
AIに「資料作って」だけではもったいない。その一言に足すと仕上がりが変わる2つの材料
資料の構成をAIを活用する人は、ここ2年でかなり増えました。「こういう資料を作りたい」と話しかけて、ページの並びのたたき台を出してもらう。私自身も、壁打ち相手としてAIを使い始めて2年ほどになります。圧倒的に時短になりました。
まだ試したことがない方は、まずはそこからで十分です。伝えたいことを話すだけでたたき台は返ってきますし、そのやり方は別の記事で詳しくお伝えしています。
すでに構成をAIと作っている人ほどぶつかるのが、その次の段階です。骨子ができて、ようやく「じゃあ、これで資料を作って」と頼む。ところが出てきた資料が、なんとなくいまいち。きれいではあるけれど、自分たちらしさがない。結局、あちこち直すことになる。直したいけど、画像化されていて直接編集できない…ここが壁でした。
広告代理店で12年、その後フリーランスで3年、資料作成に携わってきたMIKIです。資料作成がはじめての方や、これまで自分で作ってきたけれどAIで効率化して自分好みのデザインに近づけたい方に向けて発信しています。
この記事では、骨子ができたあとの「資料作って」の一言に、何を足せば仕上がりが変わるのかをお伝えします。
資料作成は、2つのステップに分かれている
資料作成をひとかたまりの作業だと思っていると、AIに全部任せられる気がしてしまいます。でも実際は、性質の違う2つのステップに分かれています。

>ステップ1は、何を伝えるかを決めるところ。
どのページに何を入れるかという構成、いわゆる骨子を作ります。AIと壁打ちしながら整理していく段階です。
>ステップ2は、それを資料の形にするところ。
決めた内容をどんな見た目に載せるかを指定して、実際のページに起こしていきます。
これまでは、それぞれに違う力が必要でした。ステップ1に必要だったのは、伝えたいことを言葉にする言語化力と、それをページに割り振る構成力。ステップ2に必要だったのは、デザイン力とセンスです。この両方がそろっている人はそう多くないので、資料の仕上がりは作る人によってバラついていました。
いまは、その両方をAIで補えるようになってきています。ステップ1は壁打ちで、ステップ2は型を持っておくことで。
AIに構成を相談しているとき、私たちはステップ1をやっています。そして骨子ができたところで、ようやく「これで資料を作って」という依頼になる。ここからがステップ2です。
この記事で扱うのは、ステップ2のほうです。ステップ1の具体的なやり方、つまりAIへの話しかけ方やたたき台の整え方は、次の記事で詳しくお伝えします。
▶ ステップ1のやり方はこちら:AIで資料作成ーAIに資料の骨子を考えてもらうとき、最初に渡したい5つの情報
つまり「資料作って」と打つ時点で、手元には骨子という材料がすでにあります。壁打ちで時間をかけて作ったものです。それなのに仕上がりがいまいちになるのは、もうひとつの材料を渡していないからです。
中身だけ渡すと、AIが見た目を勝手に決める
骨子だけを渡すと、AIはその中身をもとに、どんな見た目にするかも自分で決めてしまいます。どんなテイストで見せるか、どこを目立たせるか。決めないまま渡せば、AIは無難な形に整えるしかありません。それが「きれいだけど、自分たちらしくない」の正体です。
だから、渡す材料は2つです。
1.ページごとに何を伝えるか(骨子)
2.どんなデザインで見せるか
ひとつ目は、壁打ちですでに手元にあります。抜けているのは、たいてい2つ目のほうです。
デザインは、資料ごとに考えない。一度決めて使い回す
ここで気をつけたいのは、毎回好きなテンプレートをCanvaなどで選んで作る、というやり方はあまりおすすめしないということです。
自分や企業のカラー
——ここでいうカラーは、色そのものだけでなく、ブランディングや世界観のことです——に合ったテイストで作ることが、実は非常に重要です。クールな印象なのか、自然体でフラットな印象なのか、ラグジュアリーな印象なのか。こうしたテイストが資料のたびに変わってしまうと、見た人に「らしさ」が伝わりにくくなります。逆に、毎回同じテイストで表現されていることが、信頼につながっていきます。
だからデザインは、資料ごとに考えるものではありません。一度決めて、使い回す型として持っておくものです。決めておきたいのは次のようなことです。
・使うテンプレート
・文字のフォントやサイズ
・色の使い方
・余白の取り方
・図やイラストの見せ方
一度そろえておけば、次からは同じ型に載せるだけです。ページごとに「今回はどうしよう」と迷う場面がなくなります。

デザインをAIに渡す方法は2つ
決めた型をAIに伝える方法は、大きく2つあります。
ひとつは、使っているテンプレートの画像やファイルをそのまま渡すこと。もうひとつは、言葉でテイストを伝えることです。「余白は広めに、装飾は控えめに、色は3色まで」といった形で、決めたルールをそのまま書き添えます。もしくはYAMLのルールを渡すこと。
テンプレートを渡せるなら、そのほうが早いです。言葉だけだと、こちらの頭の中にあるイメージとずれることがあるからです。
骨子のほうは、3点を確認しておく
壁打ちで作った骨子は、渡す前に3点だけ見ておきます。
・資料全体で伝えたいことが整理されているか
・ページごとに伝える内容が分かれているか
・説明する順番が、ページの流れに沿っているか
この段階では、いきなり文章を完成させる必要はありません。各ページの役割が決まっていれば十分です。文章を作り込むのは、そのあとの作業になります。

2つを渡すと、AIとのやりとりが変わる
骨子とデザイン、この2つをそろえて渡すと、AIに任せる作業と、自分で判断する作業がはっきり分かれます。AIが引き受けるのは、決まった型に中身を流し込むところ。人が決めるのは、何を伝えるかと、どんな見た目に載せるかです。
まだ私自身、あらゆる資料でこの渡し方がうまくいくと確認できているわけではありません。まずは定型的な資料や、たたき台づくりから試していきたいと思っています。
日々のやりとりの中でも、少しずつブラッシュアップを重ねながら、自分の好みや考え方、アウトプットの型をAIに覚えさせていく。新しく入ってきたメンバーに仕事を教えるときと同じような、AI研修に近いスタンスで向き合っています。
まずは、自分の型を一度だけ決めてみる
骨子はこれまでどおり、AIと壁打ちしながら作れば大丈夫です。足りていないのは、そのあとに渡すデザインのほうです。
次に資料を頼む前に、一度だけ決めてみてください。使うテンプレート、フォント、色、余白。この4つが決まれば、もう型になります。あとは毎回、骨子と一緒に渡すだけです。
「ページごとに何を伝えるか」と「どんなデザインで見せるか」。この2つを足すだけで、返ってくる資料は変わります。
デザインを型として持っておくことは、資料の見た目や質が「作った人任せ」になってしまう属人化を防ぐことにもつながります。15年、資料作成に向き合ってきた中で気づいたこの考え方を、AI感丸出しではない、その人・その会社らしい資料づくりに役立てていただけたらと思っています。
あなたは、資料作成のどちらに苦手意識がありますか。構成(骨子)を作ることでしょうか。それとも、デザインへの落とし込みでしょうか。
その両方を丸っと解決してくれるのが、Claude Codeのテンプレート活用です。そのやり方も、これから詳しくお伝えしていきますね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
MIKI
▼ステップ1の、骨子―資料の構成作成についてはこちら