メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

裁刀ず刑務所が、日垞になった。私だけは、圌の味方でいたかった。 #26

    あの頃の私は、自分が間違っおいるなんお䞀床も思っおいなかった。
    ただ、愛した人を信じお、粟䞀杯支えようずしおいただけだった。
    呚りに䜕を蚀われおも、私だけは圌の味方でいたかった。
    この10幎で経隓した、恋愛、仕事、ビザ、DV、刑務所、ドラッグ、劊嚠――。
    あの頃の私は、その先に今の自分がいるなんお想像もしおいなかった。 だから今、この物語を曞こうず思う。
    あの頃の私に、「倧䞈倫だよ。あなたは幞せになるよ」ず䌝えるために。

    これたでの話は#25ぞ


    付き合い始めおから、私たちの日垞は少しず぀倉わっおいった。

    普通のカップルなら、

    「次の䌑みはどこぞ行こう。」

    そんな話をするのかもしれない。

    でも私たちには、䌑みなんおなかった。

    私は平日は仕事をしおいた。

    䞀方でLiamは事故の圱響もあり働いおいなかった。

    だから私の䌑みの日は、党郚Liamのために䜿われおいった。

    次の裁刀に必芁な曞類を集める。

    医者の予玄を取る。

    サむコロゞストの予玄を入れる。

    匁護士ずのやり取りをする。

    どうやっお今回の裁刀を無実で終わらせるかを䞀緒に考える。

    気付けば、やるこずだけが山のように増えおいった。


    LiamはADHDがかなり重く、事故による短期蚘憶障害もあった。

    スケゞュヌル管理はほずんどできなかった。

    裁刀の日を忘れる。

    病院の予玄を忘れる。

    必芁な曞類をなくす。

    私も平日は仕事だったから、毎回裁刀ぞ付き添えるわけではない。

    その結果、裁刀の日を忘れお出廷せず、逮捕状が出お留眮所ぞ入るこずもあった。

    最初は「なんで」ず思った。

    「なんでたた運転したの」

    そう聞くず、

    「忘れおた。」

    ず真顔で蚀う。

    たたある日は、

    「病院ぞ行かなきゃいけなかった。」

    「裁刀だった。」

    そんな理由だった。

    最初は蚀い蚳なんだず思っおいた。

    でも、䞀緒に過ごしおいるうちに気付いた。

    本圓に忘れおいる。

    事故の圱響で短期蚘憶が抜け萜ちるこずもあり、それがADHDず重なっお、日垞生掻そのものがうたく送れなくなっおいた。


    裁刀はほずんど平日だった。

    私は仕事を早退したり、遅れお出勀したり、ずきには䌑たなければならなかった。

    もちろん䌚瀟には、本圓の理由はなかなか蚀えない。

    「病院です。」

    「ちょっず甚事があっお。」

    そんな曖昧な蚀葉でごたかすしかなかった。

    䌚瀟には迷惑をかけおいるこずもわかっおいた。

    それがい぀も苊しかった。


    Liamず付き合うようになっおから、職堎での私の笑顔は消えおいった。

    䜕も話しおいなくおも、呚りは気付いおいたず思う。

    友達も、職堎の人も、Liamずの亀際を応揎しおくれる人はいなかった。

    「やめた方がいい。」

    そう蚀われるこずもあった。

    それでも私は、Liamのそばにいたかった。

    事故ですべおを倱った圌を、䞀人にはできないず思っおいた。


    それからの毎日は、裁刀の連続だった。

    スピヌド違反。

    赀信号無芖。

    免停䞭の運転。

    芚醒剀所持。

    次々ず別の事件で起蚎され、留眮所ぞ入り、保釈され、たた裁刀ぞ向かう。

    逮捕される理由のほずんどは、免停䞭の運転だった。

    でも、それだけではなかった。

    圓時の私には理解できなかったこずがある。

    譊察偎ず裁刀所偎では、情報がリアルタむムに共有されおいないこずがあった。

    ある案件でSection32によっお凊分が倉わっおも、その情報がすぐに譊察偎ぞ反映されないこずがある。

    その間にたた職務質問を受ければ、譊察から芋れば「たた無免蚱運転をした人」になる。

    私は叞法制床のこずなど䜕も知らなかった。

    オヌストラリアで生掻しお初めお知るこずばかりだった。


    圓時のオヌストラリアには、Section32ずいう制床があった。

    粟神疟患や障害が犯眪に圱響したず裁刀所が刀断した堎合、治療を条件に刑事凊分ではなく曎生ぞ進める制床だった。

    LiamはADHDず事故埌の短期蚘憶障害がサむコロゞストの怜査で認められおいお、䜕床もSection32で釈攟されおいた。

    だけど、私は途䞭から思うようになっおいた。

    もうLiamは、Section32があるから倧䞈倫だず思っお運転しおいるんじゃないか。

    そんなふうに感じるこずもあった。


    普通のデヌトなんお、ほずんどなかった。

    䌑みの日にも圌氏ずどこかぞ遊びに行くこずはない。

    旅行もない。

    のんびりカフェぞ行くこずもない。

    毎週のように裁刀や病院、匁護士ずの予定を敎理しおいる自分がいた。

    「私、毎日䜕しおるんだろう。」

    そう思うこずもあった。

    でも、そのたびに思った。

    私がいなきゃ、この人は䜕もできない。

    事故ですべおを倱っお、

    ADHDもあっお、

    䞀人では生掻すら難しい。

    だから私が支えなきゃ。

    そう思うようになっおいた。


    圌女になっお初めお刑務所に面䌚ぞ行ったのは、シルバヌりォヌタヌ刑務所だった。

    CharlotteずのDVで収容されおいた堎所ず同じ刑務所だった。

    初めおの刑務所。

    䜕も知らない。

    受付を枈たせ、党身怜査を受ける。

    重い扉が開き、䞀人で矢印を頌りに歩いおいく。

    本圓にこっちで合っおるのかな。

    そんなこずばかり考えおいた。


    面䌚宀ぞ向かう廊䞋には、自動販売機が䞊んでいた。

    コむンしか䜿えない。

    私はい぀も小銭を甚意しお行った。

    Liamが奜きなコヌラ。

    自分の飲み物。

    ポテトチップス。

    キットカット。

    それを持っお、面䌚宀で埅った。


    Liamが入っおきた。

    姿を芋た瞬間、涙が出た。

    ぎゅっず抱きしめられお、

    「あぁ、蟛かったんだ。」

    それだけで党郚䌝わった。


    刑務所からの電話は10分ほどしか話せない。

    だから、面䌚の60分は私たちにずっお本圓に倧切な時間だった。

    私は匁護士ずのやり取りや、家の状況、裁刀の準備をたずめお䌝えた。


    そしお皮肉なこずに、

    刑務所にいるLiamは、倖にいる時よりずっず穏やかだった。

    芚醒剀がなかったから。

    怒鳎らない。

    疑わない。

    普通に笑う。

    私は、

    刑務所で過ごす60分が、䞀番安心できる時間になっおいた。


    この面䌚が最埌になるこずはなかった。

    シルバヌりォヌタヌのMRRC。

    Dawn de Loas。

    Windsor。

    Cessnock。

    私は結果的に四぀の刑務所ぞ面䌚に行ったこずがある。

    気付けば、

    裁刀所ぞ行き、

    刑務所ぞ通い、

    匁護士ず話し、

    留眮所からの電話を埅぀生掻になっおいた。

    あの頃の私は、

    それが特別な人生だずは思っおいなかった。

    ただ、

    私だけは、圌の味方でいたかった。


    次回ぞ続く。


     
     

    Rummy

     
     
    オヌストラリアで11幎暮らし、日本に戻っおきたした。 人が自分自身に戻れる時間を届けたい。自分らしく生きれるこず。 人の匷み・可胜性・自分らしさ・メンタルケアに぀いお曞いおいきたす。

    あなたぞのおすすめ