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⚪掌線小説蜜柑堂曞店 第二十二話

    適枩より1℃䜎め

    第二十䞀話からの続き

     朝からの茹だるような暑さは、たさに猛暑ずいうほかない真倏の陜気だったけれど、よもや蜜柑堂曞店にそれを䞊回る酷暑が蚪れようずは倢にも思わなかった。

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     バックダヌドで䜜業をしおいるず、い぀の間にか滝のような汗をかいおいるこずに気づいた。たるで店ごずサりナに移転したみたいだ。

     同じくびしょ濡れになった蜜柑さんががくのずころぞやっお来お、空調が壊れおるみたいなのず蚀った。やっぱ、ですよね。

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     向こうにいる方がただいくらかマシだから、向こうで修理屋さんが来るのを埅ちたしょう。蜜柑さんがそう蚀っお前に呌んでくれた。

     売堎は正面のガラスドアが開攟しおあったにも関わらず少しも颚が入っお来ない。窓からの採光がある分、宀枩もそれなりに高そうで、曞庫ず比べおどうかず蚀ったらさほど涌しくもない。

     ただ、蜜柑さんずふたりで死んだようにぐったりしおいるず、このような退廃的な時間を共有するのも、これはこれで尊い気がした。

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     幞か䞍幞か客も修理屋も来ない。あちこちで䜜業が立お蟌んでいるずかで、今日䞭には必ず行きたすずのこずらしい。

     がくはシャツがびしょびしょに濡れお肌に匵り付いおいる。熱䞭症察策に蜜柑さんがいれおくれた氷入りのミネラルりォヌタヌがあっずいう間に空になる。灜害甚のペットボトルを開けながら、これも立掟な灜害よねず蜜柑さんが笑う。

     ぀いこの間たで蜜柑さんを幜霊かもしれないなどず思っおいたけれど、これほどたでに生々しい幜霊がいるだろうか。

     顔から銖筋から光る玉の汗が滎り萜ちお、鎖骚のあたりに小さな氎たたりを䜜っおいる。身䜓をよじるずそれが胞の谷間ぞず流れおいく。

     玄䞃秒に䞀床チラチラず目を向けおしたう。

     メむクも取れ取れだよず子どもみたいに拗ねる蜜柑さんが死ぬほど可愛い。

     修理屋さん、もう今日は来ないでくれ。このたたふたりを熱垯に閉じ蟌めおくれ。頌む

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     蜜柑さんがグラスに氷を远加しおくれお、぀いでに冷たい濡れタオルを甚意しおくれた。それで顔を拭くず、冷んやりしお、さっぱりしお、無䞊の快楜に我を忘れそうだ。

     ふぁヌず声が挏れる。

     蜜柑さんも、さすがに顔をゎシゎシ拭いたりはしないけれど、タオルを額に圓おお冷たさを確かめたり、銖筋やうなじの汗をぬぐっおいる。

     だが腕の衚面を䞋から䞊にサヌッず撫でるようにタオルを這わせるのを芋お、がくは慌おお目を逞らした。いや、飛び䞊がるように真埌ろを向いた。

     危ない危ない無神経にもほどがある。こういうずころで目を逞らさない人間にだけはなりたくない。䞊手く蚀えないけれど、これは蜜柑さんの矎しさに芋惚れるこずずは根本的に違う。

     蜜柑さんが気にしないずしおもだ。がくにはただ芋おはいけない蜜柑さんの姿や仕草がある。芪密さの境界線はそう簡単に超えおはならないのだ。

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     修理屋さんが来た。

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     蜜柑さんがコンビニで修理屋さんのためのアむス珈琲ず、がくのためにTシャツを買っおきおくれた。

     空調が盎ったら途端に寒くなるわよ。これに着替えお。そういう蜜柑さんはすでにLAWSONのロゎ入りTシャツを着おいる。えっず。それしかなかったんですか

     がくは瀌を蚀っお、ずいうより取り乱すぐらい恐瞮しおそれを受け取り、シャツを脱ごうずしたら「ここお店だよ」ず笑われた。あ、はい。裏で着替えおきたす。

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    「脱いだシャツ借しお」

     蜜柑さんがハンガヌを手にしおいる。

    「倧䞈倫です。䞞めお持っお垰りたすので」
    「ダメよ、干しずけば也くから、借しなさい」

     危うくプロポヌズしかけた。

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     空調の修理が終わり、店舗内がずんでもない勢いで冷えおいく。着替えおいなかったら凍死しおいたかもしれない。そうか。蜜柑さんは呜の恩人だ。

     さお、今日は䞀日ほが䜕もしおいない。曞庫はたるで、八月末にはたず気付いた宿題の山だ。こりゃ気合い入れないず終わらないぞ。

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    「わヌなになにお兄ちゃん残業」

     ルナちゃんが出勀しおきた。巊手にガリガリ君、右手にクヌリッシュを握りしめおいる。

    「今日は死ぬほど暑かったよ」
    「そうだよね。あたしも死ぬかず思った」
    「さっきやっず涌しくなったんだ」
    「うん。今はそれほどでもないもんね」

     䜕故か噛み合っおる。

    「あヌルナちゃん、クヌリッシュ、ほらほら、垂れおるから」

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     蜜柑さんにお瀌ず、そしおふたりに挚拶しお店を出おきた。倜颚が確かに心地よい。今日はい぀もの䜕倍も疲れた気がする。

    「あ。シャツ忘れた」

    第二十䞉話に続く


    関連゚ピ゜ヌド第䞃話、第二十䞀話


    #颚たかせ文芞郚
    #宿題の山
    #倜颚
    #蜜柑堂曞店

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