【読書泊スポット】本好きにとって『太平洋フェリー』名古屋⇨仙台が"最高の読書部屋"だった件
まえがき
読書のために旅をする身として、読書に必要なのは「静けさ」だけではなく、誰にも邪魔されないまとまった時間が確保できる場所なのかも知れないと最近は思うことがあります。
同時に、僕の場合、読書が一番はかどる場所は乗り物内にいる時です。
新幹線や特急の車内など。
適度に音があるし景色も見れたりするので最高の環境なのですが、片道はせいぜい数時間ほどとずっといられる訳ではありません。
幼少の頃は寝台特急も豊富にありましたが、今では定期運用が『サンライズ』のみでおいそれと乗れるものでもありません。
長時間乗ったまま読書ができる乗り物はないか?
いろいろ探す中でその夢が叶いそうだと思った乗り物を見つけました。
それが名古屋から仙台までを結ぶ"太平洋フェリー"です。
乗船時間は、およそ21時間40分😳
海の上なので途中で降りられませんし、船酔い体質だとなかなか利用しづらいかもしれませんが、個人的に「読書する環境には最高なのではないか」と利用してみて思いました。
今回は太平洋フェリー『きそ』に実際乗船してみて本好きとして魅力に感じたこと、実際に利用する上で知っておいた方がいいかもと思ったことをまとめてみました📕
太平洋フェリーの大まかな説明(いずれも2026年時点)
太平洋フェリーは、苫小牧(北海道)〜仙台〜名古屋の約1,330kmを結ぶ長距離フェリー会社で、「きそ」「いしかり」「きたかみ」の3隻が、日替わりで航路に就いています。
運航区間は次の3つに分かれています。
・苫小牧 ↔ 仙台(毎日運航)
・仙台 ↔ 名古屋(隔日運航)
・苫小牧 ↔ 名古屋(仙台経由・隔日運航)
今回僕が乗ったのは、このうちの名古屋 → 仙台で、出発・到着の時間は以下のとおりです。
名古屋発 仙台行き:隔日運航/19時00分発 → 翌日16時40分着
※所要およそ21時間40分
※ちなみに逆方向の仙台発 名古屋行きは、12時50分発 → 翌日10時30分着
夜に出て、翌日の夕方前に着く。ちょうど一泊分の時間を、そのまま移動にあてられる感じです。
気になる料金
運賃は乗る時期(A〜D期間)と船によって変わりますが、いちばん安いA期間の「いしかり」を例にすると、だいたいこんな感じです。
仙台〜名古屋・片道・大人1名(A期間/いしかり)
・2等和室:8,200円 (いわゆる雑魚寝スタイル)
・B寝台:10,200円
・S寝台:11,300円
・1等客室(洋室):14,200円
「きたかみ」なら、C寝台が8,200円、B寝台が10,200円、個室タイプのエコノミーシングルが12,400円。
さらに割引もいくつか用意されていて、インターネット割引と早得(21日前の予約)を活用すれば、例えば「いしかり」なら1等客室(洋室)が11400円になります(2026年夏時点)。
新幹線や飛行機に比べると時間がかかるのがネックですが、宿代と交通費を一緒に払っていると考えればかなりお得かなと思います。
安く旅をするにもいいし、読書好きからすれば乗船時間が長いので読書に集中しやすくなるのがまたいいのかなと思いました。
※運賃は改定されることもあるので、実際に予約する際は公式サイトでご確認を。
実際に乗船してみた(太平洋フェリー・『きそ』)
フェリーが出航する名古屋港へは、名古屋駅から直行バスがあるのでそれに乗っていきます。


「仙台から名古屋は時間もかかるし、フェリーを利用する人もそう多くないだろう」
そう思っていざ直行バスに乗ろうとすると、多くの人だかりが。割と利用する人がいることに驚かされました。
バスで50分ほど揺られ、フェリーターミナルへ到着。
すでにターミナルにはフェリーがあり、あまりの巨体に思わず「うぉっ!」と声を漏らしてました🚢

・ラウンジ
手続きを済ませ、いざフェリーの中へ。
三階まで広がる吹き抜けと螺旋状の階段が、いかにも豪華客船みたいな空気感で旅が一段と楽しみになりました。


・一等客室


読書なりデスクワークも可能🖥️
あとは冷蔵庫もありました

今回手配した部屋はこんな感じ。
一等客室でも「インサイド」と船の内側にあるお部屋で、外の景色が見えませんが、その分個室内でも一番安かったです。
ホテルの内装をそのまま船に持ち込んだような印象で、ベッドはやや横幅が狭い感じもありますが寝るには特に差し支えなかったです。

冷蔵庫も備わっていて、コンビニで買った朝食などを冷やせるのも個人的には嬉しかったです。
あと大浴場があったので使わなかったですが、シャワー室はユニットバスになっていました。
・展望デッキ
乗船してからは出航を見届けるべく展望デッキへ。
日が沈むなかに広がる名古屋の街が綺麗で、しばらく「ぼーっと」し続けていました。



・ラウンジや客室で一息つく
出航してからしばらくすると、電波は圏外となり、通信機器はほぼ使えない状況に(一応補足すると、陸地に近い場所ではわずかに電波が立ったり、ラウンジ内でのみ使える有料Wi-Fiもあり、完全に使えない訳ではないです)

その後は名古屋駅で購入した弁当を部屋で済ませたのち、客室やプロムナードなどで読書をしたり「ぼーっと」したり。
ちなみに夜はシアターラウンジでピアノ鑑賞会もあり、読書の合間に生のピアノ演奏も聴きました。た。


ほかにも映画鑑賞会などもやっていたりするので、長時間の船旅でも飽きないイベントが多いのもいいなと思いまし
その後は大浴場で体を洗い、そのまま就寝。

(浴室内は撮影禁止🈲)

・フェリーならではの早朝イベント
天気も穏やかだったこともあり、少し揺れは感じたものの適度な揺れで寝るには問題ありませんでした。
そして朝4時に起床。
日の出が見たかったので展望デッキに上がります。

この時間でも意外に人は多かったです👥

大海原の只中で、日の出を邪魔する遮蔽物もほとんどない。
日の出の瞬間って、新たな生命が芽吹いたような印象があり、だからこそいつ見ても飽きないんですよね。
個人的に、この美しい日の出(あるいは日の入り)が見られるのもまた船旅の魅力かなと思います。
・朝のラウンジ
日の出を見終えたあとはちょっと朝が早すぎたので二度寝。
気づけば朝8時になり、客室で昨日買った朝食を済ませて再び読書をします。
客室にいるのが少し飽きたので、今回はラウンジへ赴き読書を。


カフェの朝食メニューでTKGもありました🐓
ラウンジは多くの人が集い、スマホや新聞に興じる人や、グループで来ている人は談笑していたり、中には麻雀を楽しむ初老の人たちもいました😳
・レストランでランチビュッフェ
ゆったりとした時間を味わううちに気づけばお昼に。
お昼は船内で楽しもうと思い、レストラン会場へ向かいます。


レストランはビュッフェスタイルで、この時は4種類のカレーが楽しめるカレービュッフェでした。



別にそこまで運動しているわけではないのに、なぜか座り続けるだけでも自然に疲れてお腹が空いてしまう不思議。

そんな空腹の時のビュッフェはありがたく、太平洋を見ながら美味しくいただきました。

・午後にもまたフェリーならではの一大イベント
昼食後は再び読書のためラウンジへ。すると「間もなく、反対方面のフェリーとすれ違います」というアナウンスがあったので、つられて外へ。
そして、多くの乗船客に溢れたデッキの際に見えたのは、仙台方面から来た名古屋行きのフェリーの姿。
ここがフェリーのすれ違い地点のようす。


少し距離はありましたが、それでも巨大が行き交う姿はどこか迫力があって思わず目を丸くしながら船の勇姿を見届けていました。
・あっという間に仙台港に到着
その後も読書なり「ぼーっと」するなりしながら、仙台港に到着。

「およそ22時間」と最初は呆然としましたが、いざ過ごしてみると時間の経過は意外とあっという間に思えました。
でも日々の忙しさを忘れて「ゆっくり」とした時間を過ごすには最高の空間でした。
利用する上ではなかなか日程を選びますが、それでもまた機会があればぜひ利用していきたいです。
太平洋フェリーが”最高の読書場”だと思ったポイント
独断と偏見ですが、本好きとして刺さったポイントをお伝えします。
推しポイント①:まとまった時間が、最初から確保されている

これが一番大きなポイントかなと個人的には思いますね。
家で「〇〇時間読書しよう」となっても、たいていは家事をこなしたり、SNSで情報をチェックしたりなど気の散る場面も多いでしょう。
ですが船に乗っている間は後述のとおり通信機器が使えないので、本を読むか・寝るか・ごはんを食べるか・お風呂に入るか・船を楽しむくらいしかありません。
長編や、積読していた本を持ち込むのに、これ以上ない環境かなと感じています。
推しポイント②:船の中で「読む場所」を移動できる
船内には、プロムナードやラウンジ、そして自分の客室など読書に使えそうな居場所がいくつもあります。
朝は海の見える展望通路で、昼はラウンジのソファで、夜は客室という具合に。



僕の場合、同じ場所で読書をしていると集中力が切れやすくなるので、気分に合わせて席を変えやすいのも嬉しいポイントかなと思います。
推しポイント③:擬似的なデジタルデトックスが味わえる
陸地から離れると、スマホの電波はほとんど届かなくなります。
実際、公式のFAQでも「沖合では各社とも圏外になる場合がほとんどで、基本的には繋がりにくいものと考えてほしい」という案内があるほど。

スマホやPC作業をする上ではかなり致命的ではありますが、裏を返せば通知の来ない時間が保証されているということでもあり、読書好きにはまさに集中して本が読める空間かなと思います。
ちなみに最近2026年7月から「いしかり」「きそ」「きたかみ」のパブリックスペースに、Starlinkを使った有料Wi-Fi(1,500円/24時間)もあるので、完全にネットが使えない訳ではありません。
強制的にネットから遮断されるのではなく、自分の意思で繋がないことを選べるという点が、僕としてはちょうどいい設計だなと感じました。
推しポイント④:食事もお風呂も、全部船の中で完結する
読書のしやすい空間は、本を開くだけの時間だけでなく、読書以外の気晴らしもできる環境があるかも重要になるかなと思っています。

その点、船内にはレストランで海を眺めながらの食事ができるし、また「いしかり」「きそ」ではピアノの演奏会や映画鑑賞会といったラウンジショーも行われます。
そのほか、展望大浴場で疲れを癒したり、展望デッキから海を眺めたり。
この読書だけでなく、ちょっとした非日常に浸る時間があるのも、『最高の読書環境』を作り上げている要素だなと感じました。
利用する上で知っておくといいこと
実際に乗ってみた経験から、「これはあらかじめ知っておくと良さそうだな」と思ったことをお伝えします。
知っておくといいこと①:船内の食事は、割高に感じるかもしれない
料理そのものは美味しいです。ただ、内容や量に対しての料金は、正直なところ割高に感じる方もいるかなと思います。

3食すべてレストランで済ませようとすると、それだけで5,000円は超えてくるので、
個人的には「夜だけレストランで、朝は軽めに」といった組み合わせにすると、無理なく楽しめるかなと思います。

一応船内のショップコーナーでカップ麺やお菓子なども買えますが、種類もそこまで多い訳ではありません。
なので、乗船前にコンビニやスーパーでお弁当・飲み物などを購入しておくといいでしょう。

船内には冷蔵ロッカーのほか、個室(一等客室以上)なら冷蔵庫も備わっているので冷蔵物も気軽に持ち込みやすいと思います(冷蔵ロッカーは限りがあるため繁忙期などは要注意!)
知っておくといいこと②:名古屋発の便は隔日運航
フェリーは長い時間をかけて航行するため、区間によっては毎日ではなく隔日での運航になります。
名古屋 ↔ 仙台はまさにその区間。うっかりすると、乗ろうとしていた日に運航していない、なんてこともあり得ます。
また、年末から3月頃にかけては変則運航になることもあるため、その時期は特に注意しておきましょう。
知っておくといいこと③:悪天候時はいろいろと注意を
海を航行する以上は仕方がないことですが、台風などの悪天候には弱く、突然運休になることもありえます。
そして運休でなくても、波風が強ければ割と揺れを体感します。

船酔い体質の方は、酔い止めを用意しておくと安心かなと思います。ちなみに、揺れを感じるときの読書は、寝台に横になって読むのが楽だなと感じています。
(もちろん無理は禁物ですが……)
知っておくといいこと④:欲を言えば、個室が快適
今回は個室で手配しましたが、より安く済ませたいなら仕切りで区切られた寝台や雑魚寝タイプもあります。

けれど、まわりの話し声や物音を気にせずに、自分のペースで読んだり寝たりしたいなら、やはり個室(あるいはエコノミーシングルのような1人用の区画)がいいなと個人的には思いました。
料金差も数千円ほどと決して安くありませんが、都内のビジネスホテルの料金で快適な移動と宿泊が楽しめると考えれば許容できる範囲かなと感じています。
まとめ

読書場としての推しポイントを中心に紹介しましたが、もちろん読書に限らず、旅そのものとしておすすめできるフェリーです。
移動に丸一日かけるというのは、タイパの観点からすると極めて非効率かもしれませんが、その「非効率な時間」ともいえるゆったりとした時間があるからこそ、読書も楽しめるのかなと思います。
なにより、読書という行為そのものが「ゆったり」を体験できるものにも思えるので。
乗船時間や、船酔いがあるとそもそも乗れないなど人は選びますが、もし読書をしながら旅をしたいという方は、ぜひ一度このゆったりとした船旅を体験してみてください。
あなたの旅と、その一冊に、幸あれーー。
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お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございます。
今後も『非日常的なソロ活動』をもとに、あなたの人生を彩るような体験やノウハウを届けしたいと思っています📕
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