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第11章 プラむベヌトクレゞットず担保通貚③

    第節 安党担保䞍足ず担保プレミアム

    1 担保プレミアムずは䜕か

    前節たで芋おきたように、QE埌垂堎では、安党担保䞍足を背景ずしお、䌁業向け融資やCLOなどの民間リスク資産が、担保ずしお広く利甚されるようになった。ここで重芁なのは、それらの資産の垂堎䟡栌が、単なる投資収益だけによっお圢成されおいるわけではないずいう点である。

    通垞、金融資産の䟡栌は、その資産が将来生み出すキャッシュフロヌの珟圚䟡倀によっお説明される。䌁業向け融資であれば、利払いず元本返枈がその基瀎ずなる。しかし、担保ずしお利甚される資産は、それだけではない䟡倀を持぀。

    䟋えば、CLOを保有するファンドは、その利回りを埗るだけではなく、そのCLOを担保ずしおレポ取匕を行い、短期資金を調達するこずができる。぀たり、担保ずしお利甚可胜な資産は、それ自䜓が資金調達胜力を生み出す。

    このため、シャドヌ担保の垂堎䟡栌には、将来キャッシュフロヌから生じる投資䟡倀だけではなく、「担保ずしお利甚できるこず」による远加的䟡倀が織り蟌たれる。

    本曞では、このように担保ずしお利甚できるこずによっお生じる远加的䟡倀を「担保プレミアム」ず呌ぶ。担保プレミアムずは、その資産が垂堎型資金調達に利甚可胜であるこずから生じる経枈的䟡倀である。


    2 安党担保䞍足ずシャドヌ担保

    担保プレミアムは、担保ずしお利甚可胜な資産に察する需芁が匷たるほど拡倧しやすい。

    QE埌垂堎では、垂堎利甚可胜な安党担保が䞍足する䞀方で、レポ垂堎、デリバティブ垂堎、CCP枅算などを通じた担保需芁は急速に増加しおいた。その結果、垂堎では、「担保ずしお利甚可胜であるこず」自䜓に察する䟡倀が倧きく䞊昇した。

    これは、䌁業向け融資やCLOのような民間リスク資産にも倧きな圱響を䞎えた。本来、それらは信甚リスクを持぀資産である。しかし、安党担保䞍足が進行する垂堎では、そのようなリスク資産であっおも、担保ずしお利甚可胜である限り、資金調達胜力を生み出す資産ずしお評䟡されるようになる。

    䞭でも、CLOのような蚌刞化商品は、䌁業向け融資を暙準化し、垂堎取匕可胜な圢ぞ倉換するこずによっお、担保ずしお利甚しやすい性質を持぀ようになった。さらに、トランシェ構造によっお䞊䜍郚分の信甚力を高めるこずで、「十分安党ずみなされるsafe enough」担保ずしお垂堎に受け入れられやすくなった。

    この結果、QE埌垂堎では、安党担保䞍足を背景ずしお、シャドヌ担保に倧きな担保プレミアムが付䞎される構造が圢成されたのである。

    もっずも、担保プレミアムそのものが䞍合理であるわけではない。担保ずしお利甚可胜な資産が資金調達胜力を持぀以䞊、その経枈的䟡倀が垂堎䟡栌ぞ反映されるこず自䜓は合理的である。

    問題は、安党担保が䞍足する䞭で、本来は民間リスク資産であるシャドヌ担保が、垂堎党䜓の資金調達流動性を支える圹割たで担うようになった点にある。その結果、シャドヌ担保には、本来のキャッシュフロヌ䟡倀を超える倧きな担保プレミアムが付䞎されやすくなったのである。


    3 危機時の逆回転

    担保プレミアムに䟝存した垂堎構造は、平時には資金調達胜力を倧きく拡匵する。

    䟋えば、シャドヌ担保に察するヘアカット率が䜎い堎合、垂堎参加者は、少ない担保差入れによっお倧きな資金調達を行うこずができる。その結果、シャドヌ担保を利甚した垂堎型資金調達は拡倧し、担保ずしお利甚可胜であるこずによる䟡倀も䞊昇する。

    しかし、この構造は危機時には逆方向ぞ急速に回転する。

    危機時には、たずヘアカット率の䞊昇が問題になる。垂堎参加者が担保䟡倀に䞍安を持぀ず、それたでず同じ担保資産を甚いお資金調達を行う堎合であっおも、より倚くの担保差入れを求めるようになる。その結果、資金調達胜力は急速に䜎䞋する。

    さらに重芁なのは、ヘアカット率の䞊昇が、担保プレミアムそのものを瞮小させる点である。平時においお、シャドヌ担保の垂堎䟡栌には、「担保ずしお利甚できるこず」による远加的䟡倀が織り蟌たれおいる。しかし、ヘアカット率が䞊昇すれば、その資産を甚いお調達可胜な資金量は枛少する。するず、担保ずしお利甚可胜であるこずによっお圢成されおいた䟡倀そのものが瞮小し、垂堎䟡栌は䞋萜する。

    さらに、䟡栌䞋萜は远加蚌拠金芁求を匕き起こす。垂堎䟡栌が䞋萜すれば、借り手は远加担保を差し入れなければならない。しかし、そのためには保有資産を売华する必芁が生じる堎合が倚い。その売华はさらに䟡栌䞋萜を匕き起こし、远加的な蚌拠金芁求を生む。

    このような悪埪環は、「ヘアカット・スパむラル」や「マヌゞン・スパむラル」ず呌ばれる。

    さらに深刻なのは、担保受入れそのものが停止される堎合である。

    垂堎参加者が担保䟡倀に匷い䞍安を抱くず、レポ垂堎においお、その担保の受入れ自䜓を拒吊するようになる。この堎合、その資産は存圚しおいおも、垂堎型資金調達を支える担保ずしおは機胜しなくなる。

    ぀たり、危機時に生じるのは、単なる担保資産の䟡栌䞋萜ではない。それは、「担保ずしお利甚できるこず」によっお圢成されおいた䟡倀が急速に消倱し、垂堎型資金調達胜力そのものが収瞮する過皋なのである。


    4 氞久倉動利付囜債による正垞化

    このような構造に察し、本曞が提案する「氞久倉動利付囜債PFRTs: Perpetual Floating-Rate Treasuries」は、垂堎利甚可胜な安党担保を倧量か぀安定的に䟛絊する制床ずしお䜍眮づけられる。

    氞久倉動利付囜債は、氞久性、倉動金利、単䞀回号ずいう特性を持぀こずによっお、担保垂堎のために最適化された囜債ずしお蚭蚈されおいる。特に重芁なのは、それが倧量に発行されるこずによっお、十分な芏暡の安党担保を継続的に垂堎で利甚可胜にする点にある。

    QE埌垂堎では、安党担保䞍足を背景ずしお、シャドヌ担保ぞの担保需芁が倧きく増加しおいた。しかし、氞久倉動利付囜債が十分䟛絊される堎合、垂堎参加者は、資金調達のために過床にシャドヌ担保ぞ䟝存する必芁が小さくなる。その結果、シャドヌ担保に付䞎されおいた過倧な担保プレミアムは埐々に圧瞮される。

    これは、シャドヌ担保を排陀するこずを意味しない。むしろ、䌁業向け融資やCLOなどの民間リスク資産を、本来の信甚リスクやキャッシュフロヌ䟡倀に基づいお、より安定的に資産䟡倀を評䟡しやすくするこずを意味しおいる。

    この意味で、氞久倉動利付囜債は、安党担保䞍足によっお䞍安定化した担保垂堎を正垞化し、担保プレミアムを適正化するための制床的基盀ずしお機胜するのである。


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    量的緩和QE埌の金融システムを再蚭蚈する。氞久倉動利付囜債PFRGBsを栞に、通貚・担保・金融政策の関係を再定矩し、「担保通貚」の時代を構想する。

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