秋の空|風まかせ文芸部
「またなの?」
と、妻が、あきれる。
車を買い換えたい、と言い出した、私に。
「そういうのはね、移り気を通り越して、心変わり、というのよ」
確かに。先月は、カメラ。その前は、釣り竿。
「男心と、秋の空、って、言うだろ」
「女心、でしょ」
「いや、元は、男心なんだ。江戸時代から」
「……はいはい」
——本当の話なのだが、妻は、言い訳だとしか、思ってくれない。
秋の空は、うろこ雲を、浮かべて、素知らぬ顔を、している。
*
そう、江戸時代から、なんだよ。
はづかしや おれが心と 秋の空
iさんの風まかせ文芸部に参加します。
