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医学の知識ゼロで医学情報の嘘を見抜く最強メソッド!【054】連載を終えるにあたって

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    もう10年以上も前のことです。
    ある民間放送局の情報バラエティ番組で、どこかの大学の先生だったか、肩書は憶えていませんが、とにかく、その分野の専門家と思しき人が、「ブロッコリーには強力な抗がん作用がある!」という授業をぶったのです。
    その翌日、近所のスーパーからブロッコリーが消えました。
    私は驚きました。
    「あんな番組に踊らされて、人々がブロッコリーに殺到するんだ」と。
    ブロッコリーの品薄状態は、一週間以上も続いたでしょうか。
    この時以来、正しい医学情報を解りやすく一般の人たちに伝えるには、どうすればいいのだろうと、なんとなく、そんなことを考えるようになりました。
     
    数年を経て、一般の方々を対象に、「病気と健康 免疫の重要性」をテーマにした講演会で講師をやる機会をいただいて、反響がよかったのに気をよくして、自分でブログを立ち上げたりしました。
    ですが、そのような地道な活動を続けるうちに、「正しい情報を伝える」だけでは不十分だと思うようになりました。
    なぜなら、そのような活動をされている方は、すでに他にもたくさんいらっしゃるわけで、それでも根拠のない、あるいは誤った医学情報を信じる人々は後を絶たないのですから。
    自分も同じようなことをしていても、あまり成果はあがらないのではないかと考えるようになったのです。
     
    微力な私が、いくら科学的根拠に基づいた正しい医学情報を一般の方たちに向けて発信し続けても、世の中は相も変わらず、嘘と欺瞞の情報で溢れ返っています。
    多くの人たちには、どの情報が本当で、どれを信じてはいけないものなのか、依然として判別がつかないではないか!
    人々に自分自身で間違った医学情報を見極められるようになってもらうしかない!
    だが、どうすれば、そんなことができるのか?
     
    何年も、その答えを見出せずにいました。
    人々を欺く、あるいは誘導する意図を持って巧みに語られた広告や間違った医学情報を見極めるには、絶対に医学の知識は必要なのではないのか?
    ですが、ある時に気づきました。
    自分は間違った医学情報や胡散臭い広告の真贋を常日頃、日常的に、習慣的に、ルーチン作業のように見極めているのですが、その際、ほとんど自身が持つ専門知識を使っていないことに気づいたのです。
     
    たとえば、こんなCM、よくありますよね。
    「これは本当にいいですねぇ。おかげで10歳は若返りました。これからも、ずっと元気元気! わっはっは!」
    こういうのを見たときの私の反応は、いつもこんな冷めた感じです。
    「アハハ、何言うとんねん、アホかいな。10歳若返ったっていう根拠はなんやねん? 言うてみいや」
     
    こう思った瞬間に答えを得ました!
    つまり、科学的とは言えない医学情報を見抜くのに、医学の知識は必要ないのだと悟ったのです。
    「科学的根拠(再現性のある研究結果)が提示されているのかいないのか」、それさえ見分けられるようになればいい!
    「これならできる! そんなに難しいことじゃあない。見るべきポイントと考え方、コツさえ伝えられれば、医学の知識がなくても見抜ける!」と。
     
    ブロッコリー程度なら、罪はそんなに大きくはないでしょう。
    ですが、根拠のないものに大金を搾取されている人はいます。
    そして、お金を失うだけでなく、健康を損ね、命の危険にさらされることさえ起こり得るのです。
    そのような人を一人でも減らしたい。
    そのためには、皆さんご自身で情報の真贋を見分けていただく必要がありますし、実際にできるのです。
     
    一方で、「このような考え方には賛同できない」、「自分には合わない」と思われる方もおられるでしょう。
    分かります。すべてのことに対して「疑ってかかれ」という考え方なのですから。
    できれば、人を疑うようなことはしたくない。
    それは当然の人間の感覚、良心だと思います。
    ですが、そのような人の良心につけ込む者は、悲しいことですが、確かにいるということだけは心に留めておいてください。
     
    本書においては、実在する製品/サービスの広告や機能性表示の内容に関して、さらには具体的な論文と書籍を特定してとりあげ(このnoteでは、書籍の著者名と書名は伏せています)、医学的あるいは科学的に不適切な点について指摘し、筆者の個人的な見解を記しています。
    そこに、特定の個人を批判し、誹謗中傷する意図はありません。
    筆者の意図としては、世の中は誤った情報で溢れており、なかには人の生命にもかかわるような危険な主張が確かに存在するのだということを広く知らしめ、警鐘を鳴らすことのみです。
    それでもしかし、それら筆者の記述により、特定の個人や団体に多大なご迷惑をおかけするようなことがありましたら、それらはすべて筆者の責に帰するものです。
     
    ここまでの長い連載、最後までお読みくださり、本当にありがとうございます。
    皆さまの末永いご健勝を、心よりお祈り申し上げます。
     

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    大阪大学・医学博士 著書『真・二重らせん物語 DNAを追い求めた科学者たち、真実のストーリー』(花伝社) 巷に溢れる根拠のない健康・医学情報、それらを安易に鵜呑みにすることの危険性を憂う! 科学技術振興機構 主任専門員 専門分野:分子細胞生物学、免疫学、ウイルス学、ゲノミクスなど

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