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【#創作大賞2024】蒼に溶ける 第2章 ⑤ 急報

    秋田柴子

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    晃雄の VirtualPhone(ブイホ)が鳴ったのは、まだ日暮れ前の六時過ぎだった。
    仕事の定時は越えていたが、そんなものは気にしたこともない。
    どうだ、これからもう一丁部下のエンジンをかけさせるか、それともどこか夜の街で疲れを癒やしにいくか、と考えを巡らせているところだった。

    見知らぬ番号に、晃雄は一瞬警戒した。だが手のひらにすっぽり収まる大きさのブイホの画面に表示されたのは、今時珍しい都内の固定電話だ。そこまで怪しいものでもないだろうと当たりをつけた晃雄は、慎重に通話ボタンを押した。だが念のため、通話相手を空間に映し出すバーチャル設定はオフにする。

    「はい、もしもし……は? はい、そうですが……何ですか? え……?」

    滅多なことでは動揺を見せない晃雄の顔から、みるみるうちに血の気が引いていった。


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    小説を書くわんこ(SS~長編)。創作大賞2025『栗と牡丹』入選。→2026年4月『栗は月色、こがね色』として朝日文庫より刊行。第2回日本おいしい小説大賞最終候補、第31回やまなし文学賞『雨を知るもの』佳作→作品集刊行。餃子とピザとあんこが好物。一人BARと野鳥観察が趣味。

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