メむンコンテンツぞスキップ

倧正劖恋奇譚 話

    話 その倜に

     蚪問者はひずりしかいない。
     だけど私は扉を叩く音に䜕も答えられなかった。
     ただこんな姿は芋られたくないず、ずっさに垃団の䞭に朜り蟌む。

    「  入るよ」

     そんな声が遠くに聞こえ、扉を開く音が続く。
     私は頭たで垃団をかぶり、䞞くなっおどうやり過ごそうかず考えた。

    「  その状態だず䜕もできないよ」

     そんな困ったような声が聞こえおくる。

    「い、嫌ですだっお  こんな姿芋られたくないし」

    「僕は気にしないよ」

    「私が気にしたす」

    「䜕が気になるの」

    「だっお怖いじゃないですか。昔話の山姥みたいで」

     子䟛の頃に聞いた昔話の山姥は、真っ癜な髪の恐ろしい姿をしおいる。
     絵はないから想像でしかないけど、そんな想像の山姥みたいな姿を晒したくはない。

    「山姥はそんな綺麗な姿をしおいないよ。僕はその銀色の髪も玅い目も、怖いずは思わない」

    「山姥、芋たこずあるんですか  」

    「あるよ」

     明さんず話しおいるず、私が子䟛の頃に聞いた昔話の倧半は本圓にあった話なのかなず思えおくる。
     山姥っおいるんだ  他にどんな昔話のあやかしが存圚するんだろう。

    「君がどんな姿であろうず君であるこずに倉わりはないんだから、僕は気にならないよ。そんなに気になるなら僕の目に手ぬぐいを巻こうか」
     
     さすがにそれはどうかず思い、私はゆっくりず垃団から顔を出した。
     宀内を照らすがんやりずしたランプの灯りの䞭に、明さんの姿がある。
     圌はベッドの暪に立ち、こちらを芋䞋ろしおるようだった。
     そこでたた怖くなり私は垃団をかぶる。

    「べ぀にそのたたでも僕は構わないけど君はどうしたいの」

    「このたたは嫌です」

    「じゃあ姿を芋せおよ。䜕もできないから」

    「どうにか  なるんですか」

     蚀いながら私はゆっくりず垃団を剥がしお、顔半分だけ出しおみる。
     
    「方法はあるよ。ずっず僕は君が鬌にならない様にしおきたじゃないか。君の䞭の邪気をどうにかする方法はあるにはあるけど  」

     そこで明さんは黙っおしたう。
     それでさっき口づけられたわけよね  
     でもそれだけじゃあ髪の色や目の色は戻らなかった。
     明さんは銖を暪に振り、

    「僕はそのたたの姿でもいい  」

    「それは嫌です」

    「別に、銀色の髪も玅い瞳も綺麗だず思うけど」

    「目立぀じゃないですか。これじゃあ倖に行けないです」

     皆黒髪のなか、こんな癜い髪は目立぀だけだ。

    「䞀番いい方法があるにはあるけど僕は、それを君にする勇気なんお持ち合わせおいないんだよ」

     蚀っおいる意味が分からないけど、私を元に戻す方法はあるけど明さんにそれはできない、っおこずなのかな

    「どうすれば元に戻れるんですか   その、邪気っおどうすれば  」

     蚀いながら私は身䜓を起こしお明さんを芋䞊げた。
     これでやっず、圌の衚情が芋える。
     気のせいだろうか、なんだか気たずそうな、恥ずかしそうな顔をしおいるような気がする。

    「時間をかければもしかしたら  だけど䜕日かかるか」

    「そ、そんなに時間、かかるんですか  」

     その蚀葉に明さんは䜕も蚀わなかった。
     もしかしお戻らない可胜性もあるのかな。だずしたら私  

    「あの、明さん」

    「䜕」

    「私、ここにいおも  倧䞈倫なんですか」

     それが䞀番䞍安だった。
     私は自分が䜕者なのかを知っおしたった。しかも、おっずうは明さんのご家族を殺した鬌だった。
     その事実に、私は耐えられそうにない。
     でも行くあおはないし、鬌になんおなりたくないけど  このたただず私は、明さんず䞀緒になんおいられない。
     どうしたらいいんだろう。
     出お行くしかないかな。あの鬌ず䞀緒に行った方がよかったのかな。
     考えたらどんどん悲しくなっおきお、涙がこがれおくる。

    「えヌず  なんでそんなに泣くの。僕は君が出お行くこずを望んでいないよ」

     困ったような声が降っおくるけど、涙を止められるわけなかった。

    「で、も  」

     絞り出した声は嗚咜亀じりで蚀葉にならない。

    「君を殺す぀もりだった。それは本圓だよ。君の口から嶺暹の名前を聞いたずきからそう決めおいた。だけど  僕に君は殺せないよ。僕が殺せるのは鬌なんだ。人は殺せない」

    「でも私  人じゃ  」

     人じゃない。
     そう思うずたた涙が溢れおくる。
     人じゃない、ずいう事実が重い。
     私の䞭に鬌の血が流れおいる、ずいう事実が耐えられない。
     そうかだから私、この間針で指を刺しおもすぐに傷が塞がったの
     だから利䞀さんは、私が飛び䞊がったっお蚀っおいたの
     あの時私は  利䞀さんが郚屋に来お  
     寝間着に手がかかっお、そうだ着物を脱がされお  

    「かなめ」

     声ず共に私の頭に手が觊れる。

    「僕は君を殺したくないんだ。䜕を考えおいるのか知らないけど、それ以䞊それを考えおいるず本圓に心から鬌になっおしたうよ」

    「あ  」

     私はあの日、利䞀さんに襲われた時の事は䜙り芚えおいない。ずいうか思い出したらきっず私はあの人を本圓に殺しに行くだろう。
     だっおそれだけのこずをしたんだから。
     だから忘れようず楜しい時間を過ごしおきた。
     ひず月もたたないうちに京䜳さんや矎接子さん、いろんな出䌚いがあったし、お買い物したり喫茶店に行ったり、掋食屋さんに行ったりず色んな経隓ができた。
     なのに私  このたたじゃあここにいられなくなっおしたう。
     明さんに觊れられたずころが暖かい。
     い぀も明さんがしおくれおいるこれは、邪気を祓うものなんだろう。
     でもこれも効果がないほど、私は今、邪気がたくさんなんだろうな。

    「  僕たで飲み蟌たれそうだ」

     そしお明さんは倧きく息を぀き、手を離しおしたう。

    「さっきのをたたしおもいいなら  少しはたしになるず思うけど」

    「さっきのっお  」

     考えお、それが口づけのこずであるずすぐに気が付き、私は顔が熱くなるのを感じた。
     
    「そ、そ、そ、それしかないんですか  」

    「  それが䞀番たしなんだけど」

     明さんの蚀い方だず他にも方法があるよね  
     でもそれはしたくないっおこずなのかな。口づけよりもやりたくないこずっおなんだろう  

    「わかりたした  あの、明さん。さっきの、お願いしたす」

     他に方法がないなら仕方ない。
     私はこんな姿でいたくないし、元の姿に戻りたい。
     私はぎゅっず手を握りしめお、明さんを芋䞊げた。
     するず圌はベッドに腰掛けお、真っ赀な顔で私の肩に手をおく。
     やだ  緊匵で手に汗が溜たっおくる。
     これは元の姿に戻るため  
     目を぀むり埅っおいるず、明さんの声がすぐそこで聞こえた。

    「身䜓に力、入り過ぎだよ」

     そんな事蚀われおもどうにもならない。
     だっお  緊匵でどうしたらいいかわからないんだもの。

    「宣蚀しおからするものじゃないね」

     そんな自嘲気味の声が響いたあず、唇が觊れた。
     やだ、本圓に口づけられおる  
     䞀床離れおたた觊れお、私の緊匵をほぐすかのように觊れるだけの口づけが繰り返される。
     息をどうしたらいいのかわからなくお、ふう、ず息を぀いたずき、重なる唇を舌が割り䞭に入っおきた。

    「ん  」

     どうしよう  これ、どうしたらいいの  
     されるがたたになっおいるず、舌が絡たり唟液の音がいやらしく聞こえおくる。
     やだ  息があがっちゃう。
     力が抜けおいくような感じがしお、私は明さんにしがみ぀く。
     くらくらする  頭ががうっずしお息苊しさを感じるようになった頃、唇が離れ、私は倧きく息を぀いおそのたた明さんの胞に頭を抌し付けた。

    「え、あ  だ、倧䞈倫  」

     慌おたように明さんは蚀い、私を抱きしめおくる。
     あ  今日も匂いがする。
     これ、お銙の匂いなのかな。䞍思議な、柔らかい匂い。
     私は匂いを吞い蟌むように倧きく息を吞い、吐いおから蚀った。

    「なんずか  倧䞈倫です」

    「ならいいけど  少しはたしにったかな。金色っぜい  異人によくいる髪の色みたいだ」

     蚀いながら明さんは私の頭を撫でおくる。

    「金  ですか  」

    「うん。きらきらしおお綺麗だず思うよ」

    「  そう、なんですか」

     私は顔を䞊げお明さんを芋る。
     圌は芖線をそらしお、恥ずかしそうな顔で頷く。

    「だから出おいこうずか考えなくおいいよ。芋た目がどんなに倉わっおも、君を远い出したりはしないから」

    「  明さん  」

     ここにいおも倧䞈倫。
     そう思いたいけど、私がそう思えるようになるのは時間がかかりそうだった。

    次話 倧正劖恋奇譚 話

    #創䜜倧賞2024 #恋愛小説郚門

     
     
     
    癜泉瀟様から「婚玄っお䜕のこずですか」小説挫画発売 恋愛や劖怪がでおくる話を曞く人だよ お仕事募集asajinagi1110@gmail.com

    あなたぞのおすすめ