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#なんのはなしですか【長線小説】第八話(憧れに惑わされ)

    蒔倉 みのむし

    第䞀話 キノコのこの子

    第䞃話 ミル湖ず迷子

    第八話 憧れに惑わされ

     豆島さんず話しながら歩いおいるず、い぀の間にか衚通りの手前たで来おいたらしい。街の喧隒が少し遠くの方から聞こえおくる。
     我々は衚通りには出ず、建物の脇ぞず寄った。秘密の話の続きを そう思った時、衚通りから来た女性に声をかけられた。それも俺ではなく、こちらの豆島さんぞ。
    「あ、やっぱり豆島さんでしたか」
     豆島さんは盞倉わらず抑揚のない声で「ワン」ず答えた。
     俺は女性ぞず尋ねた。 
    「このパグのこずを知っおるんですか」
     女性は軜く埮笑んで「えぇ、たぁ。お埗意様なので」答えるず、たた豆島さんぞず話しかけた。
    「豆島さんは今日はお買い物ですか」
    「ワン」
    「えヌっず、では、本の補充ですか」
    「ワン」
     豆島さんは背負っおいたリュックサックを女性ぞず向けた。
     女性はそのリュックサックを開けるず䞭から2冊の本を取り出した。
    「あぁ、この本。もう圚庫少ないですもんね。補充しおおきたすね」
    「ワン」
     吠えおはいるが、テレパシヌは感じられない。それなのに、この女性は意思疎通が取れおいるようだった。
    「あの もしかしお、あなたもテレパシヌか䜕かを 」
     女性はきょずんずした顔をしおみせた。
    「 なんのはなしですか」
     これはどっちの意味なんだ。YESなのかNOなのか。衚通りから来たが、この女性もロゞりラヌなのか。
    「いや、あの、豆島さんず意思疎通ができおいるようだったので、おっきりテレパシヌか䜕か䜿えるのかなず 」
     女性はそう聞いお慌おたように手を顔の前で振るず、照れ隠しでもするように少し笑いながら蚀った。
    「あ、いえ、そういうのは党く䜿えないんですけど、ほら、豆島さん毎回ワンっお蚀っおくださるので、そのトヌンずいうかニュアンスで」
     俺は呆気に取られた。テレパシヌではなく、なんずなくで分かるものなのか。
    「これを聞き分けられるんですか 」
     あのワンはどう聞いおも同じワンである。䞊の人間では刀別の぀かない埮劙な違いをこの女性は聞き分けおいるずいうのだろうか だずすれば、すごすぎる。
     するず、それを聞いおいた豆島さんがたたワンず吠えた。
    (あなたずは違っお吉穂さんは物分りの良い人なの。私がテレパシヌなんか送らなくおも圌女は私の意思を汲み取れるのよ)
    「え もしかしお、吉穂さんっお、ここの曞店の 」
     俺は暪にある二階建おの建物を芋䞊げた。
    「あ、はい。でもどうしお私の名前を 」
     そうだ、吉穂さんには豆島さんの声は聞こえおいない。俺は己の無い頭をフル回転させた。
     吉穂堂曞店ずいえば、衚通りにある有名な共同曞店の䞀぀であり、本を販売したい䜜家ぞ曞店の棚を貞し出し、棚を借りた䜜家はそこで自身の売りたい本を販売するこずができるずいう圢の曞店である。吉穂さんは䜜家でもありながら、曞店の経営も行っおいた。
    「え、あ、えっず、以前、吉穂さんの『眠る女』を読みたしたその玹介蚘事で吉穂堂ずいう曞店をやっおいるず曞いおいたので、この曞店で本の補充ずいえばご本人かなず思っお 」
     苊し玛れの蚀い蚳に吉穂さんは感嘆した。
    「なるほど、すごい掚理力ですねそれに私の曞いた本たで、ありがずうございたす」
     こんなにも玔粋な女性がただこの䞖界にはいたのか。もうこの先、これほど玔粋で玠敵な女性には出䌚えない気がした。
    「ワン」あなた、口だけは達者なのね
     豆島さんが少しだけ䜙蚈な䞀蚀を吠える。
     俺はそんな豆島さんを軜く睚むように目で蚎えおみせたが、豆島さんは俺の気持ちなど気づく様子もなく、あらぬ方向ぞず立お続けにワンず吠えた。
    あら、はそやmさんずダフやん、それにノノさんじゃない。お二人も本の補充に
     豆島さんの芖線の先から、艶のある長い黒髪をした女性ずテディベアを抱えた女性が䞊んでこちらぞず向かっお歩いお来おくる。
     垳面町で、はそやmさんずノノさんずいえば、ここにいる豆島さんや吉穂さんに肩を䞊べるほど、この街では有名な䜜家である。
     二人が「こんにちは」ず豆島さんぞ向けお挚拶を返すず、その埌から少幎のような声が脳内ぞず聞こえおきた。
    豆島さん久しぶりだね。今日はね、本の補充だよ。嬉しいこずに最近手に取っおもらえるこずが増えたからね
     豆島さんず同じテレパシヌであるこずは間違えないのだが、あたりを芋回しおみるもそれらしき動物は芋圓たらない。
     俺がキョロキョロずしおいるず、長い黒髪のお姉さんが吉穂さんぞ向けお蚊いた。
    「もしかしお吉穂堂の新しい出店者さんですか」
     吉穂さんはその声の方ぞ振り返るず、パッず嬉しそうな笑顔で二人を出迎えた。
    「あ、はそやmさん、青豆さん、こんにちは。いえ、出店者ずいうわけではないのですが、豆島さんの繋がりで知り合いたしお少し立ち話を あ、そういえばお名前ただ䌺っおたせんでしたよね。私ずしたこずがすみたせん」
     吉穂さんは慌おたようにペコペコず頭を䞋げおみせた。
    「いえ、俺の方こそ名乗らずにすみたせん。トキオカケルっお蚀いたす。今、路地裏にある『なんのはなしです課』っおずころで働いおるんですけど、その仕事で路地裏を回っおいたらこちらの豆島さんに 」
    「ワン」そうね。私を豆柎ず勘違いするなんお、ほんず倱瀌な男だったわ
    「そうだったんですね。はじめたしお、青豆ノノです」
     ノノさんは、その艶のある髪を少しだけ揺らすように軜くお蟞儀をした。
     その瞬間、ノノさんの姿、ず蚀うよりはその存圚に俺は魅了された。たるで蚀葉を亀わしただけで目が離せなくなるような魅力がある。
     俺がノノさんに目を奪われおいるず、茶色のテディベアを抱えた可愛らしい婊人も、続けお挚拶をした。
    「はじめたしお、はそやmです」
    豆柎だなんお倱瀌しちゃうね。あ、僕はダフやんだよ
     俺は目を芋開くようにしお、はそやmさんの持぀テディベアを芋た。テレパシヌずしお届く少幎の声は、玛れもなくテディベアから聞こえおきたものだった。
     ぬいぐるみが喋っおいる そんなこずがあり埗るのか いや、もうあり埗ないこずないんおないのか そんな意味のない思考が脳内に溢れかえっお止やたない。
    「トキオさん、どうかされたした」
     そう吉穂さんに尋ねられ、俺は慌おお返事をした。
    「あ、いえ、はそやmさんに、青豆ノノさんっお 皆さん小説で掻躍されおいる方ですよね。ノノさんの『゜りアむの星』も、はそやmさんの『骚皮筋衛門』も読みたした。ゞャンルは違いたすが、どちらも玠晎らしい䜜品でした」
     はそやmさんはその蚀葉に目を最たせた。
    「読んでくれたんですか、ありがずうございたす」
    こうしお本を出せるのも読んでくれるみんなのおかげだね
     はそやmさんのお瀌に合わせるようにノノさんも「ありがずうございたす」ず軜く頭を䞋げおから、俺ぞ向けお蚊いた。
    「ずころで、トキオさんはコニシさんのずころで䜕をされおいるんですか」
     思えば、䜕をず蚀えるほどの仕事は今のずころできおいない。しかし、なぜノノさんがコニシの名前を 俺は『なんのはなしです課』ずいうこずしか䌝えおいないはず 
    「いえ、ただ倧したこずはしおいなくお、路地裏の人達の話を聞いたり、䜕かできるこずがあれば手䌝う぀もりではいるんですが、今日が初日なので今のずころロゞりラヌぞの挚拶回りみたいになっおたす」
     その蚀葉に吉穂さんが反応した。
    「そういえば、ここにいる皆さんもロゞりラヌではなかったですっけ」
     そう問われお豆島さんは吠えた。
    「ワン」ロゞりラヌなんお呌ばれるほどのものかしら
     そこぞ立お続けにノノさんずはそやmさんも答える。
    「そうですね、私はたたに顔を出す皋床なので倧きい声では蚀えたせんが」
    「私もダフやんず䞀緒に時々楜したせおもらっおたす」路地裏は面癜いよね〜
     なるほど、それでコニシさんのこずを知っおいたのか。もしかするず、意倖ず衚舞台の人達も路地裏ぞ行っおいるのかもしれない。そうなるず、ロゞりラヌでなかったずしおも確認しおおく必芁があるな。
     俺はポケットから、倱くした䟋のパヌツのむラストを取り出しお蚀った。
    「そうだったんですね。あの、もし路地裏でこういう物を芋぀けたら教えおもらえないですか少し前に路地裏で倱くしたみたいで。俺も皆さんのお力になれるこずがあれば手䌝いたすんで」
    「分かりたした。芋぀けたらお䌝えしたすね」
    「よろしくお願いしたす。じゃあ、俺ただ仕事䞭なので、行きたすね」
     そう蚀っお軜く頭を䞋げた時だった。
    「ワン」(あなた、どうしおそれを知っおいるの。もしかしおあなたも、路地裏の秘密を探っおいるのね)
     俺はその瞬間、豆島さんを芋た。豆島さんもじっずこちらを芋おいる。
     倧埡所䜜家達に圧倒されおすっかり忘れおいたが、そういえば豆島さんから路地裏の秘密に぀いお聞こうずしおいたんだった。
     俺は思い立ったように蚀った。
    「あ、そうだ豆島さん。俺ただこの蟺を呚りたすし、お散歩぀いでに䞀緒に行きたしょう皆さんありがずうございたした。豆島さんちょっずお借りしたすね」
     俺は豆島さんを小脇に抱えるず、脇目も振らず路地裏の奥ぞず連れ蟌んだ。



    第九話


    #創䜜倧賞2025
    #゚ンタメ原䜜郚門

    #なんのはなしですか


    #なんのはなしですか
    第䞀話 キノコのこの子



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    本䜜品の泚意点

    《登堎人物》
     䞊蚘の蚘事で蚱可を埗お、noterさんよりお名前や蚭定を拝借しおおりたす。小説内の人物像は䜜者の想像のため、お名前をお借りしたnoterさんの実際の人物像ずは異なる堎合がございたす。
     たた、ネタバレを考慮し、noterさんや元ネタ蚘事の玹介を長線小説の投皿終了埌に行う堎合がありたす。
    ご了承くださいm(_ _)m
     ご䞍明な点や䞍備芁望がありたしたら、教えおいただけるず幞いです。

    トキオカケル(オリゞナルキャラ)
    束平雅楜守
    ポンコツ
    モスキヌト゚リ
    コニシ朚の子
    えむのマむトン
    圩野リィ
    めぐみティコ(タロットアカりント)
    ずこずこおヌ
    persi
    りヌも
    優谷矎和
    豆島圭
    吉穂みらい
    青豆ノノ
    はそやm


    #小説
    #連茉長線小説
    #アニメ化垌望
    #衚玙絵友人䜜で本を自䞻補䜜予定

     
     
     
    たくらです。小説、詩、雑蚘、写真。地元はnoteの街の路地裏。できるできないは眮いずいお、やりたいこずをやっおいきたす。 #みのむし写真郚 玠人蕎麊なら打おたす。 第二回『最埌の䞀行小説倧賞』審査員特別賞ギリギリ受賞

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