売れない作品は、失敗なのか?── 商業漫画家として、今だから言えること。
■はじめに
売れた、売れなかった。
この二つのラベルに、私たちはどれほど心を揺さぶられてきたんだろう。
ありがたいことに、私はある程度の承認欲求は満たされてきた。
でも、それでも――「あの作品は失敗だったのか?」という問いは、今も心に残っている。
■私は「売れる努力」を、すべてやり尽くした
私は、売れることと、描きたい気持ち。
そのどちらも大切にして、作品を組み立てました。
売れる傾向や作品の分析。
ジャンル選定、読者層の想定。
ありとあらゆる対策を実施しました。
非の打ち所がないくらいには(笑)。
描きたいことの掘り下げも行いました。
どうすれば伝わるのか。
キャラクターの感情や、言動ひとつひとつを自然に伝えるにはどうすればいいのか。
画力の向上、演出の工夫。
改善に改善を重ねました。
■それでも「届かなかった」理由は?
――それでも、想像していたほどには「届かなかった」。
なぜだと思いますか?
SNS戦略が不足していた?
出版社が広告を売ってくれなかった?
運が悪かった?
……違います。
今なら、はっきりと言えます。
「描きたい感情や価値観を表現するための手段としての題材や設定が、最大化されていなかった」
とある世界がとても好きだった。
その世界を通して、私は大切な気づきを得た。
だから、その気づきを“そのまま”その世界を舞台に描いてしまったんです。
一見、正しいように見えます。
でもこれは、きっと「読者のことを考え抜いて選んだ舞台」ではありませんでした。
読者は、感動したくて漫画を読むんです。
「唯一無二性」なんて、実はそれほど求めていない。
求めているのは、心を動かす体験です。
そして今、私は改めてこう思います。
――「本当に伝えたい感情や価値観は、どんな舞台、キャラクターでなら一番伝わるのか?」
■本当に伝えたい感情は、どうすれば届くのか?
🔽私の創作フロー(改善後)
1. 伝えたい感情や価値観を言語化する。
──「何を伝えたいのか?」を、自分に正直に問いかける。
2. その感情や価値観は、どんな時に生まれたのかを掘り下げる。
── 実体験でも、印象的な他者のエピソードでも良い。感情が動いた瞬間を思い出す。
3. その感情や価値観が最大化される「舞台」や「キャラクター性」を考える。
── たくさんのアイデアを出し、「この舞台・キャラでなければ描けない」と言えるまで突き詰める。
4. “こうでもない、ああでもない”と、批判的に検証する。
── どこかで読んだことがある話になっていないか。感情は薄まっていないか。自分に問い続ける。
5. ここまで来れば、物語は自然に動き出す。
── 構成はあとから付いてくる。大事なのは、描きたい「核」がぶれないこと。
■おわりに
――そして、私は今また新たなスタート地点に立ち、歩みを進めています。
あなたが今描こうとしているその物語は、どんな舞台でなら、もっと自由に、もっと遠くまで届き、輝き続けると思いますか?
📚創作にまつわるnoteを書いています。
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📒この記事を読んでくださった方へ
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📚このnoteで触れているような価値観は、私の作品の中にも流れています。
もし何かを感じてくださった方がいれば、作品も手に取っていただけたら嬉しいです。(でも、気づいてもらえたら、それだけでとても報われます。)
