
ARMはいつ利確するべきか?
バリュ研は、年初に$110でARMを購入し、現在の株価は約$211。含み益は約92%となった。もともと1〜2年の中期保有を想定していたが、株価の上昇が予想以上に早かった。
今回の記事では個人的なメモ要素が強いが、みなさんも参考になると思うので「今すぐ利確すべきか、まだ持ち続けるべきか」を3つの判断軸で整理してみる。
現状整理

判断軸①:バリュエーション
ARMはPERが100〜140倍と非常に高く推移してきた銘柄だ。今後のPERがどの水準に収束するかによって、目標株価は大きく変わる。
PER別・目標株価シミュレーション

PER100を維持できれば2028年でも+80%の余地があるが、高成長が続く前提が必要
PER75シナリオだと2027年の上値余地はほぼない
もしPERが50倍に圧縮されると、現在価格から下落する
一見「割高すぎる」と思いがちだが、重要なのはこのPERが何を基準に算出されているかだ。現在の市場はARMを「ライセンス・ロイヤリティ会社」として評価している。しかし、自社CPU「ARM AGI CPU」のシリコン事業が本格的に動き始めると、利益の構造が根本から変わる。現行のロイヤリティは1チップあたり約5%の取り分だが、シリコン事業になると純利益ベースで25%前後になるとみられており、利益が3〜4倍規模に跳ね上がる可能性がある。つまり、シリコン事業の収益が乗り始めた時点でPERは自然と下がり、今の「割高感」が一気に解消されるシナリオが現実味を帯びてくる。
判断軸②:成長性(サプライズ余地)
アナリスト予想がさらに上方修正される可能性を左右する要因を整理する。
強気材料のほうが現実的であるとバリュ研は考えており、今後、EPS予想の上方修正が高いとみている。上方修正分だけさらに上で分析していた目標株価も上がることになる。
強気材料(上振れ要因)
エージェントAIの普及によるCPU需要爆発:AIエージェントが1つのタスクをこなすには、CPUコアが1つ必要になる。エージェントが増えれば増えるほどCPUが足りなくなる構造で、AnthropicやOpenAIはすでに「AmazonのGravitonをあるだけよこせ」という状況になっているという。コーディングAIのドル箱化が明確になった今、このCPU需要はしばらく続くとみている。ARMアーキテクチャはGraviton(Amazon)・Cobalt(Microsoft)・Axion(Google)と主要なデータセンターCPUをほぼ押さえており、需要の爆発がそのままロイヤリティ収入の増加に直結する。
シリコン事業という新たな収益エンジン:2026年3月に自社CPU「ARM AGI CPU」を発表。売上への本格貢献はまだ先だが、シリコン参入によって「CPUを内製できない会社がARMに発注してIntelを置き換えに行く」という新しい市場が開く。ライセンス・ロイヤリティ・シリコンの3つのエンジンがそろって動き始めると、成長加速の角度が変わる。
決算の上振れ期待:Intelの直近決算が好調で、Gravitonの需要も記録的に逼迫している状況を踏まえると、ARM・AMDの決算が弱くなる理由が見当たらない。
懸念材料(下振れ要因)
AI投資の減速・景気後退局面での設備投資縮小
決算でガイダンスが弱かった場合、高PER銘柄は20〜30%の急落も珍しくない
判断軸③:マクロ環境

マクロ環境はARMにとってやや逆風気味だ。金利が下がらない中で高PER株はバリュエーション圧縮を受けやすく、市場全体がリスクオフに傾くと真っ先に売られる傾向がある。
決算(5/7)が鍵
もうすぐ決算があるので、サプライズがどれだけあるかはもちろん、カンファレンスコールの内容が鍵となってくる。シリコン事業の進捗や、AI需要の見通しについてどれだけ強気な発言があるか注視してから、利確の判断するのがベターだと思う。
まとめ:利確の判断基準
ARMのビジネスそのものは強い。ライセンス収入の安定性にシリコン事業という上振れ材料が加わり、アナリスト予想の上方修正余地も十分ある。
ただし、バリュエーション的に現在は「割高」な水準であり、期待が少しでも崩れると大きく下げる銘柄でもある。
今回の判断方針:
決算(5/7)でサプライズ+強いガイダンスなら 継続保有
ガイダンスが弱い・株価が反応しない場合は 一部利確を実行
関連記事: