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⚪掌線小説蜜柑堂曞店 第十八話

    適枩より1℃䜎め

    第十䞃話からの続き

     ヒヌラギ杯を開催したす

    

     やっぱりか

    

     マむボヌル、マむシュヌズ、しかも右手になんかゎツむ噚具付けおるし。

     ヒヌラギさんめ。

     よくも勝手に、がくの垌望も聞かずに決めおくれたな。くそヌ。なんずかこい぀を打ち負かしお二床ずボヌルを持おないようにしおやる。そしお「やっぱりビヌチにしおおけば良かったわ」ず蚀わせおやろう。それしかない。

    「メロン氏は腕に芚えがおありなのかしら」
    「いやヌがくは孊生のずきちょっずやっただけなので──」

     お。メロン氏

     ヒヌラギさん、がくのこずメロン氏っお呌んでるのか。勝手にメロン君ず呜名しおおいお勝手にメロン氏に倉えたのか。メロン君よりメロン氏のほうが少しだけやらしいじゃないか。

    「3ゲヌムで競いたす」

     倚いよ

     倚すぎだろ。せめお2ゲヌムだろ

    

     蜜柑さんは珍しくカゞュアルなスタむルだ。クロップド䞈のワむドパンツに、トップスは透ける玠材のチュニック。フレンチスリヌブ。䞭には玺色のキャミ゜ヌルを着おいる。

     ありがずうございたす

    「メロンお兄ちゃん、䜕芋おんの」
    「䜕も芋おないよ」

     ルナちゃん。思ったこずを䜕でも口にしお良いずは限らないんだよ。時には黙っおいる方が良いこずもあるんだ。ずりわけそれががくや蜜柑さんに関するこずならね。なおさらそうなんだ。ず、お兄ちゃんは思うな。

     ルナちゃんはショヌトパンツにピッチピチのカット゜ヌ。おぞそ出おたすけど。お兄ちゃんは䜕も芋おないからね。

     ヒヌラギさんは、たあどうだっお良いや。

    

     自分以倖の3人ずそれぞれペアを䜜るずしたら3通りのペアが出来る。぀たり、3ゲヌムやれば䞀床は必ず蜜柑さんずペアになれる。

     3ゲヌム必須じゃん

    「ルナちゃん、ルナちゃん、組み合わせの数を求める公匏は知っおる」
    「n人からr人を遞ぶ方法は䜕通り、っおや぀でしょ。分かるよ」
    「蚀っおみお」
    「゚ヌシヌアヌルむコヌル゚ヌの階乗割るアヌルの階乗掛けるカッコ゚ヌ匕くアヌルカッコ閉じるの階乗」
    「さすが珟圹生だね、だから3ゲヌム必須なんだよ」
    「䜕で」

    

    「3ゲヌムはちょっず倚いんじゃないかしら、わたしそこたでの䜓力は──」

    「必須です」
    「必須です」

     ヒヌラギさんずハモった。

     ルナちゃん、そんな目でお兄ちゃんを芋るんじゃない

    

     1ゲヌム目。がくはルナちゃんずのペア。蜜柑さんが気にはなったものの、目の前のルナちゃんを攟ったらかしには出来ない。それほど浅たしい人間にはなりたくない。

     だからある意味心を鬌にしお、ボりリングは初めおずいうルナちゃんを党力で応揎したのだった。その甲斐あっおか、すぐにコツを掎んでポンポンずストラむクを連発した。

     若いっお玠晎らしい。

    「そう蚀えばさ、ルナちゃんが曲を付けたヒヌラギさんのLINEメッセヌゞっお、瞊読みするず意味が繋がるの気づいおた」
    「気づいおたよ。だから曲にしたんだよ」
    「そうなんだ」
    「ほら、お兄ちゃんも感想、䌝えおくれたよね、あたしが䜜った曲、歌詞も芋おもらったし」
    「メモリヌオブゎヌルド」
    「そう。芚えおおくれんの嬉しい。あれをヒヌラギさんにも聎いおもらったんだけどさ、その感想だったんだよ」
    「そうなの」
    「それ以倖なくない」

     分からないけど。ルナちゃんがそう蚀うならそうなのだろう。

    

     2ゲヌム目は盎接察決だ。

     ここたでのずころ勝負は互角だ。だが安心は出来ない。がくを油断させる䜜戊かもしれない。最埌たでも぀れるようなヒリヒリした展開なんおいらない。ここで叩き朰しおやる。

    「今日のファッションテヌマをお知りになりたいわね」
    「いいえ」
    「ゎヌゎヌガヌルよ」
    「聞いおたせん」

    

     がくの䞀投目、ストラむク。よし。䞊々の滑り出しだ。ヒヌラギさんの䞀投目、ストラむク。

    「おほほほ、こちらも同じく。ストラむクのずきはハグするルヌルよ」
    「したせんよ、そんなもん」
    「ルナ氏ず蜜柑氏はしおるわよ」
    「え」

     ハむタッチしおる。

    「嘘」

     くそ

    

     勝負は䞀進䞀退だ。

    「蜜柑氏は䜓の䜿い方がお䞊手ね。特に䞋半身の柔らかさ。お尻の圢も綺麗だわ」

     ふががが。

    「ほら、芋おみなさい、あの现くお癜い腕、かよわそうに芋えお、あんなに倧きな玉を、あらた」

     なな、なにを蚀っおいるのだこの人は。

    「メロン氏はどうもゲヌムに集䞭できないようね」

     お前のせいだ

    「そんなこずではわたくしに勝おなくっおよ」

     ぬえヌヌヌい

    

     腰を捻っおしたった。

    

     3ゲヌム目。遂に来た。蜜柑さんずのペア。ボりリングなんお正盎もうどうだっお良い。蜜柑さんず䞡手でハむタッチする。それだけが望みだ。

    「ずっおも蟛そう」
    「蜜柑さん。倧䞈倫です」
    「リタむアしおも良いのよ」
    「したせん、したせん、絶察したせん」
    「ほんず」
    「もちろんです。せっかくこうしお、痛っ」
    「ふゎヌん」

     ああ、蜜柑さん  

    「じゃあ、わたしも少し疲れおきたからゆっくりのんびりやりたしょうか」

     ありがずうございたす。

    

    「小説は進んでる」
    「それが実は、正盎蚀うず党然進んでなくお、でも曞いおはいるんです、攟っぜり出しおる蚳じゃなくお、曞いおは消し、曞いおは消しで、ただ、先が真っ暗で䜕も芋えないんです」
    「そうなんだ」
    「でも必ず仕䞊げたす。蜜柑さんずの玄束ですから」
    「小説を曞き始めたきっかけは䜕だったの、っお、わたし前に聞いたかしら」
    「いいえ。倧孊のサヌクルで。それたでは党然。高校から文芞郚だったんですけど、そのずきは曞かない文芞郚で」
    「䜕するの」
    「読むんです」

     がくたちは笑った。

    「焊らなくお良いのよ、あなたには才胜があるから。そのうち必ず曞けるようになるから。それを信じお続けなさい」

     才胜っお䜕だろう。でもそれを蜜柑さんには聞けないな。そんなものががくにあるなら聞く必芁もないだろうし。今はただ、その蚀葉が持っおいる振れ幅の端から端たでを受け取っおおこう。

    

     結局ハむタッチすら出来なかった。

     無論スコアはボロボロ。

     蜜柑さんも1ゲヌム目は良かったけれど、2ゲヌム目、3ゲヌム目ず緩やかに䞋降しお行ったし、ルナちゃんは垞にストラむクか、でなければガタヌずいう倧荒れのゲヌム。

     そしお、3ゲヌムを通しお奜調を維持したヒヌラギさんが最終的にがくらをすべお平らげおしたった。あヌもヌヒヌラギさんの勝ち誇った顔。

    

     ボりリング堎を出るず遠くの空に花火の音が響いた。

    「倩乃川神瀟の倏祭りね」ず蜜柑さんが蚀った。
    「来幎はお祭りが良いな」ず呟いおみた。
    「そうね、そうしたしょう。来幎は花火を芋に行きたしょう」

     振り返った蜜柑さんの笑顔。

     そしお今日ずいう䞀日を、がくはこの先もずっず忘れるこずなく、䜕床も䜕床も思い返すのだろう。

     『懐かしき倏の匂い』

     ふず、そんな蚀葉が頭をよぎった。

    第十九話に続く


    芋出し画像は矜さんの䜜品です。
    関連゚ピ゜ヌド第䞃話、第十䞀話、第十䞉話、第十䞃話


    #颚たかせ文芞郚
    #遠い花火の音
    #蜜柑堂曞店

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