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年表に息づく人間の意志①「サガ フロンティア2 リマスター」

「サガ フロンティア2 リマスター」

1999年に発売された作品がリマスターされ、2025年に発売されたのが本作。
水彩を基調とした背景や、小林智美さんが描く気品あるキャラクターの挿絵、その美しさを保ちデフォルメしたドット絵等、それらが織りなす世界観に惹かれ旧作をプレイしたのは中学か高校の頃だったか?

異国情緒と気品溢れる絵
水彩とドット絵のマッチ感、スキ…

本作は(サガシリーズではお馴染みだろうが)尖ったシステム性となっている。
『ヒストリーチョイス』という年表から物語を選択していくシステムを採用しているため登場人物たちのバックグラウンド・心情が良くも悪くもバッサリと省かれている内容や、『パーティ/デュエル/コンバット』と異なる戦闘方法に加え、技と術を覚える『閃き』システム等々…
このゲーム独特のシステムについていくことができず、世界観は非常に好きだったのだが、当時はクリアを諦めてしまった。

そんな折本作のリマスターが決定、しかも遊びやすく様々な調整が為されていると聞き、これは是が非でもと思い購入を決意(実際は他のゲームが貯まっていたたためすぐには購入できなかった…涙)。

そして結論からいうと、ドハマりした。笑
リマスターによってUIをはじめとしたプレイフィールが非常に快適で(その快適さについては既に数多くの好評な感想や記事がでているため割愛しますが)、前述した難解なシステムにも抵抗なく適応でき、サガフロンティア2の世界・物語へしっかり没入することができた。
以前「ファイナルファンタジーⅣピクセルリマスター」の感想でも書いたとおり、名作を後世に伝えるという点でリメイクやリマスターが担う役割は本当に貴重である。

そのハマり具合は留まることを知らず、プレイ開始数日で本作の歴史的背景や登場人物たちの細かな設定をもっと深く知りたくなり、「(復刻版)サガフロンティア2設定資料集パーフェクトワークス」をまず購入。
詳細に練られた歴史に浸り始めると、次はその世界を彩る儚くも美しい音楽に心打たれ、「サガ フロンティア2オリジナル・サウンドトラック」を購入。
美しい楽曲に身をゆだねていると、今度は本作の楽曲ピアノアレンジアルバム「Piano Pieces “SF2” Rhapsody on a Theme of SaGa FRONTIER 2」もあると知り、一も二もなく購入。
ストーリーがひとつ進むたび設定資料集を読み、(サウンドトラック・ピアノアレンジを聴きながら)その都度出来事や事象に思いを馳せてしまうので、ゲームは遅々として進まなくなってしまった。

このゲームの素晴らしい点は、冒頭に書いた『ヒストリーチョイス』というシステムによって描かれる、『サンダイル』という大陸を巡る歴史を追った壮大な物語である。

ギュスターヴ誕生、ここから壮大な物語が始まる
年表は極めてシンプル

一般的なRPGの場合、一人か二人程度の主人公を据え、その固定された主人公をエンディングまでプレイするシステムが多い。
本作の『ヒストリーチョイス』はその仕組みとは大きく異なり、既に起こった事象や出来事が年表として提示され、その出来事を選択して物語を追いかけていく仕組みとなっており、プレイヤーが操作するキャラクターは(目まぐるしいほどに)変わっていく。

『アニマ』という魔法のような力の根源が日常生活に根付いている世界で、物語は二つの一族を中心に語られる。

王族に生まれながらもアニマを全く有しておらず、幼い頃術不能者として追放された『ギュスターヴ13世』。
彼を始まりとした、世界から迫害されながらも新たな資源『鉄』に可能性を見出し、自らの運命を切り開いていく『ギュスターヴ編』。
強力で貴重なアニマを有する道具『クヴェル』を探索・発掘する『ディガー』を生業とする名門ナイツ家に生まれた『ウィリアム・ナイツ』。
彼を始まりとした、ナイツ家と世界を狂わせる強大な力を持ったクヴェル『エッグ』との戦いを追いかける『ナイツ編』。

それぞれの一族が時代を経て世代を経ていきながら、受け継がれていく意志を胸に懸命に生きていくその様子は、年表上では短文で示され極めてシンプルに表現される。
しかしその出来事・事象の背景には様々な人々の想いが折り重なっており、歴史の変遷を追っていくからこそ体験できる重みがある。
特に物語の最後、二つの一族が邂逅し迎えるエンディングは、ひとりの人間だけでは完結しない、紡がれたきた数々の意志があったからこそ到達することができた結末であり、本作でなければ味わえない重厚な感動だった。

ひと一人の人生を追いかける物語も良い。
ただ本作のように、壮大な歴史を紐解きながら、それぞれの時代を生き抜いた人間の想いを受け取りながら追いかける物語もまた良い。
物語を楽しむ上で、『歴史』という新たなジャンル・視点を開眼してもらったように思う。

もし僕の人生を年表にするとしたら、世界観・ビジュアル・音楽…すべてが高い水準でかみ合った本作を二十数年越しにクリアできたことを、必ず載せていることだろう。笑
これからも、自分の年表に載るような物語との出会いが楽しみである。

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