メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【創䜜倧賞2024応募䜜・恋愛小説郚門】砂の城 第話 本質は倉わらない

    蒌韍 葵


     マルボロの銙りが残る啄むキスの埌で私ははっず珟実に戻り、慌おお腕時蚈を芋た。もう時を過ぎおいる。
     いいムヌドだったのに、ず頭をぜりぜりしおいる忍の様子に私は顔が赀くなるのを隠しながら違う話題に切り替えた。

    忍、仕事は 時間、倧䞈倫なの

    ん   今日は倕方からだから倧䞈倫

     そう蚀えば忍が事故ったたでは匘暹さんから聞いおいたが、今もただ建蚭関係の仕事にいるのか詳しい話は聞いおいない。
     でも仕事の話はなるべくしたく無い。こちらの仕事内容を聞かれるのが怖いから。

     手っ取り早く皌ぐ為にキャバクラに入ったので、正盎昌間の仕事が出おこないのだ。OLず蚀っおしたえば早いのかも知れないが、浮かぶ䌚瀟の名前も無いし、調べられたらすぐにバレおしたう。
     かず蚀っお専門職ず嘘を吐くにはハヌドルが高すぎるし、免蚱も無いのでそれもバレるだろう。
     倧孊も䞭退したので、自分の経歎もこれ以䞊䞊塗りは出来ない。

    よかった。私も今日は䌑みだから、ゆっくりできるね

    そうか マキが迷惑じゃないならいいんだけど  」

    党然、迷惑だなんお思わないよ。だっお忍ず䞀緒に居たいもの

     仕事が䌑みずいうのは嘘。忍も倕方から仕事ず蚀っおいるので、そこたで長くは居ないず螏んだ。
     仮眠を取りたい気持ちはあったが、忍が自分の所に垰っおから倜の仕事開始たで電車の移動ず新宿の家でトヌタル時間くらいは眠れるはずだ。

    そうだ。タバコ  吞ったらたずいよな、悪いちょっず倖行くわ

    ベランダに灰皿眮いおあるから倧䞈倫だよ

     䞇が䞀に備えお灰皿を買っおおいお良かった。ずころが、真新しいその灰皿を手に持ち忍は蚝しげな顔をしおいた。

    これ  新品じゃねえか。いいのか䜿っお

    新品じゃないよ、忍にずっず䌚えなかったからその間掗っお綺麗にしたっおおいただけ。だっお、前も䜿っおたでしょ

     䞀瞬どきりずしたが、忍にただ過去の蚘憶がない事を祈り぀぀勝手に話を䜜る。こういう時に仕事で培ったポヌカヌフェむスは圹に立った。

    そっ  か。ごめんな、俺が知らない間に色々埅たせちたっお

     忍は倧切そうに灰皿を持っおベランダぞず消えた。䜕か考え蟌んでいる忍の暪顔がすごく気になる。
     『圌女』では無いず薄々感じおいるのだろうか。でも、それを確認する぀もりは無い。
     忍が消えた事で、私ず私の家族は完党に厩壊した。忍を远いかけお倧孊を勝手に䞭退した私を、母さんは絶察に蚱さないだろう。
     母さんに䌚うのが怖い  いや、䌚いたく無いし、䌚う぀もりもない。
     ここたで䜜り䞊げおきたんだ。これで、たた忍を芋倱っおしたったら、私は今床こそ生きる意味を無くしおしたう。

     本タバコを吞い終えた所で忍は郚屋に戻っおきた。空腹だず蚀っおいたくせに、そのたたバスタオルを手に錻歌を歌いながらシャワヌぞず消えた。
     この家で自由にしおいる忍を芋お嬉しくなった。実家に居た頃を思い出す。
     忍に服を入れおいるタンスの堎所を教えお、今床䌑みが合う時に䞀緒にその他の必芁な物を買いに行くのも悪く無い。
     ただ、残念な事に私は恋人を䜜った事がない。
     高校卒業たで党お女子の䞭で生掻し、倧孊に出おからも異性ずの距離感が分からないたただった。
     圌氏、ず蚀ったものの忍が䜕もかも初めおなので、䞖の䞭の恋人がどういう䞀日を過ごしおいるのか分からない。

     恋愛に぀いおは匘暹さんに聞いた方が良さそうなのだが、あの堎所で恋愛初心者の話をするのは無理だ。
     倚分、忍は他の女ず遊んでいるだろう。もしも今のキスより先に進んだら、この関係が停りであるずすぐにバレおしたうのでは無いだろうか。
     時間が無い、ずいう理由で昚日はそのたた別れたけど、忍がシャワヌから出お、朝食を食べおから、それから──。

    マキ、卵焌き焊げおる

    あっ  ダダ ちょっず、䜕やっおんだろ私

     い぀の間にシャワヌから出おきたのか。突然埌ろに立っおいた忍にも驚いたが、私はすぐに火を止め換気扇を回した。フラむパンを床に萜ずさなかったのがせめおもの幞いだ。
     焊げた卵焌きを捚おようず暪付けしおいるビニヌル袋に手をかけた所で忍に止められた。

    勿䜓ねえだろ、別に䞞焊げじゃないんだから

    食べおもらうのに、これは流石  

    ははっ。俺の胃袋を舐めんなよ、マキの䜜ったものは絶察倧䞈倫だ

     少幎のように埮笑みそう話す忍の蚀葉は、昔自分が料理を始めおした時ず同じだった。

     あの時は目玉焌きを䜜ろうずしお、結局卵が厩れお裏面は䞞焊げだった。私が泣きそうな顔になっおいるのを芋お、忍は満面の笑みでそれを぀たみ食いしおいた。

    『俺の胃袋を舐めんなよ、麻衣が䜜っおくれたものは絶察倧䞈倫だから』

     フラむパンも焊がしおしたい母さんに怒られたのを芚えおいる。麻衣はただ火を䜿うのは早いっお。
     そしおその埌にすぐ忍が庇っおくれたのも芚えおいる。俺が腹枛ったから麻衣に頌んだんだ──っお。結局忍の方が怒られちゃったけど、䞀緒に母さんに怒られおくれお凄く嬉しかった。

      ホント倉わらないな、忍は

    んん〜、砂糖入れたらそりゃ焊げるよな、別に無くおもいいぜ、焊げおも矎味い

     私ががヌっず昔を思い出しおいる間に、菜箞を奪い取った忍は焊げた卵焌きをフラむパンから぀たみ食いしおいた。

    ちょ、ちょっず、焊げおるんだからそんなバクバク食べないのっ  

    はいご銳走様、マキチャン」

     忍の綺麗な指先が少し觊れただけで緊匵しおいる私に、圌ずの恋人関係なんお無理なのかも知れない。仕事では党く動揺しないのに、こんなにも心臓が萜ち着かない。
     慌おる私を芋おニダリず埮笑んだ忍はそのたた顔を近づけ頬にチュッず口付けた埌、すぐさた䜕かに気づき目を䞞めた。

    その傷、どうした

     突然トヌンの䞋がった忍の声に驚いたが、私は圧迫止血した埌にファンデヌションで厚塗りしお隠しおいた頬の傷を思い出した。
     かなり顔が近づいたのであの切り傷が芋えたのだろう。䜕お芳察県だず呆れおしたう。

     優しい指先が傷を撫でる。その刺激に身䜓がビクリず匷匵ったが、忍は気にする様子もなく劎わるように傷口を撫でおきた。

    これ、結構深いな。料理で切ったのか

    そ、そう。ちょっず昚日の倜にドゞっちゃっお。瓶を萜ずしおその砎片が飛んだんだよね〜」

      こんなに綺麗な肌なのに。気を぀けろよ、マキの肌を傷぀けた瓶を殎りおえ」

     真面目な顔でそう話す忍の蚀葉に思わず吹き出しおしたった。

    瓶なんお殎ったら、忍たで血だらけになっちゃうよ

    圓たり前だろ、俺の倧事なマキを傷぀ける奎は、䟋え瓶だろうず䜕だろうず蚱さねえ

     それは私を慰める為の冗談だったのかも知れないが、忍は昔からこういう無茶な事をよく話す。
     母さんにあれこれ無理な期埅を背負わされお私自身が殆ど笑わない子だったから、私を䜕ずか笑わせようず冗談をよく蚀うようになったのかも知れない。

     䟋え蚘憶が無くおも本質的な忍は䜕も倉わらない。
     焊げた卵焌きを台所で互いに぀たみながら長い間2人で笑っおいた。


    前ぞ第話マガゞン次ぞ第話

    #創䜜倧賞2024 #恋愛小説郚門

     
     
     
    珟圚過去䜜ブラッシュアップし぀぀2025.12月〜ネトコン、2026.2月〜恋愛小説投皿のためなろうずアルファポリスメむンに党力でいきたす。こちらは初期版ず掻動報告。BLは「アルファポリス」母䜓に倉曎、その他過去䜜「小説家になろう」「カクペム」楜しんでいただけるず嬉しいです🍀

    あなたぞのおすすめ