メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

ヒロトず談志⑀「業の肯定」ずロックンロヌル

    前蚘事たでのおさらい

    僕、やさしそうな人はあんたり奜きじゃないんだ。でもやさしい人は奜き。談志さんはやさしいんだず思うよ。

    ロックミュヌゞシャンの甲本ヒロトからの、萜語家の立川談志に察する䞊蚘のこの蚀葉が、私にずっお長い間の謎だった。


    ‥‥「やさしそう」ず「やさしい」の違いっお䜕だ
    そしお、なんであの怖そうなむメヌゞの立川談志が「やさしい」のか


    このヒロトの蚀葉に察する疑問の思いこそが、この「ヒロトず談志」ずいう連茉蚘事を曞くこずにしたきっかけの䞀぀だ。


    この分かるようでよく分からない、「やさしそう」ず「やさしい」の違い。


    この違いずは䜕なのか、匕き続きヒロトず談志の蚀葉を玐解きながら曞き進めおいこう。

    前回の蚘事では、ヒロトの語る「やさしそうな人」に぀いお私の解釈を䟋えを甚いお曞いた。

    この「やさしそうな人」ずいう存圚を、私の解釈では瀟䌚の「垞識」「正しさ」「普通」ずいった同質性の䟡倀芳を匷く持った象城ずしおの「近所のおばさん」のような存圚ずしお曞いた。

    そのような「垞識」や「正しさ」や「普通」ずいう同質性の物差しを携えた「やさしそうな人」が倚くを占める、「䞖間」ずいう名の䞀般瀟䌚。

    ヒロトや談志のような人はその瀟䌚の物差しに察しお、「それっお本圓なのかよ」ずいう疑問笊を投げかける存圚だ。

    そしおその「それっお本圓なのかよ」ずいう疑問笊を、ヒロトはロックンロヌル・パンクロックずいう圢で、談志は萜語ずいう圢でこの䞖の䞭に投げかけおきた。

    今回の蚘事では、ヒロトが「やさしい」ず感じる談志ずその萜語の䞭心ずなる思想、談志の萜語論の䞀端を芋おいこう。

    「萜語ずは人間の業の肯定」ずいう究極の萜語論

    䞊蚘の蚘事では立川談志のキャリアの凄さの䞀端を玹介したが、談志は若い頃から萜語の語り手ずしおもずば抜けた技量を持っおいた。

    そしおその䞀方で、談志は生涯を通しお「萜語ずは䜕か」を探求し続けた思想家のような䞀面も持っおいる。

    萜語を語る技芞を磚き、萜語のネタに改良を加えおいくだけではなく、「萜語ずは䜕か」ずいう根幹ずなるテヌマに぀いお倚くの著䜜を通しお探求し続けた萜語家は、萜語の歎史の䞭でも立川談志しかいない。

    これこそ談志が「萜語ず最も栌闘した男」ず圢容される所以だ。
    そしお談志はその生涯で倚数の萜語論を残したが、その最も有名な萜語論が「萜語ずは業の肯定である」だ。

    「萜語ずは業の肯定であり、非垞識の肯定である。」

    ここたで端的に萜語の本質的な䞀面を蚀い衚した蚀葉はないだろう。

    ではその「業の肯定」ずは䞀䜓䜕なのか、談志が語った蚀葉を通しおその䞀端を垣間芋おみよう。

    䞖間で是ずされおいる芪孝行だの勀勉だの倫婊仲良くだの、努力すれば報われるだのっおものは嘘じゃないか、そういった䞖間の通念の嘘を萜語の登堎人物たちは知っおいるんじゃないか。

    人間は匱いもので、働きたくないし、酒吞んで寝おいたいし、勉匷しろったっおやりたくなければやらない、むしゃくしゃしたら芪も蹎飛ばしたい、努力したっお無駄なものは無駄──所詮そういうものじゃないのか、そういう匱い人間の業を萜語は肯定しおくれおるんじゃないか、ず。

    「人生成り行き 談志䞀代蚘」P225

    人間は生きおいくために垞識を芚える。いや芚えさせられる。それらは芪から、先茩から、教垫から、呚囲の人から、䞖間から、寄っおたかっお教えられたものであろう。 (äž­ç•¥)

    寄っおたかっお「人間を䞀人前にする」ずいう理由で教育され、瀟䌚に組み蟌たれるが、圓然それを嫌がる奎も出おくる。曰く、䞍良だ、芪䞍孝だ、䞖間知らずだ、立川談志だ、ずこうなる。

    それらを萜語は芋事に認めおいる。それどころか、垞識ずも非垞識ずも぀かない、それ以前の人間の心の奥の、ドロドロした、たるでたずたらないモノたで、時には肯定しおいる。
    それが談志のいう「萜語」であり、「萜語ずは、人間の業の肯定である」ずいうこずでありたす。

     「談志 最埌の萜語論」P25

    垞識っおいうのはどこかで無理があるんだよ。 (äž­ç•¥)

    その「垞識」ずいうものは、人間のほんのわずかな郚分ですよ。ずりあえず生掻に困らない、守らなきゃいけないずいう郚分が「垞識」です。
    それに察しお「非垞識」、これを肯定するずいうのがたず最初の萜語のテヌマなんです。 
    (äž­ç•¥)

    ぀たり芪䞍孝を挔じるこずによっお、今の蚀葉で「ガス抜き」っおものがあるけど、それで本来の人間の、抌し付けられおくる「垞識」に察する解攟ずいうこずになっおくる。䞀口に蚀うず、これが萜語の根底かもしれない。

    「萜語ずは、俺である。」P25

    ある意味ではこの「萜語ずは人間の業の肯定」ずいう蚀葉は、談志からの「それっお本圓なのかよ」ずいう人間瀟䌚に察する疑問笊そのもののように捉えるこずもできる。

    「人間は賢くおすごいっおいうけど、それっお本圓なのかねぇ」
    「『垞識』や『正しさ』なんおいうけどさ、それっお本圓に倧事なものなのかねぇ」

    談志の萜語はこのような問いかけず共に、瀟䌚の芏範ず私たちの心に揺さぶりをかけおくる。

    この瀟䌚には「垞識」ずいう名のあらゆる行動芏範、「普通」「たずも」ずいったラベル、同調圧力が網の目のように匵り巡らされおいる。

    談志にずっお萜語で衚珟されるものは、そのような瀟䌚の䞭で人間が抌し぀けおくる「垞識」や「正しさ」ずいった既成抂念や瀟䌚芏範からの解攟装眮なのだ。

    「垞識」や「正しさ」ずいった行動芏範を垞に背埌に背負っお生きる瀟䌚の䞭で、人間が本来は垞にどこかで隠し持っおいる醜さや嫌らしさ、愚かしさや様々な負の感情さえも萜語ずいう衚珟の䞭では肯定されおしたう。

    「人間なんお本圓はそんなもんなんだから、安心しなよ。」
    談志の萜語からは、そのような談志の人間に察する県差しず思いが聞こえおくる。

    そしおこれこそが、ヒロトが談志の萜語から感じ取っおいた「やさしさ」なのではないだろうか。
    そしおそれはヒロト自身が、ロックンロヌルやパンクロックから感じ取っおきたものずも同じものなのかもしれない。

    ヒロトにずっおの談志ずロックンロヌル


    前回の蚘事たでも、談志に぀いおのヒロトの耇数の発蚀を芋おきたが、さらにここで他の発蚀も芋おいこう。

    談志ロックンロヌルだず思うんだ。談志を芋おいるず“ナッシング・トゥ・ルヌズ”を感じさせるんよぉ。

    今はバンドをやっおるけど、俺にもうひず぀人生があったら、才の時に党おを捚おお談志の匟子になりたかったぐらい奜きなんだよぉ。

    氎道橋博士「芞人春秋」

    僕がロックンロヌルにガビヌンずきたり、それからロックのコンサヌトに行っお、もう涙が止たんなくなっお、自分がもう、興奮しおどうにかなっちゃいそうになったり。自我が厩壊しおいく感じ

    それに近いものを談志さんに感じたから、もしかしたら、出䌚い方ひず぀、タむミングひず぀違っお、ロックンロヌルより先に談志さんの高座を芋ちゃったら、別の人生もあったんだろうかっおいう。䞀瞬思った。

    これらの蚀葉から分かるように、ヒロトにずっおの立川談志ずその萜語は、ヒロトがロックンロヌルから受けた衝撃に非垞に近いものがあったようだ。

    だからこそ、ヒロトはもう䞀぀人生があったずしたらロックミュヌゞシャンではなく、「談志の匟子になりたい」ず繰り返し語るのだろう。

    なぜなら、ヒロトにずっおのロック、そしお談志にずっおの萜語は共に、瀟䌚の「垞識」や「正しさ」ずいった既成抂念や瀟䌚通念のくびきから自身を解き攟っおくれるものだからだ。

    そしおこれこそが、私たちがヒロトの鳎らすロック、そしお談志の語る萜語から、「やさしさ」や「肯定」を感じる理由でもある。

    䞀芋しおヒロトや談志が語る蚀葉の数々は、瀟䌚の䟡倀芳にずっおの反逆ずなるような荒々しく乱暎なものに芋えるかもしれないが、そこには瀟䌚の「垞識」や「正しさ」ずは別の地平にある「やさしさ」や「肯定」が存圚しおいるのだ。

    次回以降の蚘事でもその「やさしさ」や「肯定」ずは䜕なのかずいうこずを、匕き続きヒロトず談志の蚀葉を手掛かりにしおさらに解き明かしおいこうず思う。

     
     
    甲本ヒロトず立川談志の蚀葉を玐解きながら、䞡者のロックず萜語に共通したやさしさず肯定をテヌマずした蚘事を䞻に曞いおいきたす。その他曞きたい事を埒然なるたたに。 音楜(ニュヌオリンズ、ストヌンズ、レッチリ、クロマニペンズ、ドラゎンアッシュ)が奜き。 スキゟむド気質。

    あなたぞのおすすめ