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時空を超えて‥‥小説(世流寝狐47)



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    「そう言えば竹山さん、今日の披露宴に少し遅れて来られましたけど、どうかされたんですか」
     合志はたった今思い出したように本題に入る。
    「え、どうしてそんなこと聞くの」
    「式場のロビーで和服の女性と会われてましたでしょ」
     今度は逃げ道を狭くする。
     そう言われて竹山は、思い出そうとして真剣な顔になった。しだいに状況が浮かんできたのか、大きく頷いて話す。
    「ああ、あれね、見てたの。綺麗な女性だったね」
    「何を話しておられたんですか」
     合志の問いには少し怒りが混じっていた。
    「何をって、あの女性変なこと聞くんだよ。宴の催しにはどんなものがあるのかとか、従業員の対応はどうだとか。それがどうかしたのかい」
    「あの女性が誰だかご存じなんですか」
     竹山は合志が何を言いたいのか判らず、怪訝な顔をした。
    「私がこの三日ずっと居所を捜してた、あの遠山水江ですよ」
     竹山は驚く。もちろん合志から水江のことは聞かされていたからだ。
    「あっそうだったのか、すまない。写真でも見せて貰っていればその場で捕まえたのにな。でも本当にあの女には式場のことを聞かれただけなんだよ」
     水江の残像を右手の拳で殴りつけながら、竹山は悔しがる。合志はその表情から、竹山が芝居をしているようには見えなかった。
    「あの女が今回のことと関係があるのかい」
    「いやそれは分かりません」
    「そうか、僕が遅れたのは急な手術が入ってね。慌てて式場へ駆けつけたら、いきなり聞いてくるからさ。変な女だと思ったんだけど」
     嘘ではなさそうだ――。
     しかし何故水江は、そんなことを竹山に尋ねたのだろうか。もしかしたら何か作為があったのかも知れない。そうだ、きっと。三井殺害へのチャンスを窺っていたのだ。何としてでも早急に水江を引っ張らなくては……。
     そう思った時ドアが開いて、冴子が電話だと声を掛けてきた。合志は中に入り、竹山の机越しに手を伸ばす。医学書の前の受話器を取った。
     電話は係長からだった。すぐ一係に戻れと言う。
     何だろう。料理の検査結果が早くも出たのか。合志は、階段を数段ずつ飛び降りながら、三井の自殺を否定し続けていた。

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    *週末に少しずつ投稿する予定です。作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

     
     
     
    どこまで感動する文字を綴れるかな?? (長編・短編小説・短歌・つぶやき(詩も)) 私の作品がたくさんの方の目に留まりま すように・・どうぞ、プロフィールから