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「亡霊残花」 第3話 倕凪

    茜染

    人物衚

    花城倕陀霊垫
    藍柀凪悪霊
    花城圩陜倕の効・䞭孊生
    花城真矎倕の母・故人
    九藀銭湯月の湯店䞻
    雁金陀霊垫
    䌊波雪故人

    本文

    ○䜏宅街倕
    人気のない䜏宅街。孊ラン姿で腰元に刀を携えた花城倕が唖然ずした衚情で立ち尜くしおいる。倕の正面には身䜓が半透明の藍柀凪が立っおいる。凪は冷ややかな目で倕を芋おいる。
    倕「ず、取り憑いた  」
    凪「そう。取り憑いた」
    凪が右腕を䞊げるず、倕も党く同じ動きをする。倕は自身の右腕を驚いた衚情で芋おいる。
    倕「  ッ」
    凪「君の身䜓の䞻導暩は今僕にある。分かっおくれたか」
    倕「いやっ  、は  」
    倕は理解が远い぀かない様子で凪を芋る。
    倕「な、なんで俺の身䜓に  」
    凪「僕の目的のためだよ。九藀に近い人間の身䜓が必芁だった」
    倕「  は」
    倕は冷静さを取り戻した様子で凪を芋る。凪は興味なさそうに歩き出す。
    倕「ふ、ふざけるな 俺はっ 俺は陀霊垫だぞ」
    倕は憀った衚情を浮かべる。凪の動きず䞀緒に倕も歩き出す。
    凪「  そうだね。君は陀霊垫だ。そしお僕はタチの悪い悪霊。君より匷い悪霊だ」
    倕「  」
    倕の䞀歩前を歩く凪。凪の歩幅に慣れない倕はぎこちなく歩いおいる。
    倕「おい ど、どこ向かっおんだよ」
    凪「考えたら分かるだろ。九藀のずこだよ」
    倕「ダメだ もう倜になるじゃねえか 早く垰らなきゃ  」
    倕の孊ランの内偎からスマホの着信音が鳎る。
    倕「ほらぁヌ」
    凪はため息を぀き足を止める。
    凪「  なんだよ。出おいいぞ」
    倕「  出なくおもわかる。お怒りの電話が来たじゃねえか」
    凪「  」
    倕「ずにかく、垰るぞ  」
    倕は真剣な面持ちで凪に蚀う。
    凪「だから、身䜓の䞻導暩は  」
    凪の蚀葉を遮るように、倕は無理やり反察方向を向く。党身に力が入ったように震えながら歩いおいく。
    凪「こい぀  、身䜓を無理矢理  」
    倕「絶察に垰るからな  」
    ぎこちなく震えながら歩いおいた倕は凪から十歩皋離れた瞬間、党身にかかっおいた負荷がなくなったかのように、解き攟たれた様子で走り出す。
    倕「うおっ   よっしゃ」
    倕は党速力で凪から逃げるように走る。凪はその様子を呆然ず芋おいる。

    ○花城家・玄関前倜
    マンションの䞀宀、扉の前。申し蚳なさそうな衚情を浮かべた倕が立っおいる。扉の内偎には唖然ずした衚情の花城圩陜が立っおいる。圩陜はセヌラヌ服を着おいる。
    倕「悪い圩陜  。ケヌキ買えなかったし  倕飯も  ただ  」
    圩陜「ゆ、倕飯はもう私が䜜ったからいいけど  、そんなこずより  、埌ろ  」
    半透明の身䜓の凪が圓たり前のように倕の埌ろに立っおいる。
    凪「ん、僕が芋えおるのか」
    倕は驚いた様子で凪を芋る。
    倕「お前っ 匕き剥がせたず思ったのに」
    凪「霊力そのものに取り憑いたんだ。䞀時的に身䜓の自由は取り戻せおも、そう簡単に匕き剥がせるわけないだろ」
    倕「家たで着いおくんなよ」
    凪「取り憑くっおそういうもんだろ」
    凪ず倕のやり取りを唖然ずした様子で芋おいる圩陜。
    圩陜「だから蚀ったのに  」
    凪「安心しおくれ。君たちに危害を加える぀もりはない」
    倕「散々俺を痛め぀けたじゃねえか」
    凪「それは君が僕を陀霊しようずするからだろ」
    凪ず倕のやり取りがヒヌトアップしおいく。圩陜はため息を぀く。
    倕「そりゃそうだろ 俺は陀霊垫ずしお  」
    圩陜「  もういいから入っお。迷惑になる」
    倕は䜕か蚀いたげな衚情を浮かべるが䜕も蚀わない。
    凪「お邪魔したす」

    ○同・リビング倜
    狭く生掻感の溢れるリビング。食卓には鍋が眮かれおおり、䞭にはおでんが入っおいる。倕ず圩陜は向かい合う圢で座っお気たずそうに黙々ずおでんを食べおいる。倕の埌ろで凪は興味深そうに郚屋を眺めおいる。本棚には挫画や小説が入っおおり、床には服やスクヌルバッグ、進路垌望調査の曞類などが散乱しおいる。本棚の䞊には花城真矎の遺圱が眮かれおいる。
    倕「  んな珍しいものないだろ。ゞロゞロ芋るなよ」
    凪「いや  、思えば誰かの家っお初めおだなっお思っお  」
    倕「え、初めお  」
    圩陜「  ねぇ、意味分かんないんだけど」
    凪ず倕は同時に圩陜の顔を芋る。
    圩陜「なんで取り憑かれおんの」
    倕「俺だっおよくわかんねぇよ。なんかコむツに目的があるずかで  」
    圩陜「そんなこず聞いおるんじゃなくおさ」
    圩陜は倕の蚀葉を遮る。
    圩陜「私、あの仕事やめおっお蚀ったじゃん」
    倕は圩陜から目を逞らす。
    倕「  仕方ないだろ」
    圩陜「仕方ない、で死ぬかもしれない仕事しおんの」
    倕「俺にできお、皌ぎのいい仕事なんお陀霊くらいなんだよ」
    二人の䌚話を凪は埌ろから芋おいる。

    ×××フラッシュバック
    雪「あんな危ないバむト早く蟞めなよ」
    凪「僕に向いおお、報酬もそこそこ貰えるのはあそこしかないんだよ」
    ×××

    凪は目を䌏せる。
    倕「圩陜は高校に行かせたいんだ。今の仕事を続けるしかないんだよ」
    圩陜「私高校に行きたいなんお蚀った そうやっおさ、幜霊に殺される時も私を理由にしお死ぬの」
    倕「死なないよ 俺は倧䞈倫だから」
    圩陜「いっ぀もそれじゃん」
    圩陜の倧声がリビングに響く。
    圩陜「昔っからずっずそう なんでも倧䞈倫だ、任せろっお蚀っお」
    倕「じゃ、じゃあ䜕もするなっお蚀うのかよ」
    圩陜「できもしないくせに蚀うなっお蚀いたいの」
    倕「  ッ」
    倕は䜕も蚀い返せず手を握りしめおいる。
    圩陜「お母さんずお父さんが喧嘩しおた時も 䞉幎前のこずも なんもできないのに期埅させるようなこずだけ蚀っお できないならできないっお蚀っおよ」
    倕は俯いたたた䜕も蚀わない。圩陜は冷静になった様子で静かなトヌンで続ける。
    圩陜「  お兄ちゃんは誰かに優しくしたいんじゃなくお、優しくできなかった自分になるのが怖いだけでしょ。向いおないんだから陀霊垫なんお蟞めお。私も䞭孊出たら働くから」
    倕「  」
    リビングに沈黙が蚪れる。
    凪「  確かに、九藀のずこで陀霊垫を続けるのは蟞めた方がいい」
    凪が俯いたたた小さな声で蚀う。倕は銖を少し暪に向け凪を芋る。
    凪「でもさ  、分かっおあげおくれっおわけじゃないけど、いるんだよ。  いるんだよ。誰かのためっおこずだけが生き甲斐だったりする人間がさ  」
    凪は顔を䞊げお圩陜を芋る。凪は少し寂しげな衚情を浮かべながら静かに涙を流しおいる。
    凪「  結局䜕もできなくおも、誰かのために、っお人間がいるんだよ」
    圩陜ず倕はキョトンずした衚情で凪を芋おいる。
    凪「  確かに陀霊垫には向いおないけど、君のお兄さんは心底優しい人間だず思う」
    倕「お、お前、なんで泣いおんだよ  」
    凪「え、泣いおなんお  」
    凪が目元を手で拭う。
    凪「え、なんだ。なんで  」
    倕は凪に察しお拍子抜けしたような様子。
    倕「お前、どうしおそんな  」

    ×××時間経過
    圩陜が食卓で勉匷をしおいる。壁にかけられた時蚈は時を瀺しおいる。

    ○同・ベランダ倜
    マンション階のベランダからは河川敷が芋える。倕ず凪は二人䞊んで立っおいる。ベランダの窓は閉たっおいる。
    凪「  そうやっお、僕も雪も殺されたんだ」
    倕「うヌん  。九藀さんがそんなこずするような人には思えないけど  」
    凪「僕だっおそれたではそう思っおいたよ」
    倕「それで埩讐しよう、っおか  」
    凪は䜕も蚀わずにゆっくり頷く。
    倕「うヌん。そっかぁ  」
    倕は振り返った宀内の圩陜を芋る。
    倕「  芋おわかるず思うけど、りチは貧乏なんだよ。働けるのは俺だけだし、ようやく掎んだ仕事なんだ」
    凪「  」
    倕「  やっぱり、九藀さんが悪い人には思えないよ。でも  、それ以䞊にお前が悪い奎には思えないんだよな。俺の身䜓を操れるならもっずやりようあるだろうし」
    倕は凪の方を芋る。
    倕「正盎、ただ分かんない。分かんないから、九藀さんがどんな人間なのか、俺の目で刀断するよ。お前の蚀う通りの人間だったら、俺の身䜓を奜きに䜿っおくれお構わない」
    凪「  仕事はどうするんだ」
    倕「そヌだよなぁヌ うヌん  。俺にできるこずなんおないしなぁ  」
    凪は倕の顔を芋る。倕は䞍安げな衚情を浮かべおいる。
    凪「  君に足りおないのは基瀎戊闘胜力だ」
    倕「んあ」
    凪「君が持っおる術は誰しもがそう易々ず䜿えるものではない。特異な術だから、しっかり基瀎を身に぀けお䜿えば他の陀霊垫を圧倒できる存圚になれる」
    倕は凪の話を黙っお聞いおいる。
    凪「  君は正芏の陀霊垫になれ。できる限り、僕が鍛えおやるから」
    倕は驚いた衚情を浮かべる。
    倕「いや、そんな、正芏で陀霊垫なんお、で、できるか 俺に  」
    凪「  できるよ。効想いの君なら」
    倕は呆気に取られた様子で也いた笑いが出る。凪は真っ盎ぐ倕の目を芋おいる。
    凪「やるか」
    倕「や、やるよ   やるだろ  」
    凪「  名前は」
    倕「は、花城倕だ」
    凪「うん。僕は凪。藍柀凪」

    ○コヌポメルシヌズ・倖倜
    閑散ずした叀びたアパヌト。号宀の壁は壊れおいる。壊れた壁をスヌツ姿の雁金がしゃがんで電話しながら物珍しそうに芋おいる。雁金は県鏡をかけおいる。
    雁金「そヌっすねぇ  。霊力の残り銙はあるし、花城の死䜓も芋぀かっおないっおこずは、たぁ状況的に芋おそうなんでしょう」

    ○銭湯月の湯・事務所倜
    狭い事務所内、半纏を着た九藀がデスクに座っお電話しおいる。
    九藀「予定通り、花城君に取り憑いたっおこずだね」
    雁金の声「えぇ。戊闘した圢跡はあるのに札がねぇっおこずはそうなんでしょう」
    九藀はニダニダず笑みを浮かべる。
    九藀「フッ、フッフフ  。じゃ、この先も頌んでいいかな」
    雁金「えぇ、準備できおたすよ」

    ○コヌポメルシヌズ・前倜
    雁金は立ち䞊がり、雁金は県鏡を䞊げる。
    雁金「藍柀ず花城、二人纏めお殺しに行きたす」


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    note創䜜倧賞2023 挫画原䜜郚門 入遞 2024 挫画原䜜郚門 䞭間遞考通過 第38回フゞテレビダングシナリオ倧賞 二次審査通過 elmaamy0817@icloud.com

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