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全部じゃないなら、何を選ぶか

    【管理職葛藤シリーズ#15】

    「全部じゃなくていい」と思い始めてから、
    もうひとつ考えるようになったことがある。

    じゃあ、自分は何を残して、何を削るのか。

    これまでの自分は、
    目の前のタスクに追われるように働いていた。

    降ってくる仕事をひたすらこなして、
    気づけば一日が終わっている。

    そんな状態が当たり前になっていた。

    でも、全部は無理だと受け入れたときに、
    考え方が少し変わった。

    すべてをやろうとするのではなく、
    何を優先するのかを決める必要があるのだと思うようになった。

    たとえば仕事の中でも、

    すべてを100点でやる必要はない。


    内容によっては、

    60点でも前に進めることを選ぶ。


    その代わり、

    本当に大事なものにはしっかり向き合う。


    また、すべてを自分で抱え込むのではなく、

    任せられるものは任せる。


    「自分がやらなければいけない」と思い込んでいた部分も、

    少しずつ手放していく。


    そしてもうひとつは、

    仕事と離れる時間を意識してつくること。


    土日、当番でない日は仕事用の携帯を触らない。

    子どもと過ごす時間には、

    できるだけ意識を向ける。


    最近は、

    日曜日の朝に少し早く起きて、

    近くの店でコーヒーを飲みながら過ごす時間をつくっている。


    たった1時間でも、

    仕事から離れて考える時間があるだけで、

    一日の感覚が少し変わることに気づいた。


    今までは、

    責任があるからこそ、

    自分がすべてやるべきだと思っていた。


    そして、そうやって働くことが

    評価につながるのではないかとどこかで期待していた。

    でも実際には、

    自分をすり減らしているだけだったのかもしれない。


    すぐにすべてを変えることはできない。


    それでも、

    何を残して、何を手放すのかを考えることで、

    少しずつ余白は生まれてくる気がしている。


    全部を取り戻すことはできない。


    でも、何を選ぶかは、

    これから決めていけるのかもしれない。

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    世界一周で「自分で選ぶ生き方」を知った理学療法士が、管理職で選択権を失い、取り戻す過程を記録しています。 訪問看護の舞台裏・管理職の葛藤・余白の作り方・父親としての問い・消えゆく日本文化。 どれも「自分の人生を選び直す」という一本の軸から書いています。

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