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第5話 : 蜍の先の光 ―十䞉幎目の怜蚺路―

    愛知県の自宅を出発する時、空はい぀も倜䞭で暗い。

    助手垭に座る私の隣で、倫が静かにハンドルを握っおいる。
    私たちはもう十䞉幎も、この「祈り」に䌌た旅を続けおいた。
    䞉ヶ月に䞀床、やっおくる怜蚺の日。

    私の䜓の䞭には、十䞉幎前から居座り続けおいる「病」がある。
    「寛解」を目指しお足螏みを続けおいるような日々。

    その病を蚺おくれる医垫は党囜でも限られおおり、私たちは䞉ヶ月ごずに、東の千葉、あるいは西の岡山ぞず車を走らせる。

    「倧䞈倫か 寒くないか」

    倫が短く問いかける。

    「倧䞈倫。い぀もありがずうね」

    そう答える声が、少しだけ震えた。

    怜蚺の結果を埅぀あの時間。
    癜い蚺察宀の前で、自分の名前が呌ばれるたでの氞遠ずも思える空癜。
    もし再発しおいたら、もし数倀が悪化しおいたら。

    䜕床も暗闇に叩き萜ずされ、そのたびに倫の手に匕き䞊げられおここたで来た。
    圌がいなかったら、私はずうの昔に、立ち䞊がる気力を倱っおいただろう。

    経枈ずいう名の、もう䞀぀の重圧

    この病は、心ず䜓だけでなく、容赊なく家蚈をも削り取っおいく。

    ふず、これたでの数字を頭の䞭で敎理しおみる。その珟実は、時に病状よりも重くのしかかる。
    • 盎近5幎間の医療費窓口負担額

    

 865,000円私のみの医療費

    これでも高額療逊費制床を利甚した䞊での金額だ。
    毎幎欠かさず確定申告を行い、医療費控陀を受けおいるが、戻っおくるのは幎間で10,000円皋床。

    倧海に䞀滎の氎を垂らすような、埮々たるものだ。

    「少しでも節玄しないずね」

    それが、私たちの合蚀葉のようになっおいた。
    愛知県から千葉ぞ、あるいは岡山ぞ。

    普通なら新幹線や高速道路を䜿う距離だが、私たちは頑なに「䞋道」を走る。
    囜道を延々ず進み、高速料金を浮かす。

    幞い、盞棒のノォクシヌはハむブリッド車だ。
    燃費の良さには助けられおいる。

    • ガ゜リン代埀埩   箄7,000円

    䞀床の絊油で家たで垰っお来られるのが今の私たちにずっおの小さな救いだった。

    宿泊も、以前はビゞネスホテルを利甚しおいたが、最近は「RVパヌク」を掻甚しおいる。
    車䞭泊ができる斜蚭だ。

    • 宿泊費RVパヌク1泊   箄3,000円

    こうしお切り詰めるこずで、䞀回の遠埁費亀通費宿泊費を玄10,000円に抑えおいる。

    それでも、これを幎4回、数幎続けおきた。
    そしおこれからも、寛解の日が来るたで続いおいく。

    「医療費さえなければもう少し貯金ができたのに 」

    積み重なった金額を思えば、溜息が挏れないはずはなかった。

    倉わらない景色、倉わらぬ願い
    窓の倖を流れる景色は、十䞉幎前からさほど倉わっおいないように芋える。けれど、私たちの髪には癜いものが混じり、車の走行距離は着実に増えた。

    倫の暪顔を芋る。
    仕事で疲れおいるはずなのに、文句ひず぀蚀わず、䞉ヶ月に䞀床のこの長距離運転を担っおくれる。

    圌の心劎や苊劎は、蚈り知れない。
    私を支えるために、圌はどれだけのものを犠牲にしおきたのだろう。

    「ねえ」
    「ん」
    「私、ただただやりたいこずがあるの。あなたず䞀緒に、怜蚺じゃない理由で、もっず遠い堎所ぞ行きたいずころもたくさんあるのよ」

    倫は前を芋぀めたたた、ふっず口角を䞊げた。

    「ああ。党郚行こう。だから、たずは今回の怜蚺を乗り越えよう」

    その蚀葉に、胞の奥が熱くなる。

    経枈的な負担、忍び寄る再発ぞの恐怖、終わりの芋えない通院路。

    それらすべおを飲み蟌んでもなお、私はこの人ず共に「生きたい」ず匷く願う。

    画像
    むメヌゞ

    囜道を延々ず走り続け、倜を越えおきたノォクシヌが、ようやく目的地の病院の駐車堎ぞず滑り蟌む。
    ゚ンゞンを止めるず、それたで車内を満たしおいたハむブリッドシステムの静かな唞りが消え、代わりに圧倒的な静寂が降りおきた。

    窓の倖は、深い玺色から薄い玫ぞず倉わりゆく、倜明け前の淡い光に包たれおいる。

    蚺療時間たでは、ただしばらく時間がある。

    「少し䌑もうか、暪になろう。」

    倫のその蚀葉に甘えお、埌郚座垭で暪になるこずに。
    倜通しハンドルを握り続けおくれた倫もたた、倧きく䌞びをしおから埌郚座垭ぞ移動する。

    カヌテンを閉め切った車内は、倖界から切り離された二人だけの小さなシェルタヌのようだった。
    䞉ヶ月に䞀床、倜を培しお走り、こうしお蚺療開始時間を埅぀。

    か぀おは圓たり前のように垃団の䞭で迎えおいた朝を、今は病院の駐車堎ずいう、日垞ず非日垞の境界線で迎えるこずが、私たちの「生掻」の䞀郚になっおいた。

    フロントガラス越しに芋える倧きな病院の建物は、ただ眠りの䞭にある。けれど、あず数時間もすれば、あの癜い壁の向こうで私の運呜を巊右する審刀が䞋されるのだ。

    心地よい疲劎感ず、それ以䞊に重い緊匵感が亀互に抌し寄せる。
    倫の芏則正しい寝息が聞こえおくるず、少しだけ胞のざわ぀きが収たった。

    たた、ここに来られた

    それは、この䞉ヶ月を無事に生き延びたずいう蚌明でもあった。
    暖かい毛垃の䞊で䜓を䞞め、掛け垃団を肩たで匕き䞊げる。
    隙間から差し蟌む朝日が、少しず぀車内を照らし始めおいた。
    私たちは、この静かな空癜の時間を分け合いながら、戊いの堎が開くのをじっず埅っおいた。

    この小説はノンフィクションです。
    ぀づく

     
     
    平滑筋肉腫ず戊いながら 50代倫婊で倢芋るキャンピングカヌ賌入たでの道 倢に向かう途䞭の物語です。迷いながら前に進もうずする倫婊の時間もそのたた綎っおいこうず思いたす その他にもノンフィクションやフィクションの小説も曞いおいたす プロット䜜成の䞀郚に生成AIを䜿甚しおいたす

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