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Photo bytakao_y

考察探究型の道埳授業の玹介 文脈効果ず俯瞰の力

    考察探究型の道埳授業では、たず教材の内容を取り䞊げ、次にそれらに぀いお考察したす。その埌、考察した内容を広い芖点で芋盎し、 最終的にその䟡倀に぀いお深く考えたす。

    この䞉段階の掻動を通じお、 䟡倀に぀いお深く考えるこずができるのはなぜなのでしょうか。



    「教材内容を抜出する」掻動は、教材から人物の様子や蚀動を芋぀け出すこずです。たた、「抜出した内容を考察する」掻動は、その芋぀け出した内容を詳しく明確にするこずです。これらの掻動は、盎接的に䟡倀に぀いお考えを深めるものではありたせん。

    䞀方で、考察した内容を「俯瞰しお考える」掻動は、教材から抜出し考察した内容を、広い芖点で芋぀め盎し、そこから䟡倀に぀いお考えを深める掻動です。

    考察探究型の実践䟋から考える 前皿授業の具䜓䟋の䟋1䞻人公が積極的に家の仕事に取り組む話では、たず内容を抜出し、次に抜出した内容を考察したした。そしお、考察した内容党䜓を俯瞰しお、䞻人公が家庭の仕事を頑匵れる理由を考え、それを基に䞻人公が家族をどのように考えおいるかを話し合うこずで、「家族愛」の䟡倀に迫りたした。

    前皿授業の具䜓䟋の䟋2足尟銅山の鉱毒ず田䞭正造の話では、「瀟䌚悪」である鉱毒問題ず「瀟䌚正矩」である田䞭の行動のそれぞれに぀いお、 教材から内容を抜出し、抜出した内容に考察を加えお特城を浮かび䞊がらせたした。そしお、それら党䜓を俯瞰しお、正矩ある行動をするこずの倧切さに぀いお話し合い、「公正、瀟䌚正矩」の䟡倀に迫りた した。

    前皿授業の具䜓䟋の䟋3䞻人公の怠惰な様子が描かれた話では、たず䞻人公の行動を抜出し、次に䞻人公の行動に考察を加えたした。そしお、考 察した内容党䜓を俯瞰しお、節床や節制の䟡倀を実行する難しさを考え、䞻人公がやるべきこずを考えるこずで、「節床、節制」の䟡倀の栞心に迫るこずができたした。

    以䞊から分かるように、考察探究型の孊習の䞭で、䟡倀に぀いお考える圹割を果たしおいるのは、「俯瞰しお考える」掻動になりたす。

    俯瞰する掻動だけでは、䟡倀に぀いお考えるこずはできない

    しかし、「俯瞰しお考える」掻動だけで䟡倀に぀いお考えを深めるこずができるわけではありたせん。

    前皿の䟋1䞻人公が積極的に家の仕事に取り組む話では、「䞻人公が家庭の仕事を頑匵るのはなぜか」や「䞻人公は『家族』をどのように考えおいるず思うか」ずいう俯瞰しお考える発問を通じお「家族愛」の䟡倀に迫るこずができたした。

    しかし、教材文を読んだだけの状態の児童に、これらの発問を突然しおみおも、児童のほずんどは戞惑うばかりで、䟡倀に぀いお深く考えるこずはできたせん。

    児童が䟡倀に぀いお考えるためには、「家族に぀いおどう考えおいるのか」ずいう抜象的な問いに盎面する前に、「どんな行動を続けおいるのか」ずいう具䜓的な事実や行動に基づいた考察を深める必芁があるからです。深く考えるには、「考える材料 具䜓的な行動や゚ピ゜ヌド」ず「考える準備その背景を理解し、考えるための枠組みや芖点を敎えるこず」 が必芁なのです。

    この教材の堎合、「考える材料」は、䟋えば「䞻人公が家族のために毎日家事をこなす」ずいう行動や、「家族ずの絆を深めるために努力しおいる」ずいう゚ピ゜ヌドになりたす。
    そしお、「考える準備」 ずは、児童が物語の䞭で䞻人公の行動の背景を理解し、その行動がどんな䟡倀芳に基づいおいるかを探る過皋です。

    考える材料を揃え、考える準備を敎えるこずが倧切

    そのためには、たず、教材文から「えらいず思う行動」を抜出し、 次に、それらの行動を「えらいず考えたわけ」を話し合う掻動を行い たす。これらの掻動によっお児童は、䞻人公のすばらしい行動には䜕らかの理由があるず気づき始めたす。

    ぀たり、「䞻人公はすばらしい行いをしおいるな」ず気付き、「これは、なかなか真䌌できないな」 ず考え、「それなのになぜ実行できるのだろう」ず疑問をもち、児童が自分なりに理由を芋぀け、行動の背景を理解するこずで、䟡倀に぀いお考える準備が敎いたす。

    こうしお準備ができた䞊で、「頑匵るのはなぜか」や「家族をどのように考えおいるか」ず問いかけるこずで、「家族愛」の䟡倀に぀いお深く考えるこずができるのです。

    このように、「教材内容の抜出」の掻動で考える材料を揃え、「抜出した内容の考察」の掻動によっお「文脈効果」が生たれ、児童が䞻人公の行動の背景や意味を深く理解できるようになりたす。

    これらの過皋を経お、考える準備が敎い、児童は教材に含たれる䟡倀をより深く考える段階ぞず進むこずができるのです。

    䟡倀に぀いお考える材料や考える準備を敎えないず、考えられない

    前皿の䟋2足尟銅山の鉱毒ず田䞭正造の話では、「瀟䌚の正矩を守るこずに぀いおどんなこずを考えたか」ずいう教材内容の党䜓を俯瞰しお考える発問を通じお、「公正」や「瀟䌚正矩」の䟡倀に迫る こずができたす。

    しかし、教材を読んだだけの状態で生埒に、「 瀟䌚の正矩を守るこずに぀いお 」ずいう発問をしおも、突然出おきた「瀟䌚の正矩」ずいう蚀葉に戞惑っおしたうこずでしょう。

    やはり、䞍正矩の具䜓䟋を知っおその酷さを理解し、正矩の具䜓䟋を知っおそのすばらしさを理解し、その䞡者の違いを比べながら「瀟䌚の正矩を守るこず」 に぀いお考える必芁がありたす。

    そのため、たず、第䞀段階ずしお、鉱毒問題の状況を抜出し、その酷さに぀いお意芋を亀換したす。
    次に第二段階ずしお、田䞭正造の行動を抜出し、田䞭の考えを想像したす。これらの掻動を通じお、瀟䌚悪ず瀟䌚正矩を察比させた埌、「瀟䌚正矩を守るこずに぀いおどんなこずを考えたしたか」ず問いかけるこずによっお、「公正」や「瀟䌚 正矩」の䟡倀に぀いお考えるこずができるのです。

    この䟋でも、第䞀段階の「瀟䌚悪」の様子ず考察、第二段階の「瀟䌚正矩」の様子ず考察の掻動によっお「瀟䌚悪をそのたたにしおはい けない、正矩の行動が必芁だ」ず考える「文脈効果」が発生し、俯瞰する掻動に぀なげるこずで、䟡倀に぀いお考えを深めるこずができおいたす。

    はじめから䟡倀に぀いお考えられそうな堎合

    前皿の䟋3䞻人公の怠惰な様子が描かれた話では、教材に倚くの良くない蚀動が描かれおおり、「䞻人公は、なぜこのような行動をしおしたうず思いたすか」ずいう教材内容の党䜓を俯瞰しお考えさせる発問によっお、その行動をしおしたう理由人間の心の匱さを考え、「䞻人公は、どうするず良いず思いたすか」ずいう発問によ っお、行動しおしたう理由ぞの察応策を考え、「節床、節制」の䟡倀に迫るこずができたす。

    この教材の堎合は、教材を読んだだけの段階で、「なぜこのような 行動をしおしたうず思う」ず発問をしおも、児童は「面倒だから」「やりたくないから」などの理由をある皋床は挙げるこずができたす。
    同様に、「どうすれば良いず思いたすか」ずいう察応策を考える問いに察しおも、児童は「きちんずやろうず決意する」「気持ちに負けない」などの意芋をある皋床は述べるこずはできたす。

    これは、教材に描かれおいるような良くない様子が、孊校や家庭で日垞的に芋かけるものであるため、そうした状況に察しお「こうすればよいのに」ず考えた経隓があるからです。

    そうするず、身近な内容の教材では、「教材内容の抜出敎理」ず「抜出した内容の考察」は省略しお、「俯瞰しお䟡倀に぀いお考える掻動」に、はじめの段階から取り組んでもよいように思えたす。

    考える準備を怠るず、授業のねらいから逞れおいく

    しかし、この進め方では、怠けた様子に぀いお「改めるべきだ」ずいう共通の認識が䜜られおいないため、「やりたくないのは誰でも同じだ」「迷惑をかけおいないからそのたたでよい」など、䞻人公の蚀動を擁護する意芋も出るこずになりたす。
    これは、怠けた経隓は誰にでもあるし、その時に「少しならいいだろう」「文句蚀われたくない な」などず考えた経隓があるからです。

    その結果、「節床、節制」の倧切さを考える授業が、「本人の自由で良いのか」「きちんずしたほうが良いのか」を考える掻動に倉わり、 授業のねらいに“ぶれ”が生じおしたいたす。そしお、「節床、節制」 の䟡倀ががやけお曖昧になり、最終的に「節床を持ち、節制するこずは倧切」ずいう䟡倀に迫るこずは難しくなりたす。

    「教材内容の抜出敎理」ず「抜出内容の考察」で授業の軞を぀くる

    やはり、教材から怠惰な様子を倚数取り䞊げ、そうした様子が良くない理由を倚方面から考える掻動を行っお、「怠惰な様子を続けるこずは良いこずではない」「盎した方がよい」ずいう共通認識を孊玚党䜓で持぀こずが必芁になりたす。
    怠けるのは「自由」ではあるが、「そのたたでは良くない方向に進んでしたう」「修正した方が良い」「盎した方がいい」ずいう文脈効果を発生させた䞊で、党䜓を俯瞰しお䟡倀に぀いお考えるこずが倧切になりたす。

    たず、第䞀段階ずしお、「教材を読んで、良くないず思う䞻人公の様子はありたすか」ず発問し、教材から䞻人公の怠けた様子を発衚させたす。これによっお䟡倀を考える材料を揃えたす。

    次に第二段階ずしお、「このような䞻人公の様子をどう思いたすか」ず発問しお、䞻人公の様子を批刀させお、そうした状態や行動が良くないこずを孊玚党員で共有するこずが必芁です。

    これら第䞀段階・第二段階の掻動によっお「䞻人公の様子や行動は良くないから改めたほうがよい」ずいう文脈効果が発生し、児童の間には「良くない行動は改めるべき」ずいう共通認識が圢成されたす。 これによっお䟡倀に぀いお深く考える準備が敎いたす。

    そしお第䞉段階ずしお、「䞻人公は、なぜこのような行動をしおし たうず思いたすか」ず発問しお、「面倒だ」「やりたくない」ずいう気持ちが誰にでも発生しおしたうこずを確認したす。すでに第䞀段階、 第二段階の考察によっお文脈効果が発生しおいるので、これらの気持ち心の匱さも、克服すべき察象であるず認識されたす。

    そしお最終段階ずしお、「䞻人公はどうするず良いず思いたすか」 ず発問するこずで、そうした気持ちを制埡する方法や、良くない行動をしない方策を考え、最終的に「節床、節制」ずいう䟡倀に぀いお深く考えるこずができるのです。

    この䟋でも、第䞀段階、第二段階の考察によっお「䞻人公の行動は改めるべきだ」ず考える「文脈効果」が発生し、その䞊で、第䞉段階の掻動ずしお䞻人公の内面に分け入ったり、第四段階ずしお䞻人公が行うべきこずを考えたりするこずで、ねらいの䟡倀に぀いお深く考えるこずができおいたす。

    このように、教材内容を抜出し、考察を加えるこずで「文脈効果」が発生し、その䞊で䟡倀に぀いおの深い考察を促す掻動に進むこずで、 児童や生埒が䟡倀に぀いお深く理解し、実生掻に掻かせる力を身に぀けるこずができるのです。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・考察探究型で䟡倀に぀いお考えられる仕組み

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    内容の抜出敎理ず内容の考察によっお文脈効果が発生するず䟡倀に぀いお考えるこずができる

    考察探究型の道埳授業は、教材内容を抜出しお敎理し、それらに考察を加え、考察した内容を俯瞰しお䟡倀に迫りたす。こうした展開で、䟡倀に぀いお考えるのは「内容を俯瞰しお考える掻動」です。 これは、「教材内容を抜出敎理する掻動」ず「抜出した内容を考察する掻動」を行うこずによっお発生する 「・・・のはなぜだろう」 「・・・した方が良い」 などず考える 「文脈効果」 によっお可胜になりたす。

    文脈効果  蚀葉や行動の意味や解釈が、その文脈や状況に倧きく䟝存する珟象 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    考察探究型には、このような特城があるため、「教材内容の抜出」 ず「抜出内容の考察」は倧倉に重芁です。文脈効果が十分でない状態で「俯瞰しお考える」掻動に移行するず、ねらいの䟡倀から「ずれた」 状態で話合いが進んでしたうこずがありたす。
    第䞀段階、第二段階の考察によっお、考える材料ず考える準備を敎え、その䞊で党䜓を俯瞰しお考えるこずで、䟡倀に぀いお深く考えるこずができるのです。

    意識されるこずは少ないですが、「文脈効果」は倚くの教科の授業で甚いられおいたす。思い浮かべおみおください。


    ☆次の蚘事はこちらです。

    ☆考察探究型には、授業案集がありたす。


     
     
    教育孊修士 文郚科孊倧臣優秀教員衚地 指導教諭道埳科 「道埳科感想分析法」ずいう授業効果の評䟡方法や、「考察探究型の道埳授業」を提案しおいたす。月刊誌「道埳教育」では連茉を経隓させおいただきたした。

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