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芋出し画像
Photo bychocho3

月の裏偎ぞの玄束

    透明なドヌムに芆われたその空間には青空が投圱され、重力は地球の䞃割に調敎されおいる。
    その雑螏の䞭を、健倪ずミナキは肩を䞊べお歩いおいた。

    「ねえ、健倪。次、あれに乗らない」

    ミナキが指差したのは、ドヌムの倩井を突き抜けたっすぐ宇宙ぞせり䞊がった埌、青い地球ぞず真っ逆さたに萜䞋する絶叫マシンだった。

    「おお、いいね。月面䞀のスリルラむドだろ」

    「わたし、こういうの、ちょっず苊手なんだけど」

    「倧䞈倫 オレが぀いおるから」

    やがお順番が来お二人は最前列のシヌトに腰を䞋ろした。
    䜓を包み蟌むような特殊なハヌネスが装着される。

    「カシャン」
    ずいう機械的な音ず共にハヌネスがロックされた。

    ミナキが隣を芋るず、そこには先ほどたでの嚁勢はどこぞやら、顔面蒌癜になった健倪の姿があった。

    「あれ もうフリヌズしおる」

    ミナキがからかうように小突くず、健倪の肩がビクッず跳ねた。

    「し、しおないっお。ぜ、ぜんっぜん平気だし」

    ドヌムの倩井が開き、目の前に広がるのは、ありのたたの宇宙だった。
    無数の星々が瞬き、あたりにも矎しい青い地球が浮かんでいた。

    それは実際の映像ず宇宙船から芋た地球の映像をもずに、が生成したものだった。

    「ねえ、本圓に倧䞈倫 今ならただリタむアできるよ 『宇宙線の圱響で䜓内の氎分バランスが厩れたした』っお蚀えば、係員さんも玍埗しおくれるっお」

    「だ、倧䞈倫に決たっおるだろ」

    健倪が蚀い終わる前に二人は最高到達点に達し、䞀瞬の静寂が二人を包んだ。
    県䞋には息をのむほど矎しい地球の姿が芋えた。

    カりントダりンのアナりンスが響く。

    『、、 』

    ゎオォォォオオオオ

    急降䞋の衝撃ず共に、健倪の絶叫がヘルメット内の通信機を通じおミナキの耳にダむレクトに叩き぀けられた。

    「うおおぉおおおお 地球があたりにも青すぎるうぅぅぅっ」

    健倪の悲鳎は遊園地どころか、月の海にたで響き枡りそうな勢いだ。

    䞀方のミナキはずいうず、思いのほか楜しんでいた。

    「きゃはははっ すごい、本圓に地球に萜ちおいくみたい」

    ミナキの䜓はふわりず浮き䞊がり、宇宙遊泳のような心地よさに思わず笑みがこがれた。
    隣を芋るず、健倪も同じように浮き䞊がっおはいたが、その姿はたるで氎面に投げ蟌たれたカ゚ルのように、手足をめちゃくちゃにばた぀かせおいた。

    長いようで短い萜䞋が終わり、ギギギヌッ、ガタンッ、ず二人はステヌションに静止した。

    「ああ、楜しかった ちょっずした宇宙飛行士蚓緎みたいだったね」

    笑顔で息を぀くミナキの隣で、健倪はシヌトにぐったりず沈み蟌んでいた。
    たるで真空パックにされた深海魚のようだ。

    乗り堎を出るず、健倪の足取りはただおが぀かない。

    ミナキがそっず圌の腕を支える。

    「うわっ、汗でびしょびしょじゃん」

    ミナキが声を䞊げるず健倪は慌おお手を匕っ蟌めお売店の方を芋た。

    「ちょっず䌑憩しないか ゜フトクリヌムでも食べよう」

    「ふふっ、いいよ」

    急に元気を取り戻した健倪は、おが぀かない足取りながらも売店に向かっお歩き出し、ミナキに向かっおピヌスサむンを掲げた。

    その指先がただ埮かに震えおいるのを、ミナキは芋逃さなかった。

    しばらくしお健倪が゜フトクリヌムを二぀持っお嬉しそうに戻っおきた。

    「よかった。その笑顔が戻っおきお安心したわ」

    健倪は照れくさそうに頬をかくず、ミナキの手をそっず握った。

    ただ少し湿った圌の手を、ミナキは包み蟌むように優しく握り返す。

    展望デッキに出るず、倜空に浮かぶ青い地球が月面をやわらかく照らしおいた。

    癜銀の倧地に萜ちた二人の圱は、ゆっくりず寄り添うように䌞びおいく。

    ミナキは健倪の䞍噚甚さこそ愛おしいず感じおいた。

    完璧な宇宙飛行士よりも芋栄っ匵りで怖がりで、それでも䞀生懞呜に栌奜぀けようずする圌の方がずっず茝いお芋える。

    「ねえ、健倪。月の裏偎、本圓に案内しおくれる」

    「もちろん。オレの庭みたいなもんだからな。裏偎にはこちら偎の䜏民が知らない駅があるんだ」

    ミナキの耳にはその蚀葉が枩かく響いおいた。

    「ぞヌ、そうなの 行っおみたいな」

    芋䞊げる先、地球は静かに光を攟ち二人を照らしおいる。

    ここからは芋えない裏偎の駅。

    二人がそこを蚪れるずき、䜕色の光が振り泚いでいるのかを、圌らはただ知らない。

    了


    以䞋の䌁画にお邪魔しおたす。


    #3぀のお題に空想のひらめきを
    お題 : 「月の裏偎にある駅」

    画像
    『月の裏偎にある駅』

    #なんのはなしですか