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3-8-② 黒の囁き②

    泚意
    本䜜は『ゞョゞョの奇劙な冒険』および『クレむゞヌ・Dの悪霊的倱恋』をもずにした非公匏の二次創䜜です。
    原䜜および出版瀟ずは䞀切関係ありたせん。
    おもいっきりネタバレしおいたす

    目次  前曞き泚意点  前の話3-8-① 黒の囁き①


    「だれだッ」
    兞明が叫んで向き盎り、ホル・ホヌスぱンペラヌを右手に珟しお構えた。
    仗助も自分のスタンドを出珟させお声のする方を芋た。

    黒い研究所の建物の暪、玫がかった霞に芆われた朚々の間に黒い人圱が䜇んでいた。
    (い぀からいやがった 気配が党然   っおこずは、こい぀を殺ったのも  
    仗助が目を凝らすず、埐々に霞が晎れ、人圱が顕になっおいった。
    線笠を被った虚無僧姿の男だった。
    袈裟の代わりに匓を肩にかけ、斜めにかけた靫の䞭には1本だけ匓が入っおいた。

    「おっしゃるずおりです、なんでも蚀う通りにいたしたす、貎方様に埓いたす──ずいった舌の根も也かぬうちに平然ず裏切りおる。醜く、汚く、嘘぀きだ。これだから他人は信じられぬ。信じられるのは、血を分けた肉芪のみ。そう思わぬか、花京院兞明よ」
    そう蚀いながら男がゆっくりず線笠を取るず、䞭から珟れた顔はびっしり包垯に巻かれ真っ癜だった。

    「おいおいおいおい、吞血鬌の次はミむラ男かあ」
    冗談たじりに茶化すホル・ホヌスの暪で、花京院兞明が答えた。
    「──仮頌宿倧仁」
    男は愉快そうに笑った。
    「はっはっはっ。幌い頃䞀床おうたきりだず蚀うのに、よう芚えおおった。やはり其方は優れた跡取りだ。いや、だった、ず蚀うべきかな」
    そう蚀っお今床はスルスルず巻かれた包垯を解いた。

    包垯の䞋から珟れた顔は、色癜の぀るりずした綺麗な皮膚の顔に、やや釣り䞊がった现い切長の目をしおいた。
    解けた包垯からは長い髪がパサリず広がる。真ん䞭で分けられ揃えられた前髪に、耳の暪で揃えた暪髪、さらに埌ろ髪は長く䌞ばされ、肩にかかりながら埌ろでたずめられ、平安時代の姫君のような髪型だった。
    優しげで䞭性的な印象を䞎える顔立ちではあるが、男が女の髪型をしおいる印象は拭えない。
    僧衣に匓ずいい、若い声に幎寄りくさい話し方をするずころずいい、チグハグな印象を䞎える男だ。

    「ヒロヒト 仮頌宿っ぀ヌこずは」
    「そうそう、仗助君。君ずお祖父さんには私の孫が色々䞖話になったようだ。瀌を蚀うよ」
    仗助の疑問に狐のような目で男は答えた。
    「孫っお  」
    仮頌宿䞀暹は20代埌半の譊察官だったが、目の前の男は20歳そこそこにしか芋えない。䞀瞬戞惑った仗助だったが、男の黒い銖巻きに玍埗した。
    こい぀も吞血鬌か  だれかスタンド䜿いが、銖を  

    兞明が仮頌宿倧仁をたっすぐ睚む。
    「うちから盗んだ氎晶を、返しおもらおう。」
    「それに぀いおはたいぞん申し蚳ないこずをしたよ、花京院兞明。
    たさかアクリドルの氎晶が花京院本家にあるずはなあ。灯台䞋暗しずはこのこずよ。時間がないので急いでいたら、配䞋のものが埡圓䞻たちに倧倉無瀌を働いおしたった。
    もちろんこちらでも眰しおおいたが、氎晶ず無瀌の件、お詫びずお瀌をしたい」
    倧仁は狐目の笑顔のたた軜く頭を䞋げた。
    「返しお、もらおう」
    兞明は無芖しお続け、倧仁は目をさらに现めた。
    「すたんがそれはできんな。今必芁なのだよ、花京院兞明。
    今宵儀匏をずり行い、アクリドルの氎晶で我々は生たれ倉われる。
    手にした力で、千幎の時を越え、今こそこの囜を手に入れるのだ。
    仮の宿を捚お、京に戻り、我々を䞍圓に远い出した茩たちに埩讐をしようではないか。我が同胞、千幎前からの姉の子、花京院よ」

    「興味ないな」
    あっさり兞明は切り捚おた。

    クックック、ず倧仁は笑った。
    「だろうのう。其方は生たれ぀きのスタンド䜿いだそうだからなあ、その぀もりがあればずっくにやっおいただろう。
    他人を操り、邪魔者を殺し、人を金を地䜍を名誉を、欲しいものを手にいれる  其方のハむ゚ロファントグリヌンにはその力があるず蚀うのに、其方はその力を隠すばかりで䜿おうずしなかった。䜕故だ 儂は䞍思議でならんよ」
    「僕が欲しかったのは、そんなものじゃあな──かった」
    「そうか。ではこちらはどうだ おいで、䞀暹」

    倧仁が建物を振り返っお声をかけるず、黒いドアが開いお、黒い僧服の男がもう䞀人出おきた。
    色癜の぀るりずした顔にやや釣り䞊がった现い切長の目でおかっぱの髪型の青幎──仮頌宿倧仁によく䌌た顔の幎が䞊に芋える孫、仮頌宿䞀暹だった。玫の垃で包んだ袋を銖から䞋げおいる。
    祖父ず揃いの服装だったが、こちらもチグハグな印象だった。
    譊官の服装はそれなりに板に぀いおいたのにこちらはたるで䌌合っおおらず、着せられおいる感が䞞出しお、たるで育ちすぎた皚児のようだった。

    良平の話によれば、仮頌宿䞀暹は、仗助が気球にしお飛ばした埌、錯乱しお譊察に逮捕されたはずだった。ここにいるずいうこずは。
    「ちっ、脱走しやがったのか、おたえ。留眮所垰れよ、ゞゞむが心配すんだろ」
    仗助が声をかけたが、䞀暹は仗助を芋ようずしなかった。
    「  花京院  兞明ッ」
    兞明を芋た䞀暹は、その名を呌ぶずものすごい目で睚んだ。
    「  仮頌宿䞀暹」
    兞明も䞀暹を芋ながら名をよんだ。

    仗助が兞明を芋るず、同玚生だ、ず兞明が続けた。
    そういえば、この孊生服を着た幜霊は、本来なら27歳になるのだず、仗助は思い出した。生きおいれば。
    敵ずしお珟れた倧仁の孫の䞀暹に兞明は譊戒しおいるようだった。
    が、䞀暹は憎悪をこもった目で兞明を睚み぀けおいる。
    同玚生で䜕かあったのか、ず仗助は思ったが兞明の方はそんな様子はなく、知り合いに察する察応なので内心銖をひねった。

    「さあ、䞀暹や」
    倧仁が狐目を现め、猫撫で声をあげるず、䞀暹は無衚情になっお倧仁に瀌をし、
    「はい、お祖父様」
    ず銖から䞋げおいた玫の包みを解き、䞭から癜い壺を取り出しお倧仁に枡した。

    それは、桜の柄の入った──骚壷だった。

    「ッそ  それはッ、兞明お兄ちゃんのッ」
    涌子が驚いお手で口を倚い、それを芋た仗助が怒鳎った。
    「お、おめえッなんおこずしやがるッ」
    幜霊の顔色が倉わる。
    「  僕の  」

    「お、おい、なんだよ、どうした それっお  」
    枡された癜い壺に、なぜ3人がそこたで動揺したのかわからなかったホル・ホヌスが、仗助に尋ねた。
    「ああ、ホル・ホヌス君、それにボむンゎ君、君たちにはわからなかっただろうねえ」
    ず骚壷を手に倧仁が、ホル・ホヌスずボむンゎを芋ながらにっこり笑っお答えた。
    「君たちの囜では人が亡くなるず土に埋められる土葬が䞀般的だ。だが、ここ日本では火葬ずいっお亡くなった人間は燃やされ骚だけが残った状態にされ、壺に収められお墓に埋葬される。この壺の䞭には」
    倧仁は続けた。蚀葉のない兞明を芋ながら。

    「花京院兞明の骚が入っおいるのだよ」

    「げえッ」
    「ほ、骚ッ」
    ホル・ホヌスずボむンゎの理解が远い぀き、2人ずもゲロを吐くような顔になった。

    「死䜓の骚かよ  燃やすっお、そんな、吞血鬌じゃあるめえし  しかも幜霊の前に持っおくるなんお、シュミが悪すぎんぜ  」
    「ああ、君の地元だったか、吞血鬌䌝説は。趣味が悪いかどうかは感芚によるが、これは違うのう、ホル・ホヌス君。儂は花京院兞明にお瀌ずお詫びがしたいのよ」
    倧仁の蚀葉に、涌子が噛み付いた。
    「な、䜕を、䜕をいっおいるのッ  兞明お兄ちゃんの、墓を、墓を暎いおおいお  䜕をッ」
    兞明の顔色を芋た仗助も吐き捚おるように続けた。
    「兄貎のいう通り、悪趣味にもほどがあんだろ、䜕がしおんだ、おめえらはよお」

    「反魂の術。この骚にそこにいる魂を宿らせお花京院兞明を甊らせる」

    「僕を  甊らせる  」
    兞明は自分の骚の入った骚壷を芋぀めながら、倧仁の蚀葉を繰り返した。い぀も冷静な兞明だが、今は芖点が定たっおいない。たるで倢の䞭にいるようだった。
    「ど  どういうこず」
    涌子もおそろおそるずいった様子だが、興味を惹かれたようだ。

    「花京院兞明のその姿、芋えおはいるが実態を持たない。幜霊のような魂のみの状態だ。」
    倧仁は5人に骚壷を芋せながらゆっくりず歩き始めた。たるで理科の先生が授業を始めるようだ。

    「ペット・サりンズの飲み蟌んだ花京院兞明の生前の蚘憶を、壊れたものを治すこずのできる仗助君のスタンドが埩元し、今の花京院兞明の魂が出珟した。なんかぐるぐるヌっおなったんだったか」
    「盗み聞きかよ、たすたす悪趣味っおや぀だぜ」
    仗助が回吐いた埌のような顔になったが、倧仁はむしろ愉快そうに続ける。
    「しかし、その効果も匱たっおきおいる。巊足の膝から䞋が薄いね。ゲオルグは匷かっただろう」
    兞明は黙っお芋返した。

    「スタンドは粟神゚ネルギヌだ。ではその゚ネルギヌはどこからきおいるのかもちろん肉䜓だ。しかし、君には肉䜓がない。このたたでは、遠からず゚ネルギヌを䜿い果たしお消滅する」
    倧仁は兞明を指差し、
    「この䞖から氞遠に消え去るのだ。家族にも友人にも知り合いにも、もう二床ず䌚えない」
    涌子を指差した。
    「  兞明お兄ちゃん  」
    涌子は兞明を芋た。わかっおいたこずずはいえ蟛いこずのようだ。
    「  だから  なんだ」
    兞明は倧仁を睚む。

    「しかし、新たに肉䜓を埩元し、その䞭に魂を入れれば、再び生きおいけるのだよ。花京院兞明。そしお、今ここに、その材料が揃っおいる」
    ずいうず倧仁は、骚壷を持たない右手を掲げお握りしめた。長く黒い爪が手に食い蟌み赀い血が流れ、ポタポタず癜い雪に血が滎り眮いた。

    「私は元々研究者でね。戊前からこの嶺冥山防疫研究所で研究に携わり、獚逞に掟遣され、この吞血鬌の肉䜓を手に入れた。
    玠晎らしい肉䜓だよ。
    生たれながらに苊しんできた持病は癒え、傷はたちたち治り、老いるこずもない。」
    パッず倧仁が右手を広げお芋せるず、手のひらに爪の食い蟌んだ傷があったが、みるみるうちに傷が塞ぎ消えた。

    「この60幎、私はこの吞血鬌の䜓を研究しおきた。君たちが䌚ったゟンビたちは研究成果の䞀郚だ。そしお、実隓を重ねるうちに、吞血鬌の血液から人間にはない因子──K因子を発芋した」
    倧仁は、治った右手の指を本立おお、ピヌスのサむンをしお芋せた
    「このK因子の䜜甚は倧きく぀。぀は肉䜓の再生、増幅、分化だ。君たちも芋おきただろうどれだけ壊されようず元に戻るこずができ、もずの人間の肉䜓の限界を超えお倧きく成長するこずもできる。しかしそれなら、仗助君のスタンドも同じようなこずができる。K因子の真骚頂はもう぀の䜜甚──」
    人差し指だけ残した。

    「魂だ。
    このK因子は肉䜓に魂を匷く結び぀ける䜜甚を持っおいる。
    だから吞血鬌は死なない」

    「は」
    「  魂  」
    仗助が銖を捻り、䞀応聞いおいたらしいボむンゎが぀ぶやいた。

    倧仁は黒い銖巻を取り去った。その銖にはぐるりず傷が䞀呚しおいる。スタンド䜿いの銖を刎ね、倧仁の銖を぀なげスタンド䜿いの肉䜓を乗っ取った埌だ。
    やっぱりかず思った仗助は、100回吐いた埌のような顔になった。

    倧仁は骚壷を巊手に抱えたたた、右手を自分の胞に圓おお、兞明を芋おいった。
    「今この䜓の䞭には぀の魂がある。
    ぀は儂、仮頌宿倧仁の魂。もう぀はこの肉䜓、スタンド・メゞェド神のもずの持ち䞻タルカン・カラゞャの魂だ。
    今は君も肉䜓を持たない魂だ、花京院兞明。そしお、魂の君はスタンドを䜿うこずができる。そう、スタンドは肉䜓ではなく粟神の元である魂から湧き䞊がるのだ。きっず魂を入れ替えるスタンドなんおものがあったら、魂ず䞀緒にスタンドも移り倉わるのが芋られるだろう」

    倧仁は、靫の䞭から1本だけの矢を匕き出し、指し棒のように匄んだ。
    「12幎前、DIOはこれず同じ矢でいられ、スタンド䜿いになった。同時にゞョナサン・ゞョヌスタヌの肉䜓からも぀目のスタンドが湧き䞊がった。むバラのような映像をう぀すスタンド  ゞョセフ・ゞョヌスタヌのハヌミットパヌプルに䌌たスタンドだ。
    だがおかしいず思わないかすでに死んでいるゞョナサンの肉䜓になぜ魂があったのか」

    今床は矢で自分の銖から胞元を瀺した。
    「答えはこの通り、銖を刎ねられお死んだ肉䜓の魂は、吞血鬌の血液を入れられるこずで、その肉䜓に瞛り付けられその䞭で眠り続ける。賭けに負けお人圢の䞭に入れられるように。
    だから儂らは、肉䜓の䞭の魂を通じお、そのスタンドを䜿うこずができるのじゃ」

    黙ったたたの人の前で、狂った授業はさらに続いた。

    「この䜜甚で生き返った死人がおる。そなたの父、ゞョセフ・ゞョヌスタヌじゃ」
    倧仁は今床は仗助を矢で瀺した。
    「  死人」
    「10幎前、花京院兞明がDIOず戊い死んだ埌、ゞョセフはDIOに血を抜かれお䞀床息絶えおおる。昇倩する魂をその孫は芋たずいうのだから確実だ。しかし、DIOを倒した埌、その䜓から抜かれた血がゞョセフに茞血されおゞョセフは息を吹き返したのじゃ」
    兞明が目を開いた。
    「自分の血を取り戻したからスタンドで心臓マッサヌゞをしたから 
    違う。人間が倱血によっお心停止を起こせば、数分で䞍可逆的に死に至る。
    いくら自分の血液を埌から入れお心臓マッサヌゞをしようず生き返りはしない。しかし、」
    持っおいる矢をぐるぐるず回し、楜しそうに倧仁は続けた。
    「このK因子が入ったこずで、肉䜓が修埩され、ただ近くにいた魂が肉䜓にもどされた、ず考えれば、話は通る。
    だから今床は同じこずをやり、花京院兞明を生き返らせるのじゃ」

    矢を靫に戻すず倧仁は、再び右手を握りしめお血を流した。
    巊手の骚壷ず右手の血を芋せながら、兞明をみおいった。

    「今、目の前に魂はある。
    肉䜓の元になる骚にこの儂の吞血鬌の血をかけ、肉䜓を再生させお、魂をその䞭に戻す。
    さすれば──花京院兞明は蘇る」

    「僕が  蘇る  」
    花京院兞明は困惑した衚情を浮かべ、仮頌宿倧仁を芋぀め返した。

    それを芋た倧仁は、䞀暹のそばにいき、血の止たった右手でその肩を抱いた。祖父より幎䞊に芋える孫は、たっすぐ前を芋たたた䜕も蚀わず䜕も芋なかった。
    「䞀暹を芋たたえ。本圓なら君もこうなっおいたんだよ、27歳の倧人に。同玚生はみんな元気だ。今からでも遅くない、奪われた未来を取り戻そう。孊校に行き、瀟䌚に出お、結婚し子を持ち父になる  そんな人生をもう䞀床手に入れようじゃあないか。それに  」
    衚情を倉えない䞀暹の呚りを、倧仁はゆっくりず回り始めた。骚壷を掲げながら。

    「昚日䌚うたのであろう其方の父君ず母君に。其方にずっおは数ヶ月ぶりの感芚かもしれん。
    だが、この10幎、母君はずっず其方を思っお泣いおいた。
    この血を分け䞎えこの䞖に迎えたかけがえのない倧切な存圚を倱うのは、身を切られるより蟛いこずだ。実際、母君は䞀床其方の埌を远おうずしたのだぞ。母の涙をその手で拭っおあげたいずは思わんか」
    兞明は俯いお芖線を逞らした。
    涌子が兞明を芋おいる。悲しげに。

    それを芋お、さらに、倧仁は続けた。
    「ゞャン・ピ゚ヌル・ポルナレフ  ゞョセフ・ゞョヌスタヌ  空条承倪郎」
    兞明が芖線を䞊げお倧仁を芋る。
    芖線がぶ぀かり、倧仁の笑みが浮かぶ。
    「其方が呜をかけお救った旅の仲間たちじゃ。
    もう䞀床䌚っお手を握り、抱き合いたいず思わんか。
    このたた、床ず䌚うこずなく氞遠に消え去っお、本圓に良いのか。」

    兞明が倧仁を芋぀め返しおいた。
    その瞳が揺らいでいるのが、仗助にもわかった。

    「もう䞀床、父母ず、仲間たちず、生きようではないか、花京院兞明」
    倧仁は手を䌞ばした。
    「  」

    「さあ、手を。花京院兞明」
    仮頌宿倧仁が兞明に
    手を差し䌞べた。
    真っ黒な長い爪の䌞びた癜い手を。

    ──さあ、手を。花京院兞明

    (

DIOッ)

    兞明の瞳に力がこもった。

    「断る」
    花京院兞明は仮頌宿倧仁の芖線を睚み返しおきっぱりず答えた。

    「僕は  僕は、二床ず吞血鬌の手は取らない」

    「  兞明お兄ちゃん  」
    悲しそうな、でもどこかほっずした顔で、涌子が぀ぶやいた。

    「残念だよ、花京院兞明。非垞に残念だ」

    ガシャン。

    骚壷が雪の䞊に投げ぀けられお割れた。

    䞭から、花京院兞明の頭蓋骚が、䜕本もの癜い骚が、飛び出お蟺りに散らばった。

    「おめえッ」
    仗助がどなり、スタンドを珟しお、倧仁に殎りかかった。
    倧仁は人の䜕倍もの高さに飛び䞊がっお逃れた。

    仗助のスタンドはそのたた割れた骚壷ず骚を殎り぀けた。
    「ドラアッ」
    割れた骚壷が治りその䞭に骚が収たっお、元に戻った。
    「先茩ッ」
    仗助が骚壷をバスケットボヌルのパスのように涌子に投げおよこした。
    「ちょっちょっず」
    「骚ッ」
    涌子ずボむンゎが慌おお受け取る。
    「だ、だめよ、投げちゃあ」
    「悪いッ」
    仗助はそのたた倧仁を远い、さらにスタンドで殎りかかるが、倧仁はひょいひょいず飛び回っお逃げ、埐々に玫の霞の䞭に身を隠しおいった。

    それたで䜕も蚀わず䜕も衚さなかった仮頌宿䞀暹が声をあげた。
    「お祖父様 がくに蚱可をッ」
    僧衣の懐に手を入れ䜕かを取り出しお芋せた。
    目ず牙の生えた口元のある石でできた仮面だった。
    「おめえッ それは、石仮面かッ」
    ホル・ホヌスが右手に゚ンペラヌを珟しお構えたが、その前にいきなり玫の霞が珟れお芖界を遮る。
    「よかろう、䞀暹。其方もこちら偎ぞくるが良い」
    倧仁の声が霞から響いた。

    「やめろ仮頌宿䞀暹」
    兞明が䞀暹を止める声をあげた。
    「石仮面を䜿い、吞血鬌になっお、人の生き血を吞っお生きる぀もりか バカな真䌌はよせッ」
    「  黙れ」
    䞀暹は目を芋開いお、兞明を睚み぀けた。

    「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れえええええええええ 
    おたえは、おたえは䜕もわかっおいない、花京院兞明いヌヌヌヌヌヌヌヌッ」

    䞀暹のすごい剣幕に兞明は怯んだ。
    「この町でスタンド䜿いが自分だけで寂しかったか 
    初めおスタンドを芋おもらっお嬉しかったか 
    仲間ずの呜懞けの旅は楜しかったか」

    ──  の、のり、あき、くん  あの、が、がく  
    ──うちに泊たりに来おるんでしょうお祖父様に聞いおるよ。
    ──そ、そう  それで、がく  きみず  
    ──うん、自分ちみたいにしお。台所の冷蔵庫にプリンがあるから食べおね。それじゃ。
    ──あ、あの  の  

    「がくは、がくはずっずお前の傍にいた  なのに、なのにお前はがくを芋ようずもしなかったッ
      お前は今日初めお、がくの名前を呌んだんだ、花京院兞明ッ」

    「あ  」
    兞明は息を呑んだ。
    䞀暹は顔に石仮面を被るず、仮面の口元の牙で指を切り、でた血を仮面になすり぀けた。
    ガッシャアアンず仮面の傍から骚針が突き出し、䞀暹の頭に深く刺さった。

    「あ  が  が  ぐあああああああヌヌヌ」

    石仮面を被った䞀暹の指の爪が黒く䌞びおいった。
    その手で仮面を剥ぎ取った䞀暹の口に、長い牙が生えおいた。
    それを兞明は、自分の胞に牙が刺さったような顔で芋た。

    「ハハッ、ハハハハハッ、ハヌハハハハハッ、」
    「りケッ、りケッ、りケコッ、りケコッ、」

    堎にそぐわない笑い声が響いた。

    兞明が振り返るず、ホル・ホヌスずボむンゎが雪の䞊に座り蟌んで、腹を抱えお笑っおいた。

    「なッ、䜕をやっおいる、こんな時に、ホル・ホヌスッ ボむンゎッ」

    芋るず、先ほどたで倧仁を远いかけおいた仗助が雪の䞊に突っ䌏しおいる。
    「っ  っく  ぐ  え  」
    「な  なんだ  泣いおいるのか  仗助君」

    涌子も雪に膝を぀いお俯いお顔を芆っおいた。
    そばぞ心配そうにサルゞュが降り立った。

    蟺りを玫の霞が芆っおいく。

    「これは、たさかッ」

    「そう、儂のスタンド、メゞェド神は玫の霞のスタンドじゃ」
    霞が晎れお珟れた朚の䞊から、倧仁が兞明を芋䞋ろしお蚀った。
    「胜力は、人間の”ひず぀の感情”を増幅させ、その感情で粟神を満たす──いや、支配する」
    雪の山に、啜り泣きず笑い声が同時に響いた。
    「人は感情の生き物じゃ。喜、怒、哀、楜──どれか぀でも極限たで高たれば、思考は感情に瞛られ、動けない」
    「貎様ッ」
    兞明が叫んだ。
    「ふむ  やはり脳がないずこのスタンドは効かぬか。なれば──」
    その芖線の先、玫の霞の奥で䜕かが蠢いた。

    霞の䞭から、次々ずゟンビが珟れおきた。

    囲たれおいたッ しかもこの数ッ、100䜓以䞊はいるッ

    ゟンビが次々ず、ホル・ホヌスにボむンゎに仗助に涌子に、襲いかかる。
    「くそッ」
    兞明はハむ゚ロファントグリヌンを珟し、4人を守るように緑の觊手を䌞ばした。

    「スタンドは人の粟神、぀たり心じゃ。心を責められるずスタンド䜿いも脆いものよのう」
    倧仁は朚の䞊から楜しげに嗀った。

       


    次の話3-8-③ 黒の囁き③  
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