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時空を超えて‥‥小説(世流寝狐89)


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    「そうだったな、私からも彼女に一応注意をするように言っておこう。とにかく早く確かなもの、証拠を見つけることだ。でないと間違いだったでは済まんからな」
     内野は、誘拐事件の時にもまして頭を抱えた。心なしか頬の辺りが痩せこけたように見えた。
     その内野に、今日はもう帰っていい、と言われたが、合志はそんな気にはなれなかった。出張後の事務処理を済ませると、合志は早速聞き込みに出た。一係を出る際、課長室から出てくる竹山を見かける。元気の無い様子が少し気になった。
     役所で照会書を基に久保岡の戸籍を確認した。熊本の生まれだった。そう言えば勤め先の履歴書には、中学以下は省かれていたな。うっかりしていた。そして昭和五十六年頃一度結婚し、二年余りで離婚していることも判った。丁度、久保岡が福岡の労災病院勤務の頃だ。
     合志は当時の久保岡をより知るため、一度署へ戻ると福岡へ向かった。そして労災病院の医師や看護師らから、久保岡は父親の死を早くから知っていたようだと聞く。離婚も父の遺産を独り占めするための計画的離婚ではないかという者もいた。普段は明るく、よく喋る男だったらしい。医者としての夢もよく口にしていた。その金で医院を建てると同僚の医者に洩らしていたこともあったようだ。こんな病院で一医者として埋もれたくないと。
     随分久保岡の印象は、トウオン医療機器の頃と違った。
     
     
     
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     合志は別府に戻ると、それから五日ほど式場と元町の事件現場を繰り返し聴き込んだ。足を棒にしてという言葉があるが、これほど必死に動き回ったことはなかった。前日訊ねた者にも嫌がられるほど同じ質問をした。もしかすると急に思い出すかも知れないからだ。
     

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    *週末に少しずつ投稿する予定です。作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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    どこまで感動する文字を綴れるかな?? (長編・短編小説・短歌・つぶやき(詩も)) 私の作品がたくさんの方の目に留まりま すように・・どうぞ、プロフィールから