
断水したら、家の中で"何が止まる"? ―― 飲み水の話だけじゃ、ないんだ
9月も後半。台風のニュースが増えて、地震の話もちらほら。。。なんだか、そわそわする季節だよね。
この前、「停電した夜をどう過ごすか」って話を書いたんだけど ―― 実はね、停電と断水って、セットでやってくることが多いんだ。大きな地震や台風のときは、電気と水が、いっしょに止まる。(停電の夜の話は、こっちに書いたよ
(あ、この記事は「家に留まれる人」の話ね。そもそも"逃げる家か、留まる家か"の判断がいちばん先。そこがまだの人は、こっちからどうぞ
さて。今日は、その「水が止まる」の話。だけど ―― 身がまえなくて大丈夫。買うものも、準備も、いらないよ。今日はただ、いっしょに"想像しておくだけ"の回。
「断水」って聞くと、何を思い浮かべる?
ちょっと質問ね。
「断水」って聞いて、いちばん最初に浮かぶのって、なに?
……たぶん、多くの人は「飲み水がなくなること」じゃないかな。「ペットボトル、買っとかなきゃ」って。
僕もね、昔はそれだけだと思ってた。正直に言うと、ちょっとナメてたんだ。「まあ、水のストックあるし、うちは大丈夫っしょ」って。
でも、防災の実務に関わっていた頃に、気づいたことがある。
断水で本当に人を困らせるのは ―― 実は、飲み水より"それ以外"のほうなんだ。
想像してみて。今、家の水が、ぜんぶ止まったら
深呼吸して、ちょっとだけ、想像してみてほしい。
いま、あなたの家の蛇口が、ぜんぶ出なくなったとする。
どうなる?
トイレが、流せない
手が、洗えない
歯が、磨けない
料理が作れない。食器も、洗えない
お風呂に入れない。洗濯も、できない
……ね。ぜんぶ、水なんだよ。
飲むための水なんて、そのうちの、ほんのひとかけら。断水って「飲めなくなる」ことじゃなくて、**「暮らしが、まるごと止まる」**ことなんだ。
数字で見ると、ちょっとビックリするよ
これ、知ってる?
東京都水道局の調査だと、僕らが1日に使う水って、1人あたりなんと200リットル以上。2リットルのペットボトルで、100本ぶんだよ。100本!
でね。そのうち、"飲み水"として口に入るのは ―― たったの1〜2リットルくらい、なんだって。
つまり僕らはふだん、飲む量の100倍もの水を、まったく気づかずに、じゃぶじゃぶ使って暮らしてる。
いちばん多いのは、お風呂とトイレ。次いで、料理と洗濯(国土交通省の資料より)。トイレなんて、1回流すだけで、けっこうな量の水が流れてる。ふだんは、そんなこと考えもしないよね。
でも、その"考えもしない当たり前"が、断水した瞬間、ぜんぶ止まる。これが、断水のホントの正体なんだ。
って書くと、ちょっと怖くなったかも。ごめんね
ここまで読んで、「うわ、断水ってヤバいじゃん」ってなった人。ごめん、脅すつもりはないんだ。
だから、ここからが本題。安心してほしい。
今日、あなたにやってほしいことは、たったひとつ。しかも、0円。買い物も、準備も、いっさい、いらない。
それはね ―― "気づく"こと。それだけ。
今日できる、いちばん大事な一歩
今日一日、蛇口をひねるたびに、心の中でこうつぶやいてみて。
「あ、今、水を使ったな」
トイレ、手洗い、歯磨き、料理、食器洗い、お茶を一杯。。。たぶん、数えきれないくらい出てくるはず。「え、こんなに使ってたの?」って、きっとビックリする。
それでいいんだ。それが、今日のゴール。
なんでこれが、そんなに大事かっていうとね。
人は、一度でも想像したことには、落ち着いて対応できるんだ。逆に、想像もしてなかったことが起きると、頭が真っ白になって、固まっちゃう。
追い詰められると、人はいちばん先に"考える力"から失っていく。これは、しんどい経験をしたことがある人なら、なんとなくわかると思う。僕にも、頭が真っ白になった時期はあったよ。
でも ―― その日、断水して、「うわ、トイレどうしよう、手も洗えない」ってなった瞬間に、「あ、これ、防災たろうが言ってたやつだ。前に想像したことある」って思えたら、どうだろう。
その一瞬で、また、立ち回れるんだ。
知識ひとつ。気づきひとつ。それだけで、慌てる人から、動ける人に変われる。だから今日は、気づくだけで、もう100点。じゅうぶん、えらいよ。
ちなみに、偉そうに書いてる僕はというと
ここまで「気づこうね」なんて偉そうに語っといて、白状するとね ―― 僕、こういう"ちゃんと想像しておこう"系、いちばん後回しにするタイプなんだ。
「うん、大事だよね」って言いながら、気づけば何もやってない。そういうのが、超得意(威張ることじゃない)。
だからこそ、今日みたいに「今日はこれ1個だけ」に区切ってる。0円で、気づくだけ。これなら、僕みたいな後回し人間でも、できるからね。
しかも白状すると、僕、歯磨きしてる間、いまだに水を出しっぱなしにしちゃう側の人間なんだ。ちょろちょろ、だけど。とくにフロスやってる時なんて、完全に無防備。「あ!」って気づいて、あわてて止める。。。毎回これ。
こんな僕でも、今日は書きながら「あー、また出しっぱなしだったな」って気づけた。それだけで、ちょっと前進。
だからあなたも、今日ひとつ"あ、水使ったな"に気づけたら、それでもう、じゅうぶん立派だよ。
次は「じゃあ、どう備えるの?」の話
ここまで読んで、「気づいた。で、その水、どうやって備えればいいの?」って思ったよね。
実はね ―― 買う水、水道水、お風呂の水。この3つ、それぞれ"日持ち"も"使いみち"も、ぜんぶ違うんだ。しかも、お金をかけずに水を増やす方法もある。
そのへんを、明日、くわしく書くね。
今週はこうやって、水と食べものの話を、のんびり順番にしていくよ。急がなくて大丈夫。1日ひとつ、気づいていくだけで、週末にはあなたの家、きっとちょっと変わってるはず。
今日も、ここまで読んでくれて、ありがとう。
蛇口をひねれば水が出る ―― そんな当たり前の毎日が、実はすごくありがたいこと。そう思えたら、今日の一歩は、もう踏めてるよ。
また明日ね。
防災たろう