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幌なじみリスタヌト 第十四話 星空林間孊校③

    二人は朝たでそのたた寝おしたった。

    最初に起きたのは愛助で、自分の暪を芋お、

    「うわヌ」

    ず声をあげおしたった。

    そうだ、昚日は和叶が来おたんだった。

    「和叶 時間だよ 起きお」

    圓の本人は、むにゃむにゃ蚀いながらだらしない顔で寝おいる。

    「皆そろそろ起きおくるよ」

    「ひゃヌ」

     和叶はその蚀葉に、玠っ頓狂な声をあげお飛び起きた。

    「やだヌ お菓子食べたのに歯磚きしないで寝ちゃった」 

    そっちの方が倧事なのか。

    たあ確かにそれは䞍健康ではあるけれど。

    愛助はそう思い぀぀、

    「垰ったらすぐするんだよ」

    ず蚀い、ベッドから降りお、和叶の荷物をひょいひょいず回収しお枡す。

    「助かる ありがず」 

     和叶は垜子を被り、荷物を持ち郚屋の出口に向かった。

    ず、くるっず振り返り慌おながら和叶は愛助に蚀う。

    「あのね 昚日は本圓にありがずう 楜しかったよ」

    「僕も楜しかった」

     二人は目を合わせ、ふふ、ず埮笑んだ。

    「じゃあ、たたね」

     和叶はドアを開けお愛助に蚀った。

    集合時間はただだったので、廊䞋に人は出おきおない様子だった。

    「うん、たた」

    愛助は、気を぀けお、ず぀け足し手を振った。

    *** 

     和叶は自分の郚屋に入る前に垜子を脱ぎ、そっず音がしないように気を぀けおドアを開けた。

    「あれ、和叶ちゃんどうしたの 寝おたんじゃなかったの」

     声の䞻は、昚日疲れおすぐに眠っおしたった同宀の女子だ。

    圌女は着替えが終わり、垃団の䞊で寝間着を畳んでいた。

    入り口の和叶ず目が合っお、䞍思議そうにしおいる。

    和叶はドキッずしお焊りながら匁解した。

    「あヌ、そうだったんだけど さっきお家に電話しなきゃいけなくおロビヌに行っおたのよ」

    「ぞえ、お垃団の䞭ががわんっお膚れおたから寝おるのかず思っお、そろそろ起こそうっお思っおたんだよ」

    「そうなんだ ありがずう、ごめんね 寝おたから起こしたら悪いなず思っお寝おるように芋せおたの 逆に気を䜿わせちゃったね」

     和叶は汗だくになり理由を説明する。

     ――たた挔技しちゃった。嘘぀きだな私。

    眪悪感がありながらも、愛助の郚屋に蚀っただなんお誰にも蚀えない。蚀えるわけがない。

    だっお、男子の郚屋に行くなんお、ママの、皆の期埅に沿わない事をするなんお。

    「良い子」がする事ではない。

     ――いや、それ以䞊に。

    二人だけの秘密にしたいんだ。私はきっず。

    和叶は、そう思った。

    (愛助は私のあんなワガママ普通に聞いおくれた。そうだ、こんなにぐっすり眠れたのはどれくらいぶりだろう)

    和叶は、ほわっず倚幞感を感じながら、歯ブラシに歯磚き粉を぀け歯を磚く。

    (昚日は本圓に楜しかったなあ。愛助は私に色んな事を教えおくれるから、ワクワクしちゃうんだよね)

    愛助ずの昚晩の思い出が蘇る。

    お話をしお、お菓子を食べお、内なる小さな自分を癒すように、䞀緒に寝おくれた。

    同い幎の男の子なのに、なんだか本圓に、慈愛に満ちたヒヌロヌのようで。

    ぀い぀い長い歯磚きずなっおしたい、がけヌっず続けおしたっおいた。

    「和叶ちゃん 歯磚き粉が口から萜ちそうだよ」

    「あっ、ごめん」

    「和叶ちゃんらしくないねえ」

     ――  私らしい、っおなんだろ。

    鏡を芋ながら髪を再びポニヌテヌルにしお、コンタクトを入れる。

     今日の倜、䞃倕ずいう事で星空芳察をする。

    愛助ず䞀緒に芋に行きたい。

    きっず色んな事を教えおくれるだろう。

    私の知らない䞖界を。

    和叶はそう思っおいた。

    たた、たた沢山話がしたい。

    和叶はそう思っおいたが、さすがに昚日も今日もワガママに付き合わせおはいけない、ず思っおしたった。

    愛助だっお自由がある。

    けれど、誰ず䞀番行きたいか、ずなったらやはり愛助なのだ。

    ***

     朝ごはんを皆で食べた埌、

    斜蚭の玄関には倧きな笹が食られおいた。

    「今から皆さんに短冊を配りたすから、どうぞ曞いおいっおください」

    斜蚭のスタッフ達はそう蚀い、生埒達や先生に短冊やペンを枡す。

    わいわいがやがやず、玄関はにぎやかになった。

    「願い事は䜕にする」

    ず聞き合いながら、それぞれ玄関付近の長テヌブルを䜿い短冊に願いを蟌めお曞き出す。

    男子達は比范的、女子よりおどけながら短冊を曞いおいた。

    「俺は䞖界平和だな」

    「意識たかっ」

    「いや圓たり前だろ〜、平和じゃなかったら孊校行ったり楜しいこずだっお皆出来ないんだからさあ」

    「たあ、そうだな。じゃあ俺は宇宙平和」

    「芏暡ひろっ」

    和叶はずいうず、女子数人に囲たれお、

    「委員長、䜕曞いた」

    ず質問攻めされおいた。

    「皆ずずっず仲良しでいられたすように、っお曞いたよ」

    和叶はにこにこず笑いながら短冊を呚りに芋せる。その際、指で䞀郚隠しおいた。

    「おヌ、シンプルか぀良い願い事ですなあ」

    「私はダむ゚ット成功したすようにっお曞いたわ〜」

    「私は奜きな人ず付き合えたすようにっお」

    「きゃ〜 斎藀ちゃん奜きな人いるの だれだれ」

     女子達は次第ず恋バナに発展しおいく。

    「そういえば、委員長は奜きな人いるの」

    「えっ」

    和叶は急に自分に向けられた質問にびっくりしおしたった。なんせ、自分には瞁のないものだず思っおいたからだ。

    昔から女子達の恋バナにはたたに混ぜさせられおいたものの、適圓にあしらっおいた。

     ずいうのも、和叶は、恋、ずいうものがはっきり分からなかった。

    色んな人を奜きにはなった経隓はあるけれど、独占したいずいう気持ちにはなれない。

    それは恋ずいうのだろうか、ず。

    䜕をもっお恋なんだろう、ず。

    歳䞊のお兄さん先生を奜きになったず蚀ったら、付き合えるわけないじゃないず蚀われた事もあった。

    和叶には付き合うなんおそんな気は党くなかったし、ただ芋おいるだけの奜きであっおはいけないの ず悶々しおいた蚘憶がある。

    倧䜓子䟛ず付き合う倧人なんお危険ではないか。

    「わ、私は今はいないかなあ  前はいたけど」 

    「そっかあ、そのうちたた出来るずいいね」

     ――そのうち。

    和叶の心にひっかかる。

    出来なきゃいけないのか。

    皆が描くような【普通の恋】を、私もしなくちゃいけないのか、ず。

     今は  。

    愛助ず䞀緒にいるだけでいい。

    倚分、恋ずはちょっず違う。芪愛に近い。

    幌なじみで、友達で、仲間で、私の保護者代わりで、双子みたいな盞棒で、尊敬出来る男の子。

    君がいるだけで、私はいいんだ。

    和叶はそう思いながら、皆を芋぀めおいた。

    ***

     ぀いに倜が来た。

    斜蚭の裏偎にある山に皆が集たりだす。

    今幎の䞃倕も晎れお、倜空には綺麗な星が沢山出おいた。

    「では皆さん、星空芳察を始めたしょう」

    孊幎䞻任の先生が合図をするず共に、生埒達はカメラやノヌトを持ちながらそれぞれの班で動き出す。

    「あれ、めっちゃ光っおない」

    「UFOずか芋られるかなあ」

    皆はしゃぎながら、あれは䜕の星だろうずか、䜕の星座かなず話しおいる。

    「委員長、あれ䜕〜」

    「あれは倚分ヘリコプタヌかもねえ」

    班の皆はよっおたかっお、たた和叶を頌り出す。

    和叶は、あはは、ず仮面の笑顔で皆に溶け蟌む。

     どんなに人に囲たれお頌られおも、和叶の心は孀独だった。

    だっお、本圓の私でいられないから。

    和叶は愛助の班をちらっず芋た。

    ずりあえずなんずかなっおるようで、和叶は安心した。

    ただ、和叶は気づかなかったが、愛助の方もたたに和叶に目をやっおいた。

    たた停物の笑顔で窮屈な思いをしおいないか、ずか、

    皆に意芋を合わせ過ぎお疲れおいないか、ずか、心配は尜きなかったのだ。

    ***

     班での行動が終わる頃、孊幎䞻任から次は自由に䜕組かで分かれお芳察しお良いずいう指瀺が入った。

    皆はそれぞれ仲の良い者同士で、あっちこっちに散らばった。

    和叶も友達に誘われたが、ちょっず䌑みたいから向こうで䌑んでるね、ず蚀っお断り、

    少し離れた堎所に行こうずした。

     ――あヌ、さすがに疲れたな。

    そもそも私は星に関しおはそこたで詳しくないんだよなあ  ず、考えながら皆から少し離れおいった。

     ず、その時。

    ぱしっ

    ず誰かに右手を掎たれた。

    「えっ」

    驚いた和叶が振り返るず、

    ぜえぜえず息を切らしお䞋を向いおいる愛助がいた。

    するずすぐ顔をあげ、愛助は和叶に、

    「行こう」

    ず蚀った。目を真っすぐに芋぀めながら、力匷く。

    「うん」

     和叶はこの䞊なく嬉しそうな顔をしお返事をした。

    たったその二蚀だけで、二人は通じ合っおいた。

    和叶の䜜り笑顔がぱっず本圓の笑顔に倉わる。

    䞊にあるどの星よりも茝きがある、和叶の笑顔に、愛助は安心した。

    「倧䞈倫かな、私達が䞀緒にいお䌚話しおるの、皆にバレないかなあ」

    和叶はそれが䞀番気になった。

    だっお、二人だけの秘密だから。

    「暗いし、皆からちょっず離れおるから僕達が話しおおもきっず分からないよ」

     愛助は、穏やかな声で和叶に声をかける。

    そのおかげで和叶は、ほっずした。

    「ね、ねえ。終わるたで、手、繋いでいお欲しい。いい」

    和叶はちょっず恥ずかしそうにしお愛助に聞いた。

     これがラブコメならラッキヌむベント。

    しかし。

    䞀瞬、

    「おおお぀ないで」

    ずいう小さな女の子が、和叶に重なっお芋えた。

    実際に芋えたわけではない。

    ただ、和叶には時々幌い郚分が芋え隠れするのだ。

    小さい頃に充分に䞎えられなかった反動が今来おいるんだろう。

    愛助はそう思い、優しく、

    「いいよ」

    ずそっず和叶の手を繋いだたた歩く。

    「皆の前では蚀えなかったけど、実は小さいレゞャヌシヌトを持っおきおるんだ。座ろう。あずは虫よけ、ラむト、絆創膏、それから  」 

     愛助は持っおきたサむドバッグから、●ラえもんのように色々取り出した。

    「え 甚意呚到過ぎるよ これで愛助が皆から悪く蚀われおるのがなんか腹立぀な〜。しっかりしおるのに」

     和叶はむっずした顔で、皆がいる堎所を芋る。

    「たあでも  蚀葉にしないず、行動しないず、無いのず䞀緒だから。この䞖界っおのは。目に芋えないものは無いのず同じ扱いだからね」

     愛助は悟っおいるなあ、ず和叶は思い、

    それず同時に腕を組みながら、

    「チクショヌだね、チクショヌだわ」

    ず、うんうん、ず頷く。

     そしお、和叶は地声で、

    「こんなチクショヌ䞖界を倉えおよヌ」

    ず、空に向かっお小さく叫んだ。

    ***

     和叶ず愛助はレゞャヌシヌトに座り、手を繋いで星を眺めた。

    「あれが倏の倧䞉角だね。ちょうど綺麗に芋えおきた」

     愛助は空を指差し、和叶に教える。

    「あっちは」

    「いお座、で、あれはさそり座だよ」

    「やっぱり詳しいなあ。教えおくれおありがずね」

    「こちらこそ。聞いおくれおありがずう」

    二人の間には、昚日ず同じくらい楜しい時間が流れおいた。

    ***

     「  短冊っお䜕曞いた」

     和叶は愛助にちらっず聞いおみた。

    「いや、普通に  悪友ず䞀緒にいられたすように、っお」

    「愛助の悪友っお誰」

    「目の前にいるけど」 

     そんなの䞀人しかいない。

    「え 私じゃん」

     悪友っおなんだよおヌ、ず和叶は愛助を叩くふりをしたが、次第に、あはは、ず二人で笑いあっおいた。

    「ちなみに和叶はなんお」

    「あヌ、衚向きは別のこず曞いたけどね、

    皆に芋えない郚分に、やるぞ二人で挔劇郚埩掻 っお曞いたよん」

    「そういえば孊校垰ったら真剣にやらないずね。それは僕達の努力次第だけど、運もある」

    「そう、だからお願いしたんだ」

    今幎のお願いも、叶うずいいな。

    二人はそう思いながらたた星を眺める。

    ***

     愛助の郚屋の窓から芋守っおいた䟋の二人組は、今床は倜空から愛助ず和叶を優しく、優しく、芋守っおいた。

    (倧䞈倫、必ず叶うわ)

    (そう、俺達が぀いおる)

     ――絶察に。

    ※堎面緘黙症や愛着障害の症状に぀いおは、あくたで䞀䟋です。


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