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小説 「怪物 〜曖流のなんでもない日垞〜」 第11回 〈第䞉章 教えっこ 〉


    「怪物 〜曖流のなんでもない日垞〜」 


    第䞉章    教えっこ


    



    「次は曖流の番」

    「あたしは邪よこしただから  」
     曖流は倧刀のマフラヌを頭から被り盎し、さっきよりも匷く人差し指を眉間に抌し圓おる。
    「蒌の枅い物語のあずにはそぐわないけれど  正解のわからない問題を珟圚進行圢で話すわ」

    『圌女には、嘗か぀お物曞きの恋人がいたした。その人は自由人だけど自由じゃなく、噚甚そうなのに䞍噚甚で、敵も倚かったけど責任感は匷く誰からも頌られお、倧抵は氎平線のように穏やかでしたが、芯には青癜く燃えおいる炎を持っおいたした。たくさんの人間を愛し、たくさんの人間に愛されたけど、同時に孀独をも奜みたした。けれど圌女に察しおは物曞き自身が思っおいるほど寛容ではなく、たるで駄々っ子のように嫉劬深く意固地でした。ある日、些现な勘違いから激しい嫉劬に駆られ、圌女の存圚を圌自身の意識から远い出しおしたいたした。今、この時に呜の狭間で圷埚っおいるその嘗おの恋人に、圌女は䌚うべきか䌚わざるべきか、日々逡巡しおいるのです。おわり』

    「  曖流の恋人は物曞きだったのか  氎平線か  がくも知っおる䜜家かな」
    「そうね、倚分。著䜜物は店頭に䞊んでるから」
     曖流は、䜕故こんな話を蒌にしおしたったのか、話し終えた盎埌から埌悔し始めた。
    「責任感の匷い人だったのなら䌚った方がいいず思うよ、埌悔しないために」
    「  あたしも憎しみを含んでるわ」
    「ずにかく生きおいおもらいたいだろ。回埩を祈ろう」
     蒌の瞳は正盎で優しかった。

     黄色い魚が匧を描いた。
     陀倜の鐘が聎こえ出す。
    「幎が明けた おめでずう、曖流」
    「おめでずう、蒌」
     ふたりは出䌚った時のように、冷たくなった䞡人差し指を互いの手袋越しにビシッず重ね、くねくねず新幎を祝っお螊った。
    「お腹空いたわ。コンビニのカップ蕎麊で幎明け蕎麊よ」
    「幎明けに蕎麊 䞖間ずずれおるがくらにはお䌌合いだ」
     倧笑い。
     寒さで硬くなった指先が、カップの枩かみでほぐれおゆく。曖流の心も少しほぐれ始めおいた。
         
    「曖流、がく本屋蟞めるよ」
    「」
     どうしお ずいう蚀葉すら出なかった。
    「本屋より割のいいアルバむトが芋぀かったんだ。短時間で皌げるのは魅力だ」
    「どこに行っおしたうの」
    「どこにも行かないよ。オンラむンのこの時代に個人家庭教垫の口が入ったんだよ、ラッキヌじゃないか」
     それは、あの女子倧生の匟の家庭教垫だった。珟圚高校二幎、翌幎の受隓に向けおの家庭教垫のオファヌであったずいう。
     曖流は寒さのためだけではない震えが止たらなくなった。
    「  良かったわね」
     思考の停止した曖流の脳みそは、やっずそれだけの声を発するず、深海を圷埚うように䜕の音も聎こえなくなった。取り戻したず思った光がぬばたたの闇になる。
     真っ暗な深海には光も目も必芁ない。

    「  流、曖流、どうしたの 倧䞈倫かい。颚邪匕いたのかもしれないな」
    「  蒌には持っおこいのバむトね。頑匵っお  ね」
     曖流は思い切りの笑顔で蚀った。

         


     目の䞭の泥を掗いなさい



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    第四章 氎平線  に続く



    マガゞン



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