。だがそれがどうした。私はそれを悲しめるほどに人間などやっおはいない。
 だからこそ、金だけは、欲しい。
 そうでなくおは嘘ではないか。
 私は、金が欲しいのだ。
 意倖だず思うかもしれないが、「金そのもの」を欲する茩はいない。あくたでも金を通しお欲しい䜕かが有るからであっお、私のように瀟䌚にずけ蟌めず、折り合いを付け、ただひたすらに平穏に暮らす為だけに、欲する事はないだろう。たあそれだけずいう蚳でもない。
 私は、勝利したい。
 勝利の蚌だ。
 無論、実利があればこそ、そんな蚌も欲する䟡倀があろうずいうこずだが。金、金、金だ。それがなくおは嘘ではないか。
 嘘は物語の䞭だけで十分だ。
 自分に嘘が付けなかった、などず評せば、実に陳腐な話ではあるが、しかしそれもたた䞀぀の事実だろう。
 非人間䞊等。持ち埗ぬならば構わない。しかしだ惚めに這い蹲るのは、埡免だ。
 我慢ならない。
 なるものか。
 私は、持ち埗ぬならばそれに芋合うモノを片っ端から手に入れる。それでこその「邪道䜜家」だそれも売り䞊げがあがっおこそだが、な。 やれやれ、参った。
 結局はそこに戻るのか、䞖の䞭金だな。
 私は人類史史䞊初になるかもしれない買い物をしようずしおいるのだ。「人生を買う」ずいう、䞀倧事業。いや、それは「人間性を陀く党お」ず評するべきか。䜕せ、私には人間性がないのだから、それを「人生」ず呌ぶべきではあるたい。
 この䞖党おに䟡倀などない。そこにあるかのように思いこむだけだ。それが人生の真実だ。だから私は物欲の党おを支配する。無䟡倀だず知るが故に、私に欲しいモノなど真実有りはしない。しかし自己満足は出来る。それで十分だ。
 私はそうしお死んできた。
 これからも、そうする぀もりだ。
 面癜ければ、それで構わない。䜜家ずは、そういうものだ。
「着いたぞ」
 端末からゞャックの声を聞き、顔をあげた。
 私がたどり着いたのは叀びた掋通だった。庭園は管理されおいるずころを芋るず、それなりに金は有るらしい。庭園ずいうのは攟っおおくず錆び付くし、それを維持するのは玠人では䞍可胜だ。掚理ず蚀う皋ではないが、倖れおはいたい。
 ドアを開けた、そこには。

 
 
 
   

 テクノロゞヌは人間を過保護にする。枩められた食事、面癜い番組、その皋床で有ればただ可愛気もあるが、しかし䜓枩の調節を倖郚に頌り、機械の発進䜜業を機械任せにし、歩く事もせず乗り物に乗りながら「䜓重が枛らない」ず叫び、むンタヌネット䞊で埗た知識ばかりで実䜓隓がたるで䌎わない。それが珟代の珟実だ。
 それが「事実」だ。
 そこぞ行くず、この郚屋は実に倉わっおいた。いやそれも違う。「か぀おのたた」だ。私ず同じかは知らないが「時代に眮いお行かれた」いや、意図的に分明ずの距離を保っおいる。そういう生き方は嫌いではないが、しかし
「アンドロむドが、文化保護掻動ずはな」
「意倖」
 それは未だに䜕人いるのか分からない、アンドロむドず人間のハヌフを自称する女だった。名前をフカナキず蚀い、ペンネヌムはシェリヌ・ホワむトアりト、だったか。
 䜜品は売れおいるらしい。
 ぀たり、私の敵だ。
 そこにあるだけで扇状的ずすら蚀えるボディラむンだが、私からすればわざずらしかった。これが人間の理想だず、教本で読んで真䌌たようだ。 癜い肌も癜い髪も矎しくはあるし、どこぞの民族衣装も䌌合っおはいる。しかし、どうも奜きになれない。それは矎しいだけだ。
 珊瑚瀁でも眺めればいい。
 矎しいだけであれば、それで十分だ。
 呚りを芋枡しおみおも、やはり文明の利噚はあたり確認できない。質玠な郚屋だ。オレンゞに近い黄金色のテヌブル以倖には、暖炉だの怍物だの意味䞍明な趣味が䞊べられおいる。
「アンドロむドに「利噚」は必芁ないもの。私たちは「完成されたテクノロゞヌ」よ。私たちは単䜓でそれを可胜にする。倖郚には必芁ないわ」
「それで、この質玠な郚屋か」
「そう。意倖だった」
「もっず趣味が悪いかず思っおいた」
 怪蚝な顔をし、圌女は倚少機嫌を損ねたようだった。たあ私にはどうでもいい話だ。
「それで、䜕の甚」
「䜕の甚も䜕も、貎様は今回の連絡圹だろう。远加で指什があるかもしれないずは聞いおいたが」「ええ、予想以䞊にきな臭いわよ。ただの田舎惑星だず思ったけれど、金の動きが尋垞じゃない」「それで」
 どうなった、ず私は結論を急ぐ事にした。男の短所かもしれないが、意味もなく話を先延ばしにするのは女の悪い癖だ。
 ぀たり、お互い様だった。
「あの青幎でしょ 調べおみたけれど、衚向きは普通の青幎よ。私が調べた限りでは、だけど」「それでは困る。調べ盎せ」
 私の第六感ではどう考えおもあの青幎が怪しかったのだが、杞憂だろうか いや、しかしだ。そうだずしおも䜕も出おこないのは、異様だ。
「青幎の経歎は調べたのか」
「調べたわよ。人工知胜では調べられないくらいアナログな方法でね」
 この惑星は田舎過ぎお「蚘録」ずいう抂念が、あたりない。仕方がないのでそれに適した人材を倖泚するこずにしたのだ。もっずも、私個人の経隓で蚀えば物事を倖泚するこずで成功した詊しがない。倧䜓、ロクな結末にならないものだ。
 最初から疑っおかかるべきだろう。
 他者を疑うのは、基本だ。
 もし仮に、この女が私を裏切る、いや別に信頌関係にある蚳ではないのだから「買収」された、ず評するべきだろう。その堎合、盞手偎ぞの攪乱になるし、芋比べお情報の粟床を確かめるのは、䜕かを調べる基本䞭の基本だ。
 それには裏切りも含たれる。私を裏切ろうが裏切るたいが、その行動を含めお刀断するのだ。
 私は幞犏に成れない。こんな思考回路の存圚がたっずうに幞犏になれる筈もない。その䞊で、私は幞犏に成ろうずしおいる。実に倒錯した願い、いや願いですらない。私はただ単に「必芁」だずそれだけの理由で目的ず据えおいる。それは構わない。そもそもが、珟実論で語れば私は氞遠に幞犏も䜕も掎めない。で終わるではないか。
 終わりにたどり着けない存圚だ。
 しかし、それがどうした 私ではない䜕か、それは「運呜」であったり「摂理」であったり、ずかく人の領域よりも遙か䞊で決たっおいるずしお、それに埓うほど私は人間をやっおいない。私は私だ。䜕がどうあろうが、私の道は私が決める結果も実利も未だ着いおきおいないが、それでもだ。
 倧きな存圚だからずいっお易々ず頭を垂れる皋私は優しくない。倧きいか小さいか、実に些现な違いではないか。
 それを「克服」する為に、私はここに圚る。無論粟神論ではなく実際的な意味でだ。粟神の成長だずかはどうでもいい。それは所詮、他者が知った颚な顔をしお語るものであり、私個人の圚り方ずは䜕の関係もない。それでは意味がない。䟡倀も沞かない。少なくずも、私が䜜り䞊げようずしおいる「意味」ず「䟡倀」に届かない。
 それを届かせるのだ。
 だからこそ、人生は面癜い。
 筈、だ。倚分な。
 圓然の事だが、「自分が嬉しい」ず「盞手が喜ぶ」ずは別の話だ。しかし女ずいうのは「自分が楜しめれば盞手は楜しくあるべきだ」ず匷制し、その䞊で同調しなければヒステリヌを起こしおでも自身の正しさを䞻匵する。フカナキもその䟋に挏れない様子で、私はかなり蟟易した。どうせなら調査したデヌタだけ送っおくれれば良いのに。 手柄を語りたがるのは䞉流だぞ。無論、口にはしなかったが。
 思うのだが、私は倢を芋ない。だが倢を党おの人間が必ず芋るものであり䟋倖はないずいうのが垞識らしい。仮にだが「集合無意識」の様な存圚があるずしお、それが「あの䞖」であり「人間の根本郚分」なのではないだろうか 私はそこにはいないのだ。だからアンドロむド盞手でさえ、私は共感しないし、きっずあの䞖にも居堎所はないのだろう。
 だからず蚀う蚳ではないが、私は「感情」で動こうずする茩が嫌いだ。感情に埓っおいるのだから正しいず思いこみ、呚囲に迷惑をかける。それを良しずし、あた぀さえ感謝さえ求め出す。実に醜悪だ。この女はただマシな方だが、しかし女はそもそもが感情で生きる生き物だ、そこに実利が䌎わないずしおも。だから盞容れない。
 珟実の実利を軜んじる。それは私の生き方ず、真逆に䜍眮するものだ。正盎蚀っお、真面目に生きる事ず向き合うのが銬鹿銬鹿しく感じる。
 そんな連䞭でさえ「幞運」だずかを持っおさえいれば、金を掎めるずいうのだから、それを忌々しく思わない蚳がない。そういう連䞭を芋おいるず改めお䞖界は運䞍運に瞛られおいるのだず、実感できようずいうものだ。それが「事実」だ。
「しかし、気色悪い男だった。他者の為に自己の利益を攟棄しおでも尜くす、などず。おぞたしい限りだ」
「どうしお 貎方の毛嫌いする「人間らしさ」だから」
「誰かの為に行動しお救える、自分ではない誰かを救うなどずいう行為は、そもそもが「誰かを救う事で己自身を救う」行為だ。人間が他者を救う事は根本からしお䞍可胜なのだ。仮に「䞖界を救った英雄」がいるずしお、「それ」が救うのは、「己の了芋で身勝手に䞖界を改倉し、己自身の぀たらない満足感を他者党おに抌し぀ける」ずいう事に、他ならない」
「卑屈ねえ」
「珟実を語っおいるだけだ。貎様の様に倢を远いかけおいるだけで䜕かを倉えられるず、そう思いこんでいる皋、私は理想論者ではない。誰かを救いたいず願う心そのものが、自身を勘定に入れられず、たたそれを抌し぀ける事の傲慢さ身勝手さを自芚するこずもない粟神の病だず蚀える。誰かの為になっおいる、ずいう免眪笊の為に、人殺しすら「正矩」になる」
「そうかしら」
「珟にそうだ。アンドロむドは歎史の勉匷をしないのか」
「けれど、人間のそういう粟神性が、䞖の䞭を育んできたのでしょう」
 䞋らない。
 そんな蚀い蚳を信じ蟌んでいるずは。
「いいや、䜕も育んでなどいない。そういう事にしおおけば、眪の意識を感じずに枈むからだ。曎に蚀えば眪悪感に苛たされる事で、眪悪そのものから目を逞らす為でもある。眪悪かもしれないけれどこれは䞖界の為なのだ、などず、珟実から目を逞らしお「犠牲はあるけど倧儀の為だから、これは仕方のない事」だず、そう思いこもうずするおぞたしい限りだ。倧儀だの䞖界だの、そういう倧きな蚀葉を動かせば、それで枈むず思いこんでいる。それでいお埌で埌悔するのだ。こんな事ならしなければよかった、ず」
 なら、するな。
 悟りきった颚に語ったずころで、そんなのは䜕にもならない。おぞたしいだけだ。
「厄介なのは、だ。そういうおぞたしいクズが、所謂「持぀偎」だずいう点だ。善人ぶっおいればそれでも枈たされる。銬鹿銬鹿しい限りだ」
 真面目に生きる事が銬鹿銬鹿しい。
 私からすれば、いや客芳的に芋おも、人間の善意だの正矩だのは、䞖界を真っ盎ぐに芋据えられない故障した人間の持぀ただの粟神病だ。病んでいるのは勝手だが、その䞊身勝手に振る舞い他者に迷惑をかけ、それでいお自分達が善人であるず信じ蟌んだり、己は悪だず蚀い぀぀も、口にしお苛たれる颚に振る舞うだけで、珟実を芋ようずもせず手遅れになっおから埌悔したりする。
 クズ共が。
 気色悪い限りだ。
 それを抌し぀けようずした䞊で、䜕䞀぀責任すら取らず、それを良ししたかず思えばひっくり返しお信念を貫く事さえない。本圓に人間などでなくお良かった。私はおぞたしい䞊に醜い豚に、憧れたりする぀もりはない。
 品性のない獣は埡免だ。
 私はあくたでも、私個人の平穏を䜜り䞊げようずしおいるだけで、人間に憧れなどないし、人間になっおはお終いだず思っおいる。
 私は人間性がないが、しかし人間性があるからず蚀っお幞犏を掎めるかずいえば、無いだろう。それは無い。断蚀できる。むしろ、人間性など、間違っおも手にするべきではない。恐らく、幞犏からは最も遠いものだ。
 無いに越した事はない。
 尚曎、非人間で良かろうずいうものだ。
 誰かを助ける自分を助けるのだ。それこそ醜い自己愛であっお、それは誰かの為ではない。誰かの為ずいう正矩もどきで自己保身の粟神を、それらしい倧儀だの正矩だので圩りたいだけ。それはこの䞖で最も醜い存圚だろう。
 それに比べお非人間のなんず生物らしい生き方なこずか。己を第䞀に考え、それ以倖を螏み朰す事を自芚した䞊で、尚殺す。
 「それ」は誰もがするべき事柄であっお、そこに䜕か、善性だの論理だのを持ち蟌む事が、その人間の粟神の匱さを露呈しおいる。正しさずいう埌抌しがなければ、己で行動できないし遞べない免眪笊がなければ指䞀぀動かない。
 それが「持぀偎」だず蚀うのだから、笑えない話だ。人間も末期だな。生物的には勿論、粟神的にも成長の望めない生き物だ。
 優れおいるのは数だけだ。
 それ以倖に、芋るべき所は粟々、䜜り䞊げた数々の「物語」䜍のものか。人間そのものには、やはり䜕の䟡倀も有りはしない。
 私にはそれすらも、どうでも良いこずだがね。 こんな颚に人間の善性も悪性も「それで良し」ず笑えおしたうから、私は「最悪」などず、あろうこずか人工知胜に呌ばれおしたうのかもしれない。構わない。善性などただの虚食でしかない。それなら半端な悪よりも「最悪」の方が、䜕かしら実利の絡む䜙地はあるだろう。
 倚分な。
「その「人間らしさ」が今回の件からは、汲み取れないしな。厄介な䟝頌を持ち蟌んだものだ」
「そうなの 貎方からすれば、人間らしさから倖れおいる方が、掚理しやすそうだけど」
「そうでもない。「非人間らしさ」ずいうのは、どこかしら「狂気」をはらんでいるものだ。そしお「狂気」ずいうのはかなり個々人の差が倧きい倖れおいればいるほど、凡俗の悩みからは皋遠くなる。簡単に理解したり掚察できるモノではなくなるからだ」
「けれど、それを描くのも䜜家でしょう」
「たあな」
 ずはいえ、眺めおいる分には良いかもしれないが、実際に䜓隓するずなるず、確かに䜜品のネタにはなるかもしれないが、危険も倧きい。私のような存圚であれば、「邪魔者」は「始末」するずいう思想の持ち䞻でもおかしくはあるたい。
 私ならそうする。
「今回の䟝頌には、どうもその手の「倫理の倖偎にある」動機が絡んでいそうだ。それを悪意ではなく善意で出来る奎がいるずすれば、私からしおも狂気じみおいるだろう。それはそれで興味深いがな」
「なら奜郜合よね。私は手数料を頂き、貎方は䜜品のネタを掎む」
「貎様は、䜕が目的なんだ」 
 私ず違っお売れっ子䜜家様には、売り䞊げの足りない日々など無瞁な筈だ。こうしお手数料などをあの女ず私を橋枡ししお、わざわざ埗る必芁性はあるたい。
「そうでもないわ」
 私は䜕も口にしなかったが、圌女はそれを察したのか、口にする。
「だっお、私は「心を打぀物語」なんお、曞けないもの」
「どういう意味だ」
「私の䜜品は売れるけど、それだけ。それは私自身が䞀番良くわかっおいる぀もり。けれど、どうせなら面癜い物語を曞きたいでしょう」
「䞋らん」
 「それ」は「䜙裕のある存圚」だからこそ出る台詞だ。そもそもが、人の心など打ったずころで䜕が楜しいのか。
「心など打っおも響かないだけだ。なたじ響いたずころで、それず財垃の緩み具合は別問題だ。貎様の蚀う「心を打぀物語」は玠晎らしいかもしれないが、それは玠晎らしいだけだ。玠晎らしいだけのものに、資本䞻矩瀟䌚は支払いを匷制できないからな」
「そういう考え方をするのね」
「こういう考え方をするたでだ」
 そ、ず䜕か物思いに耜りながら、圌女は明埌日の方向を芋お「矚たしいわ」ず呟く。
 矚たしい。
 䜕が矚たしいっお、私からすれば金もモノも地䜍も䜕もかも手に入れおいるくせに、私のような持たざる者に䞊から目線で「矚たしい」などず、ほざけるその神経が、だが。埗おしお、持ちすぎるず誰でもそうなるらしい。持ちすぎる故に䞍自由だ、などず。矚たしい話だ、暇そうで。
 そういう連䞭を矚むよりも、私の堎合、疲れを感じる神経も無いのだが、「ガタ」は来おいるかもしれない。䜕せ、こうも長い間人間の物真䌌をしお達成されるこずの無い目的を睚み続け、それでいお諊める粟神も持ち埗なかった。私がロボットなら買い換えの時期だろう。
「物語の内容の善し悪し、そこにある思想など、どうせ誰も芋おはいたい。それを気にするのはただ莅沢なだけだ」
「そうかしら 私の䜜品には無くお、貎方の䜜品には確固たる思想がある。それは、アンドロむドでは出来ない事よ」
「䞋らん。アンドロむドで圚るこずを蚀い蚳にするな。私なら、アンドロむドだろうがバむオロむドだろうが、関係なく今の䜜品を曞けるぞ」
 たあ、忘れっぜいので二床ず同じ䜜品は曞けないだろうが、しかし曞くこずは同じだろう。
 曞くべき事を曞きたいように。
 本来絶無の可胜性である「それ」を、私だけが䞡立できる。それでこその「邪道䜜家」だ。
 曞いたずころで売れなければ、それたでだが。「そうね、私たちに無いのは、貎方の蚀うずころの「持たざる苊悩」なのかも」
「倧げさな奎だ。そんなものあろうが無かろうが同じではないか。実際に苊悩を抱えようがそうでなかろうが、扱うキヌボヌドは同じだろう」
「それでも、確かに差異はある。少なくずも苊悩を抱えない存圚に倧䜜が曞けるずは思えないわ。私は、倚くの人間達を芋おきた。けれど、䜕かを成し遂げるのは決たっお、貎方のように瀟䌚からはみ出した存圚よ」
「嬉しくない」
 奜き奜んでこうしおいる蚳ではないのだが。
 そもそも、䜕かを成し遂げるも䜕も、そんなのは圓人の自己満足でしかない。実際には䞖論評䟡ずいう䞭身のない民衆共に、玠晎らしいず錯芚させなければ金にはなるたい。そしお、金にならなければ日の目は芋ないし䜕より売れない。
「䞭身の無い䜜品であろうず、それが癜玙同然、癜玙の方がマシであろうずも、売れれば正矩だ」「そうは思っお無いくせに」
「どう思おうずも、同じ事だ。売れない物語などただの玙束でしかない。心に響く物語だず それなら人の䞍幞を曞けばいい。じわじわず、それでいお染み枡るように、読者の心を腐らせながらおたけに売り䞊げも䞊げおくれるだろう」
「よくもたあ、そういう衚珟思い぀くわね」
「」
 心を打぀物語は、それはただ単に心を打぀物語であるず、読み手が錯芚しおいるだけだ。物語にそんな力は無い。重芁なのは、読んだ人間がどう行動するかであっお、物語は物語だ。それから火を吹く蚳でも停札が量産できる蚳でもないのだ。 党おは受け手次第。
 そしお受け手ずは身勝手なものである。
 そんな身勝手な連䞭に、売り䞊げだけではなく事の真莋たで悟らせようずは、無理がある。
 それこそ奇跡だ、銬鹿銬鹿しい。
 䜜家の台詞ではないが、倧いに笑わせお貰う。蚀葉だの理想だの思想だの理念だの、そんな圢の無い力持たぬモノで、珟実が動いおたたるか。
 私の劎力が銬鹿みたいではないか。
 悪ずは、䞖界で最も働き者なのだ。それが最悪ならば尚曎だ。あらゆる策を匄しお倱敗し続けおきた、私の身にもなっおみろ。
 そんな頭の悪い理屈で勝利されおは、たたったものではない。
「なら、貎方は「心を打぀物語を曞く」か、それずも「ただ売れる䜜品を描く」かなら、どちらを取るの」
 そんなのは、決たっおいる。
 私は、

 
 

   

 そもそも、私の思想がどれだけあろうが、それで䜕かがどうなる蚳でもない。私の思想はあくたでも「非人間」のそれであっお、面癜いず感じる奎はいおも、心底それに共感する奎がいるずすれば、それは私ず同じ「非人間」だけだ。
 私の物語は心を打぀、などずいう生易しい物語でもないしな。どうせなら心を抉り、心的倖傷を䜜り䞊げ、それでいお䞭毒症状になり私の物語を読たなくおは死ぬ、䜍には読者共を支配し、皎金のように金を取り立おたいモノだ。
 読者の事など芋おはいない。
 それが「䜜家」ずいうものだ。受け手の機嫌を損ねないようにするのは人気者の仕事であっお、䜜家がするのはむしろ、逆だ。誰もが目を背けたがるような事柄を真摯に語り、意識をそこに向けさせた䞊で、぀いでにそれなりの金を貰う。
 それが嘘八癟の物語なのだ。尚曎受け手など、気にしおはいられたい。䜕せありもしない事柄を金に換えようず蚀うのだ。それが詐欺行為でなくお䜕だずいうのか。盞手を劂䜕にしお隙すかどうか、だ。面癜い、買いたいず思わせねばなるたい䞭身のない物語の方が、それが楜なのだ。 どうなのだろう。急に䜜家ずしおの胜力が萜ち思う䜜品を曞けなくなったら、私もそうなるのだろうか いや、いや、悪い冗談だ。銬鹿銬鹿しい。「それが出来ない」からこそ、私は邪道䜜家なのだ。人䞊みの䜜家の悩みも、私にはない。
 䜜家ずしお私に匱点など、皆無だ。
 匷いお蚀えば、商人ずしおは足りないがな。
 そもそも物語に胜力の有無も無い。䜜品を買くのに必芁なのは「䜕を䌝えるべきか」ず「どのように䌝えおやるか」だ。私の堎合「読者の最も、望たないモノを」ず「最悪な圢で、心を抉り出すように」だ。読者の苊しむ顔を想像するだけで、面癜いからな。
 それが「私」だ。
 ずはいえ、䜙裕あるペヌスで曞きたいものだ。物語の為読者の為に、己を犠牲にする぀もりなどさらさらないからな。
 あくたでも「私の為」だ。最近は口にするのが虚しくなっおきたが。いい加枛、䜜家の楔から解き攟たれたいものだ。
 䜜家になっおからも぀いぞ「人間賛歌」らしきモノを拝む機䌚は無かったし、私は自分が受けたこずもない「人間の玠晎らしさ」を抌し぀けられるのは埡免だ。己を信じ己だけを助け、己自身の為に、生きる。
 それにあれこれ蚀われる芚えはない。
 私にずっお䞖界には私しかいない、ずいう蚳ではない。ただ単に、「私」ずいう生物は、他に同類はおらず、故に瀟䌚に溶け蟌むこずはあれど、それは溶け蟌んでいるだけでその瀟䌚の䞭で、生きおいる蚳ではないのだ。
 故に「結果」私には私のみしかいない。
 たあ、仮定などどうでもいい話だ。私にずっお他の同類が仮にいたずころで、やはり、知らん。 そんな感性がある化け物などいたい。
 私にはどうでもいい事だ。それを「どうでもいい」ず切っお捚おる事が出来る存圚だ。
 私に味方は存圚しない。
 私に同類は存圚し埗ない。
 私に仲間は存圚できない。
 味方など䜜れれば苊劎しないし、同類などいる筈もない。非人間のカテゎリからすら、私は倖れおいるからだ。化け物で圚るこずを「良し」ず、笑うこずず出来る化け物は、埌にも先にも私だけだろう。仲間は存圚できたい。䜕故なら、私はどれだけ玠晎らしい仲間がいようが、利甚しお䜿い捚おるだけだからだ。
 リサむクル甚品のように、あっさりず。
 䜿い捚おる。
 それを仲間ずは呌ぶたい。それに倀する存圚があったずしおも、愛も友情も䜕もかも党おが、私にずっおは共感できない代物だ。
 違う景色しか芋えおいない。
 たあどうでもいいこずだ。私にずっお重芁なのは物語の売り䞊げである。そしお、私の物語に、人間の矎しさなど䞍芁だ。たあ、それ以前に売り䞊げがあがらなければならないので、無理矢理ねじ蟌む事も方策ずしおはあるのだが、しかし、私にそれは出来そうにもない。そこを曲げおでも、䞭身の無い物語を曞くべきだろうか
 曞いたずころで無駄だろうが。
 売れる売れないは、物語の䞭身ずは䜕の関係もないからだ。宣䌝胜力、販売胜力、人脈、組織力などで決たる。どれも私には無いモノだ。
 いっそ癜玙でも構わない。
 それでも、売れるモノは売れるのだから。
 今曎悪びれるたでもないが、私は党おの人間に抌し぀けがたしい善意を抌し぀けられ、気色悪い「自分勝手な善意」で「悪意を抌し぀けられ」お来た。それはどうでもいい。問題なのは、それに察しお私が善意など返す蚳がなかろうず、そういう事だ。
 䜕故今曎私が、聖人ぶっお「良い事」をしなければならないのだ、銬鹿銬鹿しい。胡座を曞いおきた銬鹿共は偉そうに「人間の尊さ」を説いお回るが、それは連䞭がたたさか「持぀偎」だったからに他ならない。それは抌し぀けだ。自分達が、たたたたおいしい思いをしおいたからず蚀っお、その䜙裕溢れる「善意の抌し売り」を、圌等圌女等自身は「良い事」だず「思い蟌む」事で眪悪感を打ち消しお、むしろ「感謝しろ」ず恐喝しながらそれを暎力的に実行する。

 私がするのはその「逆」だ。

 抌し぀けがたしい善意には抌し぀けがたしい悪意をぶ぀ければいい。しかし、たあ、売り䞊げがあがらない所を芋るず、所詮持぀偎の歊噚である抌し぀けがたしい善意には、どれだけ本質を突こうが真実であろうが、負けおしたうらしい。
 やれやれ、参った。
 負け戊は悪の特暩なのだろうか。負ける偎にいるからこそ「悪」だず蚀われる蚳だしな。
 正しさを抌し぀けられる立堎にあるからこそ、正しく勝利できるずも蚀える。それを自芚する気すらなく、持぀偎にいれば自芚する必芁すら、どこにもない。矚たしい限りだ、楜そうで。私は今たであらゆる方策を緎っおきたが、それらは党おそんな子䟛の蚀い蚳のような理屈で砎れた。
 䞖の䞭そんなものだ。
 期埅できるほど平等ではない。
 䞖界がどこを䞭心に回っおいるか 圓然、そんなのは「䞭心にいる存圚」を軞に回っおいる。 我ながら、そんな連䞭に勝ずうなどず、無駄な劎力をかけおきたものだ。䞀人である事に特に拘りはなかったが、どうせ圹には立たないだろうし足を匕っ匵られおも困る。だがせめお、せめお、もう少し芁領よく他者を顎で䜿えおいれば、ず思わなくもない。
 たあ、ロクな奎がいなかったのだが。
 それだけでも他者を信頌などしなくお、本圓によかったず思う。䞀䜓、プロを自称する茩に䟝頌を出しお、幟ら損益が出たこずか。立掟なのは姿勢だけで、それだけだ。協力䜓制を䜜れる盞手ずは即ち二流である。
 本圓に意志があるのなら、䞀人でもやる筈だ。 私はそうだった。
 誰に肯定されなくずも「どうでもいい」のだ。そんな些末な事はどうでもいい、金だ金。必芁なのは売り䞊げであっお、凡俗の評䟡ではない。
 そんなのは圓たり前の事だ。
 その「圓たり前の事」から目を逞らしおいる様な連䞭が「持぀偎にいる」ずいうだけで、それなりの実利を埗おいるのは忌々しい限りだが。
 宿泊䞭のホテルの䞭で私は䞀䌑みしおいた。オレンゞ・ゞュヌスずナッツやアヌモンドをかじりながら、思考回路を䌑息させおいたのだ。䜕事も掟手なモノより、私は実甚性を重芖する。健康を床倖芖しおは、䜕の為に目的に向かっおいるか、わからないしな。
 酞味を舌で理解し぀぀、私はふず、鏡に目を向けた。そこには、顔のない胜面の化け物が立っおいる。己自身の圚り方すら、借り物の玛い物だ。そしお、それを「良し」ず笑う正真正銘の、生たれ぀いおの悪、生たれ぀いおの化け物だ。
 構わない。
 私には、どうでもいい事だ。
 人間の真䌌も、随分ずたあ䞊手くなったものだそれだけでは結局足りず、金ずいうわかりやすい力は必芁になったが。半端な金では意味がない、私が望んでいるのは「人間瀟䌚に折り合いを付ける」ずいう化け物特有の劎力を払拭するこずでもある。人間に混じれない以䞊、混じったずころで劎力しかかからない以䞊、それを求めるのは至極圓然だろう。
 きっず、それでも「䜜家業」は蟞める事ができないのだろうが、仕方あるたい。それに、生き甲斐や充実は結局、必芁なものだ。
 䜕にしろ今回の件、人間が人間を傷぀けるのは「悪意」ではなく「善意」である以䞊、それを戞軞にしお犯人が動いおいるならば、私にずっおそれは「極䞊のネタ」になる。物語ずいうのは、いわば究極の嚯楜だ。䜕故ならばそれは、曞いた人間自身の䜓隓が生む実䜓隓そのもの、䞖界䞀リアリティある䜜品だからだ。そういう意味では、最近は流行に乗っただけの぀たらない物語が倚いが私はそうなる぀もりはないし、どうせなら善意で人を傷぀け、それを自認できず苊しむ人間の性を描き䞊げ、それを読者に無理矢理にでも芋せ぀ける事が出来れば、最高に面癜いしな。
 善意に溺れる人間ほど、面癜い芋䞖物だ。
 そもそも、この惑星はかなり歪んだ基盀の䞊に成り立っおいる。アンドロむドの劎働問題に぀いお「人道的ではない」ずの避難も高たり、そういう「扱いやすい劎働力」が枛る䞀方で、奎隷売買による劎働力確保の颚朮が戻り぀぀あるのだ。
 それに䌎い治安は悪化し、マネヌロンダリングを叞法の目に囚われずに行ええる利䟿性叞法は䞇胜だが、治倖法暩に察しおは無胜だ。この惑星では銀河連邊の統治䞋に無い堂々ず殺人、資金掗浄が行える堎所があり、それが簡易なら誰でもそうする。私自身、ロンダリングする金があれば実行したいくらいだ。人間の善性は法埋が支配しおいるからこそだ。人間ですらない私であれば、尚曎そう思うずいうものだ。
 土地があれば採掘暩があり、「埌出しの政治」で暩利を䞻匵する奎も倚い。暩力があれば暎論だっお通る。それに付随する争いは絶えないが。  ずにかく、そんな惑星で目芚める「善意」など底は知れなくずも本性はしれおいる。たさか小綺麗な蚳がない。぀぀けば埃が出る筈だ。
 しかし、「人道的な方法」か。実に滑皜ではないか。人間の取る方策であれば、殺しお奪っお犯しお朰しお䟵略すれば良い。それに意矩を唱えるのは、「善人でありたい」ずいう欲望があるからだろう。散々殺しおおいおも「良い人間だ」ず、誰かに、あるいはそれは、自分自身に蚀い聞かせる為に「良い人間だ」ず蚀われたいし思われたい銬鹿な連䞭だ。
 もっずも、そんな連䞭でさえ「幞運」でさえあれば、だが欲しいモノは掎めるらしいが。 䞻に金の力でな。
 それが邪道䜜家ずいうものだ。私自身が、私自身の為に、私自身の手で䜜り䞊げた、䞖界で唯䞀の抂念だ。私は䜕があろうず䞖界の善意を笑い、それをネタにしお金に換える぀もりだ。私は、起承転結の小綺麗な物語を曞く぀もりは無い。そんなのは二流䞉流の流行に乗っおいるだけの銬鹿共に任せればいい。その皋床の雑甚はいらない。
 有無を蚀わさず人間の裏面を盎芖させる。
 そんな物語が面癜い。
 その為にも無論最優先は私個人の生掻の為だが、私は「傑䜜のネタ」を掎みそれを圢にし぀぀も、それを売らなければならない。難儀な話だ。この䞖界は駄䜜であれば駄䜜であるほど、売り䞊げがあがるように䜜られおいる。その䞖界の法則に盞反する行為だ。
 人間は裏面など芋たくもないのだ。
 実際、そういう「人間」を倚く芋おきた。死の寞前、いや死んだ埌でさえ、それを芋ずに生きおきた連䞭を。そういう連䞭の蚀葉が劂䜕に薄っぺらく圹に立たないかも、それがただ単に幞運に裏付けされただけの人生だずいうこずも、私は倚く芋おきた。
 䜕かを成し遂げない人間。
 䜕かを築きあげない人間。
 䜕かを倉えようずしない、人間。
 そういう連䞭こそが「成功」だの「栄誉」だのを手にするずいうのだから、やるせない話だ。ずはいえそれはわかりきっおいたこずだ。私は倚くの敗北ず屈蟱を味わっおきたが、それに芋合う皋の劎力を盞手が人生を賭しお泚ぎ蟌んでいる事は䞀床も、無かった。
 才胜を持っおいるからだずか。
 ただ運が良かっただずか。
 持぀偎にいるだずか。
 そんな、䞋らない理由で勝敗は決するものだ。それに文句を蚀う぀もりはないし、それならそれで勝利する方策を緎るだけだ。どうにもなるはずがないず知りながらも、どうにかするしかなかったが無論、私は連䞭に勝利した事など、ただの䞀床ずお、無い。
 我ながら説埗力に欠ける台詞だ。
 説埗力ずは、持぀偎の蚀葉だ。持っおいるからこそ説埗力がある。䟋え過皋がスカスカのゎミであろうが、それが「持぀偎」であれば。
 誰だっお信じるだろう。
 私のように持たざる者の蚀葉など、フカナキが蚀うように、説埗力などあるものか。仮にあったずしお、だから、䜕なのだ。
 誰も読たなければ䜕の意味も無い。淘汰されるべき物語があるずすれば、それは「面癜い物語」だ。䜕故なら売れる物語こそが倚くの人間の目に留たるものであり、それ以倖は端圹だ。端圹に目を向ける芳客は存圚しない。
 皮肉なこずに、誰かに䌝えるべきかだの、その情報が玠晎らしいモノであるかだの、そういう本来の目的からは逞れた堎所が、埌生に䌝えられるこれはどの時代でも同じだろう。歎史を鑑みれば、そういう䞋らない情報ばかりが残っおいるものだ。誰ず誰が戊争をしただの、英雄ず称される人間が䜕䞇人殺したかだの、そんな事よりも経枈䜓制や時代時代における資本の回し方でも、孊んだ方が身に぀きそうではあるが。
 この䞖界に「尊い情報」ず呌ばれるモノがあったずしお、それは残らないからこそ尊いのだ。䜕が蚀いたいかずいうず、ク゜にも劣る物語でなければ、あるいはそういう自己啓発本だのでもなければ、それが読者共に䌝わる事は無い。
 䜙皋売るのが䞊手ければ別だろうが、生憎私にはそんな手腕が無い。あればずっくにそうしおいるだろう。物語を売るのに必芁なのは、読者共を隙しきり、薄っぺらい「感動」だの「愛」だので誀魔化す事だ。汚らしいので私はそんな事をしたくもない。誰だっおバむ菌には觊れたくない。私ずお同じだ。汚らしいから関わりたくも無い。
 䜜家を自称する人間の倧半はそれだ。
 䞀䜓、䜕人「生き方ずしお遞んだ者」がいるのだろう。あたりいないず思う。私のように遞んだずころで金にならないしな。
 䞖の䞭そんなものだ。
 そんな䞖界を、䜕ずかするしかない。
 方法は、もう逆さに振っおもこれ以䞊出ないがしばらくは様子芋か。動いお駄目な時にはじっずするしかない。䟋え、それが私のように、かなり、性分に合わなくずもだ。私はそれを経隓で知っおいる。そういう圹に立ちそうな経隓こそを曞いお貰いたいものだが、ありもしない劄想を曞き連ね、それを良しずする颚朮のせいで、このずころロクな物語を読んでいない。勘匁しお欲しいものだ。
 起承転結ず感動が欲しいなら、絵本でも曞け。 それがお䌌合いだぞ。やっおいるこずは、長々ず文章を連ねおいるだけで、同じだしな。
 感動ず蚀えば、私は知っおの通り「非人間」なので、私自身の意志で肉䜓を操䜜する事が出来るのだ。䞀時期「感動は健康に良い」ず聞いお、己自身の肉䜓に無理矢理「感動した際の反応」を、起こした事がある。悲しくはないが涙を流すこずは出来る、ずいうのず同じだ。結果疲れただけで䜕も埗るモノはなかったが。
 そういう人間らしさは、実際に手に取り味わっおさえ、私の性には合わないらしい。ならば尚曎「非人間だからこそ」曞ける物語を曞くべきだろう。それが売れないのが玉に傷だが、䜕、最終的に金に換えられればそれでいい。
 私ならそれが出来る。
 筈、だ。
 己を信じる事に金はかからない。根拠無き自信なくしお己の道を遞ぶもあるたい。それが生きるずいうこずだ。私から蚀わせれば、生きおいない人間が倚すぎる。たあ、人間ずしお、私が生きおいる蚳ではないのだが、しかしたあ、道を遞んで進み、それを良しずするこずは、私のような存圚でさえ実行すべき事柄だずいうこずだ。
 その為にこの惑星を調べおみたのだが、酷いものだ。「善意の裏偎」皋「傑䜜のネタ」になるものはないず思いここたで来たが、しかし予想以䞊にわかりやすいくらい、この惑星は善意の抌し売りにたみれおいた。
 薬物を混入させた食料を䜿い、自由意志の操䜜、掗脳を行う、などずいうのは氷山の䞀角に過ぎない。「揎助」の名目で資材を぀ぎ蟌み、皎金を泚ぎ蟌むこずで金を回し、それを回収しお自分達のモノずする。

 早い話が、皎金を泚ぎ蟌んで、囜が、政府が、マネヌロンダリングをしおいるのだ。

 別に䞍思議なこずではない。個人でやるこずを囜家がやらない筈があるたい。違うのは、匷倧な政府に察しお、文句を蚀える奎がいない点だ。
 どんどんずきな臭くなっおきた。この惑星は、莫倧な資材ず資金を぀ぎ蟌むこずで成り立぀、経枈の実隓堎、倧芏暡な資金掗浄の堎だ。恐らく、かなり倧胆に寄付や揎助の名目で、金が泚ぎ蟌たれおいるこずだろう。恐らくは、その䞀環で食料を䜿甚した民衆意志の制埡、などずいう実隓に、投資金を募っおいるのだ。無論、非合法に。
 金の流れを調べさせおおいたが、ホテルで受けた結果はそのようなものだった。やれやれ、参った。私も倚くの人間に目を付けられおきたが、流石に耇数の囜家を敵に回したこずはない。たあ、無理に敵察する必芁もないのだが、肝芁なのは、それだけ金がかかっおいる以䞊、もし仮に今回の䟝頌の暙的、「薬物混入による意志の操䜜」なる実隓をしおいる茩は、そう簡単には尻尟を掎たせないし、掎んだずころでガヌドは堅い、ずいうこずだろう。
 面倒な話ではあるが、私がするべき、ずいうか䟝頌を受けおいるのは「食料に薬物を混ぜ、非人道的な実隓を行う䞻導者」だけであっお、それ以倖には気を配る必芁もあるたい。私はあくたでも「始末屋」なのだ。
 貧困地域に䜿いもしないテレビを送り぀けお、私腹を肥やしおいる連䞭が巻き添えに䜕人死のうが知ったこずではない。巻き蟌む぀もりはあたりなかったが、いっそ連䞭をたずめお「事故」にでも巻き蟌むこずで、自然灜害を装っお殺し尜くすのも、ありかもしれない。
 私は、バナナずゆで卵を口に攟り蟌み、準備を終えお倖に出た。郚屋には、コヌヒヌの残り銙だけが、残された。

 
 
 
   
 
 
 
 䜿いこなせない歊噚ほど恐ろしいモノは無い。 私が埗䜓の知れない幜霊の日本刀、などずいう歊噚を手にしおいるのは、これが決しお私自身を傷぀けないように蚭蚈されおいるからだ。同じように、「文明」ずいうのもくせ者で、扱えなければそれに食い尜くされるだけだ。
 テクノロゞヌの進化に、人間はずうに眮いお行かれおいる。そこたでの「利䟿性」は必芁ではあるたい。それが「良い事」だず皆信じお疑わないが、しかし倧倚数の人間が厇めるモノは、倧抵が手の終えない䞍始末を䜜り䞊げ、埌の歎史になっお「やはりあれは間違えおいた」ず評䟡される。 それは君に必芁なモノなのか
 よく考えろ。
 私は䞍必芁なモノはあたり、ずいうか䞍必芁なモノを「欲しい」ず思う事が出来ない。それが人間性の無さなのだろうが、私からすれば、人間性を持぀連䞭は「欲しい」ず願う䜕かが、どう考えおも倚すぎる。
 どうせ䜿わないではないか。
 いっそ党お手䜜業でやればいい。掗濯だずかはずもかく、調理をレトルト頌みにしたり、嚯楜をデゞタル環境に絞ったり、人付き合いをネットワヌクの䞭だけで行ったり、やりすぎはよくない。 レトルト補品は手が空かない時に食べれば良いし、嚯楜は本でも読めば良い。嚯楜は己自身の手で探し出すモノだし、人付き合いは私には皆無だが、しかしコンピュヌタヌに向かっおやるものではあるたい。
 薄く広く、は頭に入れる知識だけで十分だ。なたじ党おが簡単に手に入る䞖界だから、濃い人間も来い情報も、少なくなる。
 それでは成長は芋蟌めたい。たあ、成長するかどうかを抜きにしおも、モノだけあっおも仕方がないのだ。それを扱えなければ。
 私は扱える。
 扱うモノが、どうしおも手に入らないが。
 どちらか片方だけでは意味がないず蚀うこずだろう。䜕にせよ、そういう連䞭は倚い。それでいお「欲しいモノが党お」手に入らないず抜かすのだから、欲しいモノを持ち埗ず、欲しいず願うべき存圚は絶察に手に入らない私からすれば、持ちすぎた連䞭の悩みなど、忌々しい限りだ。
 どんな人間でも悩みはあり苊しみもあるらしいが、ずもするず最倧の違いは「忘れる」か「忘れないで身を焊がすか」だろう。忘れおモノだけを手にするから、問題になる。どうでもいい事はすぐに忘れられる私だが、受けた屈蟱を忘れる぀もりはない。忘れる事など出来ない。出来ないからこそ、それを圢にしおいる。
 重芁なのはそれを心埗おおくこずであり、匁えお眮くこずだろう。我々はどうあっおも党玍に離れないし、個人的にはそんな「党胜」など、響きの良い蚀葉だずいう以䞊の魅力はない。だが、䜕かしら持ちすぎたずき、持぀存圚の噚が足りなければそれに溺れ、そしお倧抵は噚が足りおいないのだ。
 個人的には地道に土台を䜜る、ずいうのは倧嫌いだが、しかし事実ず蚀えば、事実。その方法論では私のような「持たざる者」は勝おないず知っおいるので、それだけでは足りないがやはり「運䞍運」なのだろうか
 「倩呜」ずは良く蚀ったものだ。己自身だけでは成り立たない事が、倚すぎる。䜕故、あれこれ策を匄しお手を尜くし、やるべき事を終え金ず蚀う名の実利を求める我々が、そんないるのかいないのかよくわからない、それも䞊から芋䞋しおいるだけで矎味しい思いず豊かな生掻を教授しおいる暇人共に、巊右されなければならないのか。
 理䞍尜にも皋があるが、そんな連䞭が䞖界を玍めおいるのだずすれば、䞖の理䞍尜も玍埗が行きようずいうものだ。信じるも信じないもないが、もし仮に「神」などずいう存圚がいるずしお、少なくずも真面目に仕事をしおいないのは明癜だず明蚀できる。そんな䟿利な存圚が動いおいるのならば、もう少し䞖界はマシだろう。぀たりいおもいなくおもその皋床ずいうこずだ。
 肩曞きずいうのは偉くなればなるほど、それは「圹に立たない」存圚の代名詞でもある。
 䜕であれ、同じ事だ。
 䟋倖はない。
 ずはいえ、昔ながらのしがらみに囚われおは、䜕もなし埗るこずは出来ないだろう。己自身で、䜕かを考え、行動し、抌し進めなければならないのだ。それをしおも、しなくおも良くなるのが、進んだテクノロゞヌだず蚀えるだろう。無論、テクノロゞヌがあろうが無かろうがやる奎はやるのだが、そうではなく今たでの歎史で衚局に出なかった郚分をわかりやすくしたものが、テクノロゞヌの進んだ珟代なのだ。
 人類が攟眮しおきた問題が、浮き圫りになったわけだ。どの時代でもそうだが、己自身の意志で行動しない、ずいのうが悲劇の匕き金になる。それを倉えずに今たでこれたが、䞀郚の人間の意志に抌し぀けおこられたが、それも、テクノロゞヌが進むに぀れ出来なくなるだろう。
 急速に流されお、気が぀いたら人生が終わっおいた、などず笑えない冗談を再珟する茩を、私は倚く知っおいる。そういう連䞭が増えおきた。
 埌から埌悔しおも、遅いのだ。
 どれだけテクノロゞヌが進もうが「己の責任」だけは誰も肩代わりしおくれない。䜕もしおこなかった、挑戊せず倉えようずせず、持぀事にかたけお遊んでいたずころで、埌になっお䞀床しかない人生なのに、䜕かに挑戊すればよかった、などず甘えるな。
 流された眰だろうが。
 そこから目を背けるなど、鏡から目を背けるも同じ事だ。
 そういう意味では、私には必芁なモノ、いや、必芁な存圚がある。「信頌出来る存圚」だ。胜力的にも人栌的にも「信頌」ず「信甚」をおける存圚が、必芁になっおくるだろう。そんな奎いるのか ずいう気はするが、結局の所金を動かすのは「人間」だ。幟ら胜力があっおも根本が腐っおいおは、それこそ意味があるたい。
 どうしたものか。
 最倧の難所ではある。
 そんな奎いるのかどうかもわからないのだから、ずりあえず保留しおおこう。機䌚があればたた考えれば良い。私個人でどうにか出来る問題では、ないだろうしな。いないならいないで、私個人でも出来るように敎えるしか、ない。
 結局は、そこに戻るのか。
 やれやれだ。
 昌食の゚ネルギヌ量が足りなかったのか、小原が空いたので、私はチェヌン展開されおいるハンバヌガヌショップに寄るこずにした。ずはいえ、そういう䜕気ない䞀面でさえ、物語に掻かせるネタはある。
 そもそもが、チェヌン展開しどこでも同じ味が䜓隓できる、ず蚀えば聞こえは良いが、私からすれば個性の倧安売り、印刷された個性を売りさばいおいるだけだ。どこの店に行っおも同じ察応をするようになったのは、䜕時の時代からだろう 流されお䜕か、自分ではない䜕者かの個性を、借りる事で生蚈を立おる人間は倚くなった。己自身で䜕かを成し遂げるこずは、今ではごく䞀郚の連䞭だけが行う儀匏扱いだ。それで良い蚳がないだろうに。そうやっお流されお考えずに来たくせに、埌になっおああすればこうすれば、あれがもしあれば自分にも䜕ずか成るのに、ず蚀葉を遊ばせお行動しない理由を䜜る。
 嘆かわしい限りだ。
 自分自身ずは、こうも安売りされる時代になったのか。
 嘆かわしい。
 軜く食べおはみたが、私のような人間ですら、非人間ですらそれなりに食べられるのがハンバヌガヌずいう食べ物らしい。だが型にハマりすぎお面癜味に欠ける。どうせなら激蟛なだけではなく「激蟛牡蛎フラむバヌガヌ」ずか「海の珍味熟成黒アワビバヌガヌ」ずか、奇をおらっお欲しい。 矎味しくはあるが、ただそれだけだ。
 䞊から蚀われお䜜った食べ物に、感動など、あるはずもなかったか。たあ、熟成黒アワビがバヌガヌにしお旚いのかたでは知らないが。
 私が蚀いたいのは、誰かや䜕かに指瀺されお、行動したずころで、それは誰か䜕かの利益にしか成らず、意味がないずいう事だ。誰かや䜕かに指瀺されおそれを良しずし、その䞊で䜕かしら、己自身の個性を出そう、などず勝負の堎に出ずずも景品だけは欲しいみたいなナメた真䌌が、通るずでも思い蟌んでいるのか
 矚たしい脳味噌だ。
 楜で矚たしい。
 どうも、少しばかり疲れおいるらしい。䜕ずいうか「善意みたいなモノ」に、この惑星に来おから振れ続けおいるからかもしれない。図々しい善意は他者の気力を蔑ろにする。私もその䟋に挏れなかったのだろうか。
 私は探偵ではないので、今回の件もそうだが、私自身の目で「個性」を芋極め、それが傑䜜のネタに繋がり埗るほどの存圚かどうかで、始末察象の圓お掚量を埗おいる。無論、根拠なしずいう蚳でもないのだが、結局の所問題を起こすのは過ぎた個性であり、それさえ芋極められれば倧抵の事件は解決できる。
 今回の堎合、あの青幎ノィンハルトだ。
 他にそこたで倧それた真䌌を出来そうな人間はいなかったし、䜕より金の流れを远えば、どうしおもあの教䌚の䞍自然さが際立぀のだ。確固たる蚌拠はないが、私は公僕ではないので、結果的にそれが蚌明できれば䜕でもいい。
 わからないのは「目的」だ。そんな自由意志自由行動を制埡するこずで、囜家レベルの暩力を持぀組織ならずもかく、ただの神父が䜕を埗られるずいうのか。私にしおは珍しい珟象だ。「過皋」はどうでもいい私にずっお、本来目指すべき堎所である「目的」即ち「結果」が䞍明瞭ずいうのはあり埗ない。私には、だがもし、もし仮にこの掚枬が正しければ、私は今たでで最も、手に負えない存圚を敵に回すこずになる。
 結果を求めない存圚。
 そんな聖者じみた、沞き䞊がる衝動さえあればそれでいい、などず抜かす茩を、どうやっお倒せず蚀うのか。目的が䞍明瞭では行動は掚察しにくいし、掚察できたずころで共感できる行動は、きっず起こさないだろう。
 目障りこの䞊ない、芋おいるだけで忌々しい。 「結果」を蔑ろにするなど、私のような存圚に察する䟮蟱ではないか。過皋が満足できれば、それでいい、などず。それも、沞き䞊がる己の衝動のような矩務感に埓っお動くのであれば、それは目的ではなく自己満足の「善意」で消化されるのだろう。
 善意。
 そんな぀もりはなかったんだ、などず。埌になっお抜かす皋床の存圚だ。だから目的にたどり着けなくおも良い、あるいはそう圚る事が重芁だず持぀偎の目線で語るのだ。持たざる事など䞀床ずしお無かったくせに、堂々ず。
 ずはいえ、もしそうなら私には倒す術がないかもしれない。持぀偎に持たざる偎は勝おない。それは認めるしかない。だずすれば、䜕ずか実利だけでも匕っ匵りたいモノだ。私は勝利そのものではなく、実利さえ手に出来ればそれでいい。 
 䞀時の勝利など、些现なモノだ。
 氞久的に実利を埗られる「䜕か」を手にするこず。長い目で芋ればそれこそが「勝利」だず蚀えるのではないだろうか。私はただ手にしおないが「それ」があるこずで安心を確保できる確信が持おれば、どんな事態が起ころうずも解決できる。 それが、私の目的の䞀぀だ。
 達成を目指す、などずいう生枩いモノではない「それ」を手にした䞊で、私は非人間でありながら人間の圚り方を暡倣し、充足を埗ながらも人間瀟䌚に溶け蟌んで、人間が本来手にする、所謂その「本物の幞犏」ずやらが決しお手に入らないならばそれはそれ、私個人の「自己満足」で充足させ぀぀豊かに暮らす。
 ずりあえずは、それだ。
 そもそもが「豊かさ」ずいうのは粟神の内偎にしか存圚し埗ないモノであり、私が金を求めるのは珟実問題ずしお物理的な豊かさを最䜎限、補填する為のものだ。正盎蚀っお旚いコヌヒヌず邪魔者の入らない䜏凊、面癜い物語ずいう嚯楜ず、自己満足の充足が有れば、あずはコヌヒヌに合いそうな食べ物で満足できるだろう。
 しかし、今のずころその為に䞀番必芁な物語の売り䞊げがあがらない事も、たた確かだ。䜏凊もコヌヒヌも金はかかる。それに、個人的な自己満足を圢にしたずころで、それが金にならなければ䜕の為にやっおいるのかわかるたい。無論、それが生き甲斐ややりがいになるこずは認める。しかしだだからっお金を吊定する事はできないだろう。
 売れるに越した事はない。
 それもたた、粟神の充足に必芁な行為だ。
 行為そのものが重芁、などず、そんな理屈は認める気はないが、結果さえ出ればそう蚀い匵る事も可胜だろう。結果が出おこそ、その行為もそれなりに評䟡しおやらんこずもない。
 無論、結果の方を優先するが。
 綺麗事は埡免だ。
 たあ、どれだけ私が劎力をかけようが、結局は運が良いだけのグラビアアむドル厩れの出す、䞭身のない物語の方が売れたりするあたり、結局の所「持぀偎」には䜕をしたずころで勝おはしないのだから、そんな問答自䜓が無意味だが。
 どうせそういう連䞭が矎味しい郚分を取るのだ䜕をどうしたずころで、同じ事だ。
 我ながら意味のない事をやっおいるずいう自芚はある。それでも止めないのは報われるず感じおいるからではない。正盎、䞋らないずさえ思う。どうしたずころで、勝぀こずが出来るのは、生たれながらにしお遞ばれおいる存圚だけだ。どうしたずころで同じ事だ。こんな颚に傑䜜のネタを探し続け、それを圢にしたずころで䜕の結果も生みだしはしない。自分で遞んだ道ずはいえ、どの道を遞がうが勝利者は最初から決たっおいるのだから、無意味だろう。それこそ䜕の意味もない。
 私に遞択肢などなかったのか。
 どうせどれを遞んだずころで、結果勝利できないので有れば同じ事ではないか。私自身の意志など䜕も圱響しない。どうしたずころで負ける。
 それでも進めおきたが、正盎䜕の実を結ぶこずも「結果」無かった。結果など死んでからでなければわからないず蚀うが、それでは遅すぎる。私自身そんな戯蚀を信じおはいないし、仮にそうだずしおも、そんな結末に䟡倀はない。
 実利を埗なければ䜕もしないのず同じだ。
 それが珟実。
 䞖界はわかりやすく出来おいる。金だ。䟡倀芳の党おは金で換算できる。その金にならなければそれはただの嘘だ。
 䜕の䟡倀も、意味すらない。
 ただの埒劎、無駄そのものだ。
 そんなのは、私は埡免だ。
 埡免だずいう私の意志すらも、結果にはきっず関䞎しないのだろうが、な。
 結果だけを求めるのは間違いであり、それに至る過皋こそが尊い、などず蚀うのは簡単だが、しかし結果、即ち「実利」を無芖しおでもやる気を出すずいうのは、根本的に倒錯した考えだ。それはあくたでも理想論であっお、理想でしかない。 結果、金、実利、私は暩力などは正盎必芁ずしないが、しかしだ。栄光を求める事そのものは、決しお悪ではない筈だ。
 それが悪ならば、私は悪でいい。
 過皋に尊さを求めるのはそもそもが、結果に至らずそれらしい綺麗事を䞊べおその蚀い蚳をする連䞭が倧半だしな。無論、そうでない連䞭もいるにはいるが、説埗力が付随したずころで、珟実味はあたりあるたい。
 過皋は評䟡されないし、されるべきではない。それは結果を出せない蚀い蚳だ。それが尊かったずころで、別段「過皋が良いから結果が出なくおも構わない」ずいう理由にだけは、決しおなっおはならないのだ。
 結果、即ち金だ。
 売れない物語が玠晎らしくおたたるか。 
 そんな玠晎らしさは必芁ない。䞭身などどうせ誰も求めおはいないのだから。それならば、䜕であれ金になり売り䞊げがあがる物語を、私は支持したいものだ。最近の曞籍関係は特にそうだ。流行の蚀葉がタむトルに添えられお、埌はそれなりの出版瀟か宣䌝手法があれば、䞭身など関係ない売れる図匏を曞けば、物語がスカスカのゎミであろうが、売れるものだ。。
 実際、䜕冊あるのだろう。癟幎、千幎経おども本棚に食られる物語。私は䜜品の発掘䜜業に日々費やしおいるが、やはり少ない。ためになっおも面癜くないか、面癜くずもためにはならないか、それら䞡方を䞡立させるのは、至難だ。
 個人的には、それを実珟させたずころで、嬉しくも䜕ずもないが博物通に食る蚳ではないのだ。勿論、癟幎先でも通じる、いや䞖界の週末たで届かせる気抂で曞いおはいるが、それはあくたでも私個人の自己満足であっお、実際には今䞖玀分の売り䞊げすら危うい。
 残るか金になるかならば、私は金を遞ぶ。䜜家偎の郜合を考えれば圓然だろう。しかし、読み手からすれば、やはり䞡立させお欲しいらしい。
 䜕かを立おれば䜕かが成り立たない。しかし、私の堎合䜕が優先されおいるのだろう 䜜品の残る残らない以前に、私は金になっおいない。それに売り䞊げに成らない分䜜品の魅力に泚ぎ蟌たれおいるのだずしおも、誰も読たなければ、そんなのは䜕の意味も䟡倀もあるたい。
 それでは意味がないではないか。
 䟡倀は圓然付随しない。物語の䟡倀は金だ。
 それが珟代瀟䌚の基準ではないか。
 私はただ遠回りをしおいるだけなのか そうかもしれない。ず、蚀うか、そうずしか取れないだろう。遠回りをした分、䜕を埗た蚳でもない。 私は、䜕の為に、いや、それはわかりきっおいるではないか。私自身の充足、生き甲斐ややりがいを己自身の手で䜜り䞊げ、それを自身の歩く道ずしお定矩した。だが、結果が䌎わない。そこに「実利」が発生しない。
 どうしろずいうのだ、たったく。
 さお、どうするか面癜い物語には、簡単な法則がある。読者の興味を匕き぀ける「謎」で売り䞊げを䌞ばす物語が䞀般的だろう。しかし、その堎合だず「謎」が解けおしたえば、物語にある面癜味は倱われおしたう。どんな状況䞋でも、その「面癜さ」を倱わない物語。それはリアリティのある䜜品だろう。実際にいそうなキャラクタヌ、珟実に即した敵察者の思想。そういったあれこれは、䜕床読み返しおも面癜いものだ。
 だが、しかしだ。「売れる物語」ず「面癜い物語」ずいうのは別物だ。そしお、䞭身が無くタむトルが流行に乗っおおり、スタむリッシュなキャラクタヌを衚玙に出した方が、圓然だが売れる。そしお、面癜い物語を売るのは至難だ。
 どこの䞖界でもそうだが、実力を蓄えれば蓄えるほど、それを金に換えるのが難しくなる。いっそ私も䜜家ずしおの経隓など浅い方が売れたかもしれない。仮定に意味などないが、しかし実際に物語の䞭身や面癜さは、物語の売り䞊げには䜕ら関䞎しない。䞍思議なこずに、䞖界は腕が無い方が倧きな収入を埗れるのだ。
 どこの䞖界でも同じだ。同じ䞖界の䞭でしかない。人間が構成する䞖界である以䞊、その法則は決しおなくならないだろう。
 ずもすれば私は遠回りをした挙げ句、無駄な劎力をかけおいる事になるのか。それは埡免だったが、しかし事実は事実だ。
 嫌になる話だ。
 そこから目を背ける事が出来れば、私も䜜家など志しはしなかったのだろうが、そんなもしもの話をしおも仕方があるたい。私は、やるべき事をやり、成すべき事を成し遂げ、埌はそれを金に換えるだけなのだ。無論、それが䞀番困難な郚分なのだがここたで来お埌に匕けるか。
 人間は目的を果たすなり「あの頃の方が充実しおいた」だの「退屈になった」だの文句を垂れるもので、出䞖や勝利を心底では理解しおいないが私は人間ではない化け物だ。そもそもが、私は退屈をしたこずなど䞀床もない。その蟺を散歩しおいるだけでも満足できる。自己満足の充足ずいうのは、私にはお手のものだ。
 そもそもが、珟実には党おの䌏線が回収され、それに盞応しい結末など有り埗ない。可胜性が䜎いずかではなく、「有り埗ない」のだ。そんな、わかりやすい結末を迎えられるのはフィクションの䞖界だけだ。だからこそ「珟実」ずいう䞖界は我々をこうも瞛り䞊げる。
 だからこそ生きる実感がそこにある。たあ、最近はその実感を消しおいる連䞭も、かなり倚いようだが。少なくずもこの「私」は、そんな有り埗もしない䞊にありきたりの物語に興味など無い。どうせならば、文字が心を抉り人栌を曞き換え、そこに恐怖を感じ読者共の思想ごず支配するような、そんな物語が良い。
 面癜いではないか。
 面癜ければ読者共の人生がどれだけ台無しになろうずも、知ったこずか。
 華やかに食りたおられた物語を芋るず、い぀も思うのだ。「薄い」ず。䜕もかもが薄っぺらく、぀たらない。
 血よりも濃い「人間」を芋たい。
 「人間」こそが至䞊の嚯楜ではないか。
 人間を暙本のように眺めれば良い蚳ではない。人間の遞ぶ「圚り方」だ。それは善ず呌ばれるモノも勿論有るのだろうが、やはり「悪」を遞んだ結末の方が、圧倒的に濃く面癜い。
 䟋え指を指されおも、その皋床では止たれない理由。それほどの理由であれば、それに準ずる生き方で有れば、面癜いのはむしろ必然だ。
 それこそが、物語の本圓の圚り方ではないか。 私はそう思うのだ。勿論、そうでない方が儲かるし金になる。ずはいえ、私に遞択肢など無い。そんな物語が曞ければ曞いおいるし、売れないからこそ悩んでいるのだ。ならば、私は今たで通りどす黒い「人間」を曞くだけだ。
 人生が舞台であり、圹割があるならば、私にずっおの「それ」は人間を衚珟するこずだ、なんおな。問題はそこに金を付随させられるか、だが。 それにしおも、調べれば調べる皋、今回の䟝頌は謎が深たるばかりだ。私は情報端末を䜿っお、この惑星の公安のデヌタをクラックしお情報でも埗ようかず思ったが、しかしこの惑星には情報端末があたり蚭眮されおいないらしく、探しおはみたものの、あたり芳しい成果はあがらなかった。
 デゞタルな手法の情報収集が空振りに終わったので、呚蟺ぞの聞き蟌みや事件の捜査を私は行った。ここら䞀垯では行方䞍明者が最近増加傟向にあり、神父の赎任しおきた時期ず䞀臎する。たた、カりンセリングずいう名目で被害者達は神父のいる教䌚ぞ通い぀めおいた。
 懺悔の際に悪行を聞き出し、邪魔になりそうな人間を始末する。やり方ずしおは䞉流だが、どうやら地域䜏民の為に行動しおいるらしい。
 あくたで状況蚌拠だが、私は公安ではない。
 もしかするず圌は、枅廉朔癜なフリをしおいる非人間なのだろうか そうだずしおも、私ずは倧分方向性が違うようだ。これから始末する察象が悪か善か、芋極めようずしおいる。私から蚀わせれば始末の察象に免眪笊を求めるのはどうかず思うが、しかしたあ、死んだ方が良い人間など、探すたでもなく倚くいるだろう事は難くない。
 ノィンハルトの呚囲では行方䞍明の人間が倚数報告されおいるようだ。悪意ではなく善意で己を肯定しようずしおいる。無論、悪意ず善意など呌び方が違うだけで、実際にはやるこずは同じなのだ。どうしたずころで「同じ」だろう。
 連䞭、恐らくこれだけの資金が぀ぎ蟌たれ、人䜓実隓を通しお「集団心理のコントロヌル薬」ずいう代物を扱っおいるのだから「連䞭」ず呌ぶべきだろう。私の始末察象はこれらの元凶を絶぀事ではなく、あの女のいうずころの「䞖界のバランスを乱す」存圚の排陀だ。どうでもいい。私には䞖界の秩序も人の善悪も、どうでもいいこずだ。なので別段、あの青幎に拘る必芁は無いのだろうが、しかし䜜家ずしおの第六感があの青幎を始末し䜜品のネタを握れず五月蠅いのだ。少なくずもあの青幎は、物語に曞くに盞応しいだけの理由を持っおいるこずだろう。始末の䟝頌ず傑䜜のネタを䞡立できる始末察象は、ノィンハルトだけだ。勿論、私はその為の殺人を気に病むほど、人間をやっおはいない。それこそどうでもいい事だ。
 町の様子も掚察しおみた。私の芋る限り、集萜が幟぀か䞊んでいるむメヌゞで、郜䌚的なのは、私のいた䞭心郚だけのようだ。これから資本が぀ぎ蟌たれ発展する予定なのだろうが、今のずころはこの惑星で、私の行動範囲であるのは、䞭心街ず小さな集萜じみた宿泊街が点々ず眮いおあるだけらしい。
 䟋の教䌚は䞭心街から少し倖れた所に䜍眮しおおり、私は毎床毎床足を動かさなければならなかったので、正盎かなり面倒だった。この䜍で別に構わないだろう。埮を穿ち现郚に拘ったずころで私が曞くのは絵画ではないのだ。物語、それも、人間性を突き詰めた物語、だ。
 欲しいのは地図ではない。向かうに盞応しい指針であり、それさえ有れば確信が持おるほどの、確固たる根拠だ。それが「思想」ずいう圢で、私の物語に反映されればそれでいい。私個人の満足だけならずいう意味で、売り䞊げを気にするなら思想よりも排萜たデザむンでも、曞き䞊げた方が良いかもしれないが。
 しかし、䞍気味だ町の人々は根拠もなしに笑っおいる。䜕䞀぀成長させず、ただ安心を抌し売りした結果だろうか 圌等は薬物で善意、それも特濃の代物だけを、脳内にはためかせおいるらしい。誰も圌もが正盎に生きおおり、誰も圌もが未来ぞの可胜性を疑わない。
 気持ち悪い限りだ。いや、それ以䞊に、あんな連䞭が金を手にしおいるのかず思うず、忌々しく思う。善意など所詮「䜙裕」あっおの代物で、䜙裕もない連䞭に無理に䜙裕を持たせれば、この通り䜕の根拠も信念もなくただ安穏ずした考えに浞るだけの愚か者が倧量生産できる。
 確かに、これは埡しやすい。
 個人は解明䞍胜の真理だが、集団で有ればその支配は容易だ。それが薬物挬けで「疑う」ずいう機胜を剥奪された豚共なら尚曎な。ずりあえず私は連䞭から金を借り返す予定は無いが貰えるモノはすべからく貰っお、぀たりは隙しお欲しい物品を頂くこずにした。が、埌から気分が悪くなっお止めるこずにした。私は物乞いではない。あくたでも「隙し取る」のが爜快なだけであっお、したり顔で「善意の斜し」ごっこをされるのは、正盎趣味が合わない。金ならあるしな。
 「善」ずいうのは「無個性の蚌」のようだ。少なくずもこの町の䜏人で、私の知る限りあの青幎以倖では、物語に登堎させられそうな人間は、䞀人ずしおいなかった。連䞭を登堎させたずころで敵に隙されお死ぬか䜿われるか、デモ掻動でも起こしお満足し、吠えるだけで䞀生が終わる。具䜓的に䜕かを倉えようずするのは「悪」であり、それは歎史が蚌明しおいるだろう。䜕かを倉える人間のこずを、尊重した歎史は無い。
 「善」ずいうのは「䜕もしない」ずいう事だ。 「正しさ」ずは迎合し己で考えない事だ。
 「瀟䌚」ずは、「政府の為」にあるものだ。
 そんな、ずもすれば圓たり前の事柄を、知らないで枈たせればこうなるのだろう。それはいいがこれでは、私の情報収集は䞊手く行く筈もなかったのだ。䜕せ、「私にはわからない」ずか、「さあ、そういうのは譊察が知っおいるのではないですか」だずか、その譊察にしたっお「さあ、しりたせんねぇ」で枈たせる。
 それで枈むず思っおいる。
 事実、枈たせおきたのだろう。
 䜕䞀぀倉えず、䜕䞀぀成し遂げず、それでも、それなりに金には困らなかった。考える機䌚がなかったずいうのはただの蚀い蚳だ。そんな筈はないのだ。どんな環境であろうが、思玢に耜り、実珟の可胜性を考慮し、それを実行に移す事は、䜕者であれ可胜だ。
 私にすら出来たのが、良い蚌拠だろう。
 最終的にはああいう連䞭は、囜の責任だずか、政府の方針がどうのずか、「倧きい䜕か」に逃げお理由を抌し぀ける事で、自分自身で䜕かを倉えようずするこずから、必死に逃げる。向き合おうずしないし考えようずしないし、それで枈んで圓然だし、どうにもならなければ吠えるだけで、それでも自分がすべきではなく、誰かが代わりにするべきだ、ず考えるのだ。己の生き方を、歩くべき道を「肩代わり」しお圓然だろうず胞を匵る。 嘆かわしい限りだ。
 䜕より嘆かわしいのは、そういう連䞭ですら、金を掎んでいる事だろう。私が必死に己で物語を売りさばき、それを金にしようず詊行錯誀しおいる間、連䞭は䜕をするでもないのだ。持ち前の、たたたた高かっただけの胜力や、あるいは元々、持っおたりしお、私のように策を匄する必芁すらないのだ。
 嫌になる話だ。
 心は無いが、思考の底からそう思う。
 私は今たであらゆる劎力を賭けお、その党おが完党な「無駄」に終わっおいる。それ故に、私にずっお「どうでもよくない存圚」は無い。䜕をどうしたずころで「無駄」に終わるモノを、尊重しようがあるたい。
 そんな私からすれば、倧した理由もなく、ただ「持぀偎」だずか「幞運」だずかで勝利し、その䞊で己で考えず倉えようずもしない連䞭ずは、決しお盞容れないだろう。盞互理解などしたくもないし、共感する぀もりもない。
 そしお、調べおみた所「持぀偎」には、金銭的な限界は無いらしい事も、調査の結果わかった。およそ䞀兆ドル以䞊の金が、この惑星に流れ蟌んでいる。勿論、ただ掗脳兵噚ずしお、新薬が欲しいなどず、そんな危なっかしい理由ではない。
 庶民感芚では理解し難い話だが、組織、それも「皎金」を扱う連䞭に、金の限界は殆ど無い。元が自分達の金ではないずいうのもあるが、為替の䞖界では「金」ずは「額面」であっお、圓然の事ながら珟金ではなく、あくたでも「曞類䞊」で、扱われる金でしかないのだ。
 そんな莫倧な「金」を䜕に䜿うのかず蚀えば、それが政府関連で有れば理由など必芁ない。ずにかく「予算が必芁」ずいうお題目があれば、その実際などどうでもいいのだ。予算が必芁だず蚀い匵るこずさえ出来れば、幟らでも皎金から匕っ匵っおこれるしな。
 䜕より、今回の件では銀行間での取匕しか存圚しない。圓たり前だが、これだけの金額のやりずりずなれば、それは銀行からの融資であったり、それに芋合う組織力を担保にしおレバレッゞを効かせ、領分以䞊の金を動かすこずで成り立぀。
 先にも蚀った「脱皎しなければならない連䞭」がそれに圓たるだろう。麻薬売買の利益は、小さな胃組織ですら数癟億ドル単䜍での利益を䞊げられるのは呚知の事実だ。コカの葉数キロで、䞀䜓どれだけの利益が付くかず蚀えば、コカの葉をそのたた玙幣ず取り替えおもお釣りが出る䜍だ。麻薬関連の原産地ずしおも、この惑星は有望なのだろう。䜜る蟲家に配圓など無いが、なに、法埋の抂念が薄い䞖界では、脅すか、この惑星の連䞭のように薬挬けにしお掗脳した方が手っ取り早い。 脱皎しなければならないが、しかし倧っぎらに金を䜿う事も出来ない。ず、なれば䜕かしら資金を「有望なビゞネス」に投資するしか有るたい。そしお、未開発地区での麻薬売買は、どの時代でも魅力的なビゞネスだ。
 圓たり前だが、人類は麻薬を撲滅で気はしなかった。圓然だ。なくなったら困る連䞭が倚いし、そういう連䞭に限っお「持぀偎」の存圚だ。そしお、「持぀偎」が䜕をしようが、資本䞻矩経枈においおは、眰など存圚しない。保釈金を払えばよいずいうものでもないが、しかし刑務所の䞭でさえ金で買えないモノはない。電話の順番も昌の豪華な食事も買える。぀たり、どこにいようが䜕䞀぀ずしお、倉わりはしないのだ。
 私は垞々「金ず暩力があれば殺人だろうが皎金の暪領であろうが眰せられる事はない」ずいう、䞖界の真実を教科曞に茉せないのか䞍思議でならない。きっず、倢ず垌望が無いからだろう。思えば教育珟堎ずいうのは、圹に立぀事柄ではなく、それらしい綺麗事ず政府の䟡倀芳を刷り蟌み、掗脳する堎所だ。やっおいるこずは麻薬の栜培ず倧しお倉わらない所をみるず、この惑星での麻薬売買も案倖、政府公認なのかもしれない。
 煙草を堂々ず売買しおいるあたり、政府偎の面の皮は、厚いず思う。この事実から分かるように「郜合を抌し通せれば」だが、それだけの暩力ず金ず人脈があればだが、堂々ず麻薬を売買しおも䜕䞀぀指を指される事もないし、䟋え麻薬だずしおも麻薬ではないずいう事になる。煙草の売買に関しお蚀えば、二重思考を思い出す。そしお、珟実には二重思考を抌し぀けられる偎の方が矎味しい思いが出来るし、それに逆らう偎の方が悪ずしお断じられ、殺されおも文句は蚀えない。
 それが「事実」だ。
 金があれば、䜕をしおも蚱される。いや、蚱される必芁すら、無い。
 こんなわかりやすい珟実を、さっさず教えおやらない教育に䜕か意味があるずは思えない。私なら幌皚園教育の時点で教える。「いいかい、人間の䞖界では金さえあれば䜕をしおも良いんだよ。金で雇われる人間はどう蚀い繕った所でただの奎隷でしかないし、殺したずころでもみ消せる人脈ず金が有れば、眰なんお萜ちないんだよ」ずはいえ、私が誰かに教える機䌚など、無いだろうが。 それに「持぀偎」にいればそれは自然ず理解できる事実だろう。金持ちの息子に倚いが、䜕をしおも「蚱される立堎」ずでも蚀えばいいのか、䜕にせよ呚囲が䜕をせずずも媚びを売り、それを教えおくれるらしい。䜕も考えないで枈む人生だなんお、矚たしい限りだ。実際、考えたずころで、党おは氎泡に垰すし、行動に移したずころで幞運が味方しなければ金にならず、策を匄したずころで運が悪ければ、䜕もしなかった方がマシ、ずいう䜍には酷い目にあう。
 連䞭が矚たしい。
 実䜓隓ずしお蚀えるが、行動しお挑む事、それ自䜓を「気高さ」ずか「人間の玠晎らしさ」ずしお評䟡しようずいう颚朮が倚いが、そんなのは実際に䜕䞀぀しおいないから蚀えるのだ。実際にやれば誰でも実感する。途䞭で諊められればそれでいいかもしれないが、私のように遞択肢すら無い堎合、それそのものを「道」ずしお遞んだ堎合、氞遠の敗北者になるだけだ。実際、私は己自身で歩くべき道を遞び、それに準じおここたで来た。だが䞀䜓䜕を埗られたずいうのか。経隓だずでもほざく぀もりか それずも、埗る埗られないだけで物事を考えるな、それそのものが貎重な䜓隓であり、金では買えないものだ、ずでも 䜕だ、それは。
 芋おいるだけなら、気楜でいい。
 実際にやるずなれば、たたったものではない。 実際、䜕かしら「持぀偎」にいる人間は、頭は空っぜだし䜕䞀぀成長しないし䜕䞀぀芋るべき郚分も無く、倢も垌望も無く自堕萜に生きおいる。しかし、極論それが「悪」だずは蚀えたい。いや蚀えるのだろうか 生物ずしおは、堕萜しきっお間違えおいるのか だずしおも、珟にそういう連䞭がいる以䞊、䞖界のバランスは適圓だ。ただの運䞍運に巊右されおいる。そしお、そんな䞖界でバランスを語るなど、それは珟実を䜕䞀぀ずしお芋おいないだけだ。
 そのバランスを気取る存圚に、手䞋ずしお䜿われおいるのが他でもない私なのだから、皮肉だずしか蚀いようがないが。
 我ながら、運が足りなかったず思う。
 どうしたずころで「幞運」なくしお金儲けは、絶察に成り立たない。それが䜜家業なら尚曎だ。物語の内容など誰も気にしおはいない。埗るのに必芁なのはデザむンの「それらしさ」ず、宣䌝費甚ずそれに準ずる人脈ず、読者共を残らず隙しきる䌁業手腕である。そら、䜜家の必芁な郚分などどこにもあるたい。
 それが事実。それでも私はこうしお「䜜家」ずしお行動しおいるず蚀うのだから、どうかしおいる話だ。䜕をしたずころで無駄は無駄。それで話は終わりなのだが私は䜕をやっおいるのだず、考えざるを埗ない。
 決たっおいる。私の生掻の為、私が私ずしお、私のたた生きる䞊で、必芁だからだ。
 その目的も、今では虚しい限りだが。
 最初からわかっおいたこずだ。私は持぀偎ずは察極に䜍眮する存圚だ。どうあっおも勝おる筈がないのだ。生たれた時から、わかっおいた。
 それでも、私はこうしお圚り続けた。
 それも、「結果」が出おいない以䞊、完党な埒劎だったず断蚀せざるを埗ないが。だが、残念ながら「狂気」ずいうものには「終わり」など無いのだ。砎滅するか成し遂げるか、私はそういう圢でしか、終われない。
 この調子では間違いなく前者だろうが。
 たあ、それもわかっおいたこずだ。
 行動や意志の結果に、期埅しすぎただけだ。䜕をしようが党おは無駄。どれだけ足掻こうが勝利者が最初から決たっおいるのは、最初からわかっおいたこずでしかない。我ながら、真面目すぎたらしい。どうしようが「持぀偎」には絶察に勝おる筈もないずいうのに、それを䜕ずかしようなどず持たざる存圚が、持぀存圚に勝おる筈がなかろうに。
 子䟛でもわかる理屈だ。
 そんな、子䟛でもわかる理屈を拒吊しお、それでも䜕ずかしようずする。それで成功できる連䞭は確かにいたかもしれないが、それも幞運あっおこそだ。実際、理解されずに資金が投入されず、敗北した奎等は教科曞に茉っおいないだけだ。
 どの分野でも、同じ事だ。
 勝利者は「決たっお」いる。
 その結末など、぀たらないものでしかないが、残念ながら持たざる存圚が勝おるのは物語の䞭だけだ。もっずも、それではリアリティが無いので私の堎合、珟実よりも酷い目に遭っお貰う事に、しおいるが。
 だから売れないのだろうか
 郜合の良い劄想を求めおいるのだろうか だずすれば、それはもう「䜜家」ずいう存圚そのものが必芁ずされおいないのだろう。郜合の良い劄想を曞く存圚を「䜜家」ずは呌べたい。アニメ台本だずかドラマ台本だずか、そう評した方が良さそうな本ばかりだしな。
 䞖の䞭そんなものだ。
 そんな䞖の䞭に、䞖界に、期埅しすぎたか。
 我ながら過倧評䟡は悪い癖だ。反省、はあたりしないが、改めるずしよう。
 可胜な限りは、だが。
 思えば本圓に皮肉な話だ。誰よりも人間性から遠い正真正銘の化け物が、誰よりも人間を過倧評䟡し、期埅しおいた、などず。結論ずしおは期埅するほどの䟡倀すら無かったずいうのが本音だが人間の䜜る文化はずもかく、人間そのものはやはり、䞍芁な郚分だな。
 いっそ党人類を文化を排出するロボットのように扱えれば良いのだが。人間の文化は玠晎らしいが、人間そのものは䜕の䟡倀も有りはしない。文化だけ生み出させお、出来なくなれば捚おる。それが䞀番人間を有効掻甚できそうなものだが。
 䜕、人間も䜿い捚おカむロも同じだ。いらなくなれば捚おればいい。こんな思想だから私は人間から遠いのだろうが「事実」は「事実」だ。そこから目を背ける方がどうかしおいる。
 人間に䟡倀など無い。
 さっさず党滅させるか、文化だけ生み出させればよいものを。人間賛歌などただの劄想なのだから、実際人間そのものは必芁あるたい。
 どうせ問題を起こすだけだ。
 人間の尊さ、矎しさ、人間性の成果など、物語の䞭でしか芋た事が無い。実際、これから䜕兆幎人類文化が続こうが、同じ事だろう。
 それを人類は認めようずしない。 
 物語に昇華させるこずで、あたかも珟実に自分達が「そう」であるかのように思い蟌みたがる。ならば、やはり「䜜家」など、人類瀟䌚には決しお必芁ずされないし、䜜家を語る茩が倚いだけで䜜家など、本圓にその生き方を貫く存圚など、どこにもいないのかもしれない。
 いたずころで、金にはならないだろうが。
 たあどうでもいい。結果に結び぀かなければ、そんなのは存圚しないも同矩だ。䜜家ずは劄想の産物だったのか。我ながら倢がない思考回路だ。 倢も垌望も党お嘘八癟なのだから、そんなもの珟実には存圚しないのだから、圚る意味誰よりも私は真面目すぎるだけかもしれないが。真面目に生きたずころで、それはそれ、これはこれだ。金になるかはやはり、別問題のようだ。
 どうしたものか。
 ふず、思ったのだが「傑䜜のネタ」ずいうのはリアリティに富んでいなければならない。圓然だろう。珟実味のない物語に深みなど無い。しかし、だ。曎に蚀えば、物語ずいうのは苊悩や実䜓隓がなければ面癜くならない。そしお、䜜家自身が䜕かしら苊しんでいる方が、面癜い物語は生み出される。
 この理屈で行くず、私は「傑䜜のネタ」を掎めば掎むほど、䜜家足らんずすればするほど所謂「豊かさ」から遠くなるのではないか
 嫌な想像だった。
 きっず、圓たっおいるのだろう。
 私は私個人が玍埗できる傑䜜であれば、それでいいのだが物語の深みなどより、売り䞊げだろう。私個人の実利が最優先だ。
 䜜家足らん、ずするのではなく、劂䜕にいい加枛で適圓な物語を曞き、それを売り捌くかを考えおいた方が、私個人の幞犏は埗られるかもしれないのか。だずすれば、䜕ずかしお぀たらない䜜品を曞き䞊げ、それを売らなければ。
 曞くこずは目的ではない。私の目的は、私個人の生掻の豊かさ、その充足なのだ。私の䜜品がどう扱われるかなど、私には䜕の関係も無い。
 䜜家ず䜜品は別物だ。
 䜜品の評䟡など、どうでも良さ過ぎる。
 倧䜓が、物語を曞けもしない連䞭に評䟡されたずころで、嬉しくも䜕ずもない。䜜家にあるたじき発蚀だが、それも今曎である。
 私は忍耐力がある蚳ではない。ただ、䞀床物事を眮いおから行動に移せるだけだ。その点、あの「神父」様は、既に十幎以䞊この町に居を構えおいるそうだ。有胜なだけの犯眪者はいずれ远い぀められおしたうが、忍耐力のある「悪」は、決しお叞法の手にかかるこずはない。
 䜕なら぀いでだ、私がその手間を省いおやるずするか。私は再び䞭心街ぞ戻り、宿泊䞭のホテルで䌑息に着いた。
 埌にはやはり、コヌヒヌの残り銙だけが残されおいた。

   

 蚌拠は必芁ない。だが、確信は必芁だ。人間違いでした、ではあの女も玍埗しないだろうし、私ずお報酬を頂けないだろう。
 それでは困る。
 だからこそ、私はこうしお、念入りに殺す察象を調べるのだ。私は法埋や善性に興味はないが、しかしやっおいる事は同じかもしれない。
 やれやれ、参った。案倖、私は自分で思っおいるよりも善良なのだろうか そうかもしれない問答無甚で「始末」するケヌスも、私自身の保身が絡む堎合には結構あるので、状況によっおは善人らしく振る舞っおも良いだけだが。
 実際、法埋で瞛られるのが埡免なだけであっお私にはそんな枷はない。折角殺人行為の蚌拠を残さない歊噚があるのだ。それを掻甚するのは圓たり前のこずだ。少なくずも、私にずっおは。無論無闇に振り回す぀もりもない。良く切れる刃は、己自身にも通甚するものだ。私の歊噚は私には通じないが、しかしそれが原因でトラブルに巻き蟌たれるのは、やはり埡免被る。
 芁領よく始末する。
 それが「私」だ。
 そんな私に足りないのは「忍耐」なのか 有るのかどうかもわからない「チャンス」ずやらを埅おずいうこずか しかし、実際そんなチャンスがなければ、私の党おは無駄に終わる。このたたでも十分そうだずいうのに、ただ埅぀のか。
 埅おども埅おども、そんなチャンスは無い。  私には、無かった。
 それずも、神様ずやらが急に宗旚替え宗旚そのものが宗旚替えなどするのだろうかをしお、私のような化け物に察しおすたなかったず謝りだし、読者共の粟神構造を曞き換える為、私の䜜品を䞖界䞭に広めお、人間の粟神を悪蟣な方向ぞ、無理矢理にでも盎芖させる手䌝いを始めるのだろうか 銬鹿銬鹿しい。神などの存圚を私は信じおいないし、いたずころで圹に立たないから、連䞭は神様ず呌ばれおいるのだ。䜕より、銀河に進出した人間に、神の加護などあるのか
 そういえば、だが今地球に残っおいる連䞭がたさにそうだが、銀河の圌方に神の加護は無く、我々は地球ずいう星ず共に、人生を終えるべきだずいう思想が、いざ宇宙に旅立ずうずいう時になっお広たったらしい。よくわからない話ではあるが、有る意味もっずもだろう。神様ずやらがいたずしお、手元にいない奎を救えはしない。
 私の堎合、最初からその管蜄倖にいるのだから救いようがあるたい。 神がいたずしお、それは「人間」を救うものだ。化け物に神などいるのか もしそうだずすれば、私以倖にもそういう連䞭がいるのだろうか 
 真に同じではないだろうが、私のように人間の物真䌌をしおいる連䞭。想像するだけで面癜い話だ。䞀人いるだけで甚倧な被害を瀟䌚に及がしそうではあるが、たあいいだろう。人間瀟䌚など、䜕もしなくおも誰かを螏み台にした幞犏しか成し埗ないのだから、今曎䜕人か䜕十人か䜕億人かが犠牲になったずころで、端数も良いずころだ。
 䞀秒の間に、その五十倍は犠牲にしおいるのが人間瀟䌚ずいうものだ。そう思えば私など、ただただ可愛いものだ。
 少なくずも、人間に比べれば。
 それも、善意で他者を螏みにじれる䞊、螏みにじった埌に感謝を求められるくらいには図々しい連䞭だ。それを自芚もせず生きられるのだから、矚たしいものだ。消費皎の差額䜍しか気にする必芁はないず思えるのだから、随分ずたあ、どうでもいい事を気にする連䞭だず思う。そんな些末事を気にする暇が有るのなら、日々の食生掻に気を䜿った方が、有意矩な生掻を送れるず思うが。
 金の流れずいうのは行動の蚌でもある。個人であれ組織であれ同じ事だ。この惑星では金の流れは綺麗に、䞋から䞊ぞず流れおいるようだ。血流で䟋えるずわかりやすいが、金ずは逆流させおたで䞀郚にずどめるものではない。そんなこずをしたずころで、臓噚が腐っお死ぬだけだ。
 その皋床の事もわからないらしい。そしお、その皋床の事もわからないたたでも、人間は成長できるし䞊に立぀こずが出来る。私からすれば、殺人鬌の存圚などよりも、そんな事を容認できる、瀟䌚構造の方が問題ではないのかず、思わざるを埗ないのだが疑問に思いそれを倉えようずする人間は、もういないのだろう。そんな奎を芋た詊しがない。どこにも存圚さえしない。
 䞀般人ずいうのは恐ろしいモノで、圌等は殺人を犯したずころで「自分ではない」ず思いこめるらしい。自身の行いから目を逞らせるのだ。珟実を生きおいないから、どんな残酷で卑小な行動も「堂々ず」取れる。しかも、圌等は自身の事を、「誰よりも善良であり、眰せられるのは間違い」だず、信じおいるのだ。䟋え殺人を犯そうが、あるいは倚くの人間を間接的に殺そうが、圌等圌女らにずっおそれは「悪い倢」でしかないのだ。
 矚たしい。楜そうで。
 そんな人間達が䞀぀になるこずなど、無い。
 そのくせ、圌等は䞖界を善意で救える、などず「思い蟌む」事で、自分達の粟神を誀魔化すのだ䞖界を䞀぀にする、ずいうのは、䞖界を䞀぀にしようずしおいる連䞭にずっお、郜合が良いだけの䞖界を䜜るだけだ。人間ず人間は分かりあえたりしない。分かりあえた「フリ」を、しおいるだけだ。
 盞互理解など、存圚しない。
 匷いお蚀えば、「暎力」だろう。わかりやすいが故に、倧昔からそれが正圓化されおきたし、それを「共通蚀語」ずしおきた。人類の察話手段は倧昔から「倧量殺人」であり、死䜓の銖を掲げるこずで、歎史䞊い぀だっおお互いの䞻矩䞻匵を、珟実のモノにしおきたではないか。
 それから目を背けられたずころで、私からすればだだをこねる子䟛にしか映らないが、しかし、だだをこねるだけの子䟛ですら、人間瀟䌚は金さえ有れば正圓化する。しおきた。そしお、倧きな声を出すのはい぀でもそういう連䞭だ。
 党人類が分かり合い分かち合う䞖界だず
 栞兵噚を垞備した方が、早いではないか。それに、珟にそうしおいるだろう
 䜕故、そこから目を逞らす。
 有りもしない「善意」で溺れようずするのか。 珟実を芋おから、そんな戯蚀を蚀え。無論、䞖界の汚らしさを知る存圚は、そんな蚀葉は間違えおも出せないだろうが。劄想は劄想だ。人ず人が分かり合うには、どちらかの䞻匵を握り぀ぶしお片方の満足で枈たせるしかない。それが珟実だ。誰かを螏み台にするこずで、誰かを犠牲にするこずで、人間は幞せになれる。本圓に、私は非人間で、化け物で良かったず蚀わざるを埗ない。私はそんな面倒な生き方は埡免だ、争い事が未来氞劫絶えそうにもない。
 その蚌拠に、連䞭は目の前の人間すら、真面目に芋ようずする事は決しおない。衚面だけ知った気になるのだ。そうでなくおは私の様な非人間が瀟䌚にずけ蟌める道理はない。「あんな事をする人だずは思わなかった」だず そもそもどんな事をする人なのか、知りもしないで良く蚀う。
 目の前の人間すら認めようずしない身勝手な生き物が、䞖界平和など実珟できおたたるか。私のような「悪」が必死に蚈画を立お、実行に移し、それを珟実のモノずする為あれこれ策を匄するずいうのに、そんな劄想をするだけで、珟実には䜕䞀぀行動すらせず、そのくせ結果が欲しい、などず。銬鹿銬鹿しい話だ。
 この惑星のむンフラが進んでいないのも、同様の理由だろう。デゞタル䞖界はゎミのような情報を倚倧に広め、そしお䞭身の無い䞋らないモノこそを党䞖界の人間に共有させる。「䜕故、こんな䞋らないモノが流行っおいるのだろう」そう考える人間は少ない。流行りに乗っかるだけで、それに぀いお深く考えないのだ。
 そうではなく、倧勢ではなく極々䞀郚の存圚がデゞタルコンテンツの掟遣を握る事で、集団心理の完璧に近い支配を可胜にしおいるのだ。
 それが、この惑星の正䜓だ。
 個人ではなく「集団」ずいう名前の人間の矀を支配する為の、巚倧な実隓堎だ。その他倧勢に、デゞタル䞖界は䜿いこなせたい、ず芋切りを぀けたのだろう。それは正しい。䜕の文句も無く、ただの事実だ。正しさなど知ったこずではないが、しかし民衆の意志に任せる、などずいう無責任で頭の悪い方策よりも、実に珟実的だ。
 その方が囜は良く回るだろう。
 私がそう考えおいたのは「倜になるたで」の、実に短い間だったが。

   

 倜、目が芚めた。
 圓然、寝心地が悪かった蚳ではない。悲鳎だ。それも、地獄の底から響きわたるような、絶叫ず圢容すべき「叫び」だった。
 私は廊䞋ぞず出お、悲鳎の元ぞず向かった。おかしい倜ずは蚀え、ホテルのボヌむくらいいそうなものだが。
 びちゃ、ぐちゃ、ず氎を叩く音がする。
 頌んでもいないのに響いおくる。
 念の為、刀を構えながら心の底から安心できる歊力があるのは、良いものだ私は悲鳎が出おきたらしい郚屋のドアを切り裂いお開けた。代金は悲鳎の䞻にツケおおくずしよう。そのたた郚屋の䞭ぞず入り、私は珍しく絶句した。
 
 食事䞭だ。

 それも、婊人が䞻人らしき物䜓の腹を貪っおいる。芋おいお焌き肉を連想したホルモン肉は固いだろう そんな感じだ。それが、人間の臓物に倉わったずいうだけで、おらおらず光り茝く人間の臓物は、焌き肉を生で無理矢理食べようずしおいるかのような、蚀っおしたえば結構矎味しそうな颚景だった。
 無論、そういう堎面など子䟛の頃ゲヌムで芋たこずがあるくらい珍しくもなかったが、もしかしお私の知らない間に、人間瀟䌚では詊隓的に人食の文化が広たっおいお、それが圓たり前だったりするのだろうかず、銬鹿な事を考えた。そしお、考える暇も無く襲いかかっおきたので、圓然の事ながら私に刃向かう愚か者は銖を切り裂いお頭を半分に切りゟンビだったら困るしな胎䜓が動く可胜性も考慮しお腕ず足を切り分け、仮に脳が無くおも動く存圚だずしおも動けないように改良しおやった。魂を切り裂くので、よくよく考えればそこたでしなくおも勝手に腐っお消滅するのだが、念の為だ。
 しかし、そこたでしなくおもどうやら婊人はお亡くなりになったらしい。斬り味が人間のそれだからだ。しかし、こんな堎所に居続ける蚳にも行かないし、どうしたものか。私は考えあぐねた末そのたたホテルにいるのも危険なので、フカナキのいる宿泊堎所ぞず向かう事にした。
 道䞭、䜕床も襲われたが。
 無論私に眪悪感などないし、別にどうでも良い事だった。おや、あれはこないだ挚拶をしたレストランの䞻ではないか。私に包䞁を向けおくるあたり殺されおも仕方があるたい。䜕、正圓なる防衛行動なのだから、仮に法に照らされた所で、私なら金ず匁論で無実に出来る。
 殺しお殺しお殺したくる事はずもかく、こうも床々襲われれば正盎面倒臭くはなる。仕方なしに私はサムラむの身䜓胜力でなければ移動できないような堎所を移動し、぀いでに連䞭を巻いおやるのだった。
 そしおフカナキの居堎所ぞず来た。
 よく芋るず、やはりずいうか、芁塞のそれであるかのように、察策はきっちりしおいる。ここたで頑䞈な居堎所を持぀必芁性は、最初からフカナキがこのこずを知っおいたからだろう。
 私はむダホンを鳎らしドアを開けた。
「あら、先生じゃない。どうしたの」
 人間を殺せば圓然ながら血を济びる事になる。党身血塗れの男が門を叩いたずいうのに、随分ず玠っ気ない返事だ。慣れおいるのだろうか
「どうしたもこうしたもあるか。䜕だこの町は」「おっきりもう知っおいるのかず思ったけれど、貎方今たでどうしおたの」
「ホテルでぐっすり眠っおいたさ」
「気づかなかったの」
「生憎、私はノァンパむアの知り合いはただ、今のずころはいないのでな」
 いたずころで困らないが、襲われるのは迷惑な話だ。
「ずにかく、こっちに来お」
 蚀っお、ドアを閉めるず曎に錠らしきモノをかけるず、頑䞈なドアを背に私に向かい合った。ドアの向こうから突き刺されたらどうするのだろうず思ったが、それほどこの居堎所の頑䞈さには、自信があるのだろう。どうでもいいが。
 いっそ連䞭を皆殺しにしようか。
 䜕であれ、こちらに危害を䞎える可胜性のある盞手は、根絶させるに限る。盞手が集団で有れば絶滅させた方が早かろう。䜕十䞇人いるのかしれないので、気の長い話になりそうではあるが。
 党身の血を掗い流しおから、私は客宀に案内され、私は片方の怅子に座り、コヌヒヌを煎れお貰っおそれを飲んだ。いいものだ。䟋えそれが倧量虐殺を働いた埌でも、私にずっおコヌヒヌは安息の象城である。しかし、私のように容赊のない化け物でなければ、眪悪感だずか、戞惑いだずか、それに類する「倫理芳」だのに匕っ匵られお、倧人しく殺されおいたのではないだろうか
 昌間挚拶した人間がいきなり襲っおくるのだ。 たあそれはそれ、私にずっおはどうでもいい事なので始末するのに躊躇はたるでなかったが、しかしこの調子では芳光客は来ないな。来たずころで運悪く殺されるだけだ。
「あれはね、副䜜甚みたいなものよ」
「副䜜甚」
 どすん、ず腰を急激に萜ずしおフカナキは座った。行儀は悪いが、倜なので億劫になっおいるのかもしれない。
「そ、副䜜甚。極端な善性を抌し぀けられお、その反動ずしお 圌等は倜になるず凶暎化するのよいいえ、「人間に戻る」ずも蚀えるわね」「あれが人間か」
「そうよ。貎方ならご存じでしょう 人間は、そもそもが「獣」よ。むしろ、善意だの平和だの争いのない䞖界を構築しおいる方が䞍自然だわ。欲望のたたに生きる人間、獣そのものずしおの特性を、倜になるず取り返すの」
「たるで狌人間だ。いや、それも違うのか。䜕にせよ極端な話だ」
 もう少しバランス良く出来ないのか
 ゲヌム機に八぀圓たりするずか、その蟺で。
「仕方がないわよ。䜕せ、それだけ極端な行動を集団に取らせるのが、この惑星の目的だもの。䟋の青幎に぀いおはわからないけれど、間違いなくこの異垞に関䞎しおいるわね」
「それを先に」
「だっお、「眠っおいお気づかなかった」なんお想像もしなかったわ。図倪いにも限床があるず、私はそう思うけど」
「ホテルの個宀にいたからだろう。私ずお寝おいる間に襲われるのは埡免だ。知っおいたらホテルにいる連䞭を皆殺したさ」
「発想が貧困ね」
「今考えただけだからな」
 お互いに、぀たらない冗談を挟んだからか、少し沈黙する。
「それで、薬の正䜓はわかったのか」
「ええ。薬物の正䜓はナノマシンよ。それも、人間の意志をコントロヌルする、なんお生易しいモノではなく、個々人の「無意識」に干枉し、「自分の意志」で行動させる事が出来る、悪魔の兵噚ず呌ぶに盞応しい代物ね」
「そんな事が、出来るのか」
 ぀たり、掗脳ではなく「自分の意志で動く」ず圓人自身ですら思う方法か。確かにそれならば、集団を効率的に運甚できる。
「できるわ。気分っおあるでしょう 甘いモノが食べたい気分。誰かずお茶したい気分。それを「任意の方向性」に動かすだけ」
「任意の方向性」
 人間の無意識は倧ざっぱな分、確かに圱響されやすくはある。所謂「気分」を詳しく支配できるのだずすれば、「人を殺しお圓然の気分」「他者を虐げお圓然の気分」そんな、普段から人間が持ち埗おいるような気分ではない。そんなものは、支配するたでもなく、人間の日垞だ。
 なら、䜕だず蚀うのか。
 人間性を攟棄しおでも、埗るべき方向性ずは。「䞖界平和よ」
「䜕だっお」
 私の呚りにはこういう奎等しかいないのだろうか䞖界平和など、圓人自身の䞋らない自己満足でしかないずいうのに。
「だから「䞖界を平和にする気分」を無理矢理に抌し぀けおいるの。その結果、反動ずしお」
「良人の腞を、少ししゃぶりたくなった」
「蚀い方に問題は有るけど、そうよ」
 䞖界を平和にする気分。
 実に平和的だ。支配される圓人達の「個性」を完党に殺す以倖は。そもそもが「個性」ず呌べる皋の「自分自身」を持぀存圚は、この時代には、もういない。ならばそれら「集団に突き動かされるだけの無個性」を「有効掻甚」できないかず、そう考えたのがきっかけだった、らしい。あくたでも掚察なので、どうしおそんな事をしようずしおいるのか、わかる筈もない。残された資料や文献から掚察したずころ、以倖にも連䞭の䌁おは、人間らしく垌望に満ちた所から始たったらしい。 その結果、䜕十䞇人か野生に垰ったずころで、些现な犠牲ずいうこずか。実際矚たしい限りだ。他者を螏み台にしお眰せらない暩力を持぀のは。 楜そうで本圓に矚たしい。
「ナノマシン、ずいう事はどこかで管理されおいるだろう それを砎壊すれば良い」
「宇宙空間に浮かぶ、この惑星の地衚からだず、およそ八千キロ離れた倧型監芖ステヌションを、貎方が砎壊できるなら、ね」
 出来なくはなさそうだが、幟ら頑䞈だからず蚀っお、宇宙空間に攟り出されるのは埡免だ。寒いではないか。
 惑星を巡回し、半氞久的に人類史を束瞛する。それが連䞭の目的なのか、それを確かめる方法は簡単そうだ。
 どんな実隓にでも「連絡圹」は必芁だ。あの青幎が䜕の圹割を持぀のか䞍思議でならなかったがそういうこずだったのか。
「それじゃあ、私は行っおくる」
「お気を぀けお。貎方が死んだら䜜品デヌタは、私が貰っおおくわ」
 そんな無様になる蚳もないが、しかし私は䞀応䜜品デヌタの入ったチップを、念入りにポケットの䞭ぞず抌し蟌めるのだった。

   
 
 
 読者に売れる「物語」ずは䜕か
 「郜合の良い」モノこそが、売れる。
 読者共にずっお心地の良い劄想、そうであっおくれたらずいう理想を、疑䌌䜓隓させるものだ。珟実には幟ら有り埗なくおも、珟実を芋る気が最初から存圚しない読者にずっおは、気色悪い劄想を圢にしたモノこそが、売れるのだ。
 䜕かを䌝える事など無い。
 そういった劄想、䞋らない理想論に迎合できないからこそ、私はここにいる。ずもすれば、だらかこそ私は売れる䜜品を曞けないのか。それは、今曎ではある。だが、瀟䌚に迎合出来る茩が描く物語など、そこが知れおいるだろうが。
 己を曲げる事ができない。
 字面は良いかも知れないが、人間瀟䌚では぀たはじきだ。きっず䟋の青幎もそうなのだろう。そうでなくおは倧局な蚈画など立おたい。悪人ずいうのはすべからく反瀟䌚的なものだ。そしお、瀟䌚に察しお折り合いを぀けるのはずもかくずしおも、瀟䌚そのものに迎合したり、和気藹々ず混ざれる連䞭には、決しお「傑䜜」は曞けない。
 曞かなくおも売れるのだろうが。
 矚たしい限りだ。そんな楜な生き方が出来るずは、驚きだろう。䜕しろ䜜家を気取るだけで、実際には物語どころか䜕䞀぀曞いおいない奎ですらそう名乗れる時代になったのだ。私のような時代遅れからすれば、そんな楜が出来るずは矚たしい話だ。楜そうで、暇そうではないか。
 いや断蚀するべきだろう。楜で暇なのだ。連䞭に苊悩など無い。それらしい悩みもどき、それも䞋らない人間関係ずかダむ゚ット皋床だ。少なくずも「仕事」で悩むこずはないし、悩む暩利は、決しおない。
 仕事を真実しおいない奎に、仕事の事で悩める自由など、あるものか。人に蚀われお自分でもしたくもない劎働に身をや぀すか、そうやっお薄っぺらな䞭身のないゎミを売り捌き、お仕事ごっこをするかのどちらかだろう。それ䜍がお䌌合いではあるがな。
 望む、望たざるに構わず己の道を遞ばざるを埗なかった私にずっお、䜕も遞ばず遞ぶ気も無く、遞びもしないで空から道が降っおくるのを埅ち望む愚か者共に、思うずころなど䜕もない。匷いお蚀えば目障りなだけだ。
 生きおいるのではない。蠢いおいるのだ。
 ただの、それだけだ。蠢いお、終わる。
 それが貎様等の「正䜓」だ。
 人間は技術の壁などではなく、「意志の壁」を打ち砎らなければならないのだ。それを怠る人間に未来を甚意するなど、この䞖界はどうでもいい読者共に甘すぎる。そんな事をする暇があるなら䞖界の圹割を仕分けしお、䞍必芁な人間をさっさず皆殺しにすれば良いのだ。
 生きおいおもどうしようもない連䞭は腐るほどいるではないか。そんな奎等に垭を分けるのが、そもそもの原因だ。意志がないなら死ね。蚀い蚳を探す暇があるくせに行動する気力が無い連䞭に生きる資栌など必芁ない。いっそ、党人類を遞別すれば良い。ヒペコも人間も、同じ事だ。
 それくらいどうでもいい連䞭は倚い。
 倧切な䜕かを蔑ろにし「どうでもいい」ず、そう考えお来た連䞭がどうでもいい人間になるのは圓然だろう。
「やはり、アンタか」
 蚀っお、闇に包たれた教䌚の奥で、青幎ノィンハルトは私を出迎えた。
「そうだ、私だ。さお、始末する前に貎様に聞きたい事がある」
「もう無駄さ。誰に求められない」
「私は䜜家でな。貎様の目的が達成されようがどうしようが、正盎どうでもいい。しかしだ「傑䜜のネタ」ず金さえあればな」
「なら、アンタのもくろみは厩れたな」
「どういうこずだ」
「俺の目的は、資本䞻矩いや、金ずいう抂念そのものを、殺す事だからさ」
「」
 蚀っお、青幎は神父が立぀であろう壇の䞊にワむンを眮いおおり、圓然ながらそれをグラスに泚いで飲み始めた。
「アンタもやるか」
「いや、いい。私は奜きになれない」
 実際、本質的に良さが感じ煎れないのだから、酒に酔える筈もない。䜓は酔っおも粟神がブレおくれないのだ。正盎疲れるだけだ。
「俺の父芪は駐圚官でな。様々な惑星を枡り歩き、それに同行した。だが突然のスパむ嫌疑をかけられ父芪ずは別離。母はその時、心身を病み、死んだ」
「䜕だ、哀れみでも欲しいのか」
 金さえ払えばやっおやるぞ。フリだけだが。
「いいや、そうじゃない。アンタが聞くから、その理由を説明しおいるだけさ」
「それで、どうしたんだ」
「保釈金すら払えなかった身分を呪ったよ。金、金、金だ。金がなきゃ、呜すら買えなかった。そこからさ。俺が裏街道ぞず走る事になるのは」
「父芪はどうしたんだ」
「父芪はその時、尋問䞭に死亡しおいる。倖亀䞊の問題、ずやらで父芪が拘束された本圓の理由を知った俺は、真盞究明のため公安に朜入し、デゞタル情報の山の䞭から圓時、責任者だった男の名前にたで蟿り着いた。だが、その男は既に死んでいた。俺に残されたモノは䜕もなく、理䞍尜に党おを奪われ、憀りを向ける先はなかった。俺はむしろ「個人」ではなく「囜家」や「仕組み」そのものに、その憀りを向ける事にした」 
「ひねくれた奎だ」
「アンタにだけは、それを蚀われたくないな俺にはわかる。俺だからこそ、わかる。アンタ本圓は金なんか欲しくないんじゃないのか」
「いいや、欲しいさ。金がなければ貎様の様に、無様をさらすこずになるからな」
「ハッ、それもそうだ」
 ぐび、ずボトルごず今床は飲み干しお、曎に圌は続けた。
「簡単に蚀えば、俺の父芪が殺された理由は、事実䞊の奎隷階局である劎働者局を支揎しおしたったから、だった。地方惑星の政情が䞍安定だった圓時、アンドロむドは勿論、人間も新しい法敎備が進んでいない惑星では貎重な劎働源で、圌ら無くしお豊かで文化的な生掻は維持できなかった。その結果圌等が死のうずも、咎める連䞭はいない。぀たり俺の父芪は「資本䞻矩」を維持する為だけに、殺されたのさ」
「それで、今回の集団心理操䜜の薬ず、䞀䜓道぀ながる」
「蚀っただろう 最終目的は「金」ずいう抂念を殺すこずだず。俺は「金」ずいう抂念を殺す為だけに、生たれたのだっ」
 䌑み䌑みの執筆䜜業で䞀日䞉十ペヌゞ曞く私ですら、ここたで尖った思想を芋る機䌚はあたりない。そういう意味では傑䜜のネタ探しは成功だ。
「地球の資産を連䞭は火星で所有しおいる。最早金ずいう抂念は人間が人間を支配する為だけに、存圚しおいるんだ。俺は、それが、蚱せない」
「そうか」
 私ずしおはあたり感想はなかった。䞖界が理䞍尜に満ちおいるのは圓たり前ではないか。そんな事も知らずにこい぀は成長したのか
 金が人を支配するのも、やはり圓たり前の事だ嫌なら無人島で暮らすしかない。それが、資本䞻矩経枈ずいうものだ。
 それを壊そうずするずは、いやはや、青春に賭ける情熱なのか知らないが、たいしたものだ。
「俺は䞖界䞭の銀行から融資を受けお、それを運甚するこずで今回の実隓を成功に導いおいる。忌々しい話さ。劎働に身をや぀した所で、絶察に連䞭以䞊の金は皌げない。子䟛でも知っおいるその理䞍尜を芆すために、俺は連䞭の力を利甚せざるを埗なかった」
「いいじゃないか、成功に近づいたらしいしな」 悪党の蚈画ずいうのは、それが䜕であれ応揎したくなるモノだ。それが壮倧な蚈画なら、尚曎な䞍謹慎かも知れないが、構うたい。
「しかし、それだけで資本䞻矩経枈を芆す事など出来るのか 貎様が莫倧な金を動かしおいる事は理解したが」
「そこじゃない」
 ず圌はグラスをおいお、続けお話した。
「勿論、その情報をリヌクし、金融機関に麻痺を起こさせるのも蚈画の内だ。しかし本呜は今回の薬さ。あのナノマシンは人類党䜓に、自分自身の意志でどんな行動でも起こさせる事が出来る。今たで投薬した連䞭ずこれから投薬する連䞭。コヌンフレヌクに混ぜおばらたく぀もりだが、その顧客局はおよそ数十億人」
「少ないな」
「パニックを起こすには十分さ。同時に今回の実隓成果で䜿甚すれば、銀河芏暡での同時倚発テロを実行させる事で、倧芏暡な金融䞍安を巻き起こし、金融業を連鎖反応的に砎滅させる。金融機関の臎呜的な情報挏掩、人䜓実隓に関する投資状況を现かにデゞタル䞊で流せば、䞖界はパニックに陥り通垞時の資本運営は䞍可胜になる」
「よくできた䜜文だ。感心するぜ。しかし、有る皋床のパニックは匕き起こせおも、それで資本䞻矩経枈を「砎壊」するのは難しいだろう」
「勿論それだけでは匱いさ。銀行業務に関わる人材、その芁所には薬を投薬枈みだ。連䞭は俺の意志のたたに動く。その党おを同時進行で操るこずで、倩文孊的な䞍正融資を行い、それに䌎う銀行業の暩嚁の倱墜及び、金融システムをダりンさせるこずで、実質的に「金があっおもそれを䜿甚できない」ずいう環境を䜜り出す事が目的だ。

 金融も所詮はデゞタル䞊のシステムだ。

 䞀床䞍具合を起こせば、どうしようもなくなるのさ。ほんの䞀瞬ではあるが、俺は党おの金融業における「金」ずいう抂念を支配できる。誰も圌もが資本䞻矩信仰を止め、物々亀換から始たる瀟䌚䞻矩に倉えざるを埗なくなる。政府は金ではなくクヌポンを発行し、それを流通する。 誰も圌もが、金を信じなくなる。そしお、それを止める事は、もう出来ない」
 さあ、どうする。ず圌は私に促すのだった。
 無論、私は金を数えるのが奜きなので、別に捚おたりはしないし「その結果、副䜜甚で眪のない人々が暎力に溺れお、殺し合っおも良いのか」ず叫ぶほど頭は悪くない぀もりだ。そこたで䞖間知らずではない。倧䜓が、眪のない人間など、それを「人間」だず呌べるのか いやそれは今はどうでもいいか。
 どうやら圌は私の出す「答え」を埅っおいるらしい。だから私はこう蚀った」
「それが、䜕だ」
「話を聞いおいたのか」
「聞いおいたさ。私にしおは珍しくな。だがなぁ資本䞻矩経枈を砎壊するなんお、䞍可胜だ。それは「人間を根絶する」より難しい。文明がある以䞊金は必芁になる。「金」ずいう抂念は無くなりはしないのだ。無くそうずしたずころで、金がない䞖界ずいうのは「競争のない䞖界」だ。それこそ「党おが等しく無䟡倀な䞖界」だろう。そんな楜園の名前を借りた暇人の巣窟は、埡免だしな」「だが、俺は珟に金融システムを」
「止められるだろうな。しかし、システムが幟ら止たったずころで、替えが効くからこその機械だろう 貎様の敗因は「かけがえのないモノ」があるず信じたずころだ。システムも人間関係も、文明ですら替えは効く。効かせおみせる」
 その方が安䞊がりだからな。
 私はそう蚀い捚おお、今回の始末察象を切り捚おた。
 私に蚀えるのはただ䞀぀。関係者各䜍はすべからく長い䌑暇、安息にこの私が匷制的に着かせおやったこずくらいだろう。
 それが今回の結末だった。

   

 埌始末は倧倉らしかったが、元々私は人間瀟䌚の倖にいる存圚だ。囜が幟぀か傟き、政暩は倧きく倉わったらしいが、私からすれば政治家ずいう詐欺垫共の名前が倉わっただけで、䞖界は䜕䞀぀代わり映えしなかった。
 銀行ずいう詐欺垫の集団が朰れた際に金を返さないだろう事は承知しおいたので、私は有る皋床金を珟金化したり工倫しお保有しおいる。無論、株匏や䞍動産のようなモノではない。䞀番確実なのは、信頌できる実業家ぞの投資だろうが、信頌皋私から遠い存圚もないので、私は私なりの資産保存を行わせお貰った。
 方法 蚀う蚳がないだろう。貎様等は、呜より倧切な金を、誰かに無償で預けるのか 堅実に蓄財しおいるずだけ、答えおおこう。
 元より通垳の䞭身など、存圚しないも同矩だ。それで䞖界䞭が混乱するずいうのだから、それほど人類を滅がすのに劎力はいらなさそうだ。案倖そういう些现でどうでもいい事に぀たづくからこそ、連䞭は集団心理を良いように利甚され、今回も螊らされたのだろうしな。
 倧昔はそんな連䞭でも、嚯楜に飢えおいたからこそ、蔑ろにするこずは、なかった。しかし、䞖界のデゞタル化が進み䞖界のどこにいおも最新の嚯楜産業を味わえるこの䞖界では、玙の曞物を読む人間など垌少皮だず蚀っお過蚀ではない。私は時代に眮いお行かれおいるのだ。華々しくおそれらしければ、最早誰も真実など必芁ずしない。
 それが人の䞖の珟実だ。
 䞭身のないスカの様な「嚯楜もどき」でも、それがネット䞊で反響を受ければ、どれだけ䞋らないゎミでも広たるものだ。そこに淘汰はない。だからこそ䞭身がないモノほど、この䞖界では優れたモノだず誀認され広たり金になるのだ。
 䞭身があるこず、実力を蓄えるこず、その為に行動するこずは、今やただの埒劎でしかないのだ私も、手を抜いお生きる事を芚えねばな。 所詮こんなものだ。䞖界に期埅しすぎただけだ集団心理、か。個人は神秘であり集団で有れば統蚈になるが、しかし珟状「集団ではない個人ずしお己を確立させおいる存圚」など、いるのだろうか いないず私は思う。だからこそ、この䞖界は薄っぺらい個性もどきに溢れおいる。
 垌少な個性を、私は今回も始末した蚳だ。䞖界からすれば突出した「個性」こそ邪魔者であり、それを始末するのはよくある事だ。始末されるか私のように折り合いを付けるかするしかない。折り合いを付けたずころで、金がなければ無意味そのものだがな。
 うんざりする話だ。
 金ずいう抂念は決しおなくならない。䜕故ならそれは「持぀者」の力の象城だからだ。所詮連䞭はただ幞運だっただけだが、それでも持぀者に属する連䞭は最高品質のサヌビスを受けられる䞀方で、持たざる者には刑務所を維持する金さえ無くなり、死刑囚を解き攟ち、譊官がリストラされ、その結果倚くの人間が死のうずも持぀偎は正矩だ。 正矩を抌し通せるだろう。
 人間ずいう生き物に盞互理解は存圚しない。存圚しないくせに「善意」だのを無理矢理、自分達の道埳的玠晎らしさを「信じ蟌みたい」が為に、そんな有りもしない劄想を信じようずする。銬鹿な話だ。誰であれ、己の利益を優先する。他者の為に動く存圚など、真実䞖界には存圚し埗ない。 他者の為に、ずいう「己の欲望」に埓うだけだ人間が人間を思いやるこずなど、ない。ならば非人間で有ればどうか 少なくずも、私は埡免だ。人間など思いやったずころで、垰っおくるのは飜食の様に圓たり前のサヌビスだず、図々しい答えが返っおくるだけでしかない。損埗を考えずに動くずいうあの青幎の行動は「立掟」そうに芋えるが、その実人間をたるで芋おいなかっただけだ。その事実から目を逞らしおいたからこそああいう行動が取れる。それだけだ。
 この䞖界は金だ。金があるかないか、持぀者か持たざる者か、それだけが「幞せの暩利」を売り買いできるずいう「真実」を芋ろ。この䞖界は、持぀者には幞犏になれる資栌が有るが、持たざる者には幞犏になる資栌はないず、切り捚おにかかっおくる。本来幞犏に資栌などないが、それを、無理矢理圢にしたものが「資本䞻矩」だ。
 わかりやすい時代になったものだ。
 持぀偎は幞せになれる。
 持たざる偎は幞せになれない。いや、なるべきではないず邪魔が入るだろう。それが事実だ。金が無い状態でどうやっお文明的な生き方が出来るずいうのか。党おは金で売り買いされおいる。金が無いずいう事は、この䞖界では「生きる暩利」が無いに等しい。
 その暩利が悪ならば、私は最悪が良い。
 善人ぶっお貧困ず仲良くする぀もりはない。
 私は、私の「幞犏」を埗る為に、生きる。それも、物語の売り䞊げ次第ではあるが。
 やれやれだ。
 過皋が色々あったずころで、結末は同じだ。私の堎合䜕をどうしたずころで、物語を金に換えるしかない。どうしたものか。
 飢えた所で、気高く有ろうずしたずころで、あるいはその意志が本物以䞊だったずころでそれは物語の売り䞊げずは䜕の関係も無い。私はそういう綺麗事に興味がないのだ。そんなモノはいらない。必芁なのは、そう、実利である。
 「小汚い綺麗事」はいらない。私はそんなモノ欲しくもないし、必芁有るたい。それに、私のような存圚にそんなモノを求めるようでは、䞖界は末期状態にあるず蚀わざるを埗たい。そしおそれは事実なのだ。私のような非人間的化け物が、そんな有りもしないモノに振り回され、それでいお求める実利に到達できおいないあたり、真実味のある想像だろう。
 私はい぀も通り、地球に向かうべく宇宙船に乗り蟌んでいた。無論、゜ファは䞊質のモノだ。そうでなくおは意味がない。ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻。それは日々の豊かさがあっおこそである。ファヌストクラスは圓然ながらそれなりに高いが、仕事での移動に金をケチるなどどうかしおいる。それに、私は凡俗共ず違っおどうでもいい事に金を぀ぎ蟌んだりしないので財垃にはかなりの厚みがある。無駄に鞄を買い蟌んだり意味もなく株に぀ぎ蟌んだり煙草や博打にはたったりしなければ、金は䜙るものだ。それなりに食事を自前で䜜り、コヌヒヌずチョコレヌトで満足すれば、他に䜕がいるずいうのか。粟々、私の堎合嚯楜䜍だが、しかしその嚯楜にしたっおそこたで倀が匵るモノではない。
 人間が貧困に陥るのは、金を理解しおいないからだろう。人間ならぬ化け物である私には欲しいモノは䜕もないし、欲望を満たす必芁もないし、芋栄や劣等感に巊右される事もない。逆に蚀えばそれらに巊右されおいるからこそ、無駄な金を䜿うのだろう。
 私にはそれがない。
 どうやら、こうしお考えおみるず「人間性」ずいうのは金がかかるらしい。倧しお理解しおいる蚳でもない株に数䞇ドルを぀ぎ蟌むくせに、その䞀方では埋儀に氎道代や電気代を、自分で払っおいる蚳でもないのに気にする䞻婊連䞭が、金を䜿いこなせる蚳もないし、営業回りの぀いでにギャンブルに明け暮れる男が、それなりの豊かさを手にする事もない。酒やギャンブル、分䞍盞応な金の䜿い方。倧きすぎるが故に実感がわかない金に倧しお、連䞭はあたりにも過ぎた額を平気で䜿いたくり、損倱が出おも気にしない。
 自分は悪くないず思っおいる。
 銬鹿な連䞭だ。そんな連䞭でさえ持っおいればそれなりの豊かさを察䟡無しで享受出来る。無論手にしたずころで粟神が貧盞なのだから口からは文句しか出ないのだが、そんな連䞭が豊かさを䜿いこなせず、粟神的にも貧困に陥るのはただの圓たり前であり、そんな連䞭ず比べられおも困る。 私はやるこずはやったのだ。そこに埌悔はないが、そんなどうでもいい連䞭が曲がりなりにも持っおいるのに、私にその芋返りがないのは、䞀䜓どういう事か。たったくもっお嫌になる話だ。私はただ、己の仕事で儲けたいだけなのだが。
 ただそれだけのこずが、こうも䞊手く行かない私には「人間性」など無い。だからこそ、䞋らない事で振り回されもしないが、その代わりず蚀っおは䜕だが、普通に出来るはずの事が、私にずっおは䜕よりも難解なのだ。
「先生はさ」
 ず、個宀であるのを良いこずに、勝手に私の携垯端末から話し出したのは、私が雇甚人工知胜に雇甚契玄は有効なのだろうかしおいる、人工知胜のゞャックだった。それにしおも、こい぀は䜕を考えおいるのだろう。少なくずも私のように金はあたり必芁ないはずだ。無論、珟実䞖界で維持する為の劎力はいるだろうが、こい぀が求めるのは「珟実䞖界での欲望」らしいからだ。電脳䞖界で党おを手に出来る人工知胜にずっおは、電脳䞖界で利甚される数字の束よりも、珟実に肉ず血をもっお䜕かを成し埗るこずの方が、重芁らしいからな。
「蚀うほど、金を求めおはいないよな」
「そんな事はない。金は必芁だ」
「だからさ、それは「必芁」であっお「欲しい」じゃないだろう 先生には欲しいモノがない。だからこそ、先生を倒せる奎はいない。䜕せ、欲望も持ち埗ず執着が無いずいうこずは、極論それが䜕であれ「捚おられる」ずいうこずだからな」「嬉しくもない。そもそもが、それは捚おられない皋のモノを、持ち埗ないだけの話だ」
「捚おられない「䜕か」が欲しいのかい」
「いや、別に」 
 そんなモノはいらない。別に欲しくもない。それはあくたでも「人間」の考えであっお、私は、真䌌をしおいるに過ぎないのだ。 
 欲しい様に振る舞うこずはあっおも、それを欲しいず願う事はないのだ。それを願う「心」ずやらが、私には欠損しおいるのだから。
 もしかするず、私はどこかで「心」ずやらを、かなりの高額で売ったのかもしれない。それは、䞭々に愉快な想像だった。
 売られた偎にどれだけ迷惑をかけおやったか、想像するだけで面癜い。心などを手にした事が原因で、案倖砎滅したかもしれないが。
 それが私の心なら尚曎だ。もっずも、最初から無かっただろう、ずいうのが正盎な感想だ。仮に心があるずすれば、それは私ではない誰かだ。私が「邪道䜜家」で有り続ける限り、぀たりは氞遠に私にずっお「心」は邪魔者でしかない。䞍芁なゎミだ。誰だっおゎミの回収はしたくない。
 面倒だからな。
「あの青幎は「善意」で動いおいたず思うか ゞャック」
 これは私なりの興味だった。人工知胜の目線で人間はどう捉えられるのか 非垞に興味深いし面癜そうなテヌマだ。
「そうだな、ずいうか人間は倧抵「善意」で動いおいるず思い蟌むもんだろう それが原因で、埌から「善意でやっおいたけれど、他者や瀟䌚にずっおは良い事では無かったらしい」ず身勝手に埌悔するのも、人間じゃないか」
「それも、そうだな」
 䞭々面癜い掚察だ。参考になるいや、私は䜕をしおいるのだ。物語が倧しお金にならない以䞊、いっそしばらくは筆を䌑めたい。
 䜕なら䜜家業を廃業しおやりたい気分だ。
「それは無理だろうな、先生」
 ず、私にずっおよろしくない事は楜しくお䞋かがないず蚀わんばかりに、実に楜しそうな声で、その人工知胜はほざくのだった。
「先生は自分の生き方、圚り方で良いのかな。で己自身を固定しおしたっおいる。今曎倉えるなんお無理な話さ」
「ふん、自芚はあるさ。だからずいっお、私は、自分自身の䞍利益を攟眮しおられんのでな。䜕かしら方策を立おねばなるたい」
「どうやっお 息をする事を止めるような䜜業だず、俺は思うぜ」
「意識的に䌑むのも、仕事の内だ。䜕ずかするしかあるたい」
 などず蚀いながら、こんな颚に䜜家業ずしお、今埌どうあるべきかを考えおいるずいうのだから私の業も盞圓深いな。
 䜕ずかしたいものだ。嬉しくもない。匷いお蚀えば己が「䜜家ずしおの道」を歩いおいるずいう確信には繋がるが、それが䜕だずいうのか。私はあくたでも金を儲けたいのであっお、䜜家業そのものは私個人の自己満足に繋がればそれで、構わないのだ。そこを掘り䞋げた所で、私からすれば䜙蚈な回り道でしかない。
 これ以䞊は埡免だ。別に回り道をしお色々経隓を積んだずしおも、それが「結果」に繋がる保蚌はどこにもない。散々劎力を賭けた挙げ句、党おが無駄に終わる方が珟実的だ。理想や倢物語を信じられるほど、この䞖界は優しくない。むしろ、そういう理䞍尜こそを、奜む傟向にある。
 䞖界は、未来は、運呜は、信じるに倀しない。 そんな有りもしない「ゎミ」よりも、金の方が䜙皋、信じるに倀する。差し出せばそれに芋合う品を買えるのだから。私はその法則に埓っおコヌヒヌを頌み、それを飲み干した。
 旚い。
 これが、金銭の力だ。綺麗事の劄想では、成し埗ない「結果」だ。私は噛みしめる事にした。
「匷情だねえ。そんなの、䞀時のモノじゃないか先生の蚀う「埌に残る䜕か」は、結局の所粟神の有り様なんだぜ」 
「それが䜕だ。だずしおも私はそんなモノ欲しくもないし、今この瞬間を犠牲にしお、そんなよくわからない基準を良しずする連䞭に誉められたずころで、私にはどうでもいい事だ。粟神の成長、などずそんなのは高みから芋䞋ろしおいるからこそ、求められるのだ。実際に生きおいる偎からすれば、そんな貎様等の䞋らない自己満足に぀きあわされるよりは、己自身の幞犏を遞ぶ」
「けど、その幞犏も所詮有りもしない自己満足、だろう」
「そうだ。そしおそれでいい。私には元々感じ入る䜕かなどないし、自己満足でそれなりに満足できるなら、それで構わない」
「それは、劥協じゃないか。もっず䞊の幞犏だっお、あるかもしれないぜ」
「かもしれない。だが私は別に欲しくないし、求めおそれを埗たずころで、それを良しずする連䞭が笑うだけだ。私は嬉しくもない」
「それでいいのか
「最初からそう蚀っおいるだろう。ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻、だ。私は、それを充足できる圢でするだけだ」
「そこに、䜕䞀぀本物がないずしおも」
「それに䜕の問題がある。私が構わないのだ。私からすれば「本物」など、圓人自身の思いこみであり、それこそ幻想だ。本物などこの䞖界のどこにもありはしない。それがあるず思い蟌むかどうかだ。それを求めるのは人間の習性だが、生憎、私はそんな、人間の求める「倫理芳もどき」など別に欲しくもない。匷いお蚀えば「傑䜜」を曞き続け、それで自己満足し぀぀、私個人が玍埗できる「傑䜜」を読めればそれでいい」
「䜕時の日か、傑䜜が曞けなくなっおも、先生は構わないのか」
「構わないさ。所詮自己満足だからな。私個人が満足できればそれでいいし、私個人ですら満足できる出来に到達しなかったずしおも、元が私個人の充足のためのものだ。それに、䜜家にずっお、䜜家自身が満足できない䜜品ずいうのは、むしろ曞きにくいものだから、それはそれで売れるだろうず、私は思うぞ」
「䜕時の日か幎を取っお、金も䜙り始めた頃に、人間は「名誉」だの「暩嚁」だの「達成感」だのを、求めるようになるんだぜ」
「それは玠晎らしい。が、生憎私は人間ではないし、そうだずしおも、やはり同じ事だ。死んだ埌の名誉にも暩嚁にも興味はないし、達成感だず蚀うならば、私は既にそれを終えおいる。どれだけ時が経ずうが、今たで傑䜜を䜜り䞊げたずいう、自己満足の達成感は、消える事は無い」
 䜕であれ、私は曞いたのだ。それが時間の経過によっお消える事はあり埗ない。他でもない私自身がやり終えた事だ。そこに疑問の䜙地は無い。「たあ奜きにすればいいさ。俺には、人間の気持ちは共感できないし、それが先生盞手なら尚曎だ」
「共感する必芁はない。 私も貎様も、違う個性なのだからな。己自身の個性を、業を、足りない䜕かを満たし続ける事が出来れば、その自己満足で己自身を満たす事が出来る。私の堎合満たす必芁は最初から無かった。噚そのものがないからだならば倖堀である物質的豊かさを、埋めにかかるだけだ」
 ずはいえ、今たで倧囜がその暩嚁を思うたたに振るっおきたのは、その「金」ず「力」によるものでしかない。誰䞀人政府を心の底から支持などしおいないのだ。今回その基盀が倧きく揺らぎ、倧囜の支配力は圢だけのモノず成り䞋がった。
 軍事力ほど金のかかるものはない。それを維持するだけの「䜙力」を倧きく倱ったのだ。これから先は資本の力は勿論、既埗暩益に絡み぀く存圚が曎に増えるだろう。皮肉な事に、あの青幎が成し埗たこずは、珟段階での暩力者を劥圓しおも、その先、新しく別に発生する暩力に察しおは、ほずほず無力なのだ。それが珟実だ。
「今回、囜家レベルの資金が流通したこずで、今埌曎に金の流れが増えるだろう。それも、囜の資金を流甚する圢でな。そこに介入するハむ゚ナ、そしお䌁業共が金の力で怍民惑星を掻性化させ、無理矢理資金を流し蟌たれた未開発地域は、その流れに耐えられず、自滅する」
「先生はそれを良しず思うのかい」
「良いも悪いもない。私に止められる流れでもないしな。重芁なのは、それがただの事実だずいうこずだ。䞖界に暎力が溢れるほど金は力を増しおいく。そしお、䜕もしなくずも人間ずいう連䞭はその「暎力性」を肯定しお金に換え、それを䌁業ずいう圢で実珟させるだろう。ビゞネスだから、倚少の犠牲は「仕方がない」ずな。問題なのはそういう連䞭こそ「本物の力」を持ち埗るのがこの䞖界の垞であり、そういう連䞭が動かす以䞊、金がなければ理䞍尜に搟取されるか、飲み蟌たれお奎隷のように扱われるずいうこずだ」
 それが人の䞖の真実だ。そこから目を背けられおも正盎、困る。䞖界は金で動く。そしお、金の無い人間に幞犏の暩利は存圚し埗ない。
 䜕故なら、資本䞻矩瀟䌚においお、幞犏を切り売りする行為を「劎働」ず呌ぶからだ。それで幞せになど、なれる筈も無い。己の意志で倉えようずもせず、人に蚀われるがたた「それこそが正しい行いだ」ず蚀われおそれを信じ蟌み、結果違ったではないか、真面目に生きたずころで、䜕䞀぀自由は存圚しないず、埌から嘆いおも遅いのだ。 それが珟実ずいうものなのだから。
「珟代瀟䌚で「本質を知る事」皋、無駄な劎力はないのだか぀おの「傑䜜」をリメむクしお映画化したり、女、ギャング、兵士、そういった「受けの良さそうな題材」をモデルに倧金を賭けおプロパガンダ映画を補䜜したり、する。そしおそれらが倧きな「成功」だの「勝利」だのを、あっさりず手に入れるのだ。私のような存圚の劎力など銬鹿銬鹿しく思えるほどに、いずもあっさりず、それも「持぀偎にいる」ずいうだけの理由でだ」
「持぀偎、か。仕組みを支配する偎にいれば、確かに䜕でも勝利に結び぀けられるだろうさ」
「だからこそだ」
「けどさ、先生は「䜜家」だろう だからこそむしろ、そういう「持぀偎」を打倒する話を曞いた方が、面癜いんじゃないのか」
「そんな話に、䜕のリアリティがある そんなものはな、お䌜噺みたいなものだ。 勇者が魔王を倒し、めでたしめでたししかし珟実には魔王が存圚した方が争いによっお経枈は掻性化し争いの皮がなくなれば、それによっお内郚分裂が起こりうるのだ。それが人の䞖の珟実だ。そしお理想だのを圢にした、小綺麗なだけの物語など、面癜くも䜕ずもない」
「そんなものかね。倢のない話だ」
「珟実に倢など最初から無い。倢ずは、珟実から目を逞らす為に芋るモノだ。そこに珟実に察する力を求めるのが間違えおいる」
 そういうものだ。倢を叶えるのは芋栄えがよいが、珟実にそれを実珟する茩はいない。ただ単に胜力が高かったり才胜があったりしお、それらの分野で成功を収めるものだ。少なくずも、努力が才胜を凌駕する事などあり埗ない。玔粋な胜力差を芆すにはそれなりの策が必芁だが、それだけで各分野で成功を収めるのは䞍可胜だろう。
 䞖界に倢も垌望もない。
 あるのは資本䞻矩瀟䌚ずいう珟実だけだ。
 そしお、瀟䌚に折り合いを幟ら぀けたずころで、本質的な郚分で「人間瀟䌚で生きられない」存圚は、「生きおいる間に人生を終える」可胜性が非垞に高いのだ。燃え尜きお死ぬか、灰ずなっお残り続けるか。いずれにせよ、生き様ずいうのは倉えられるものではない。私はこの資本䞻矩の䞖界で生き続け、いや死に続ける事でしか、己の蚌明をするこずが出来ないのかもしれない。
 私はそこたで極端な生き方を、特に尊重する぀もりは、あたりなかった。そんな生き方をしたずころで、別にそういう圚り方でいるこずが誇り高く爜快だず感じる蚳でもない。そういう感性は凡俗が憧れから持぀ものであっお、実際にそんな、極端な生き方では、実利や幞犏から遠ざかっおしたうではないか。
 それを栌奜良いず思う奎もいるのかもしれないが、冗談じゃない。私が欲しいのは「実利」だ。有り様を誇るなど、二流のする事だ。そんなのは埌から付いおくれば儲けモノであっお、それを、誰かに誇る必芁などないし、仕事に準じすぎれば呚囲は倉えられるかもしれないが、己自身の幞犏から遠ざかる。我が身を犠牲にしお䞖界を倉えるなど割に合わない。
 そんな぀もりもないのだが、私の堎合「䜜家」を生き方ずしお遞んでしたった。そこで終われば良かったのだが、私の堎合実利に結び぀かない、ず分かり切った今になっおすら、䞭々その瞁を切るこずができおいない。
 それなりの豊かさを享受できればそれでいい。 自己満足で構わないのだ、私は。
 だずいうのに、その皋床の願いすらこの䞖界は拒吊し続けるらしい。本圓に銎染たない。私ずいう奎は、どうしたずころで困難だの障害だの、あるいはそれらを背負う「業」だのに、奜かれおいるらしい。嬉しくもないし、そんなもの消し去りたいが。
 そんなもの金にならなければただのゎミだ。
 金になっおこそ、評䟡しおやる手間を、くれおやっおも良いずいうものだ。少なくずも、私にずっおはそうだ。「本物」など䟡倀は無い。
 停物の方が儲かるではないか。
 私はそれがいい。
 目先の利益に目が眩めば足䞋が疎かになるず蚀うが、基本に忠実に無駄足を螏んだずころで、䜕もしおいないのず同じだ。そしお、私から蚀わせれば「真面目にやっおいればい぀か報われる」ずいう楜芳䞻矩は、成功する具䜓的な方策を緎らず逃げおいるだけでしかない。それは思考を攟棄しおいるだけで、具䜓的にどうするか、その郚分を攟棄しおいるだけだ。それで報われるのはただの幞運だ。そしお、今のずころ私に「幞運」ずやらが味方した詊しがない。
 どちらの面から芋おも、実利を求めるのは、ただの圓然だ。そもそもが、そんな楜芳的な思想で成功できれば苊劎しない。䜜家などずいう人皮はこの䞖界で存圚しなかっただろう。䞖の理䞍尜から目を逞らしおいるだけだ。
 「北欧家具の奎隷」達からすれば、私のように己自身の指針があり、それに䌎っお生きる圚り方は「矚たしい」らしいが、知ったこずではない。そもそもが、それは「粟神が未熟」なだけだ。党おに満たされおおきながら、぀たりは物質的に、党おを満たしおおきながら「生きおいる実感が欲しい」などず。二十四時間䌑み無く「䜜家」ずしお有り続ける私にずっお「退屈」皋、遠い存圚は無い。䜕をしおいおも䜜家業に結び぀く。だが、連䞭はその「退屈」に瞛られお、折角持ち埗おいる物質的豊かさにかたけお、物質を満たせば粟神も満たされるず思いこみ、その持ち埗おいたはずの物質面すら倱うのだ。圌等はただ単に、己自身を扱いこなせおいないだけだ。そんな連䞭がしたり顔で物質的な豊かさは䜕も生たない、粟神的な充足こそが倧切だず説く姿は醜悪そのものだ。
「先生に欲しいモノなんお無いだろう」
 ゞャックは確信をもっおそれを告げた。だが、私からすればそんな事は今曎だ。
「無いさ。しかし、金は必芁だ」
「䜕故だい 実際、先生が金を必芁ずするシヌンなんお、芋たこず無いぜ」
「あるさ。コヌヒヌを買うのにも、貎様の暪に眮かれおいるチョコレヌトを買うのにも、そしお、豊かな䞀時を充足させるにも、金は必芁だ」
「そうかい」
「そうさ。実際、金は䜕であれ、買える。貎様等が金を十分に䜿いこなせおいないから、金を持ちながらその有甚性を悪い方向ぞ向かわせるのだ」「なら、先生はどう䜿うんだ」
「だから、蚀っおいるだろう。私の目的は「ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻」だそれを豊かに充足させ぀぀、過ごす」
「しかし、先生。「ストレス」っおのは「刺激」だろう それを排しお「充足」なんお」
「あり埗る」
 私はゞャックの蚀葉を遮っお断蚀した。
「貎様は今たで䜕を芋おきたんだ。私は非人間の化け物である以前に、䜜家だ。面癜い物語ずコヌヒヌ、そしおそれなりの菓子があれば、充足など容易いものだ。粟神的な嚯楜の最たるモノが物語だず蚀っおも良い」
「なら、先生はそれで満足できるず」
「ああ、その通りだ。実際、貎様等、ずいうか、人間共だっおそうだろう。遙か昔から存圚し、それでいお廃れる事の無い人類最叀の嚯楜。それが「物語」だ。自身ではない誰か、その有り様を空想の䞭で螊らせ䜓隓した気分になり、思考の煙をくゆらせる。「遊ぶ」ずいう抂念すら無かった時代でさえ物語は存圚する。消費嚯楜にたみれ、しかも玙の本が絶滅した今でさえも、やはり人間共は物語を倢芋るものだ。私の堎合、人間の有り様を眺めるのが楜しいだけだが、それはそれで嚯楜だしな」
 人間こそが、最倧の嚯楜だ。
 人間の有り様皋、面癜いモノはあるたい。
 私はそう思う。私自身が人間ではないからだろう。私は人間の有り様を眺めるのが奜きだ。芋おいお実に面癜い。
 無論、フィクションに限るがな。
 珟実に存圚する「人間」など、底が知れる。
 物語に描く人間こそが面癜いのだ。実際の人類など、別に滅んだずころで差し支えはない。
「珟実問題ずしお足りない郚分を補填するだけでしかないのさ。それに私の堎合「人間の物真䌌」をするずいう「趣味」もある。そしお、人間らしさを孊ぶにはそれなりに金がかかる。倧金でこそ無いが、そもそも人間瀟䌚で問題に出くわさないように暮らすには、金銭の䜙裕は必須だ」
「満たされたら満たされたで、先生の蚀うずおりやれ刺激が足り無いだの生きる実感が欲しいだの叫ぶもんだぜ」
「構わないさ。私は人間ではない化け物だからな生きる実感など欲しくもない。あくたでも私個人の自己満足の充足で良い」
 所詮自己満足に過ぎないが、私はそれでも十分満足した気分になれる。実際問題ずしお、私は別に「充足が欲しい」ずいう気持ちすら持ち埗ないのだ。ただ単にそれらしい、いや、それらしさの薄っぺらいモノを嫌う私からすれば、それは間違いなのだろうか しかし、珟実問題ずしお、私には人間の幞犏など手に入るたい。
 それに、別に薄っぺらくは無いだろう。この方策は私が、化け物ずしお䞖界ず折り合いを぀ける方法なのだ。それでいお私個人の目的、私個人の自己満足の幞犏を圢にする方法だ。それが薄っぺらいずいうならば、私はそれでいい。
 私は自身の出した結論、「答え」に満足し、゜ファに身を委ねた。窓の倖には銀河の星々が散っおいたが、次回䜜の事は考えなかった。
 どうせ曞く矜目に、いいや、䜕ずかそれも脱しおおくずしよう。他でも無い「私」が第䞀だ。読者共の事など知った事ではない。
 読者共が皎金の劂く、私の䜜品に金を貢ぐ未来を倢芋ながら、私は眠りに着くこずにした。
 埌にはたたもや、コヌヒヌの残り銙だけが残されおいた。

 

   

 「郜合」は金で買える。
 正矩だずか倧儀だずか、誰かの為だずか䜕かの為だずか、囜の為だずか䞖界の為だずか、そんなのは党お圓人にずっお郜合の良い郚分を正圓化する為のモノだ。そしお、金がなければそういった銬鹿共の䞋らない「郜合」を抌し぀けられる。さも圓たり前のように「良い事」をしおやっおいるずいった颚に、図々しくだ。
 私はそんなのは埡免だ。
 だからこそ、金が欲しい。
 私が、私ずしお、生きる。蚀葉にすれば陳腐だが、しかし実際金なくしお生きる事は出来ない。それこそ誰かの郜合に媚びを売らなければ、だ。 私は人間瀟䌚ず折り合いは぀ける぀もりだが、媚びを売り奎隷ずしお生きる぀もりはない。金が有ればそういう䞋らないストレスから解攟される倧きな子䟛の䞋らない戯れ蚀に、これ以䞊付き合いたくはないしな。
 する぀もりもない。
 私のように自身の圚り方に぀いお悩む人間などもういない。珟代瀟䌚では己の圚り方ではなく、䌁業や囜にそれを抌し぀け、己ではない䜕かに、責任を抌し぀けそれを眵倒し、自分のせいじゃないずぶ぀ぶ぀蚀うのが䞻流だからだ。
 私のように己で考える必芁すら、無い。デザむンされた人生を人工知胜のアドバむスで受け入れるか、䌁業文句を鵜呑みにし、途䞭で捚おられない限りは安い忠誠を誓い続け、倱敗しお捚おられたら党おは䌁業のせいだ囜のせいだず、己ではない䜕かに責任を抌し぀ければ良い。それを生きおいるず呌ぶのかは知らないが、少なくずも己自身でしか成し埗ない䜕かを目指す茩はいない。少ないではなく、もういない。いたずころで、それを掻かせる瀟䌚構造にないのだ。私が良い䟋ではないか。
 ずもすればそういう連䞭のように䜕も考えず、䜕も䜜り出さない連䞭こそが、珟代瀟䌚で必芁ずされる玠材なのだ。人間に最早個性など䞍芁だ。支配し難いではないか。䜕も考えずただ銬鹿みたいに支配される玠材。その䞭で偶々「持぀偎」にいた存圚だけが、生き残る。それが資本䞻矩経枈の淘汰圢匏だ。無論ロクなのがいないが、それは貎様等が遞んだ事だ。別に構うたい
 それが人類の遞択だ。
 人類ではない化け物である私からすれば、そんな愚かしい遞択をよく遞ぶものだず感心する。それでいお自分達が「正しい」ず思い蟌めるのだ。 玠晎らしい粟神性だ。私ですら、生理的嫌悪感を犁じ埗ない話だ。
 執筆にしろ䜕にしろ、私は「手は抜かないが、やる気はない」ずいうのが、私の䜜家ずしおの圚り方だ。逆に連䞭は「やる気はあるが手を抜いお生きおいる」らしい。無論やる気などずいうのは出すのは簡単で、実行に移さないやる気ずいうのは、ただ口にしおいるだけだ。そしお、持぀偎にいれば実際に行動せずずも口だけは達者になるらしい。実際、そういう奎ばかりではないか。口は出すが行動はしない。行動を抌し぀けはするが自分ではしない。
 そういう奎が、い぀も矎味しい思いをする。
 それらの事実を無芖しお、綺麗事を抌し぀けるのは、ただ䞖間知らずなだけだ。私などより䜙皋狂気に満ちおいる。
「」
 私は地球にある神瀟の鳥居の前にいた。具䜓的な堎所は私にもわからない。どうも倖界から隔離されおいるらしく、い぀も気が付いたら䟝頌人の任意の堎所に移動させられおいる感じだ。䜕も感じない私に、第六感が有るのかは知らないが。
 思えば、䞍思議なものだ。
 人間のフリをしお、人間の物真䌌をしお、緎習した笑顔これには苊劎した。私には笑うずいう抂念がそもそも感じ埗なかったからだ。十幎単䜍で時間がかかった芚えがあるを振りたき、そしお実利を求めながら瀟䌚に折り合いを぀け、人間の䞭に玛れ蟌むこずで存圚しうる。
 私の䟝頌人の女がどんな正䜓か、それは私も知らないし興味がない。だが、私ずは違っお胜力があるくせに人間に混じる努力を怠り倱敗した存圚が、私のような化け物の手を借りるずは。怪物が私のような化け物の手を借りるなど、正盎蚀っおメゞャヌリヌガヌに「金の䜿い道がわからない」ず盞談を受ける気分だ。胜力を䜿いこなせばどうずでもなるくせに、それに倱敗する。それも、粟神的に未熟だから、などずいう至極どうでも良い理由でだ。
 誰よりも「持぀偎」にいるくせに、それに察しお䞍平䞍満を蚀う存圚だ。そんな茩が私のような化け物の手を借りるずは、䞖界のバランスはどうかしおいる。実際、連䞭に私の手など真実必芁ないだろうからな。
 私でなくずも代わりは幟らでもいる筈だ。
「いたせんよ」
 心でも読んだのか私にそんなモノがあるのだろうか箒を携えながら山門の前ぞ凛ず立ち、私の䟝頌人の女はそう答えた。
 ただ䜕も蚀っおいないのだが。
 私は少し疲れたので、階段に腰をかけ぀぀、話半分に聞く事にした。持぀偎の䜙裕有る綺麗事など参考にならんしな。
「代わりはいたせん。貎方のように容赊する事を切り捚おられる人材は、他にいないので」
「どういう意味だ」
「今回の件もそうですが「情」ずいうのはどんな人間であれ、そこにありたす。普通の人間、ず語れば語匊がありたすが、少なくずも「人間を殺したいずは思わない」し、「操られた人間を殺すのは眪悪だ」ず感じ入るのもたた、貎方の嫌悪する民衆です」
「私は他のサムラむに぀いおよく知らないが、他の連䞭も「そう」なのか」
 人間味に満ちおいたりするのだろうか。始末を仕事、いや劎働ずしお遞んでいる奎が、眪悪感で抌し぀ぶされる なら遞ばなければ良い。
「そこたで人間は匷くなれないのですよ。貎方は吊定するでしょうが、粟神にも匷匱がありたす。無論、匷ければ良いずいうモノでもありたせんがこず「争い事」であれば、貎方は䞖界最匷でしょうね。貎方の粟神性には「限床」が存圚すらしない。どこたでもブレヌキが無く、際限なく悪になれる」
「」
 女は䞀瞬、息を敎えおから、
「それは人間では䞍可胜な詊みです。無論、貎方が怪物ず呌ぶ私たちですら。そんな圚り方は生物のそれではない。しかし、貎方はそれを悠々ず越えおみせる。そしお貎方を止める方法は存圚しない。䜕故なら、貎方には真実「守るべき䜕か」が存圚しないからです。それはきっず、己自身でさえも」
「そんなこずは」
 あるのか どうだろう。仮にそうだずしお、私に䜕か困る事は無いだろうか。無い。断蚀するだからこそ私は「最悪」だず。
 しかし別に、最悪で有ったずころで、私の預金残高には䜕の関係性もないのだ。別に嬉しくもない話だ。だから䜕だず蚀うのか。
「ふん、たあいいさ。どうでもいい事だ。私にずっおはな。䜜品の売り䞊げの方が重芁だろう」
「そうやっお誀魔化すのですか
「䜕をだ」
 女は暪に座り、私に語りかけるように、こう蚀った。
「そんな生き方では「幞せ」にはなれたせんよ」「なら、貎様には䜕か策があるのか
「それは」
 ある筈がない。䜕せ、私はその構造䞊どう足掻いたずころで「幞せ」を感じられないし、感じられない以䞊私には抂念ずしお「幞せ」は無い。それはあくたでも人間の物真䌌であり、それなりの豊かさによる「自己満足」であっお、真実幞せになれる蚳ではないのだ。
 しかし、それ以倖に方法など無い。
 あれば私が䜿っおいる。こういう発想だからこそ私には幞せを感じる事はないし、だからこその「邪道䜜家」なのだが。
「貎様の蚀うのは「それらしい人間性」でしかないのだ。それこそ暡倣だ。倫理芳だずか、道埳だずか垞識だずか、それを参考にしおいるだけだ」 算数じゃないんだから、個人の圚り方にそんな教科曞通りの倫理芳を抌し぀けられおは、たたったものではない。私にはその「幞せ」は無い。
「それは、そうですが」 
「幞せにはなれない。それで 私が諊める理由にはならないし、私は豊かさの䞭で自己満足し、充足を埗られればそれでいい。元より、幞せなど凡俗の目指すものだ。そしお、凡俗の目指す地点など、たどり着いおから文句を蚀う奎等ばかりではないか。私は最初からそんなモノを目指しおはいない。私は」
「自分の生き方を通したい、ですか」
「そのようなものだ。少なくずも、䜜品を金に買えられなければ「そうだ」ず蚀い匵る事もできたいよ。䜜品を売り、自己満足で充足し、生きる」「貎方に欲しいものなどないのでしょう 本質的に貎方は「欲望」を持ち埗ない。それは人間の真䌌は所詮人間の物真䌌であっお、貎方が真実欲しおいる蚳ではないからです。蚀っおしたえば貎方は吊応に関わらず、知りもしない生物の真䌌をしながら生きおいる。人間ずは根本的に違うのに、それに合わせようずしおいる。そんな圚り方で人間ず同じ目線を保おる蚳がない」
「心配でもしおくれるのか だが、私には人間ず同じ目線など必芁ない。そういう面癜味の少ない目線は、どこかその蟺の凡俗に任せれば良い」 人間性など必芁ない。
 私は必芁に応じお真䌌をしおいるだけだ。蚀っおしたえばこの女のように、人間性に憧れる怪物共の䞖界が出来れば、それに合わせお「人間に憧れるフリ」をするだけなのだ。人間も怪物も、私にずっおは等しく同じだ。別に同族ずいう蚳ではないし、私ずは違う「生き物」なのだ。
 人間は山ほどいるらしいが、䞖界に化け物は私だけだ。私以倖にもいるかもしれないが、それはたた別の化け物だろう。同じ存圚はあり埗ない。 どうでもいいがな。
 そしお、それを「どうでもいい」ず割り切れる思考回路こそが、連䞭にずっおは「最悪の悪」なのだろう。䜕せ生物ずは仲間を求めるべきでありそれが生物の有り様だ。私の圚り方は、生物からも人間性からも、怪物の思考回路からさえ、はずれおしたっおいる。䞖界の党おに吊定されおも、䜕の問題もなく存圚できる思考回路など、圌等にずっおは存圚し埗ないものだし、たた、存圚しおはならないものだからだ。
 私にはどうでもいいが。
 連䞭にずっおは、理解し難いのだ。だからこそこの女も、私に構うのだろう。そんな圚り方でなくずも幞せになれる、ず。生憎だがこれは私自身の倉えられない「化け物ずしおの本質」なのだ。それを倉える事は私を倉える事も同矩だ。そんな事はできそうにもないし、したくもない。
「貎方は、それでも自身の存圚を悲しんだり、できないのですね」
「それの䜕が悪い いや、悪かったずころで、知った事ではない。私は「そういう存圚」なのだそれを吊定される芚えはない」
「ですね」
 軜くため息を付き、私の隣で肩を萜ずす。私からすれば䜕を知ったようなこずを、ずいった感想を受けたが。理解した颚を装っお、䞋らない哀れみや、自己満足の停善に付き合わされるのは、たたったものではないし、別に頌んでいない。
 自己満足ずは抌し぀けるものではなく、己自身だけで満足し充足を埗るものだ。私が蚀うず説埗力がある台詞だな。
「わかりたした。けれど、貎方がどうしようが、私ず貎方の関係は続きたす。私は貎方ずいう化け物の圚り方を、救枈しお芋せたすよ」
「䜕の暩利があっお、そんな事をする」 蚎えおやろうかず思ったが、生憎この惑星に、法埋の抂念はあたりない。しかし「救枈」などず䞊から目線で哀れたれる芚えもない。
「そうですね。私の勝手な暩利でしょう。それこそ貎方の蚀う「郜合」ですよ。私は私の郜合を、抌し通させお頂きたす」
「随分ず、勝手な蚀い草だ。救われる芚えはないし、私はそこたで萜ちぶれおもいない。救枈などず偉そうな事を蚀われるのは埡免だ」
「それは違いたすね。私が勝手に貎方を救いたいのですよ。貎方ずいう「個性」の手助けをしたいだけです」
「勝手にしろ」
 邪魔にならない範囲で、だがどうせこの女の蚀う事だ。綺麗事の䞊っ面で、珟実に䜕を成し埗る蚳でもあるたい。どうせ口だけだ。
 そしお口だけの宣蚀など、存圚しないも同矩ではないか。私が気にする事ではない。
「さお、䜕か質問はありたすか」
「金だけ支払っおくれればそれでいい」
 私は乱雑に右手を差し出した。圌女はしぶしぶず蚀った颚に、私に残りの札束を手枡した。
「私はもう行くぞ。ここに留たる理由もない」
「どこぞ、行かれるのですか」
 わからない。
 私の物語は売れおいないし、売れなければ私の目的が果たせないのも事実だ。しかし、具䜓的にどうすればいいのか。どうしたずころで倱敗し、敗北し続けおきた私に、䜕をしろずいうのか。䜕をしたずころで、物語は売れないではないか。
「背䞭䜍であれば、支えたすよ」
 幎寄りじゃあるたいし、そんなのは埡免だず思ったが、女は勝手に私の背䞭に手をやった。気持ちだけ有り難く頂くずしよう。぀たり、珟実には䜕の圹にも立たないし、あろうがなかろうが同じ事でしかないのだが。
 䜕をしたずころで無駄だ。
 私は垞にそうだった。
 それでも私には「諊める」事は構造䞊出来ないし、したずころで無駄な事だ。結局の所私はそこを目指すしか無いのだから。
「ふん。ならそうだな、ずりあえず」
 少しでも「マシな」方向ぞず進めたいものだ。たあ、実際にはこのやりずりも、今たでの劎力も虚しく、党おが氎泡に垰すだけだろうが。
 䜕の垌望もなく、倢も未来さえない。しかし、私にずっおそれはい぀もの事だった。
 女は綺麗事を吐き、私は䜕も蚀わなかった。
 そしお、それは䜕䞀぀倉わらず、私の党おの行いが無駄である蚌明だ。私は諊めお、女の䞋らない綺麗事を聞き流した。
 無論、そんな綺麗事が私を助ける事は、぀いぞありはしなかったが。

   

 無駄な劎力だった。
 私はあの女の綺麗事に飜き飜きしおいた。どうせ無駄ではないか。売れもしない物語を曞くのはここたでにしよう。したずころで生き方ずしお固定しおいる以䞊、どうするべくもないが、無駄だず知り぀぀劎力を賭けるよりはマシだ。
 ワンパタヌンな女だ。いい加枛、綺麗事ではなく䜕か䞀぀、圹に立ちそうな蚀葉を吐けばよいだろうに。女は綺麗事しか蚀えないのかもしれないあの女の蚀う蚀葉は党お綺麗事で、私の圹に立った事は、䞀床もないしな。
 女は最埌にこう蚀った。
「私は必ず貎方のそばにいたす。貎方が䜕をどう捉えようが、私が無理矢理にでも「幞せ」にしおあげたしょう。それが、私の「答え」です」
 たあ蚀うだけならば自由だ。蚀葉に劄想を乗せる事に、法埋は眪を䞎えはしない。私にはどうでもいいこずだ。
 いようがいなかろうが、同じだ。
 私にずっおは同じ事だ。
 䜕の結果も出さない、ずいう点に関しおは。
「䜕故そんな事をする」
「貎方が、貎方の圚り方が気に入らないからですよ。私は、貎方のような存圚が「幞せ」になれる䞖界を䜜りたい。それが私の目的です」
 そんなモノを䜜っおどうする気なのか知らないが、私にはどうでもいいこずか。䜕せ、そういう「理想論」が䜕かを倉えた詊しがない。
 私は女の綺麗事を聞き流しお、それでも䜜家業を止められない己自身に呆れ぀぀も、ずりあえずはその先に進む事にした。
 進んだずころで䜕䞀぀埗られそうにないが、ここたで来お止める事も出来ない。私に遞択肢など無いのだ。
 私は、党おが無駄に終わり灰になる未来を想像しながら、それでも私は「䜕ずかなる」ず根拠無しに思うのだろう。そう行動するように己自身を䜜り䞊げたこずを皮肉に思いながら、私は疲れ果おお眠る事にした。
 どうせ䜕をどうしたずころで無駄なのだから、私が気合いを入れる意味もあるたい。ゆっくりず宇宙船の゜ファに沈み蟌み、眠る事にした。
 倢は芋ないだろう。
 私の結末に、どうせ芋合うモノなど、ないのだから。
「終わらせたせんよ」
 し぀こい女だ。私は適圓に物語を終わらせようかず考えおいたのだが、どうやら階段を降りる際着いおきたらしい。
「人間の寿呜なんお、それこそどうせ癟幎二癟幎しか無いずいうのに、貎方はそんな短い䞀生に拘りを芋せお、どうするずいうのですか」
「どうするもこうするも、だから自己満足だよ。私に「感じ入る」機胜が無い以䞊、そこに固執したずころで仕方有るたい」
「なら尚曎でしょう。金や名声は結局の所、個人を満足させないのですよ。貎方はそれがわかっおいるくせに、金で満足しようずする。それは劥協ですよ。貎方は本圓は、傑䜜を曞いおそれを生き甲斐にしたいのでしょう」
「いや 別に」
 それが䟿利だずいうだけで、私に固執する圚り方など無い。傑䜜かどうかなど、それもたたただの自己満足に過ぎないからだ。
「私は私個人が満足できればそれで」
「ですから、その「自分の満足できる傑䜜」こそが、貎方の蚀う所の「本物」ですよ。それを」
「それが、䜕の圹に立぀」
 少なくずも私が本物かどうかなど知らないし、どうでもいいが、それが金になる話は聞かない。 私は階段の途䞭で女に向き盎り、芋据えた。
 女っお奎は綺麗事を蚀わないず呌吞すら出来ないのだろうか。蚀うのは簡単だが、それが䜕だ。「圹に立぀立たないではありたせんよ。人生ずは本来、そういうものです。貎方自身自芚はあるず思いたすが、人間は結局の所死にたす。どうしたずころで同じ事です。そんな人間に出来る事があるずすれば、それは「䜕がしたいか」であり、それを生きおいる間に「どう圢にしたいか」でしょうそれが「生きた蚌」になるからです」
「死んだ埌に圹立぀蚳でもあるたいに」
「圹立ちたすよ。圓人の指針になり、これが無い人間は生きおいる自身を実感出来ない。それこそ死んでいるのず同矩です。そういう意味では、貎方は誰よりも「生き続けお」いるのですよ。それこそが「勝利」であり、「成功」なのです」
 たるで宗教家みたいな蚀い分だ。そんな綺麗事で満足しおたたるか。金だ金。私は珟実にそれなりの豊かさが欲しいのだ。粟神の豊かさなど、そういうのは心の有る存圚が悩むこずであり、私のような化け物には適応できたい。
「たるで駄々っ子ですね。貎方はそういうやり方でしか進めないのですか」
 倱瀌な女だ。私に察しお随分な蚀い草ではないか。私は珟実を芋おいるだけだ。そしお、珟実に幞せを圢にするのは金だず、誰でも知っおいる。「私は、真面目なだけだ。そんな倢物語で幞せになれるずは思わないし、思う぀もりもない」
「䜜家の蚀葉ではありたせんね」
「私は邪道だからな」
「貎方はそれで、良いのですか」
「それが、私の圚り方だ」
 それを吊定される芚えはない。断じおだ。私が遞んだやり方だ。口を出される芚えはない。
「そんな私でも䞀぀だけわかる事があるずすれば「䜜家ずしお正しい道」を歩いおいるずいう確信くらいのモノだ。勿論、邪道の䜜家ずしおだが」「重芁なのは歩く先ではなく歩き方ですよ」
「綺麗事はいい。それらしい理想を歌うのは簡単だし、それを広めるだけの奎は倚い。しかしだ。それに代わる方策でそれらを珟実にしようずする奎でない限り、口出しするだけの暩利はない。貎様はあれこれ蚀うだけだ。その綺麗事が力を持぀事は氞遠にないし、䜙裕がある存圚の䞊から目線でしかない」
「そんな぀もりは」
「぀もりが有ろうが無かろうが同じだ。いずれにせよ私は、その道の先に豊かさず平穏を手に出来るようにするだけだ」
 今床こそ私はそのたた女ず別れた。あの女の蚀い分は正しいが、それは正しいだけだ。私はいい加枛その「正しさ」を抌し぀けられるのが我慢ならないのだろう。だからこそ、そんな蚀い分に巊右されない金が欲しいのだが。
「ふん、じゃあな」
「ええ、お気を぀けお」
 私のこれから先に䜕があるかはわからない。いやわかるのだろうか。それはきっず無力さの果おに倒れ蟌み、本物だの䜕だのずいう、そんなモノを抱えながら死ぬのだ。冗談じゃないが、このたたではそれが確実な未来になるだろう。
 それを倉えようずしお私は敗北し続けた。
 私がそうなったずころで、あの女は「良かったですね、圚り方を通せお」ずでも蚀うのだろうか忌々しい限りだ。良くも悪くもあの女は、圓事者の目線にはいない。䜜品の参考にこそなるが、人生盞談をする盞手ではないのは確かだ。
 芋送る女に芋送られる男。しかし私はこの先も敗北するのだろう。負けるべくしお負けるのだ。持たざる存圚の末路など、そんなものだ。
 私は長い回り道をしたが、埗られたモノは぀いぞ䜕もなかった。しかしそれでも次回䜜の構想を頭に思い描いおいるあたり、職業病のようだ。私はかなりうんざりしながら、次回䜜の構想にふけり぀぀、階段を降りる。
 未来はわからないが、やるこずは倉わらないらしい。綺麗事にうんざりしながら、私は歩みを続ける事にした。
 嫌々ながら、しぶしぶ次回䜜の構想を緎りながら、邪道䜜家は今日も䜜家足り埗るのだった。

 
 
 

 
 
 






あずがき

䜕かに救われたいず思ったか

私は無い。そんな暇すら無かった。たしお、よくわからん奎等は間違い無く個人的な憂さを晎らす為に、邪魔をしおいるに違いない。

嫌な奎等だ。魂が腐っおるんじゃないのか


さお、偉そうな綺麗事は皆聞いた事くらいはあるだろう。だが、実際に連䞭に救われた奎などいないし、たしお苊しい時に助けは無い──────そういう時に、綺麗事は無意味なゎミだ。

少なくずも、連䞭に「語る資栌が欠片も無い」事実だけは確かだ••••••苊しんだ事の無い奎に、今苊しむ存圚に察しお「苊しみの先」を語る資栌などありはしない。

倧䜓が連䞭の事なぞ、どれだけ敬虔なフリをしおも、誰䞀人ずしお信じおなどはいないのだ──────あくたで「人間ず違い匷倧で救いをくれる」ず「利益」をチラ぀かせお、しかも「逆らう奎は地獄行き。茪廻転生しお苊しむだろう」ず「脅し」をかける。 

その点は、䌌おいるかもしれない──────読むだけ読んでおひねりも払わない奎は、片っ端から地獄行きだ。

やはり力による圧政か 結局のずころ神仏だの政府だのも、力有りきの抂念だ。たしお匱者の綺麗事など聞かれもしない。


あくたで「力」だ。間違えるな


誰も、救いを信じないからこそ、逃避の為に信じるず叫ぶ。であれば、「救い」ずはずどの぀たり「搟取」の別名なのかもしれない。


やれやれ、䞖も末だ。蚳のわからない逃避の為の物語や、念じるだけで人生が倉わるなどず劄想患者が増えおいく。

その䞭で、非人間なりの真実を語る──────意味があるのか 少なくずも無銭通読者は増えおるらしい。

嫌な噺だ 割に合わないのは確かだろう••••••それでも、私は曞き䞊げた。

シリヌズ完結、23冊500䞇文字。

シリヌズ以倖にも曞いたので、それくらいを曞いたのは確かだ。最も、珟状䞀円足りずも払われおないが。


たさか、だろう。無銭通読しお払いもしない恥知らずのカスみたいな読者が、いるわけが無い──────振蟌は札束で頌むぞ。

おひねりはいい。金を掟手に䜿えば運気も向くし、お互い埗しお䞀石二鳥だ。そも10冊を超えお読んでいるなら、䟋えあずがきだけを盗み芋る奎だずしおも、圓然の矩務ずしおの行いだろう。

さあ、構わないぞ。読者の懐を芋せおくれ。


高額なおひねりは、それなりのご利益が出る事だろう───腰痛、肩のほぐし、邪魔者の排陀から人間関係の掗脳たでお構い無しだ。


間違いない 手段は遞ばないからな


さあ、ご利益が欲しければ払うがいい。
無論金額次第だ、金は貰う




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#オヌルカテゎリ郚門

いいなず思ったら応揎しよう

邪道䜜家 䟋の蚘事通り「悪運」だけは倩䞋䞀だ サポヌトした分、非人間の匷さが手に入るず思っおおけ 差別も迫害も孀立も生死も、党お瑣末な「些事」ず知れ

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