
【第七.五話】英雄の娘と閉ざされた部屋season2 断罪の天秤と灰の誓い
第七.五話 Cadeau d'amour〜エデールクリプナイト〜

私は、この大いなる力と共に産み落とされた。
天に刻まれた星座の座標が動かないように、
私の歩む道もまた、すでに定められている。
怖い。
口に出してしまえば、すべてが崩れてしまいそうで、怖い。
冷たい紙の上、無機質な文字で綴られた先輩たちの最期。
それを「歴史」という名のネタバレとして、指先でなぞっている。
私にとって、このノートに歴史を書き写すという行為は、
自らの遺書を綴ることに他ならないのだから。
いつか、私の番が来た時。
死神か、あるいは天使か。
私のドアがノックされた時。
私は、どんな顔でその扉を開けるのだろう。
その瞳には、最後にどんな景色が映るのだろう。
あれから幾つもの季節が巡り、私の背は伸び、影も長く地面を這うようになった。
大人たちの重たい視線が注がれる輪の中で、私はずっと、運命の重さに耐え続けている。
ねえ、リリア。
まだ背伸びをしていた頃、童話の王子様に抱いていたような、幼い憧れの「好き」。
それが、隣にいるあなたの体温に触れて、切実な「愛」へと形を変えていく。
そうして私の夜空に、たったひとつ、揺るがない「最愛という北極星」が輝きだした。
なら、私は、夜空を焼き尽くす流星群となって、この命が尽きるまで戦い続けるわ。
嗚呼、私の最愛リリア。
他の誰でもない、あなたのために。
この命は、私からあなたへ贈る、最後の**Cadeau d'amour(カドー・ダムール)**なのよ。
エレナより
※Cadeau d'amour(カドー・ダムール):愛の贈り物
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