
AIで資料作成ーAIに資料の骨子を考えてもらうとき、最初に渡したい5つの情報
資料を作ろうとして、真っ白なページの前で手が止まったことはありませんか。
何を書けばいいのか分からなくて、とりあえずAIを開く。そして、「〇〇について、資料の中身を考えて」と投げてみる。思いついた一言やざっくりとしたメモだけを渡して、あとはAI任せにする感覚です。
返ってきたのは、なんだか当たり障りのない構成だった。文字はきちんと並んでいるのに、なぜかしっくりこない。
あるいは、伝えたいことをひととおり打ち込んだつもりなのに、話の順番がちぐはぐだったり、一番伝えたかったところが抜け落ちていたりした。そんな経験もあるかもしれません。
あなたはどちらでしょうか。実はどちらも、あなたの真意が伝わっていないから、AIは最適解を出すけど、あなたの考えを完全にくみ取ることはできないからです。
広告代理店で12年、その後フリーランスで3年、資料作成に携わってきたMIKIです。資料作成がはじめての方や、これまで自分で作ってきたけれどAIで効率化して自分好みのデザインに近づけたい方に向けて発信しています。
前回は、AIに資料を頼むときに渡す材料が2つあるという話をしました。ひとつは骨子、つまりどのページに何を入れるかという構成です。もうひとつは、どんなデザインで見せるか。この記事では、ひとつ目の骨子を、AIとどう作るのかをお伝えします。
▶ 材料が2つあるという話はこちら:AIに「資料作って」だけではもったいない。その一言に足すと仕上がりが変わる2つの材料
手が止まる一番の原因は、いきなり書こうとすること
骨子と聞くと、「きちんとした文章で書かなければ」と身構えてしまう人が多いようです。でも、整った文章を書こうとするから、手が止まります。
骨子は、文章の完成形である必要はありません。「このページでは何を伝えたいか」がひと言でわかれば十分です。最初から文章を作り込もうとすると、内容を考えることと言葉を整えることを同時にやることになり、時間ばかりかかります。
AIが出てくる前は、紙に手書き整理が主流
AIが出てくる前、私はこの作業を手書きでやっていました。紙に▢の升をいくつも並べて、このページには何を入れる、次のページには何を、と一枚ずつ考えていました。多分多くの方はこの形をとっていたと思います。ここにはかなりの時間を使いましたし、正直、そこで鍛えられた部分は大きいと思います。
ただ、その時間を全員がかける必要は、もうありません。書く前に、AIに話しかければいいからです。これをAIに任せて整理していきます。

ただ「話すだけ」では、薄いものが返ってくる
とはいえ、伝えたいことだけを話し(投げ)ても、返ってくるのは当たり障りのない構成です。文字が詰まっていたり、順番がしっくりこなかったり。
理由はシンプルで、誰に向けて、何のために、どんな資料を作りたいのかを、AIが知らないからです。同じ内容でも、社内の上司に決裁をもらう資料と、セミナーで初めて聞く人に話す資料では、並べ方がまるで変わります。
骨子を作るときにAIへ渡す、5つの要素
渡すのは、次の5つです。
伝えたいこと — 思いつくままで大丈夫です。整理はAIがしてくれます
誰に向けた資料か — 上司なのか、お客さまなのか、初めて聞く人なのか
何のための資料か — 決めてもらうのか、報告するのか、興味を持ってもらうのか
どんな資料か — スライドなのか文書なのか、だいたい何枚くらいか
つくり方のお願い — どう作ってほしいか
多くの人が渡していないのが、5つ目です。そして仕上がりを一番左右するのが、ここです。
5つ目の「つくり方のお願い」が、仕上がりを決める
私が普段、資料を確認するときに見ているポイントを、そのままAIへのお願いにしてしまいます。
1ページに入れるメッセージは1つだけ — 詰め込まれた資料は、それだけで読む気が失せます
結論から始めて、そのあとに根拠を並べる — 根拠から始めると、読み手は途中で迷子になります
最初に目次のページを入れる — 全体の流れが見えると、読む負担がぐっと減ります。3〜4枚で終わる短い資料なら省いてかまいません
最後は「ありがとうございました」で終わらせない — 最後のページには、読み手にしてほしいことを書きます
各ページはタイトルと伝えることだけ。文章は作り込まない — ここで作り込むと、あとで直すのが大変になります
あとから直すくらいなら、最初にお願いしておくほうが早い。それだけのことです。

そのまま使えるプロンプト
5つの要素を並べると、こうなります。
〇〇について、「タイトル(仮)」の資料のたたき台を作ってください。
・伝えたいこと:△△、□□
・読み手:社内の上司(決裁者)
・目的:新サービスの導入を決めてもらう
・形式:スライド10枚程度
・つくり方のお願い・1ページに入れるメッセージは1つだけ ・結論から始めて、そのあとに根拠を並べる ・最初に目次のページを入れる ・最後のページは、読み手にしてほしいことで締める ・各ページはタイトルと伝えることだけ。文章は作り込まない
ここで重要なのは、プロンプトをたくさん集める必要はありません。
渡す要素さえ分かっていれば、自分の言葉で書けます。むしろ、自分の資料に合わせて書き換えられるほうが、ずっと役に立ちます。
返ってきたたたき台は、ここだけ見る
つくり方までお願いしてあるので、形はだいたい整って返ってきます。残るのは、人にしか判断できないところだけです。
自分が伝えたかったことが、抜け落ちていないか
説明の順番が、読む人にとって自然か
話が前のページに戻っていないか(戻るときは、たいていページの分け方がずれています)
ここを直せば、骨子は完成です。文章を作り込む必要はありません。各ページの役割が決まっていれば十分です。
ピンとこないときは、並べ方の型に当てはめる
それでも、なんとなくしっくりこないことがあります。そういうときは、並べ方を型に当てはめると整います。
よく使うのは、”つかみ→課題→気づき→解決策→まとめ”、という流れです。AIに「この流れで並べ直して」と伝えるだけで、たたき台の印象が変わります。
骨子ができたら、中身を詰めてからデザインへ
骨子ができたら、そこから各ページの中身を詰めていきます。ここも、AIとのやりとりで進みます。
このページには比較の表を入れたい
ここは具体例をひとつ足してほしい
この説明が薄いので、もう少し厚くしてほしい
ここは言い切りたいので、短くまとめてほしい
こんなふうに、足したい要素や、文章を補強してほしい場所を指示していきます。骨組みができているぶん、どのページのどこを直したいのかを指しながら頼めます。全体をまとめて作り直す必要はありません。
中身が詰まったら、もうひとつの材料である「どんなデザインで見せるか」を渡す番です。
ただ、その前にもうひとつ考えておきたいことがあります。「ここはAIに任せて、ここは自分で決める」という線引きです。AIに伝えるだけで骨子が作れるようになると、つい全部を任せたくなりますが、任せきりにすると、資料からその人らしさが消えてしまうことがあります。
まずは、頭の中にあることを書き出してみる
いま作ろうとしている資料について、伝えたいことをそのままAIに投げかけてみてください。整った文章でなくて大丈夫です。思いついたままで十分です。そこに、誰に向けて、何のために、どんな資料かを足す。できるだけあなたの言葉で渡す。それだけで返ってくるものが変わります。
15年資料作成に関わってきて感じるのは、骨子に時間がかかる人ほど、最初から完璧な文章を書こうとしているということです。書く前にAIに投げてみれば、その負担は減らせます。
そして、伝えたいことが自分の中にあるかぎり、AIに手伝ってもらっても、その資料らしさは消えません。AI感丸出しの資料になるのは、伝えたいことがないまま任せてしまったときです。あなたの資料作成が軽く楽しくなりますように^^
最後までお読みいただきありがとうございます。
MIKI