メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【BL】研修医は䞀途に愛を囁く 1話

    1.勀務移動


     マダさんず楜しい枩泉旅行から垰宅した翌日、俺はオペ宀の䞭倮カりンタヌのホワむトボヌドに貌られおいたオペ宀内の配属倉換衚を無意識に千切りそうになった。

    「な、な  」

     マダさんの名前が、倖科にない。

     オペ宀は半幎から䞀幎、たたは他のスタッフの成長具合で配属科のロヌテヌションがある。俺が初めおマダさんに䌚った時も、圌は「胞倖から移動しおきた」ず蚀っおいた。

    「おう、花巻。真匥がいなくお寂しいのはわかるけどな、今床倖科に来るリヌダヌ、前にいた䜐久間だぞ」
    「䜐久間さんっお、認定看護垫の勉匷に行った方ですよね」

     確か、初めお挚拶した時にギャルっぜい女の子だなあず思った気がする。元々倖科のリヌダヌをやっおいお、移動したおのマダさんに倖科の癖や色々なこずを教えたずか䜕ずか。
     以前の俺だったら、可愛い女の子が倖科リヌダヌか、やった これから楜しくなりそうだず嬉々ずしおオペに望んでいただろう。──けれども、マダさんに出䌚い、圌ぞの気持ちに気づいた今、色々な女を芋おもちっずもムラムラしない。

    「䜐久間は劊嚠しおるらしいから、ちっず劎わっおやっおくれ」
    「え、劊嚠しおお倖科のオペに入るんですか」

     倖科なんおバタバタしお忙しい。緊急オペは倚いし、マダさんなんおい぀も垫長に「今日は早く垰れそう」っお母芪が心配するかのように声をかけられおいる。
     たしお立ちっぱなし。お腹に負担をかけそうな環境だし、もっず萜ち着いおオペできるような所がいいはずなのに。
     あ、でも透芖を䜿う泌尿噚や敎圢のオペには入れないか。倖科は内芖鏡は䜿うが、゚ックス線透芖を䜿うこずはない。
     そう考えたら赀子ぞの負担は少ない方なのかもしれない。倉わり映えのない手術であれば、無理にバタバタ動かなくおもいいし。

    「たあ、基本は浅川をメむンで成長させるスタンスだろうな。リヌダヌが倧きなオペで倖回りに居るだけで俺達も安心感が違う」
    「そうですね、頌りにさせおもらいたす」

     圌女が埩垰したこずで、マダさんは敎圢倖科ぞ移動ずなった。胞倖に欲しいず片倉先生が嘆いおいたが、結構前にマダさんずシャッフルで胞倖病棟から配属された矢朚さんずいう男性が今胞郚倖科のリヌダヌをしおいる。
     どこの科もマダさんのスキルを頌りにしおいるから、はっきり蚀っお圌の取り合いだ。倖科を陀く各科の科長達が“あみだくじ“でマダさんを勝ち取った。それが、敎圢倖科だったらしい。

    「片倉郚長、神野くんをありがずうございたす🎵」

     次のオペ準備に入る肩関節鏡の敎圢倖科医、角田が県鏡を茝かせお怪しい眞で笑っおいた。

    「ずっず狙っおたんですよ〜、神野くんのこず。仕事出来るし、配属されお早々うちの病棟に術前術埌蚪問に来るず患者さん達が喜んでくれるし」
    「  あのな、真匥はたた倖科に戻しおもらうからな。貞すだけだ、貞すだけ」
    「ははっ。圌が敎圢倖科にずっず居たいです〜、っお蚀うたで口説きたすよ」

     では、ず片手をあげお自分のオペ担圓郚屋に消えおいく角田が自動開閉扉を開けた瞬間、䞭で麻酔導入ず蚘録をしおいるマダさんの真剣な衚情が芖界に入った。
     あのひずは、䜕凊で働いおいおも栌奜いい。だから奜きなんだけれども。

     この䞀枚の扉が遠い。配属の科が倉わっおしたったので、圌に勝手に話しかけるこずも出来なくなっおしたった。この、手術宀ずいう同じフロア内にいるのに酷く遠い。

    「片倉郚長、花巻先生、お久しぶりです。䜐久間です」

     入宀の準備が終わったずころで、新しい倖科リヌダヌの䜐久間さんが話しかけおきた。留矎ずは違い、目力はマスカラバリバリで盞圓匷いものの、男に媚を売るタむプずは違う。

    「おう、おめでずう。䜕ヶ月目だ」
    「ただ結果聞いたばかりなので党然ですよ、だから暫くは普通に噚械出しに入らせおくださいね」
    「たあ、無理はするなよ。倖科でストレスになりそうな医者が居たら俺か、花巻に蚀え。な 花巻」
    「え、俺ですか」

     突然背䞭を叩かれお俺は困惑した。䜐久間さんはオペ宀の認定免蚱を取りに研修ず実習に行っおいたが、ブランクはほずんどないらしい。

    「珟堎は䞉幎ぶりなんですよ。以前花巻先生にご挚拶しお、真匥君に倖科のいろはを教えに来た時は、偶然䌑みだったから」

     圌女も真匥君、ず呌ぶのが匕っかかった。俺もマダさんず呌びたいのに未だに仕事䞭はダメだず止められおいる。

    「そういや、どっちで呌べばいいか 䜐久間か、神野」

     片倉郚長が神野、ず呌び関係ないのにどきっずした。するず、䜐久間さんの口から䜕故みんなマダさんのこずを名前で呌ぶのか明らかになった。

    「郚眲が違っおも真匥君ず玛らわしくなっちゃうので、もう䜐久間でいいですよ。昔からの先生はみんな旧姓で呌んでたすし」
    「䜐久間さんっお、神野さんなんですか」
    「はい。結婚しお神野になりたした。あたり倚くない苗字なのに、真匥君ずかぶっお。分ける為に名前呌びにしたのに私が戻っおきたのでごちゃごちゃですね」

     笑いながら手掗いに入る䜐久間さんは芋た目の掟手さずは違い、話しやすい方だった。

    「あ、やべ。俺今日のオペスタッフに挚拶しおない。すいたせん、PHS眮いおから手掗いきたす」

     もう本郷先生が麻酔導入をしおいる。䞭のメンバヌは䜐久間さんが手掗いをしおいるずころを芋るず、倖回りに浅川さん、蚘録は分からないけど、䜐久間さんが早めに準備に取り掛かっおも問題ないのだろう。
     俺は芋慣れた顔の倖科チヌム看護垫に「今日もよろしくお願いしたす」ず挚拶をしお、慌ただしく手掗いに向かった。

    「䜐久間、䟋目の再建な、茞血指瀺出しおるから頌むわ。先週カメラ䜿うっお蚀ったけど癒着酷そうだから最初から開ける」
    「了解したした。先生のオペだから、䞉時間くらいですかね」
    「たあ癒着具合かな、先週確か新しい業者が新しいサンプルの吞収糞持っおきたから、䞀個出しおくれるか」
    「はい、了解したした」

     元々オペ宀にいた圌女は倖科の先生達ずの連携は党く問題ない。──このたった数日の間に、マダさんの居た堎所が圌女に塗り倉わったこずに、俺は無性に寂しさを感じおいた。

     これが、オペ宀なんだ。出来る看護垫達はロヌテヌションで各科を呚り、研鑜を積む。

     䜕よりも、マダさんは自分が倖科から移動する話も、新しく䜐久間さんが配属される話ももっず前から知っおいたはずだ なのに、どうしお旅行の時も垰った時も䜕も觊れなかったのだろう。

    「あ  」

     思い出した。草接に行く新幹線が発車する前にマダさんはどこか憂いを垯びた顔をしおいた。倚分、マダさんがこの事を話さなかったのは、旅行を楜しみにしおいた俺ぞの配慮だったんだ──。

    「  」
    「花巻先生 倧䞈倫ですか」
    「あ、い、いえ、すいたせん 先、入りたす」

     心配そうに䜐久間さんに芋぀められ、俺は慌おお手を也燥させる滅菌タオルを回した。俺がしっかりしないず、マダさんはきっずたた自分を責める。堎所が違っおも、今は自分のこずに集䞭だ。




    ◇



     䜐久間さんの手技は的確だった。䞉幎ぶりず蚀い぀぀、手術宀看護垫の認定免蚱を取りに行っおいた方だ。座孊や技術、指導に぀いおがメむンかも知れないが、噚械出しは身䜓に沁み蟌んでいる。
     䜕も蚀わなくおも片倉郚長が欲しいものをさっず出し、お湯のタむミングもばっちりだった。やはり息の合う看護垫だず郚長も気分がいいのか、い぀もより手術時間も短い。

    「これだず最短蚘録曎新かも知れないな。麻酔科が本郷先生で良かった。すいたせん、予定より早すぎたんで、たた麻酔芚たすのに時間かかりたすね」
    「本圓ですよ、郚長のオペは早すぎるから導入の量がい぀も悩みどころです。さっきcc泚入したばかりなのでちょっず芚たすたで時間かかりそうです」
    「いやヌ、面目ない。あず皮䞋瞫合だけなんで、花巻、ゆっくりでいいぞ」

     笑いながら堅祐に持針噚が枡された。鈎ピンで皮䞋組織を摘んでいるず、やたらラむトが明るく圓たり、傷の郚分もかなり芋やすかった。どうやら䜐久間さんがパント手を぀けおラむトを噚械出ししながら合わせおいたらしい。

    「ありがずうございたす。めっちゃ芋やすいです」
    「真匥君もラむト圓おるの䞊手でしょ これはセンスの問題なのよね。なかなかみんな光が分散されお圓たらない」
    「あ、でも䜐久間さん  劊嚠されおいるなら、あたり頑匵らない方が  」
    「いいのよ、逆に腫れ物に觊られるみたいに䜕も仕事出来ない方が蟛い。ダメな時は無理 っお蚀うし、぀わりもないくらい䜕でも食べおるから」

     この人、すごく居心地がいい。俺は片倉郚長が絶倧な信頌を寄せおいる理由がすぐに分かった。サバサバした女医のような感じで、仕事は的確、䜙蚈なこずはしない。やるべきこずを確実にこなす。真面目な優等生だ。
     ただ、気がかりだったのは、最初から圌女がパント手を噚械台に甚意しおいたこず。

     䞀介の研修医が出しゃばる話ではないのだが、マダさんの堎合は新人や倖回りが党然ラむトを圓おられない時にだけパント手を䟝頌しおいる。──しかし、圌女は最初から倖回りを頌りにしおいなかった。
     自分ができるからいい、では埌茩は䞀向に育たない。珟に、圌女のペヌスでさくさくオペが進むこずに、倖回りの浅川が困ったようにラむトの圓たる郚分をただがんやりず芋぀めおいた。

    「次のオペは、浅川さんにラむト合わせおもらっおもいいんじゃないですかね」

     俺はいたたたれなくなっお぀いに䜐久間さんに口を挟んでしたった。ほが初察面に近い研修医颚情が口を挟むレベルの話ではない。でも、あれだけマダさんにみっちり教えおもらった浅川が信頌されずに過ごすのはちょっず芋お居られなかった。

    「──花巻先生、オペはスムヌズな進行が呜よ。ラむトが圓たらないずどうなりたす 片倉郚長が早く手を䞋ろせた意味がわかりたすか 麻酔の䟵襲は患者さんに圱響がでるんです」

     ど正論を投げられお俺は䞀気に萎瞮した。

    「はい、それは  勿論分かっおたす」
    「他のスタッフがどれくらい動けるかわからないから、私が噚械出しするオペに関しおはラむトは私の方で調敎したす。そういうのは、他の人の時にお願いしたすね」

     他の人の時っお、結局自分が倖回りだったら自分がラむト圓おる圹目じゃないか、なんお心の䞭で思ったが、圌女に䜕を蚀っおも無駄ず思い、残り二箇所の皮膚を瞫い終え、片倉郚長の顔を芋぀めた。

     䜐久間さんに口出しした事が、これから面倒な火皮になるなんお、俺はこの時䜕も考えおいなかった。


    →マガゞン

     
     
    珟圚過去䜜ブラッシュアップし぀぀2025.12月〜ネトコン、2026.2月〜恋愛小説投皿のためなろうずアルファポリスメむンに党力でいきたす。こちらは初期版ず掻動報告。BLは「アルファポリス」母䜓に倉曎、その他過去䜜「小説家になろう」「カクペム」楜しんでいただけるず嬉しいです🍀

    あなたぞのおすすめ