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先輩と機能 機能 澤田流太極療法を使う

    どうたぬき

    機能は、先輩の治療室に呼び出された。
    背中が張るらしい。

    機能「鍼で緩めましょか?」
    先輩「いやさあ、たまにはオレ、灸を受けたくなるんよ」

    機能「家伝灸、行きます?」
    先輩「今日は澤田流をリクエストするわ(笑)昔、澤田流の本のレビュー書いて、だいぶ儲けたらしいやん」

    機能「今さら言われても奢りませんよ」
    先輩「灸が恋しくなってね」

    機能は苦笑する。
    ――灸が恋しいのは、たぶん自分のほうだ。

    先輩が上半身裸で正座する。
    機能は背候診に入った。

    背中を上から下へ、指を並べて撫でる。
    引っかかるところで、指腹を当て、軽く揺らす。

    「そこ」
    先輩が短く言う。

    灸点鉛筆で印をつけ、何度も確かめる。
    背中を終えると、体位を変え、腹と腰を診る。そして四肢を診る。

    機能「古典的な澤田流で行きますよ」
    先輩「古典も新型も知らん。それでやって」

    中脘、左陽池に灸点紙。
    透熱灸の火を入れる。

    「流れます?」
    「流れてるけど?」

    機能は眉を寄せる。
    「左陽池、微妙に外れてますね」

    灸点紙を、ほんのわずか調整する。

    先輩「よう分かるな」
    機能「鍛えてますからw」

    続けて、滑肉門、大巨、途中から昔の期門を加える。
    先輩が下腹部を触る。

    「最初の灸で、動いたわ」

    腕を頭のほうまで上げ、手の動きを確かめる。

    再び伏臥位。
    三焦兪、腎兪、志室、澤田流大腸兪、次髎。

    「仙骨、火入れますよ」
    「うおー 体あったまるな」

    座位に変える。
    脾兪、肝兪、騎竹馬、膈兪、身柱、膏肓、大椎の脇。

    「堀越式です」
    「よう分からんけど、順番違うのは分かるわ」

    透熱灸を終え、灸点紙を外す。

    「先輩、ちょっと遊んでいいですか?」
    「うん」

    大きめの知熱灸で、背中をさっと流す。

    「この余韻、あとで感想くださいね」

    百会にも灸点紙を貼り、軽く灸を据える。

    「頭に、軽く響くで」

    そのまま座位で、四肢へ引く。
    刺激量を見ながら。

    「灸当たりしたら、文句言う前に自分で治してくださいよ」
    「昔と変わらんよ、たぶんちょうどいい」

    先輩が肩を回す。

    「楽になったわ」

    「先輩、余裕あれば、私にも背中いけます?」
    「任せとけ」

    今度は、機能が受ける側になる。

    「……たまらん」

    2人の鍼灸師、しばらく楽しみな時間が続いた。


     
     
     
    鍼灸師、介護福祉士、看取り・ターミナルケアその他研修もろもろ 介護 機能訓練指導員の人が、MBTIや心理学、東洋医学、応用行動分析や東洋哲学などを書くnote 漫画も描いています。INTJ × 9w8 × sp/sx × デルタタイプ925 × holy(推定)

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