
静謐な美しさ Dont' think. Feel
月の下に光輝く金星は、ローマ神話における愛と美の女神(ヴィーナス)、魂が美しいものに触れる幸福感、女性的な直感を象徴しているという。
これからは、毎日がデート、
いろんなカフェを巡り、お話をするの
喜怒哀楽の千夜一夜
行き交う人々の波動に震えて
でも、心の小舟は二人しか乗れない
空を舞う鳥に世界の広がりを
蒼い海から懐の深さを教わり
試練に挫け離れそうで、支え合い
雨が降りしきる日は、涙を拭う
そして、幾千の月日は流れ、
情緒さえもいつしか溶け合い
心を以って心に伝わる
感じる力が、ふたりを包んでいた
安らぎの彼方へと向かう
謎解きの旅を終え、一緒に眠りたい
借りてきた衣装を脱いで
「The Notebook (きみに読む物語)」※みたいに
※小説原作: Nicholas Charles Sparks、映画監督: Nick Cassavetes
主演:ノア Ryan Gosling、アリー Rachel McAdams
小説/映画The notebookが描く、ありえないような永遠の純愛もはじまりは、やはり直感。くまのマフィンさんの記事にインスピレーションを頂き、東京都写真美術館に立ち寄る。幼少時にワクワクしたブルース・リーの教え「 Dont' think. Feel」(映画 「燃えよドラゴン」より)に再会したかった。初夏の夕暮れ、恵比寿ガーデンプレイスの賑わいと対照する静謐な展示室に癒された後、モノクロ写真のカード「パリ市庁舎前のキス」にも邂逅した。東洋の武術家と西洋の写真家が織りなすセンスは、まるで陰陽大極図みたいに交わり、瞳の奥に追憶を蘇らせる。
Don't think! Feel.
It is like a finger pointing away to the moon. Don’t concentrate on the finger, or you will miss all that heavenly glory.
考えるな、感じろ。
それは月を指し示す指のようなものだ。
指に集中するな。その先の栄光が得られないぞ。
帰宅して見せるや「ロベール・ドアノー(Robert Doisneau)じゃん、飾らないわよ~」とすぐさま反応。「さすが、知ってたね」でも彼女は知らない、昔々、表参道の歩道橋でこの名写真を真似たキスが、あまりに不恰好で無様だったこと。二十代後半、頼り甲斐もなく不貞腐れていた自分は、いまは心の中に生きる父に叱られた。帰郷した私を見透かし「男気のなさ」を直感したのだろう。かたや、ブルース・リーは若くして「指月の法」(禅の精神)を悟り、静謐な哲学が鍛錬から滲み出ていた。遅熟すぎる私は歳月に流され、月や金星のごとく雲隠れして現れる、うつろな直感を手繰っいく。
父は晩年、俳句・イラスト・合唱・校歌作詞など地元の仲間とユーモアの憩いをともにした。イメージの釣り人:ロベール・ドアノーの市井を愛した優しい遊び心と重ねる。他界した際、町内会のおじさんが、ふと発した一言「立派な人だった」が沁み入り嬉しかった。気恥ずかしく最後まで深い会話は出来ず、過去の苦労を一切語らなかった父の背中を、遥かな遠くに追う。モテるモテないの外見や処世術ではなく、生き様への審美眼、度量の広さ、洒落た心意気を諭してくれてたんだ。すぐにいっぱいいっぱいになる男は、みっともなく映り、カッコよくないよって。
父の命日、墓参は清々しいそよ風に吹かれ、郷里が誇るGRAYの名バラード「HOWEVER」が、カーステレオから聴こえている。心の波風に揺さぶられながら、ワインやウィスキーのように深みを増し熟していけたらいいのさ。不器用で迷い遠回りしてきたけど、やっといま、TAKUROさんの深遠な歌詞を胸に抱いて歩けそうな気がした。
やわらかな風が吹く この場所で
今二人ゆっくりと歩き出す
幾千の出会い別れ全て この地球(ほし)で生まれて
すれ違うだけの人もいたね 分かり合えないままに
慣れない街の届かぬ夢に 迷いそうな時にも
暗闇を駆け抜ける勇気をくれたのはあなたでした
絶え間なく注ぐ愛の名を 永遠と呼ぶことができたなら
言葉では伝える事が どうしてもできなかった 愛しさの意味を知る
あなたを幸せにしたい・・・ 胸に宿る未来図を
悲しみの涙に濡らさぬ様 紡ぎ合い生きてる
愛の始まりに心戸惑い 背を向けた夏の午後
今思えば頼りなく揺れてた 若すぎた日々の罪
それでもどんなに揺れていても あなたを感じてるよ
今度戻ったら一緒に暮らそう やっぱり二人がいいね いつも
Fu…孤独を背負う人々の群れにたたずんでいた
Fu…心寄せる場所を探してた
「出逢うのが遅すぎたね」と 泣き出した夜もある
二人の遠まわりさえ 一片の人生
傷つけたあなたに今告げよう 誰よりも 愛してると・・・
絶え間なく注ぐ愛の名を 永遠と呼ぶことができたなら
言葉では伝えることが どうしてもきなかった 優しさの意味を知る
恋した日の胸騒ぎを 何気ない週末を
幼さの残るその声を 気の強いまなざしを
あなたを彩る全てを抱きしめて ゆっくりと歩き出す
やわらかな風が吹く この場所で