【宮崎】清らかな水と神々の物語を追って─高千穂で出会う日本神話の原風景〜宮崎③高千穂町
天の岩戸伝説の伝わる高千穂峡谷にやってきました。
日向の国なので、御伴は日向正宗くんです。


↓↓前回の宮崎市内・日南海岸の旅はこちら
高千穂町の自然
高千穂峡(五箇瀬川峽谷)
高千穂町は古祖母山の合間にある、緑と水の豊かな町です。
町中どこを見ても神秘的な光景が広がっていて、神話の中にいるみたいな場所ですね。




正式名称は五箇瀬川峽谷(ごかせがわきょうこく)。
昭和9年(1934年)11月10日に国の名勝及び天然記念物に指定されています。
難しいことはわからなくとも、一目で納得できる光景ですよね。
五箇瀬川峽谷(ごかせがわきょうこく)
元々は砂岩、頁岩、チャートからなる広い谷あいでしたが、第四紀更新世に阿蘇カルデラにかかわる火砕流がこの地方の谷を埋めつくし、その後、再び五ヶ瀬川の浸食を受けて現在見られるような深い峡谷となりました。
本峡谷は長さ2㎞、崖の高さは、低いところで50m高いところで100mで、柱状の岩がそそり立つ景観が見れます。この峡谷は、狭く深い峡底を流れる流水と崖の両側に茂る森林とが相まって神秘的な景観を保っていることが特色である。
前回、宮崎旅2日目で紹介した「柱状節理」がはっきりわかる地形です。
70メートルも続くこの柱状節理は、「仙人の屏風岩」と呼ばれています。

柱状節理(ちゅうじょうせつり)
溶岩や火砕流が冷却するとき、体積が縮むことで 六角形の柱状の割れ目 が生じる現象。
形成条件
・高温の溶岩がゆっくり冷える
・冷却方向に対して直角に割れ目が入る
・六角形が最も安定した形のため多くが六角形になる

↓↓宮崎の神話の地と自然を楽しんだ、宮崎旅2日目はこちら
高千穂の生き物
高千穂峡を作った五ヶ瀬川には、たくさんの生き物が生息しています。
その生き物の一部を「高千穂峡淡水魚水族館」で見ることができます。


ヤマメやドンコのほかにも、国指定天然記念物のスイゲンタナゴなどの固有種・希少種を含む約100種が生息しているそう。
国見ケ丘など山の上流のほうだけでなく、観光客でにぎわうボート乗り場のところでもドンコなどが住んでいるようです。

へえ~ギギってこんな感じの魚だったんだ
— るちあ@陸奥国 (@__luchia_) June 6, 2026
結城秀康の逸話に、「顔がギギという魚似ている」ことから「於義丸」と名付けられたという話があるけど…
ことの真偽はともかく、ギギをはじめてみたわ
全長30㎝ぐらいになるというからそこそこ大きくなる川魚なんだね pic.twitter.com/J4c7qx02BF
また高千穂峡近くにある「おのころ池」には、チョウザメが泳いでいます。
水の透明度が高くて、まるで浮いているようです。



宮崎県は「宮崎キャビア」の生産で全国有数のシェアを誇っており、そのPRや養殖研究の一環として池で飼育されているそうです。
おいしそうだな~。
高千穂の湧き水
高千穂は日本の滝百選に指定された「真名井の滝」などに代表されるように、川や滝など水の豊富な土地です。
天孫降臨の際、この地に水がなかったので、 天村雲命(アメノムラクモノミコト)が水種を移した「天真名井」があり、そこから湧き出る水が「真名井の滝」の水源の滝と伝えられています。
高千穂には、この天真名井(あまのまない)のほかにも、玉垂の滝など湧き水がたくさんあります。
透き通った水が豊富にあるのはこのおかげなんですね。


霧島連山が連なるエリアは年間降水量が多く、また火山活動によって積み重なったたくさんの地層のおかげでろ過され、ミネラルたっぷりのおいしい水になるとのこと。
前回の日南海岸に見られた珍しい地形を作った火山や大地は、おいしい水や高千穂の神秘的な光景も作っているということなんですね。

お隣の熊本も、阿蘇山に浸透した水がろ過され透明度の高いお水が湧き出る場所ですね。
細川家に関わる水前寺成趣園など、その豊富で澄んだ水を見ることができます。本当にきれいなお水。火山の繰り返しでできた霧島連山による賜物ですね。
熊本の地下水が豊富で澄んでいるのは、阿蘇の噴火による水の浸透しやすい土壌と加藤清正の水田開発によるものだそう
— るちあ@陸奥国 (@__luchia_) October 22, 2022
熊本駅前にも手押しポンプがあり地下水を汲み上げることができ、断水時には生活用水として利用できるそうです
熊本市の保全活動は2013年に「国連生命の水最優秀賞」も受賞しています pic.twitter.com/n3wqMeZ6Lf
よい湧き水のあるところらしく、お酒造りも盛んなところです。
老舗の酒造もあり、焼酎の種類がたくさんあります。
東北にも酒造りの盛んな地域はたくさんありますが…どうして九州は焼酎が有名なんだろう?
九州に焼酎酒蔵が多い理由と、地域毎の特徴について
気候による向き不向きの説
日本酒も焼酎も製造の過程で「麹」を元に原料を発酵させ、もろみを作っていきます。日本酒に用いられる麹の大半は「黄麹」で、黄麹は温度が高いと発酵がうまく進みません。そこで九州地方では黄麹を発酵できない暖かい地方でも発酵できる「黒麹」が使われるようになりました。黄麹に比べ黒麹はクエン酸を発生することからもろみの腐敗を防ぐことができ、黄麹の発酵に苦戦しお酒を作れなかった九州地方ですが、黒麹の研究によって安定してお酒を作ることができるようになりました。
なるほど。酵母の発酵に適した温度が違っているため、暖かい九州は焼酎造りが盛んになったんですね。
そのほかにも、芋焼酎の原材料となるサツマイモの産地であったことや、焼酎の伝来ルートが沖縄や壱岐だったことなど、説がいろいろあるようです。
本当に東北の民からすると不思議なことばかりだなあ。
「かっぽ酒」「だれやみ」など、お酒にまつわる独特な言葉もあるよう。お酒と一緒に食べる郷土料理もおいしそうだなあ。
高千穂町の農業(世界農業遺産「高千穂郷・椎葉山地域」)
町内の栃又棚田は棚田百選に選ばれており、美しい景観が守られています。

本棚田地域は祖母山系古祖母山の山懐深いふもとを水源とし、河川の浸食作用などにより形成された深い渓谷を経由して五ヶ瀬川本川へ接続する五ヶ瀬川水系の支川岩戸川流末域の両岸にあります。右岸側の棚田地域を「栃又の棚田」、左岸側を「尾戸の口棚田」と呼称し、それぞれの棚田景観を形成しています。

この棚田のように、山々に囲まれ平地が極めて少ない環境下で焼き畑や山腹水路網をめぐらすなど、人々が長年工夫して培ってきた高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システムが評価され、2015年12月には世界農業遺産「高千穂郷・椎葉山地域」として認定されました。
このほかにも針葉樹による木材生産、広葉樹を活用したしいたけ生産など、宮崎県は林業が盛んであったりと、
また五穀豊穣などを願う神事の神楽も、厳しい山間地で暮らす人々の生活や地域に根差した文化として評価されています。
現在もほとんどの集落でどの集落独自の神楽が奉納され、そこに暮らす人々が生活の安定を願う祈念の場として大切に受け継がれています。

高千穂町の神話
高千穂に関わる神話は、主に「天高原神話」の天岩戸の神話が中心になります。
天岩戸のお話は、高天原での須佐之男命の乱暴により天照大神が天岩戸に隠れ、世界が闇に包まれることに。困った神々が一計を案じ、それによって天岩戸が開かれ天照大神が再び姿を現し、光が戻るという内容になります。


この天照大神がこもった天岩戸や、神々が相談を行った天安河原があるのが、高千穂町にある天岩戸神社・天安河原と言われています。
このほかにも、天岩戸伝説に関わる場所や神様を祀る神社がたくさんあり、高千穂に伝わる「高千穂神楽」ではその天岩戸のストーリーなどが演じられるようです。

この高千穂神楽、本来は冬のお正月の時期に夜通し演じられるものなのですが、現在は観光客向けの神楽も上演されているそう。
町内の高千穂神社にて、三十三番の神楽の中から代表的な4つを毎日上演しているそうです。

このほかにも町内にある高千穂町歴史民俗資料館では、神話や伝説、高千穂神楽などの民俗芸能、古代遺跡の出土品や古文書など、町の神話や文化を幅広く見ることができます。
行きたいところがたくさんあるところだなあ…。
さっそく、気になるところを順に回っていきたいと思います!
高千穂峡
まずは一番人気の高千穂峡へ。
朝のすがすがしい光が緑に映えてとてもきれい。
高千穂峡の真名井の滝がよく見えます。一番の撮影スポットですね。



左側のひときわ大きな岩が「鬼八の力石」
そんな五ヶ瀬川沿いに、きれいな池と大きな石があります。
高千穂に伝わる「三毛入野命(みけぬのみこと)の鬼八(きはち)退治」の中に出てくる、鬼八にちなむものだそうです。
神武天皇の兄、三毛入野命は東征の途中で高千穂に戻って悪行を働いていた鬼八を退治します。
しかし鬼八は強い魔力で一夜にして蘇ったため身体を頭・胴・手足の三つに切り離し別々に埋めました。
鬼八が埋葬されたとされる鬼八塚は「首塚」「胴塚」「手足塚」として今も残っています。
神武東征で知られる神武天皇の兄・三毛入野命がお姫様をさらうなど乱暴を働いていた鬼八を退治するというお話です。
古事記や日本書紀では、熊野で嵐にあった際に常世に旅立った三毛入野命ですが、高千穂では東征のあと九州に戻り高千穂に住んだという伝説が伝わっているそうです。
高千穂神社の本殿にも、鬼八を退治する三毛入野命の彫刻がありますね。



その三毛入野命が散歩をしていたところ、この七ツケ池の水鏡に泣いている美しい娘が映っていました。この鵜ノ目姫(うのめひめ)は鬼八にさらわれてここに連れてこられたとのことで、姫を助けるために三毛入野命が鬼八退治に向かうというストーリーになります。
また五ヶ瀬川の河原にあるひときわ大きい「鬼八の力石」
これは三毛入野命に鬼八が「俺はこれだけ大きな石を持ち上げられるんだぞ!」と力自慢した時の石だそう。

古代の鬼退治や怪物退治のお話などは、なぜか復活阻止のために体を3つに分けて封印するというものが多いので不思議ですね。
それ以外にも、三種の神器や天照大神をはじめとする三貴子など「三」に関わる神話も多いように思えます。
中国古代思想では「三」いう数が特別に使われていたりするので、それとなにか関係があるのでしょうか?気になるなあ。
「中国古代思想にみる「三」の機能構造」大阪大学言語文化学 Vol. 61997
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/78094/gbg_006_091.pdf
鬼八の伝説はお隣の阿蘇・熊本にも伝わっているそうで、そちらもまた面白いエピソードになっています。そちらのお話に関わる場所にも行ってみたいですね。
高千穂ボート
高千穂峡の一番人気は「高千穂貸しボート」
落差17メートルの真名井の滝を、ボートから間近で見ることができます。



滝の水しぶきがひんやりして気持ちがいいなあ~。
今日は予約で満員とのことだったので、たくさんの人でにぎわっています。
ボートを漕ぐのはなかなか難しいですが、こんなに近くで見れるのはうれしいなあ。


柱状節理…本当にこんなにきれいに角張っているんだね~。
しかし本当にどこを撮っても絵になる光景だな…神様のいるところと言われても十分納得できるほど神々しい。
緑もきれいですが、本当にお水が澄んでいて透き通っています。
高千穂あまてらす鉄道
さてお次は「高千穂あまてらす鉄道」に乗ってみたいと思います。
この鉄道は、1972年に開通した国鉄高千穂線の廃線跡を利用したアトラクションになります。
以前は延岡駅から高千穂駅まで、約50キロメートルの路線があったようですね。
現在は橋まで30分の距離を、旅行列車「トロッコ神楽号」で通っていきます。
2つのトンネルや旧天岩戸駅のある片道約2.5kmのルートを、時速15km以内でゆっくり走っていきます。五ヶ瀬川にかかる高千穂橋梁で停止し、絶景を眺めることができます。
高千穂橋梁は五ヶ瀬川の水面からの高さが105 メートル。大体大阪の通天閣(108メートル)とほぼ同じだそうです。

大体1日10~12本、1時間おきに走っているそうです。
チケット売り場と乗車口は、旧高千穂駅の駅舎がそのまま使用されています。
当時の雰囲気そのままの感じでいいですね。

駅のお隣には、昔の車庫を改装した「高千穂鉄道記念資料館」が隣接しています。
2005年まではこの車両が延岡まで走っていたんでしょうか?
館内のジオラマも圧巻ですね~。2005年の台風被害による被害を受ける前の光景が復元されています。1日3回電車が走って、その当時の様子が再現されるようです。


高千穂鉄道記念資料館の鉄道ジオラマ
— 白湯🐒 (@kisaragimonkey) June 8, 2025
高千穂鉄道各駅や橋梁、実現しなかった高千穂〜高森区間まで再現されている超大作。
約1年半かけて制作されたそうで、人形の配置など細かい部分まで制作者の拘りが感じられる#初夏の東九州縦断旅2025 pic.twitter.com/m24G8zLwDJ
時間になったので、いよいよあまてらす鉄道に乗車!
なんだかおもちゃの電車みたいな、かわいい車両だな~。
正式名称は「グランド・スーパーカート」とのこと。オープンカーなんですね。

トンネル内に入ると…天井にイルミネーションが映し出されます。
カラフルできれい~!
トンネルを抜けると、今度はすがすがしい木立の中を走っていきます。
途中で旧天岩戸駅を通過。駅のホームがそのまま、時刻表もベンチも当時のままで保存されています。

日本一高い高千穂橋梁に到着!
高いなー!栃又棚田のある町内が一望できますね。
新緑の季節だったので一面の緑がすがすがしいです。ちょうどいい時に来たなあ~。
グランド・スーパーカートの床はガラス張りなので、足元からも高千穂橋梁の下の様子が見えます。
シャボン玉の飛ぶ様子が風景ににあうなあ~
新緑の季節も良いですが、秋の紅葉の時期もきれいだろうなあ
その時にもまた高千穂に来れたらいいな
天真名井(あまのまない)
高千穂橋梁の眺めを楽しんだ後は、高千穂に流れる水の出どころ
「天真名井」によっていきます。
「天真名井」
天孫降臨の際、この地に水がなかったため、天村雲命が水種を移されたと伝えられています。欅の老木の根元からは今も水が湧き出ています。


神話的に言ったら、高天原からもらってきた水の種を植えたらお水が出るようになったと…「水の種」というのが山形の昔話にもありますが、種植えたらお水が出るタイプのお話はなんだか素朴でかわいいなあ。
もともと天孫降臨の際に、瑞穂の穂を天照大神から授けられ、育てるように神勅が下されていたのだそう。「斎庭(ゆにわ)の稲穂」のお話ですね。

稲作には水は欠かせないものだから、お水の話もできたのだとは思いますが…天孫降臨の時点ですでに水が豊富だったわけではなく、一回高天原に帰って水の種もらってきたところがなんだか不思議です。
現実的な考え方だと、湧水を探して井戸を掘ったなど、何かしら工事をしたことに由来するのでしょうか?
川の治水工事はヤマタノオロチ退治のような、龍や蛇を退治するお話になりそうですが、井戸を掘るタイプは水の種やひょうたん・徳利をもらってくるお話になるイメージなんでしょうか?
それはそれで民俗学的な面からみて興味深い違いがあるんですね。
さて天真名井ですが、大きなけやきの木の根っこに澄んだ水が溜まっています。
これが高千穂の湧き水なんですね…きれいな水だなあ…。
耳を澄ますと、ゴボッ…ゴボッ…というか、ゴクッ…ゴクッ…とお水を飲むような音が聞こえます。
一定の間隔をあけてお水が湧き出ているようですね。
なんだか落ち着く音だなあ…。
槵觸神社(くしふるじんじゃ)
天真名井の音で癒されたら、次は槵觸神社に向かいます。
槵觸(くしふる)とは聞きなれない言葉ですが、これは古事記からきているそうです。
天孫降臨の降り立った場所について、「筑紫の日向の高千穂の久士布流多気に天降ります」と記述があるそうです。つまりこの槵觸(くしふる)に降り立ったということですね。
「天孫降臨」の地として伝わる「槵觸の峰」にある神社
記紀神話で「天孫降臨」の地として伝わる「槵觸の峰」にある槵觸神社です。
昔から神山として崇めらえ、高千穂八十八社の一つでした。その後、江戸時代の社殿を建立しました。

荒立神社
主に天鈿女命を祀る神社。
神話のエピソードでも、踊りを踊ったりするお話があることから、芸能上達の御利益があるそうです。

境内の森の中を歩くと、ちりんちりんと透き通ったような音が聞こえます。
芸能を司る神様の森という感じがして神秘的だなあ~。
音の正体はたくさんの「板木」のようです。
境内には7回打つと7つの願いが叶うという「七福徳寿板木」や「干支板木」「未来板木」など様々な板木があります。
ウィンドチャイムがついた板木もあるようで、風が吹くたびにちりんちりんとなっているようですね。
天岩戸神社
棚田の広がるのどか~な道をとおって…

天岩戸神社に到着しました!
こちらには天照大神がこもった天岩戸が祀られている神社とのこと。
神話の中でも有名な場面ですね。どんなところなんだろう?

宮崎県高千穂町にある「天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)」は、日本神話で太陽神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)が隠れたとされる「天岩戸」を御神体とする神社です。岩戸川を挟んで「西本宮」と「東本宮」が鎮座しており、神秘的なパワースポットとして知られています。
西本宮(にしほんぐう)
天照大御神が隠れた洞窟「天岩戸」を御神体として祀っています(直接の立ち入りは不可)。
社務所で申し込むと、神職の案内により拝殿裏の遥拝所から天岩戸を拝観できます(所要時間約20分、1日15回程度)。
東本宮(ひがしほんぐう)
天岩戸から出られた天照大御神を最初にお祀りしたとされる社殿です。天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)を主祭神としています。
天安河原(あまのやすかわら)
西本宮から岩戸川に沿って徒歩約10分の場所にある大洞窟です。
天照大御神が岩戸に隠れた際、八百万(やおよろず)の神々が集まって相談した場所と伝えられています。洞窟周辺には無数の石積みが並び、独特の神秘的な雰囲気が漂います。
まずは東本宮にお参り。

というか神社の由緒が書かれた看板、真ん中にどでかい穴が開いていたんですが…これはなぜなんだい???
倒木を再利用したアートなどあるので、そういうものかな?


天岩戸神社の東本宮・西本宮入り口にある、天鈿女命と天之手力男神の像。
高千穂神楽の一場面を表しているそうで、このほかに落立(おちだち)神社・鉾神社・二嶽神社・石神神社の5社それぞれにも像が建っているそうです。



というか、天鈿女命の像、ボタンを押すと音が鳴って回るんですね。
面白いなあ~。
東本宮
ここ東本宮は、天岩戸から出た天照大神がお住まいになった場所とのこと。
岩戸川をはさんで西本宮の本殿向かいにあたる崖のところに、天岩戸があるそうです。
はちみつみたいな甘いにおいがするな~とおもったら、白いお花が咲いていました。ガクウツギみたいです。いい匂い~。
本殿の裏手には御神水がわいています。こちらのお水も透明度が高くて、水底がはっきり見えます。
写真で見ると水が見えなくて、逆に空っぽのように見えますね。実際にはなみなみとお水が満ちています。




西本宮
岩戸川を渡って、向こう岸にあるのが西本宮。
西本宮は天照大御神が隠れた洞窟「天岩戸」を御神体として祀っています。
こちらの遥拝所から対岸の天岩戸が見えるそうです。
自由に見られるわけではなく、30分ごとに神職の方の案内付きで遥拝所に入ることができます。

…いや~。でっっっっっっかい岩。
対岸の崖にある大きな洞窟の入り口を、でっかい岩が扉のようにふさいでおり、スケールの大きさにまず驚きます。
対岸から見ても巨大なのがわかりますから、近くでみたらどれだけの大きさ何だろう?
これどうやって岩持ってきてしめたの?
さらにその岩の扉の前にしめ縄がしめられていました。
天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸から出てきた際、再び岩戸に入ってしまわないように「ふたたび入れないようにしめ縄を張った」ということですが…しめ縄もかなりの長さと思われます。
断崖絶壁にあるので、しめ縄もどうやってしめたんだろ?と気になります。
なんにせよ、こんな光景を見たら確かに神様のいるところだ!と思うでしょうね。それだけ神秘的な光景でした。
拝殿横の神楽殿では、ちょうど高千穂神楽が上演されていました。
タイミングよく神楽奉納の日だったようです。

神楽奉納
○春季大祭 5月2日(終日) 3日(午前中)
○秋季大祭 9月22日(終日) 23日(午前中)
○天岩戸夜神楽三十三番大公開祭
11月第一日曜日 10時~22時
天岩戸神楽は33番の神楽で構成され、全部で16時間程かかるそう。確かに、1番1番10分以上は上演されてる…踊るほうも太鼓や笛を演奏するほうも大変そう。
一晩かけて踊るというのも納得です。
ちょうど、手力雄命が天岩戸を探し当てるシーンを表した「手力」と、天岩戸を開く「戸取」を見ることができました。
●28番 手力(たぢから)
手力雄の舞は、手力雄命が天照大神が隠れている天岩戸を 探し当てるところをあらわした舞。 鈴と紅白の岩戸幣を持ったこの舞は、静と動の折り合いが見 事に調和した神楽舞いです。手力雄命が持つ岩戸幣には冠 がついています。 青幣の山冠は天と水とを、赤幣の横冠は地と土を表し、分け 幣の手では青幣を立て赤幣を肩に当て或いは鈴を一緒に横 にして舞われる。ここでは青幣が山、赤幣は畑の象徴と説明 される。 しかし、ここでは鎮魂と復活という日神信仰を基調とする岩戸 五番のなかの一つとして舞われることから「細女 (うずめ)」の タマフリに対して幣を用いての天地の被い神楽として解する のがよりふさわしいように思える。 「楽」「戸取」 「舞い開き」を普通岩戸三番と称し、これに「伊勢」と「細女(うずめ)」を加えて岩戸五番と いう。「手力雄の舞」は本来伊勢神楽と同一の舞であり、三十三番の数に合わせて後に創案されたも のである。同じ手力雄の舞でも「手力雄」で用いる神面は白面であるのに対して「戸取」で用いる神面 は赤面である。
●30番 戸取
◎ 戸取(ととり)の舞
戸取明神(手力雄命)が天岩戸を開き、天照大神に再び出て頂く。こ れて又世の中に光が戻る事となる。 赤面に裁着袴、たすきを腰にはさみ杖を持った力強い手力雄の舞い。 「ああら来たり大神殿、なんとて出でさせ給わぬものならば、われ 百万神の神の力を出し一方の戸を取りて投げ捨つれば、伊勢の国は 山田ヶ原に着きにけり。また一方の戸を投げ捨つれば、日向国橋の 小戸の阿波木原にぞ着きにけり。その時日月さやかに拝まれ給うも のなりやぁー」 唱教しながら赤面の汗をはらい黒髪をふり乱し、渾身の力をこめて戸 をはらう手力雄の舞は「細女(うずめ)」の女性らしい優雅な舞とは対 照的な荒々しい力に満ちた男性的な神楽です。 同じ手力雄の舞でも「手力雄」で用いる神面は白面であるのに対して「戸取」で用いる神面は赤面。 これは戸取りという神楽の性格上、渾身の力をこめられるため面(おもて)が紅潮した状態を表してい るそうです。

天安河原
天岩戸神社から徒歩10分。
世界が暗くなり困り果てた神々が、どうやって天照大神に岩戸から出てもらえるかを相談したところが、ここ天安河原になります。
天岩戸神社西本宮から岩戸川に沿って徒歩で約10分、天照大神(アマテラスオオミカミ)が岩戸にお隠れになったさい、天地暗黒となり八百万(やおよろず)の神がこの河原に集まり神議されたと伝えられる大洞窟。

別名「仰慕ヶ窟(ぎょうぼがいわや)」とも呼ばれているように、巨大な洞窟の入り口、という感じのところですね。
周りにはたくさんの積まれた石が。別世界の入口という感じの雰囲気です。


岩戸川と土呂久川が合流する地点でもあり、川のせせらぎも心地いいです。


今でこそ自然の中で癒される光景の天安河原ですが…
ここで真っ暗な中、神話時代の一大事件を話し合った会議が開かれていたのかと思うと。神様たち大変だったろうな…。
太陽がなかったら本当に真っ暗すぎて、足元も不安だけど危険な野生動物もきそう…すごく怖い世界に変わりそうです。
本当に太陽が戻ってきてよかったね。
高千穂神社
最後に、高千穂神楽が毎日上演されている高千穂神社にやってきました。
高千穂郷八十八社の総杜
約1900年前の垂仁天皇時代に創建されました。高千穂郷八十八社の総社で、神社本殿と所蔵品の鉄造狛犬一対は国の重要文化財に指定されています。
主祭神は高千穂皇神と十社大明神で、特に農産業・厄祓・縁結びの神をして広く信仰を集めています。高千穂皇神は日向三代と配偶神の総称です。十社大明神は三毛入野命をはじめとする10柱を祀っています。

境内には大きな杉の木がたくさんあります。
根元が一つにつながった「夫婦杉」や、「鎌倉殿の13人」にも登場した御家人・畠山重忠が植えたといわれる樹齢800年の「秩父杉」など、県の指定文化財にもなっているそうです。
大きいな~。これだけでもパワーをもらえそう。


秩父杉
高千穂神社の境内に立つ、境内一番の大杉。
社伝によれば、鎌倉幕府創立を果たした源頼朝が、天下泰平祈願の代参として、有力御家人の一人、畠山重忠(はたけやましげただ)を派遣、高千穂神社に参詣した。文治年中(1185~90)のことという。このスギは、その際、重忠が手植えたスギだと伝えられている。畠山氏の出身が秩父だったため、秩父杉と呼ばれるようになったということだ。


高千穂の御幣を頂いてきました。
東北の民だから、初めて見たなあ~。
緑は水の神様・赤は日の神様を表すのだそう。
飾り方もむかって右に緑の御幣、左に赤の御幣をまつると決まりがあるそうです。へえ~。

高千穂神楽
夜になって、いよいよ神楽が上演されます。
こちらは観光用のシンプルバージョン。代表的な4つの演目が毎晩上演されるそうです。1演目あたりだいたい10〜15分で、1時間ほどの上演です。
先ほど天岩戸神社でも2つ見てきましたが、このほかに「鈿女」「御神体の舞」が演じられます。

「手力雄」「鈿女」「戸取」は天岩戸の神話に沿った内容になりますが、「御神体の舞」はなんだかコミカルな内容。
2柱の神が仲良くお酒作って楽しそうにしています。途中で客席まで巻き込んでワイワイやるような楽しい演目です。

●手力雄の舞
天手力雄命が、天岩戸を探し求めて開け放つ勇壮な舞。
●鈿女の舞
天鈿女命が岩戸の前で愛嬌たっぷりに舞い、神々が笑い合う様子を表現。
●戸取の舞
手力雄命が岩戸を力強く投げ飛ばすダイナミックな舞。
※前半
※後半
●御神体の舞
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の夫婦神が仲良く酒造りを行い、抱擁し合う夫婦円満の舞。
いやー!!面白かったなー!!
ストーリーやセリフなどが都度都度あるのかと思いましたが、ほぼ踊りで表現されていましたね。
何か劇を演じる…というより、「舞を奉納する」という感じ。
演目は舞台の横にある、落語などで使われているような「めくり」で、その時何が演じられているかがわかるようになっていました。
夜の高千穂は、真っ暗ですが神秘的。
お月様がよくみえるなあ~。


御朱印もたくさん!
今回たくさん神社を回ったので、御朱印もさまざま。
東北からはなかなか行けないところだったので、本当によい経験になりました。


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