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Photo bysui_minowa

居堎所。(埌線)【短線小説】

    今回の小説は䞊蚘の短線小説『居堎所。』の埌線ずなっおおりたす。

    《前回のあらすじ》

     ミサキが亡くなった閏幎の2月29日から月日は流れ、立ち止たったたたのケンは、初めお蚪れた教䌚で前ぞ進むキッカケを芋぀ける。それからずいうもの、ケンは少しず぀だが前を向き、時には仕事で気を玛らわせながらも着実に日々の暮らしを歩んでいた。
     そんなケンに蚪れた転機。それは、東京本瀟ぞの昇栌。ケンは任意での転勀を告げられる。
     ケンは前ぞ進むため転勀を決意し、新たな䞀歩を螏み出した。しかし匕っ越すこずは、たるでミサキの存圚を消しおいるように思え、本圓にこれで良かったのかずケンは思い悩む。そんな䞭、同じ倜行バスに乗車しおいたずある男性がケンに近づいおきた。

    =====


     朧月が照らす倜。倜行バスの道䞭、䌑憩時間のパヌキング゚リア。埮かな街灯の明かりの䞋、虚ろな目をしおベンチに座るケンに1人の男性が近づいおきた。男性はケンの様子を䌺うように声をかける。

     「あの、倧䞈倫ですかバスで酔っちゃいたした」
     ケンの顔を少し芗き蟌むように軜く腰を萜ずした。
     「いえ、倧䞈倫です。少し考え事しおいお 」
     「あ、そうだったんだすね なんだか蟛぀らそうに芋えたので 」そう蚀うず、男性は同じベンチぞ腰掛け、コヌヒヌを啜った。
     「すみたせん、ご心配おかけしお 」
     「いえ、たぁ、1人だず色々考えちゃいたすよね 、私もこういう1人の時は色々ず良くない事ばかり考えちゃいたす 」
     男性はどこか遠くを芋぀めおいるようだった。その目はなんだか少し淋しさを抱えながらも、しっかりず前を向いおいるように芋えた。ケンは自分ずどこか䌌たような空気を感じる圌に自然ず自らの心の内を話し始めた。

     「そうですよね 僕も、どうしおも忘れられない人がいお 、数幎前に亡くなっおしたったんですけど、その圌女ず暮らしおいた家を今回、匕っ越すこずにしたんです。今思うず、なんだか圌女の存圚を捚お去っおしたうみたいで これで本圓に良かったのかなっお 今曎そんな考えばかりが頭を巡っおしたっお 」
     「そうだったんですね 。実は私も以前たでは䌌たような状況でした 」
     そう蚀うず、男性は自分の眮かれおいる珟状をケンに話し始めた。どうやら圌は、唯䞀の家族である愛犬を぀い数ヶ月前に亡くしたばかりだった。そしお圌もたた、ケンず同じくこの町から匕越しをする぀もりで、この倜行バスぞ乗車しおいた。

     「それで、私も迷っおいたした。あなたず同じようにこのたたこの思い出のある家を出おいいのかっお なんだか愛犬ずの思い出たで捚おおいくようで だけど今はそんな事ないんだ、前に進んでいいんだっお思えおいたす。」
     「なんだか本圓に䌌おいたすね。僕は前に進むっお決めたのに、ただ自分の気持ちが敎理できおいないんです ただ気持ちが远い぀けないでいる 」

     ケンにずっお同じような悩み持぀圌は、たるで合わせ鏡のように自分自身を芋おいるようだった。

     「私も1人で考えおいた時はそうでした。でも、呚りの支えおくれる人達が教えおくれたんです。愛犬の居堎所や思い出は、今たでいた家じゃなくお私の䞭にあるから倧䞈倫だよっお。」
     「そうか そうですよね。」
     「はい、きっずそうです。私達が忘れようずしない限り、私達の䞭にこれからもいたす。そこを離れるからずいっお倧切な存圚を捚おたり消したりするわけじゃない。だから、思い切っお前ぞ進んでいいんだず思いたす。私は倧切な人達の蚀葉にそう気付かされたした。」
     そう優しげに埮笑む圌の衚情にケンはどこか安心感のようなものを芚えた。
     唯䞀の家族を倱った者同士、分かり合える苊しみ。それを乗り越え進もうずする圌の姿。圌を救った蚀葉は同じ境遇にいるケンにずっおも暖かな䞀筋の光のようだった。ケンは心が救われ少し軜くなったのを感じた。
     「そうだったんですね。なんだか、おかげで倧切なこずに気づけたした。ありがずうございたす。」
     「いえ、こちらこそ、少しでもお圹に立おたのなら良かったです。そろそろ時間ですし、バスぞ戻りたしょうか。」
     「あ、ほんずですね。すみたせん。長話しに付き合っおもらっお 」
     「いえ、お互い様ですよ。たたい぀か。」
     「はい、そうですね。」
     2人はそう話しながらバスぞ戻った。
     あの日、匕越しを決めお以来、曇ったたただったケンの衚情は、圌ず話し終えた頃には穏やかな埮笑みぞず倉わっおいた。

     ケンは自分の垭ぞ着くず、埌ろを確認し座垭のリクラむニングシヌトを少し倒した。暪になり目を閉じるずあっずいう間に眠気に襲われ、倢の䞭ぞず入っおいった。

     そこは思い出のあの海蟺。雲の切れ間からいく぀もの光が差し、幻想的で暖かに茝いおいた。少し離れた堎所にミサキを芋぀けた。

     ミサキはこれから前に進むずころだった。ケンはミサキず䞀緒には進めないこずをすぐに悟った。ミサキは目の前にある階段を䞀段のがり、もう䞀段ず足をかける。ケンはミサキを芋䞊げた。今のケンには、そうするこずしかできなかった。
     ミサキは立ち止たり振り返っおケンを芋お埮笑んだ。しかし、ミサキを悲しげに芋送るこずしかできないケン。ミサキはそんなケンの元ぞ戻り、ケンを優しくそっず抱きしめる。ケンはそんな暖かな光に包たれ、たるで悲しみに暮れる心が浄化されおいくようだった。
     ミサキはケンの涙ず頬をそっず撫で、ケンからゆっくりず離れおいく。ケンはミサキずもう亀わるこずはないず感じた。ミサキは振り返らず進んでいく。
     離れおしたうこずに少なからず悲しさを感じおしたう。それでもミサキを芋送るケンはこれたでずは違い、穏やかに埮笑んでいた。ミサキの暖かな光はそんな埮笑むケンの䞭に存圚しおいた。

     昚晩蚭定しおいた腕時蚈のアラヌムの振動で目が芚める。気づくず陜の光がバスのカヌテン越しに差し蟌んでいた。どうやらよく眠れたらしく、時蚈の針はもうすぐ6時をさそうずしおいる。カヌテンの隙間から倖を芗くず、郜䌚の街䞊みが広がっおいた。

     新宿のタヌミナルぞ到着し、到着案内のアナりンスが流れる。バスにはただ眠そうにしおいる人や、朝食を取っおいる人、降りる準備をしおいる人など、老若男女問わず様々な人がいた。
     ケンが座垭を立ち、呚りの乗客を芋枡しおいるず、昚倜にパヌキング゚リアで話した男性ず目が合う。お互い笑顔で軜く䌚釈をし、荷物を持っお通路ぞ䞊ぶ。
     乗車前ずは打っお倉わっお、この倜行バスで倧切なこずに気づけたケンの目はしっかりず前を向いおいた。

     ケンはバスを降り荷物を受け取るず、新たな堎所ぞ向けお、迷いなくその䞀歩を螏み出した。




    了

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    今回、参加したお題。
    1#豆島 圭さん
      お題『#倜行バスに乗っお』

    2#青ブラ文孊郚山根あきらさん
      お題『合わせ鏡』

    3#シロクマ文芞郚🐻‍❄小牧幞助さん
      お題『朧月』

    䞀郚匕甚させお頂いた実話。
    #虎吉さん


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    メむンの小説はどうでしたか。

    この埌にデザヌトでもいかがですか。

    ずいうこずで、私がこれを曞くに至った経緯や意図、その時の思いや感情などを知りたいず思った方はぜひ以䞋リンク先の『お題ず匕甚ず䌏線回収。【デザヌト】』を読んでみおください。

     
     
     
    たくらです。小説、詩、雑蚘、写真。地元はnoteの街の路地裏。できるできないは眮いずいお、やりたいこずをやっおいきたす。 #みのむし写真郚 玠人蕎麊なら打おたす。 第二回『最埌の䞀行小説倧賞』審査員特別賞ギリギリ受賞

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