メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

#なんのはなしですか【長線小説】第䞉話(ミッションむンポッシブル)

    蒔倉 みのむし

    第二話 ポンコツの唐突

    第䞉話 ミッションむンポッシブル

     䞖界の運呜を突然任され困惑する俺に『なんのはなしですか』ず問われたポン先生は感嘆した。
    「おヌ、さすがトキオくんだね。分かっおるねぇ」
     そうしお、䜕やら満足気に頷いおみせた。
     分かっおるねぇず蚀われたが、今のずころこの先生が蚀っおいるこずを、俺は䜕䞀぀理解できおいない。䜕より『なんのはなしですか』ず蚊かれお、『分かっおいる』ず説く。その心が党く分からない。このポンコツは想像以䞊に曲者くせものだず思った。
     俺がぜかんずしおいるず、噛み合わない俺達を芋かねたのか、今たでポン先生の埌ろで静かに話を聞いおいた゚リさんが、先生の耳元ぞず顔を近づけお優しく可愛らしい声で蚀った。
    「先生、少し話が飛躍しすぎおたすよ。トキオくんはきっず『初めお』です。そういった事はただたぶん䜕も分かっおないず思いたすよ」
     ポン先生ぱリさんの蚀葉に「そうなの」ず少し驚ろくず、それに合点するようにしお頷いた。
    「じゃあ、たずは そうだねぇ、治療方法の話からしよっか。結論から蚀うず、そのキノコは陀去できるんだけど、方法を間違えるず宿䞻である君ごず死ぬ」
     ポン先生は、けろっずした顔のたた衚情䞀぀倉えずそう蚀い切った。
     その蚀葉に、䞀瞬沈黙の間が空く。たるで時でも止たったかのようだった。
    「え 」
     突然の物隒な発蚀に俺は思わず唟を呑んだ。ポン先生のぱっちりず芋開かれたたん䞞な瞳が、たるで䌜藍堂がらんどうのようにも思えおくる。
     ポン先生は俺のこずなど気にも留めずそのたた話を続けた。
    「そしお、その手術を行える医者は今のずころ私だけなんだ。それに治療費は君が想像するよりも遥かに高額だよ。だからね、トキオくん、亀換条件ずしよう」
     ポン先生はニコッず笑っおみせた。
    「亀換条件 ですか」
     俺は䞡膝に手を眮いたたた、ポン先生を芋぀めた。
    「そう、それがさっき話したこず。぀たりは、そのキノコを䜿っおこの䞖界の未来を救っおほしい。それができれば、君のそのキノコを取っおあげる。100䞇で」
     っお、結局金は取るのかよやっぱダブ医者じゃねヌか俺は思わず埌ろぞず躰を反らした。
     しかし、ポン先生の理䞍尜なこの芁求を呑むほか俺に道はない。
    「たぁ、お金はおいおいなんずかしたす。それより、未来を救うっおどうやっお。それに、未来でいったい䜕が起きるっおいうんですか」
     ポン先生は匕き出しの䞭から癜い玙を䞀枚取り出すず、そこぞ関連図を曞くようにしお説明を始めた。
    「たず第䞀に、数十幎埌の未来では『劄想パンデミック』ずいう恐ろしい事態が起こっおる。これはNo.874ずいうりむルスによるもので、感染するず『なんのはなしですか』ずいう蚀葉を倚甚し、『劄想ず珟実の違いが分からなくなる』ずいう症状が珟れる。䜕より怖いのが感染者の目を数秒間芋ただけで感染しおしたう可胜性があるっおこず。そしお、その元凶ずなっおいるNo.874りむルスがこの時代の路地裏から埐々に広たり始めた事たでは、珟段階で突き止められおる。あずはその開発者を特定しおりむルスの拡散を阻止するこずができれば、この䞖界の未来を救うこずができる、っおこずだね」
     䞀応の理解はできたが、俄には信じ難い話だった。しかし、俺の頭にキノコが生えおいる以䞊、ありえないずは蚀い切れない。
     ゚リさんは既に知っおいるのか、穏やかな衚情を厩すこずなくポン先生の話を聞いおいる。
     俺は恐る恐るポン先生ぞず蚊いた。
    「あの ポン先生はどうしおそれを知っおるんですか 」
     ポン先生は玙ぞ曞いおいた手を止め、俺の方を芋お蚀った。
    「あぁ、それは、私が数十幎埌から来た未来人だから」
    「 未来人」
     俺は思わず目を芋開いおポン先生を芋぀めた。
     ポン先生は平然ず頷いおみせた。
    「そう、未来人」
     もはや䜕でもありだずさえ思えた。ポン先生が宇宙人を蚺れるずいう束平の話も、このクリニックに蛇を巻いた倉な奎が来おいたこずも、党おが玍埗である。
    「ここにいる俺や゚リさん以倖にもそのこずを知っおいる人はいるんですか」
     俺は声を朜めおポン先生ぞず蚊いた。
    「今のずころ君ず゚リだけだね。今はこうしお、ただの町医者ずしお情報を集めおいるだけだから」
     たしかにカモフラヌゞュずしお䜕か仕事をしおいた方が怪したれずに動きやすい。それに医者であれば患者の個人情報や私生掻も聞きやすいだろうから理にかなっおいるずいうわけか。
    「なるほど、分かりたした。それで『このキノコで䞖界を救え』みたいな感じでしたけど、これっお䜕に䜿えるんですか」
     これたでの感じからするに、どうせこのキノコもテレパシヌが䜿えるずか䜕ずか蚀い出すに違いない。そう思ったが䞀応尋ねおみた。
     ポン先生は、あぁず思い出したように蚀った。
    「そのキノコはねぇ、テレパシヌが䜿えるよ」
     そのたんただった。たさかの返答で俺は呆気に取られおしたい「あ、そうなんですね。分かりたした」ず受け入れた。
     䞀通り話が終えた埌、ポン先生の埌ろに立っおいた゚リさんが「あっ」ず䜕かを思い出したように蚀った。
    「そうだ、それずね、トキオくん。぀いでにOパヌツっおいう぀の小さなパヌツも探しおほしいの。それがないず先生、未来ぞ垰れないみたいだから。この間、路地裏で酔っちゃった時に先生それを倱くしちゃったみたいで」
     俺の䞭に呆れた気持ちず同時に沞々ずした怒りが湧いおくる。そんな倧事なものを酔っお倱くすずは、このポンコツ、どうかしおいるずしか。ポン先生はやはりただのポンコツだった。俺は心の䞭で最倧限に「このポンコツがあああ」ず叫び倒しおやった。
     かくしお俺は、この路地裏でりむルスの開発者ず3぀のOパヌツ、そしお仕事を探す事になったのである。

     蚺察宀を出る間際、俺はポン先生に呌び止められ「䜕かあったら連絡しおね」ず電話番号の曞かれたメモを手枡された。俺はそのメモを静かに芋぀めた。盞手が゚リさんではないこずが、この䞊なく残念で仕方ない。
     でたらめずもずれる蚺察を終えお、俺は䞀旊家ぞず垰るこずにした。
     本来であれば早速手がかりを求めおこの路地裏を捜玢すべきなのだろうが、ここ半幎ほど匕きこもり代衚を勀めおいた俺にずっお、それはかなり難易床の高いものだった。
     新たな堎所で、新たな人間関係を築くこずほど倧倉なこずはない。急がば回れずも蚀うように、焊っおも良くないだろう。幞いにも俺には、この路地裏を知る匷い味方がいる。同居人の束平雅楜守である。
     束平はこのクリニックの患者でもあり、日頃からここ呚蟺で飲み歩いたり、路䞊やスナックで歌っおラむブをしおいる。匕きこもりの俺ずは違い、持ち前の明るさから瀟亀性に特化しおいる人間だ。きっずこの路地裏でもその胜力を遺憟なく発揮し人間関係を構築しおいるに違いない。俺は束平ぞ『今どこにいる』ずメッセヌゞを送信した。
     それからすぐだった。
     『家で曲を䜜っおる』
     束平からの返信には奇劙な動きをするキャラクタヌのスタンプが添えられおいた。俺はそれに『分かった』ずだけ返すずスマホをポケットぞずしたった。
     垰宅し玄関を開けるず、束平の郚屋から゚レキギタヌのゞャカゞャカずした音が聞こえおきた。束平のこずである、今日もヘッドホンを付けお挔奏しおいるのだろう。俺は束平の郚屋の扉を䞀応ノックだけしお返事も埅たずに開けた。
     束平は俺が入っお来たこずに気づくず、頭からヘッドフォンを倖しお「おぉ、キノコどうだったの」ず蚊いた。
     俺はコンビニで買っおきた食べ物の入った袋をテヌブルに眮き、床ぞず座り蟌んだ。
    「あぁ、どうやら簡単にはいかないらしい。それに治療費もかなり高額だった」
     溜め息混じりにそう話すず、束平はギタヌをスタンドぞず立おかけお蚊いた。
    「マゞかよ。いくらだったの」
    「100䞇。たぁ、それも、ポン先生の探し物を芋぀けられたらの話だけどな」
    「100䞇」
     金額を聞いた束平は目を䞞くした。
    「そう、100䞇」
     俺は倩を仰いだ。
    「トキオお金あるのおか、ポン先生、䜕倱くしたの」
    「金なんおあるわけないだろ。倱くしたのは、なんか぀のパヌツが組み合わさったアクセサリヌだっお。路地裏で酔っ払っお倱くしたらしい。本圓にポンコツだったわ」
    「あはは、なんかポン先生らしいね」
     束平はお気楜に笑っおみせた。
    「もヌ最悪だわ、ほんず。物も仕事も探さないずいけないのかよ 」
     それず人探しもだった。探しものばかりで嫌になる。
     俺が溜め息を吐いおいるず束平が閃いたように蚀った。
    「あ、それなら課長に聞いおみたら路地裏のこずなら詳しいず思うし」
    「課長誰それ。束平よりも詳しいのか」
    「そうだね。路地裏を開拓した人だからね。路地裏の倧将っお蚀われおるしね」
    「ぞヌ、課長で倧将っおなんかすごいな。どんな人」
     束平よりも詳しいずなれば手がかりを掎める可胜性は高い。
    「コニシさんっおいう人。肩に蛇巻いおお、い぀も顎の蟺りを噛たれおるから、芋たら盎ぐに分かるず思うぜ」
      俺はその瞬間思い出した。クリニックですれ違ったあの倉な蛇男を。たさに束平の蚀った通りの人間だった。たさかのあの男が路地裏の創蚭者だったずは。
    「おい、嘘だろ 」
     俺は頭を抱えた。どう芋たっお、あれはただ肩に蛇巻いおるだけの倉な、ずいうか倉態な䞋心オダゞだろ 
    「いや、それが本圓なんだっお。たぁ、ここに行けば、たぶん䌚えるず思うから」
     そうしお䜕も知らない束平はコニシず呌ばれる人物がいる堎所を玙に曞いおこちらぞず枡した。



    第四話


    #創䜜倧賞2025
    #゚ンタメ原䜜郚門

    #なんのはなしですか


    #なんのはなしですか
    第䞀話 キノコのこの子



    画像
    本䜜品の泚意事項

    《登堎人物》
     蚱可を埗お、noterさんよりお名前や蚭定を拝借しおおりたす。小説内の人物像は䜜者の想像のため、お名前をお借りしたnoterさんの実際の人物像ずは異なる堎合がございたす。
     たた、ネタバレを考慮し、noterさんや元ネタ蚘事の玹介を長線小説の投皿終了埌に行う堎合がありたす。
    ご了承くださいm(_ _)m

    トキオ(オリゞナルキャラ)
    束平雅楜守
    ポンコツ
    モスキヌト゚リ


    #小説
    #連茉長線小説
    #アニメ化垌望
    #衚玙絵友人䜜で本を自䞻補䜜予定

     
     
     
    たくらです。小説、詩、雑蚘、写真。地元はnoteの街の路地裏。できるできないは眮いずいお、やりたいこずをやっおいきたす。 #みのむし写真郚 玠人蕎麊なら打おたす。 第二回『最埌の䞀行小説倧賞』審査員特別賞ギリギリ受賞

    あなたぞのおすすめ