
時空を超えて‥‥小説(世流寝狐90)
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何か他に変わったことは――。
誰かおかしな行動は――。
――何でもいいんですが。
だが、これといって新しい事実は出てこない。中にはどんなことでもいいという問いに、式場の従業員などから、あの時地震があったとか、立ち眩みしたとか、逃げた猫は小さくて可愛かったなど、メモるに無駄なことばかりが得られた。
一方の元町ではもっと酷かった。店の売り上げが下がりだしたことまで、刑事の聞き込みのせいだと言いだす始末だった。用意した畑山の顔写真もまともに見てはくれない。仕方無く犯行のあったとされる時間帯に目を向けたが、発見者の水江が覚えていなかったように車の行き来はほとんど無かった。まれに一、二台あっても二度目には合志を見るや、避けて通った。
捜査は完全にお手上げの状況だった。合志にはこれ以上は無理だと思える。聞き込み捜査に対してもそうだが、署に戻ると畑山とも顔を合わせる。そして事件のことを聞かれる。合志の出張先が熊本と知ってか、畑山の口ぶりにしつこさを感じた。
この苦痛は合志にとって何ものにも耐え難く、胸が痛んだ。尊敬する畑山を容疑者として密かに行動しているのだから無理もない。難航する捜査以外の苦しみがそこにあった。
ならばいっそのことその壁にぶつかっていく方が、どれだけ気持ちの中ですっきりするだろうか――。そう合志は思い、内野に畑山との話しをさせて欲しいと申し出ることにした。
毒の入手先など、寄せられる情報に確かなものも無く、合志の畑山に対する苦悩を汲んでか、一度は畑山への調べを拒んだ内野も意を決しそれを許可した。もちろん一部の上層部のみ知らされた調べで、現実には事情聴取という形で行われることとなる。
第六章
1
二月二十四日、月曜。くしくもその日は遠山水江の結婚式の日だった。合志は友人として、前日に祝電を打った。
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*週末に少しずつ投稿する予定です。作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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故郷(ふるさと)はそこに
君の地図
少年
窓は開けない