メインコンテンツへスキップ
見出し画像

銀河フェニックス物語<出会い編>  第一話 永世中立星の叛乱 (18)

      第一話のスタート版
           永世中立星の叛乱 (17)

     景色が流れていく。
     ティリー窓の外をぼうっと見ていた。

     どうしてこんなことになってしまったんだろう。
     初めて聞いたレーザー銃の発砲音。
     男の血だまり。

     ライナーに酔ったのだろうか気分が悪い。
     厄病神のせいだ。
     明日も困難な仕事が待っていると言うのに。

     外の風景に平屋の住宅が増えてきて気がついた。
     さっき乗った上り線の眺めと違う。

     都心部へ向かうつもりだったのに、わたしったら下り線に乗ってしまったんだ。
     わたしはかなりの方向音痴だ。次の駅で上り線に乗り換えよう。

    n17ティリー横顔泣きそう電車

     外の住宅や町並みがさっき見た都心の風景より古ぼけた感じがする。

     ガロンさん は格差が広がっていると話していた。
     おそらくライナーで下れば下るほど貧しい地域へ向かうということなのだ。

     * *

     
     ようやくティリーさんも間違いに気づいたようだな。

     ティリーが立ち上がったのをレイターは確認した。
     次は七十二ノ丸ステーションか。上り線のホームへ先回りするとするか。

     * *

     ティリーは七十二ノ丸駅で降りるとエスカレーターで上り線ホームへ向かった。
     乗り換え連絡橋でふと足を止めた。
     駅の窓に夕陽が差し込んでいた。白いガスの空が赤く染まり綺麗だ。

     木が生い茂っている場所が駅の近くに見えた。おそらく公園だ。
     故郷のアンタレスを思い出す。足が自然にステーションの出口へと向かった。

     駅の外へ出る。
     暮れかかった公園に人の姿はなかった。

     連絡橋から見た時は緑の木々に惹かれたけれど、実際に足を踏み入れると緑地は雑草が伸び放題だった。
     ベンチも古く、手入れされていない。枯れた葉やゴミが至る所に散乱していた。

     でも人のいない公園は今の自分には丁度いい。
     何も考えたくない。枯葉を踏む音を聞いて歩くと心が落ち着く気がした。

     人の気配がした。
     木に雨よけのシートがいくつも括り付けてある。その前で何人もの男性がご飯を食べていた。ここで生活しているのだろうか。

     ホームレスと言う言葉が浮かぶ。見てはいけないものを見たような気がした。

     離れよう。
     そう思った時に一人がティリーを指差した。

    「何だお前?」
     男たちが次々と集まってきた。ステーションへ戻ろうと思うのに足がすくんで動かない。
    「何しに来た?」
     取り囲まれてしまった。十人以上いる。思ったより若い人たちが多い。

    「さ、散歩していただけです」
    「こんな荒れたところの散歩が楽しいか」
     こ、怖い。

    「ハイハイ、そこまで」
     後ろから聞き慣れた声がした。驚いて振り向く。レイターだ。
     どうしてここに?
    「俺のティリーさんに手を出すんじゃねぇよ」

    n27見上げる3にやり

     そう言いながら集団の輪の中へスルリと入ってきた。わたしの隣に立つ。
    「何だ。てめぇ、こいつの彼氏か?」

     ち、違います、と否定しようとした時、一人が殴りかかってきた。

     レイターがかわしながら腹部に蹴りをいれる。男が吹っ飛び輪が崩れた。
    「この野郎!」
     男たちが次々と向かってきた。わたしは足がすくんだ。

     レイターはが向かってくる男たちを次々と倒していく。
     ボディーガードなのだから当たり前なのかもしれないけれど、この人めちゃくちゃ強い。

     思わず目を見張る。

     その時、相手の一人が銃を取り出したのが見えた。        (19)へ続く

    ・第一話からの連載をまとめたマガジン 
    ・イラスト集のマガジン

    あなたへのおすすめ