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ファンタゞヌ小説【黎明のキアロスクヌロ】ep.3「第䞀章 孀独な人造神」

邂逅の犏音①

 銖郜・ロムレア行きの銬車の䞭、キアロたちはマント男ず向かい合っお座っおいた。
 兄匟各々、麻袋䞀぀でこず足りる荷物を持っお、旅支床に身を包んでいる。

 圹人は名をロッシ卿ずいった。酒臭い息を吐きながら、「質の悪いワむンのせいで二日酔いだ」ずぶ぀ぶ぀蚀っおいる。
 が、倧人の顔色をうかがいながら生きおきたキアロにずっお、この手の単现胞の懐に朜り蟌むのはそんなに難しいこずではない。

「ワむン、おいしくなかったですか お圹人様は偉い人だから、きっず毎日高玚なワむンを飲んでいるんですね。ロムレアに着いたら、僕たちもおいしいもの食べおみたいね」

 ゞゞずトトが「食べたい」ずにこにこ声をそろえる。
 出発時から䞍機嫌だったロッシ卿だが、キアロの明るい物蚀いになんずも耇雑な衚情を浮かべた。

 キアロは昚晩、卿の「誰も自分の優秀さをわかっおくれない」ずいう愚痎をさんざん聞いおやった。
 圌はしたいにはおいおい泣き出し、酔った勢いずはいえ「お前は若いのに感心なや぀だ、人間よりも道理がわかっおいる」ずのたたったのだった。

「たあ、聖䞋のためにしっかり働けば、お前たちにも神の恵みが回っおこよう。䜕かあれば、わしも力になっおやらぬでもないし  」

 村の倧人たちぞの反逆が、教皇庁ぞの恭順ずなるこずをわからぬキアロではない。だが、テオおじさんの蚀葉を借りれば今からが「力を蓄える」べき時期だ。

 ロッシ卿が「道䞭、人にツノを芋られおは面倒だからどうにかしろ」ず蚀うので、ゞゞには頭巟を被らせ、キアロ自身は肩で切りそろえた髪の䞊郚を巻き぀けお隠した。

 人間の村や町を䞭継し、十日ほどかけおたどり着いたロムレアは、恐ろしく掻気のあるずころだった。
 垂堎は人でひしめき合っおおり、色ずりどりのフルヌツや矎しい陶磁噚、毛織物などが所狭しず䞊んでいる。
 閉めきっおいるはずの窓からは銙蟛料の銙りが挂い、芞人たちの猥雑な歌が挏れ聎こえおいた。

 キアロず反察の窓を芗いおいたゞゞずトトが「わあ」ず声を䞊げた。
 芋れば、街の突き圓たりには癜亜の倧聖堂が建ち、さらにその奥、すべおを芋䞋ろすようにそびえる山頂には豪奢な宮殿があるではないか。

「あそこに教皇様がいるんですか」

 わくわくを隠しきれない声で聞くず、ロッシ卿は改たった様子で頷いた。
 䌯爵ずはいえ、そうやすやすず入れるずころではないのだろう。緊匵が䌝わっおくる。

 䜕床も怜問を受けようやく山頂に到着したが、通されたのは宮殿裏手に建぀質玠な通だった。
 茂みに囲たれおいるうえ、建物自䜓も石造りの遺跡のような雰囲気だ。

 戞惑いながらも案内の者が出おくるのを埅っおいるず、急に蟺りが暗くなった。
 ツノがびりっず反応するが雚の予兆ではない。吹き䞋ろす突颚に誘われ、思わず空を仰ぎ芋る。

 その瞬間、誰もがあっず息を呑んだ。
 人の頭を䞀床に䞉぀はやすやすず砕けるであろう巚倧な鉀爪が、矜毛で芆われた巚䜓からぶら䞋がっおいる。
 さらに、その巚躯からは筋肉質な翌が䌞び、ばっさばっさず重たく空を掻いおいたのだ。

「ヒッポグリフだ」

 ずキアロが叫ぶず、腰を抜かしおいるロッシ卿が癜い唟奇を撒き散らしお蚀う。

「銬の䜓に鷲の頭、そしお翌を持぀ずいう、あの 野生の神獣なら、捕らえれば聖䞋から金䞀封が出るぞ」

 最近はオりガ村でも神獣をずんず芋かけなくなったが、ロムレアでも同じらしい。
 そういえば、神秘時代の生き物は絶滅間近だず聞いたこずがある。

 ゞゞは「埌ろの脚、お銬さん かっこい」ず歓声を䞊げ、トトはロッシ卿ず同じく尻もちを぀いお青ざめおいる。

 混乱のさなか、キアロは思った。
 䜕か倉だ。めったに人里に珟れない神獣が、こんな距離で滞空しおいるなんお。
 それに、建物の屋䞊に向かっおぎゃあ、ず甘えるように鳎いおいるのはなぜなのだろう。

 キアロが蚝しがっおいるず、屋䞊からぬっず人圱が珟れた。

「芋るな 垰れよ、銬鹿野郎ども」

 逆光になっおいお顔はわからないが、少幎、たたは少女の声だった。
 眵声に驚いお立ち尜くすキアロに、その子が自身のマントを剥いで投げ぀けおくる。

「行け、ぎヌちゃん、戻っおくるな」

 キアロがマントから顔を出したずきには、ヒッポグリフは高く舞い䞊がり去っおいくずころだった。

 屋䞊から鋭い舌打ちが降っおくる。
 光に目が慣れおきお、舌打ちの䞻の顔がわかるようになった。長い髪をお団子に結ったその子は、キアロを忌々しげに睚み぀けおいた。


いいなず思ったら応揎しよう