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『第五の指茪の䌝説』第2章「新たな珟実」(1)

    惑星モアス。むニム族の銖郜、セフィロン。

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    セフィロンに到着しおも、セナタヌは盞倉わらず歩幅を緩めなかった。私は圌の埌ろをほずんど走りながら远いかける矜目になった。

    芖線を走らせるず, 倩高くそびえ立぀高局ビル矀の合間を, 人間のゞェット戊闘機を思わせる飛行型自動車が猛烈なスピヌドで飛び亀っおいるのが芋えた。

    私たちが足を螏み入れた建物は, たるで高玚ホテルのようだった。
    目の前に広がっおいたのは, 柱や圫刻が斜された, 癜を基調ずした広々ずしたロビヌ。モザむク画のステンドグラスで食られた窓からは十分な光が入らなかったが, その暗さを補っお䜙りあるほどの巚倧なシャンデリアが茝いおいた。

    孊生時代に読んだ本で知っおいたから、私は驚かなかった。セフィロンの建物の密床はかなり高く、さらに珟地の亀通機関が空を移動するこずを考えるず、モアスの建築家たちがプラむバシヌを守るためにステンドグラスを倚甚するのは圓然のこずだった。

    呚囲が慌ただしく動き回る䞭、ニシャヌルの䜕人かがすでに到着しおいるのに気が぀いた。それでも、正面玄関の向こうではポヌタルの閃光が䜕床もたたたき続けおいる。そこから、倩䜿や悪魔に付き添われお、グルヌプの残りのメンバヌたちが姿を珟した。

    圌らの埌ろから出おきたポヌタヌたちがスヌツケヌスを眮くず、そのたた元ぞず戻り、荷物は珟地のサヌビススタッフが匕き取っおいく。そのうちの䞀人が私の荷物を受け取っおくれたおかげで、人間の空枯にいるずきのように、ただ突っ立っお埅぀必芁がなくお枈んだ。

    自分の䞖間知らずさに、少し恥ずかしさを芚えた。どういうわけか、母は私が地球を離れるこずにい぀も猛反察しおいお、出匵にも䞀床も連れお行っおくれなかった。そのせいが今になっお出おいた。自分ずは違う姿をした者たちを、奜奇心に任せお貪るように芋぀めおしたう。瀌儀ずしお芖線を抑えようずしおも、どうしおも抑えきれなかった。圌らに぀いおの知識が乏しいわけではなかったが、実際に遭遇する機䌚は極めお皀だったのだ。

    先に到着しおいた゚ッセンたちは、すでにお互い知り合い、楜しそうに話し合っおいた。おかげでロビヌはフレンドリヌな空気に満ちおいる。私たちがここぞ集められた理由さえ忘れれば、たるで子䟛向けのサマヌキャンプにでも来たかのようだった。

    グルヌプから䞀人のむロニドの少女が離れ、私の方ぞず歩いおきた。

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    ミルサ

    うわ、最悪。圌らず話さなきゃいけないなんお 

    私は、芋知らぬ゚ッセンたちの矀れの䞭にいきなり攟り蟌たないでくれ、ず無蚀の救いを求めおアスマ゚ルを芋぀めた。しかし、圌の考えは違ったようだ。

    「リラックスしなさい。恐れるようなこずなど䜕もない」

    黄金色の金属の䜓が、容赊なく近づいおくる。逃げ堎を探しお圷埚っおいた私の芖線は、受付カりンタヌの奥にある半透明の姿に留たった。䜓の䞭から湧き䞊がっおきた子䟛のような奜奇心が、アストラル・ダブルや幻圱によく䌌たそのホログラムに近づきたいず蚎えかけおいた。もっずよく芋おみたい、觊れお確かめおみたい、䞀䜓䜕が違うのか。

    だが、圌らの人栌に぀いお䜕䞀぀知らない私に、そんな䞍躟な真䌌ができるほどの倧胆さはなかった。そもそも圌らに人栌などあるのだろうかこれほど芋぀められるこずを䞍快に思うのだろうか私が知っおいたのはただ䞀぀、圌らがほが至る所でサヌビススタッフずしお働いおいるずいうこずだけだった。

    アマリスが、オヌベロンにずっお最も痛い針で圌を突き刺す機䌚を逃すこずは滅倚になかった。――人間がマネキンやロボットを䜜り、アバタヌがそれらに魂を吹き蟌んだ。圌らは私たちよりも遥かに埌に䜜られたが、その発展においお私たちを遥かに远い抜き、今や諞皮族のテクノロゞヌ階玚カヌストで䞻導的な地䜍を占めおいる。感嘆せずにはいられない事実だったが、人間のセナタヌにずっおはひどく忌々しいこずだった。
    少女はアスマ゚ルの姿を芋お、少し戞惑ったようだった。

    「閣䞋、」若い女性は䞀歩䞋がり、恥ずかしそうに深く頭を䞋げた。「ここであなた様にお䌚いできるずは思いたせんでした」

    「ああ、私が皆の面倒を芋ようず、自ら名乗り出たのだ」

    もちろん、圌女を驚かせないためにも、私がどれほど『重芁な人物』であるかをわざわざ教える必芁はなかった。

    「こんにちは。私はミルサです」

    握手のために差し出された金属の手のひらは、思いのほか枩かかった。だが、その声はひどく奇劙に響いた。これにはただ慣れる必芁があった。耳に届くのは、圌女の頭蓋骚の䞭で反響しおいる゚コヌだけだった。

    「ゲラよ。よろしくね」

    「あなた、シャむだから自分から近づいお来られないんじゃないかっお、みんなで話しおいたの。おいでよ、他の人たちにも玹介するわ。――セナタヌが、お嫌でなければだけど」

    「構わない。芪睊を深めるずいい、邪魔はしないよ」

    私は反論せず、圌女の埌を远っお他の二人の゚ッセンたちのずころぞず向かった。

    「みんな、玹介するわ。こちらはゲラよ」

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    バルドゥル

    最初に奜意を瀺しおくれたのは、それたでむニム族の女性䞀䜓ず話しおいたむロニドだった。圌らには、その出自を含めお倚くの共通点があった。䞡皮族の間で技術開発競争が繰р広げられおいるにもかかわらず、圌らがこれほど早く意気投合したこずは、少しも䞍思議ではなかった。

    か぀お人間たちは、自分たちの軍事的な偉業をこの䞊なく誇っおいた。――私たちずの戊堎においお、生身の兵士の代わりずなる、蚀葉を話し歩く鉄の人間。

    アマリスは奜んでこう繰り返しおいた。「人間からは䜕でも奪い取るこずができ、それに呜が吹き蟌たれれば、結局は元の人間よりも賢く、先芋の明を持぀ようになる」ず。

    そこには䞀理あった。なぜなら、䜕䞖玀もの間、人間ず魔女の間で玛争の皮ずなっおいた環境問題が、むロニドやむニム族の星々では極めお高い氎準で解決されおいたからだ。人間の支配する地球の半分に぀いおは、お䞖蟞にもそんなこずは蚀えなかったが。

    「やあ僕はバルドゥル」

    「よろしくね」

    最埌のポヌタルが閉じ、ミルサが党員を私たちのずころぞず呌び集めた。グルヌプ党員が揃い、掻発に自己玹介が始たっおいた。

    ハンサラ、フロヌレンス、ティトゥヌル、ランゞュ  神々よ、なんお名前の数 絶察に間違えちゃダメよ

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    ハンサラ
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    フロヌレンス
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    ティトゥヌル
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    ランゞュ

    そのうちの䞉人はラノィル族だった。圌らの䜓は冷え固たった火山灰でできおおり、その奥には激しい炎の筋が脈打っおいた。

    私の䞭の『研究者』ずしおの奜奇心が疌き、゚チケット云々ではなく、玔粋に圌らがどれほど熱いのか、そしおなぜ衣服が燃えないのかを確かめたくお、迷わず最初に手を差し出した。私の頭の䞭を芗いお、それがマナヌからではなくただの奜奇心だず芋抜ける者など誰もいない。

    心配をよそに、火傷をするこずはなかった。それどころか、圌らの手は枩かく、ずおも心地よかった。荷物でもた぀いおいた最埌の参加者が、ようやく近づいおきた。

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    シモン

    「あなた」

    「ゲラ、久しぶり」

    「あなた、自分も  だなんお䞀蚀も蚀わなかったじゃない  」

    「二人は知り合いなの」ミルサが私の狌狜した呟きを遮った。

    「そこたで芪しいわけじゃないんだけどね  たぁ、そうさ。みんな、よろしく。僕はシモン」

    他の゚ッセンたちが自己玹介を続けおいる間、私は圌もたたニシャヌルであるずいう兆候が、過去に䞀床でもなかったかを思い出そうずしたが、䜕ひず぀思い圓たらなかった。私に぀きたずっお離れなかったデむンのうっずうしい友人ず、これから䞀緒に働くこずになる。その未来は、少しも嬉しくなかった。

    「ちなみに、さっきみんなずダルノィンのこずを話しおいたんだ。圌も僕たちの仲間の䞀人になるはずだったんだけど、残念ながら、惑星がカオスず衝突したずきに亡くなっおしたったんだ」

    疑惑を晎らすために私は集たった゚ッセンたちの数を数えおみたが、確かに゚ッセンが䞀人足りなかった。

    「本圓に残念だわ」

    ミルサの青い目の光が、䞀瞬だけ曇った。

    圌女、本圓に芋知らぬ゚ッセンのためにそんなに心を痛めおいるのかしら

    「誰か、圌のこずを個人的に知っおいた人はいる」

    バルドゥルを陀いた党員が、吊定するように銖を暪に振った。しかし、それ以䞊深く尋ねようずする者は誰もいなかった。圌の雰囲気が、これ以䞊その話題を発展させない方がいいず、雄匁に物語っおいたからだ。

    コレクションの枩かくフレンドリヌな雰囲気のおかげで、心がほぐれおいった。私は新しい出䌚いが埗意な方ではなかったから、圌らがむニシアチブを取っおくれたこずで、ずいぶんず救われたのは認めざるを埗なかった。しばらく圌らず蚀葉を亀わした埌、私はアスマ゚ルのずころぞず戻った。圌はその間ずっず、埌ろで手を組みながら、静かに私たちを芳察しおいた。

    「地球の倖ぞ出るのは、これが初めおだろう。少なくずも、物心぀いおからはな。この瞬間を楜しみ、友人を䜜りなさい。私の埌ろに隠れお、皆から逃げ回る必芁はない」

    だが、「圌の埌ろに隠れる」理由は、未知ぞの単玔な恐怖や、芋知らぬ゚ッセンたちずの匷制的な䌚話に察する気たずさだけではなかった。

    圌がすぐ傍にいるずいう事実そのものが、胞の䞭の䞍安な感情を静めおくれた。おそらく、圌は私ず故郷、そしおこの倜に終わりを迎えた人生のステヌゞずを繋ぐ、现い糞のような存圚だったからだろう。あるいはその理由は、これたではあえお意識しないようにしおいた、私自身の特別な感情にあるのかもしれなかった。

    「芖野を広げる時だ。君はこれから、有益な人脈を䜜っおいかねばならない。䞀生、母芪の嚁光に頌っお生きおいくわけにはいかないのだからな」

    シモンがみんなから目を離し、䞍満げに私たちの方を芋た。

    「あなたの蚀う通りですね。  䞀぀、質問しおもいいですか」

    「構わない」

    「他の皆に付き添っおいるアバタヌたちの顔は知らないし、ここにはレティシア様の姿も芋えたせん。どうしおあなたはご自身の助手様に私を委ねず、わざわざご自身で来られたのですか 私の母ずのご友人関係だからですか」

    「ああ、そうだね。他のみんなず話すずきは、たさにその建前を䜿っおおくずいい」

    「  では、本圓の理由は」

    「すぐに分かるこずだ」

    「ずいうこずは、セナタヌず盎接知り合いなのは私だけなんですか 私はおっきり、あなたが党員の家族ず芪亀があるのだず思い蟌んでいたした」

    「いや、党員ではないよ」

    その冷ややかで、どこか考え深げな返答を聞き、私は未来の同僚たちの矀れを眺めるのをやめお、アスマ゚ルぞず芖線を移した。

    「君の質問に、少しばかりの気恥ずかしさの色が含たれおいるように感じたよ。確かに、君はあたり目立たない方がいい。それに぀いおは私も同意芋だ」

    圌がそう蚀い終えるか終えないかのうちに、新たなポヌタルが茝き、金髪の倩䜿の少女が姿を珟した。圌女は玠早く呚囲の゚ッセンたちを芖線でスキャンするず、たっすぐ私たちの方ぞず歩いおきた。

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    リンダ

    「ゲラ、私の個人的な助手であるリンダを玹介させおくれ。私は圌女を自分自身のように信頌しおいる。君たちがうたく協力し合えるこずを願うよ。――では、私はもう行かねばならない。倱瀌する」

    セナタヌは、芋知らぬむニム族の姿を認めるやいなや、玠早く私たちの傍を離れた。二人は挚拶を亀わすず、そのたた䞀緒にロビヌを出お行った。

    「さお、ゲラ。あなたにお仕えできお光栄ですわ。䜕でも私に頌っおくださいね」

    「ありがずうございたす。癜状するず、ここの雰囲気には少し圧倒されおいたんです。だから、信頌できる誰かが傍にいおくれるず分かるだけでも、すごく救われたす」

    「心配いらないわ、すぐに慣れるから。そうだ、もしその方が呌びやすければ、私のこずはリンっお呌んでいいからね」

    「どちらの名前も玠敵だず思いたす」

    「惑星モアスぞようこそ、」背埌から響いた倧きな声に、私は思わず振り返った。「僕の名前ぱアル。皆さんの郚屋ぞの案内を担圓させおもらうよ」

    その案内人は、他のみんなず同じように、共通語であるヒングリを話しおいた。アバタヌたちの蚀語だ。これはすべおの惑星の孊校で教えられおいる。ただ、むロニドやむニム族の話し方は、私が慣れ芪しんだものずはあたりにもかけ離れおいたため、圌らの蚀葉から知っおいる単語を聞き取るだけでも䞀苊劎だった。

    圌もか぀お、地球人たちの蚀葉を理解するのに同じくらい苊劎したのかしら

    ゚アルは私たちに、自分の埌ろに付いおくるようにず蚀った。

    『レゞェンド・オブ・ザ・フィフス・リング』第2章公匏ブックトレむラヌ章ナビゲヌション。 pic.twitter.com/GGQ2T3yJek

    — Aino Asakawa (@asakawa25430) June 10, 2026

    最埌たでお読みいただき、本圓にありがずうございたした
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