
【失敗談】20年以上塩漬けしているバイオIPO株の話 ―「夢」と「株価」は別だった―
もう20年以上も前か・・・。
確か、2005年。
IPOブームの熱気がまだ残っていた時代。
何度やっても当選しないIPO。でも、大和証券が主幹事の銘柄の一つ、メディシノバ・インク のIPOに当選しました。
株数は、1000株。
公募価格は400円。
購入額は40万円。
当時、「IPOに当たる」というだけでも、かなり嬉しかったんですよね。これ、大和証券の罠でした。
難病治療
バイオベンチャー
米国上場
将来性
ALSや多発性硬化症の新薬開発
…と、夢が詰まっていた。
社会的意義もある。
「こういう会社が成功するといいよな」
そんな気持ちもありました。
ただ、私は、浮かれることはありませんでした。
主幹事が大和証券SMBC。
昔から、なぜか“大和主幹事IPO”は、初値がそこまで爆発しない印象があったんですよ。松井証券などや主幹事をやると、爆発するんだよ~
もちろん全部ではないです。
でも、
「SBI主幹事のネット系グロース!」
みたいな熱狂感とは少し違った。
だから、
「まあ、大きくは上がらないかもしれないな」
くらいには思っていました。
ただ、まさか20年以上後に、
-100株になり
-株価226円になり
-評価額22,600円になり
-マイナス377,400円
-損益率 -94.35%
になっているとは、さすがに想像していませんでした。
これまで、大量の株主総会召集通知などなお知らせがあった気がします。アメリカでの開催、行けません。この会社、米国上場なんです。
そこもなんだか独特なんですよね。
日本株なのか、米国株なのか、バイオなのか、夢なのか。よく分からない。
なんとなく、2000年代のバイオIPOらしいとも言える。
そして気づけば20年以上保有。
完全に塩漬けです。
塩漬けどころではない。
もはや熟成。カピカピ。
発酵食品レベル。危険なレベル。
でも、まだ売っていません。
だから、損は確定していない。
ここ、大事です。
そして、こういう株を長く持っていると、だんだん変な感情も湧いてきます。
「もうここまで来たら、10日連続ストップ高とかやってくれ」それか、誰か株価を釣り上げてくれ!
みたいな。
普通の投資家心理ではない。
バイオ株を長年持っている人なら、ちょっと分かると思うんですよ。3Dマトリックスとか、カイオムとか、ノボノルディスクとか・・・・。
もちろん現実は厳しい。
バイオベンチャーは、
治験失敗
資金調達
希薄化
長期赤字
との戦いです。
ただ、メディシノバが目指している領域自体は、本当に重要なんです。
ALS。
進行性多発性硬化症。
難病。
もし本当に有効な薬ができれば、多くの患者さんや家族を救うことになる。
「ちゃんといい薬を作って、医師や患者から信頼される会社になってほしい」
という気持ちは、今でもあります。
しかし、投資という意味では、本当に勉強になりました。
社会的意義がある会社と、
株主が儲かる会社は、
必ずしも一致しない。
これは20年以上持って、かなり実感しました。
あと、IPOって、そもそも当たらないんですよね。
特に人気案件。
だから当選すると、つい舞い上がる。
「選ばれた感」もある。
でも、IPOだから儲かるわけではない。
むしろ、“夢が価格に織り込まれすぎている”ケースもある。
今となっては、本当にいい社会勉強でした。
とはいえ。
もし奇跡的に新薬が成功して、
株価が10倍になったら。
それはそれで、20年以上持ち続けた伝説の塩漬け株として、また記事を書こうと思います。