
【住宅ローン1.7%時代】1級建築士パパが本音で語る「これからの家づくりとお金の使い方」――豪華な家より、家計が壊れない家を選ぶ時代へ――
はじめに|あなたは今、正しく不安がれていますか?
少し耳の痛い話をします
「家を建てたら、あとはローンを払い続けるだけ。きちんと返していれば大丈夫」
そう信じて毎月の返済をこなしてきた方に、今日は少し立ち止まって考えてほしいことがあります。
みずほ銀行が発表したシミュレーションによると、2028年には変動金利が約1.7%になる可能性があります。現在の主要変動金利が0.3〜0.5%前後で推移していることを考えると、1%以上の上昇です。
「たった1%でしょ?」
そう感じた方、少し待ってください。
住宅ローン残高が3,000万円の家庭なら、月々の返済額は約1万円増えます。
4,000万円なら1.5万円前後、5,000万円なら2万円近く増える計算です。
年間にすれば12〜24万円。子どもの習い事代、家族旅行の費用、毎日の食費の一部
そのくらいの金額が毎年、住宅ローンの返済に追加で消えていくことになります。
「それくらいなら何とかなる」と思う方もいるかもしれません。
でも問題は、金利上昇が単独では起きないということです。
食料品の値上がり、光熱費の上昇、子どもの教育費の増加。
これらが同時進行している中での、住宅ローン返済増です。
私は1級建築士として、これまで15年以上にわたって建築に携わってきました。
同時に、2人の子どもを育てる父親でもあります。
プロとして家づくりを見てきた目と、子育て世代の当事者として家計と向き合ってきた経験、その両方の立場から、今日ははっきりお伝えしたいことがあります。
住宅価格は上がり続けている。金利も上がっていく。そして多くの家庭の家計は、すでに余裕を失い始めている。
これはこれまでとは全く違う時代です。
そんな時代に、どう家づくりとお金と向き合えばいいか。
今日はそのことを、建築士パパの本音で語りたいと思います。
第1章|「金利0.5%の差なんて誤差」が一番危ない理由
家づくりをしている方々と打ち合わせをしていると、不思議な現象に気づきます。
多くの人が、金利の話よりもキッチンの面材のグレードや、床材の樹種、外壁タイルの種類に何時間もかけます。
それ自体は悪いことではありません。
毎日目にするものですから、こだわりたくなるのは自然です。
でも、住宅ローンの金利については
「まあ低いうちに借りたし大丈夫でしょ」と、
数分で終わってしまう家庭が少なくありません。
なぜこういうことが起きるのか。
答えは単純で、キッチンや床材は「目に見える」からです。
触れる、感じる、写真に撮れる。
一方で金利は数字の話で、生活の中で実感しにくい。だから後回しになる。
でもここが、家づくりで最も大きな落とし穴です。
具体的な数字で考えてみましょう。
4,000万円を35年ローンで借りた場合を例に取ります。
金利0.5%(現在の低金利水準)の場合:月々の返済額は約10万3,000円、支払総額は約4,326万円。
金利1.5%(+1%上昇後)の場合:月々の返済額は約12万2,000円、支払総額は約5,124万円。
差額は支払総額で約800万円。月々でいえば約1万9,000円の増加です。
これ、キッチンをハイグレードにするオプション代(通常50〜150万円程度)とは、比べ物にならない金額です。
35年間で800万円の差が生まれるのに、多くの人がキッチンのオプション費用100万円の方を真剣に悩む。
私はこの逆転現象を「コストの見えにくさ問題」と呼んでいます。
さらに変動金利で借りている方は「今の低金利」を前提に家計の計画を立てているはずです。
でもその前提が崩れたとき、選択肢はどれだけ残っているでしょうか。
繰上返済できる貯蓄があるか。
固定金利に切り替える判断ができるか。
それとも家計を切り詰めて耐えるしかないか。
「大丈夫だろう」という根拠のない安心感が、実は最もリスクが高い状態です。
家づくり最大のコストは、建物でも設備でもなく「金利」です。この一点を、まず頭に刻み込んでほしいのです。
第2章|建築士パパが今なら真っ先に削る「見栄コスト」
住宅価格はここ数年で大きく上昇しました。
私が建築士として仕事を始めた15年前と比較すると、同じ仕様・同じ広さの家を建てるのに、今は1.3〜1.5倍のコストがかかるケースも珍しくありません。
木材・鉄骨などの建材費、職人さんの人件費、土地代、どれもが上がっています。
だからこそ今の時代、「本当に必要か?」を何度も問い直してほしい。
建築士として正直に言います。
私が「見栄コスト」と呼んでいるものがあります。
【使わない和室】
「来客用に畳の部屋が欲しい」という要望はよく聞きます。
でも、実際に使う頻度を引き渡し後にお客様に聞くと、「年に2〜3回…」「正直ほぼ物置になってます」という答えが返ってくることがあります。
8〜10畳の和室を作ると、グレードにもよりますが建築コストは100〜180万円程度かかります。
年3回使うとすれば、1回あたりのコストは数十年で割っても数万円。
それなら客間はリビングで兼用し、その分ローンを減らした方がずっと合理的です。
【大きすぎるシューズクローク】
「収納は多い方がいい」という考えは理解できます。
でも実態を見ると、半分以上が「いつか使うかも」という荷物で埋まっているケースがほとんど。
1坪(約1.8m×1.8m)のシューズクロークを作るコストは、オプション費用・床面積・構造コスト込みで50〜80万円前後。
本当に使い切れていれば価値がありますが、デッドスペースになるなら単なるコストの無駄です。
【SNS映えだけを意識した設備】
アイランドキッチン、大きな吹き抜け、スタイリッシュな洗面台。
インスタグラムで「#マイホーム」と検索すると出てくるような設備たちです。
見た目の満足度は確かに高い。でも、アイランドキッチンは周囲をぐるりと歩く分、家事動線が長くなることも多く、吹き抜けは冷暖房効率を下げ光熱費を増やす可能性があります。
見た目の豊かさと暮らしの豊かさは、必ずしも一致しません。
【高額な造作家具・造作収納】
大工さんに作ってもらうオーダーメイドの造作は、確かに美しい。
でも既製品の家具・収納で十分なケースも多く、造作にこだわると差額が50〜200万円になることもあります。
後から模様替えや処分ができない点も、長く住む中でのデメリットになることがあります。
家づくりで後悔する人の大半は「必要なものを削って後悔した人」ではなく、「不要なものを増やして後悔した人」でした。
完成した瞬間は満足感があります。
でも、毎月の返済を35年続ける中で、「あのオプション代をローンに上乗せしなければよかった」と気づいても、取り返しはつきません。
ローンを増やしてまで見栄を買う時代は、もう終わりです。
第3章|「絶対に削ってはいけないもの」は実は3つだけ
削るべきコストの話をしました。では逆に、何を優先すべきか。
建築士として15年の経験から断言できる、「削ってはいけない3つ」があります。
【① 断熱性能】
断熱は「冬暖かく、夏涼しい」という快適さの話だと思われがちですが、それだけではありません。直接的に、長期にわたって家計に影響する設備投資です。
断熱性能の高い家(UA値0.46以下のZEH基準程度)とそうでない家(UA値0.87程度の旧基準)を比較すると、年間の冷暖房費は地域によっては10〜25万円変わることもあります。仮に年間15万円の差があるとして、35年で525万円。この金額を先に断熱に投資しておけば、ローン返済中もずっと光熱費を抑えられる。長期的に見れば、断熱への投資は最もリターンが高い選択肢の一つです。
さらに断熱性能が低い家では、冬の寒い廊下やトイレによるヒートショックのリスクが上がります。
特に年齢を重ねてからの住まいを考えると、家族の健康コストにも跳ね返ってくる。
お金だけでなく、命にかかわる問題でもあるのです。
【② 家事動線】
「ちょっと遠いけどまあいいか」と妥協した動線が、35年間にわたって毎日のストレスになります。
洗濯機から物干し場まで遠い。
キッチンからゴミ箱が遠い。
子どもが帰宅して手を洗う洗面台が玄関から離れている。
一つひとつは小さなことです。でも、毎日繰り返す動作の「遠さ」「不便さ」は、思っている以上に体と心を疲弊させます。
家事動線を重視して設計した方は「この家に引っ越してから、育児と家事の疲れが全然違う」とおっしゃっていました。
逆に、設計段階で「ここは妥協した」という方から、入居後に「やっぱり動線が不便で…」という声を聞くことも多い。
家事動線への投資は、「時間」と「体力」という、お金では買い戻せない資産を守ることです。
【③ 長期メンテナンスコスト】
家は建てた後も、維持するためのコストがかかり続けます。この「ランニングコスト」を見落とすと、ローン返済中に突発的な大きな出費が重なって家計が破綻するリスクがあります。
例えば外壁。コストを抑えるために安価なサイディングを選ぶと、10年ごとに100〜150万円規模の再塗装が必要になることがあります。一方、少し初期費用が高くても、メンテナンス周期が15〜20年の素材を選べば、35年間のトータルコストは安くなることがほとんどです。
屋根材や給湯器、窓の断熱性能も同様です。「初期費用」だけで比較するのではなく、「35年間のトータルコスト」で考える視点が、家づくりでは不可欠です。
この3つの断熱・動線・メンテナンスコストは、「見た目の豊かさ」ではなく「暮らしの質と長期的な家計」に直結します。
だからこそ、ここだけは絶対に削らないでほしいのです。
第4章|月1万円の返済増に、本当に耐えられますか?
少し厳しい話をします。
来年から毎月1万円、住宅ローンの返済が増えたとして、あなたの家計はどうなりますか?さらに2万円増えたら?
「それくらいなら削れるところはある」と感じる方もいるでしょう。でも具体的に何を削りますか?
子どもの習い事を一つ減らす?食費を削る?外食を控える?旅行を諦める?
住宅ローンの返済増は単独では起きません。今、子育て世代の家計は複数の方向から圧力を受けています。
・食料品・日用品の値上がり(この3年で体感10〜15%程度)
・電気・ガス代の上昇(2020年比で大幅増)
・子どもの教育費の増加(公立でも部活・修学旅行・教材費が年々増加)
・習い事の月謝・送迎費
・車の維持費・任意保険の値上がり
・親の医療費・介護費の発生
住宅ローンの返済増は、そこにさらに重なってくるのです。
私が知人から最近最もよく聞く言葉は「今はギリギリ大丈夫だけど、余裕が全然ない」という言葉です。
問題は住宅ローン単体ではなく、家計全体がすでに限界に近い状態になっていることです。
ここで一つ、簡単なシミュレーションをしてみましょう。
手取り月収が50万円の家庭を例に取ります。
住宅ローン返済:13万円
食費:8万円
光熱費:2万円
車の維持費・保険:2.5万円
子どもの教育・習い事費:3万円
通信費:1.5万円
保険料:2万円
日用品・衣料:2万円
お小遣い(夫婦):3万円
その他雑費:2万円
合計:39万円
残りは11万円。貯金に回せる額です。
でもここで住宅ローンが月2万円増えると、残りは9万円。さらに食費や光熱費がじわじわ上がると、貯金できる額はさらに減ります。
「まあ何とかなる」ではなく、「金利が上がった世界」を今から想定した家計設計が必要です。
まだ経験していない今のうちに、シミュレーションしておくことが重要なのです。
第5章|住宅ローンを抱えている人が今日からできる3つの準備
では具体的に何をすればいいか。私なら今日からこの3つをやります。
【① 家計の固定費を完全に洗い出す】
まず全サブスクリプションサービスをリストアップしてください。
動画配信(Netflix・Amazon・Disney+など)、音楽(Spotify・Apple Musicなど)、スマートフォンアプリの課金、ジムの会員費、電子書籍、クラウドストレージ。
意識していないだけで毎月引き落とされているサービスが複数あるはずです。
私の身近でも、棚卸しをしたら月1〜2万円の不要な固定費が見つかったという話はよく聞きます。
住宅ローンの返済増と同じ金額が、すでに無意識に消えているかもしれません。
固定費の怖さは「慣れ」です。
引き落としが習慣化すると、使っていても気づかなくなる。
だからこそ、年に一度は必ず棚卸しをする習慣をつけてほしいのです。
見直す順番のおすすめは
①通信費(格安SIMへの乗り換えで月1〜2万円削減できることも)
②保険(掛け捨て生命保険の見直し)
③サブスク(使用頻度を確認)
④電力会社の見直し——の順番です。
【② ボーナス頼みの返済計画を今すぐやめる】
「月々の返済はギリギリだけど、ボーナスで補填している」という家庭は要注意です。
ボーナスは会社の業績次第で大幅に変わります。
リーマンショックやコロナ禍で、ボーナスが半額以下になったり、ゼロになったりした会社は数多くありました。
転職・育休・病気・介護離職——さまざまな理由でボーナスが消える可能性は、誰にでもあります。
今日から「ボーナスは存在しないもの」として家計を見直してみてください。
月収だけで返済・生活が完結できる設計にする。
それだけで家計の強度は大きく変わります。
もしボーナスが入ったら、それは「臨時ボーナス」として繰上返済か貯蓄に回す——このルールを夫婦で共有しておくことが大切です。
【③ 余剰資金を手元に確保しておく】
「余剰資金があるなら繰上返済すべきでは?」という声もあります。でも私がすすめるのは、まず手元に置いておくことです。
現金がある人は強い。何かあったときに動ける。選択肢を持てる。
逆に、全額を繰上返済や投資に回して手元に何もない状態は、数字の上では良く見えても、実際には非常に脆い家計です。リストラ・病気・親の急な介護——何か一つイレギュラーが起きたとき、現金がなければ身動きが取れなくなります。
目安として、生活費の6ヶ月分(できれば12ヶ月分)の現金を手元に確保してから、繰上返済や投資を検討する順番をおすすめします。
第6章|投資か?繰上返済か?建築士パパが出した答え
「NISAを続けるべきですか?それとも繰上返済した方がいいですか?」
最近、本当によく聞かれます。SNSでも定期的に論争になるテーマです。
正直に言います。
私の答えは家庭の状況によって違います。
でも、私なりの考え方をお伝えします。
まず数字の話をします。
住宅ローン金利が1.7%の場合、ローン残高3,000万円に対して毎年支払う利息は単純計算で約51万円です。
一方、長期投資(オルカンやS&P500など)の過去の平均リターンは年5〜7%程度とされています。
この数字だけ見れば「投資した方が有利」という結論になります。ローン金利1.7%より、投資リターン5〜7%の方が高いのだから、繰上返済より投資に回した方が合理的という論理です。
ただし、この「合理的な判断」には大きな前提条件があります。
一つは「長期間、売らずに持ち続けられること」。
株式投資は短期的には大きく下落することがあります。リーマンショックでは世界株式が半値以下になりました。
コロナショックでも一時的に30〜40%の下落がありました。
ローンを抱えながら、資産が半減する局面を心理的に耐えられるかどうか、が問われます。
もう一つは「精神的な余裕があること」。
毎月ローン残高を見て「減っていない、増えている」と不安になりながら投資を続けることは、思っている以上にメンタルに負荷がかかります。
不安な状態での投資判断は、往々にして最悪のタイミングで売却する失敗につながります。
私が大切にしているのは、リターンの最大化よりも「家族が安心して眠れること」です。
毎日ローン残高に不安を感じているなら、繰上返済には十分な価値があります。
精神的な安定は、数字に換算できない大きな資産です。安心して眠れることで、仕事のパフォーマンスが上がり、家族関係が良好になるなど、その効果は投資リターンの差額より大きいかもしれません。
一方、手元に十分な余裕があり、長期投資を続けられる精神的な強さがあるなら、NISAは強力な選択肢です。
私自身はどうしているかというと、住宅ローンの繰上返済と投資を並行しています。「安心感のための繰上返済」と「将来への備えとしての投資」を両立させる、という考え方です。どちらかに振り切るのではなく、家計のバランスと自分のメンタルに合わせた配分を選ぶ——それが私の答えです。
一つだけ強調します。「不安を抱えたまま投資する」のは、私はおすすめしません。
投資はメンタルが安定している状態で、初めてその力を発揮するものです。
NISAは積立投資枠は、長期投資をするのに最適で、リターンの確率も高いため、負担にならない程度で投資を続けています。
第7章|「借りられる額」と「返せる額」は全然違う
住宅展示場やモデルハウスで最も危険な言葉があります。
「○○さんの年収なら、△△万円まで借りられますよ」
この言葉を聞いた瞬間、多くの人が「じゃあそれくらい借りても大丈夫なのか」と思ってしまう。
でもこれは大きな罠です。
銀行や住宅ローンの「借りられる額」は、審査によって決まります。
一般的には年収の7〜8倍程度が上限の目安とされています。年収600万円なら4,200〜4,800万円まで借りられる計算です。
でも「返せる額」は全く別の話です。
銀行の審査基準は「今の収入」と「今の金利」を前提にしています。将来の教育費の増加、金利上昇のリスク、転職・降格・病気による収入減、親の介護費用の発生など。
こういった現実の変化は、審査には一切含まれていません。
私は「借りられる上限まで借りた家庭」と「余裕を持って借りた家庭」では、10年後・20年後の暮らしぶりが大きく違うと考えることがあります。
前者は常に綱渡り状態で、子どもの大学進学を機に家計が破綻寸前になったり、金利上昇のたびに家計が苦しくなったりするケースがあります。
後者は、子どもの教育費が増えても、急な出費があっても、精神的な余裕を持って対応できます。
「返せる額」を自分で計算するシンプルな目安を一つ。
手取り月収の25%以内に、月々の返済額を収めることです。
例えば手取り月収45万円(夫婦の合算でもよい)なら、月々の返済は11万円以内。このラインを守れているかどうかを確認してみてください。
25%を超えると、教育費・急な出費・金利上昇などが重なったときに家計が一気に苦しくなるリスクが高まります。
もう一点。借入額を決めるとき、「金利が2%になったシナリオ」でも返済できるかどうかを必ず試算しておくことをおすすめします。
今の低金利が永続する保証はありません。最悪のシナリオに耐えられる借入額を、出発点にしてほしいのです。
第8章|金利上昇時代に家づくりで後悔しない人の共通点
私がこれまで見てきた中で、家づくりに後悔していない人には、ある共通点があります。
「設備選びが上手な人」ではありません。
「ハウスメーカーの営業に強い人」でもありません。
「家づくりの知識が豊富な人」でも、「交渉が得意な人」でもありません。
共通しているのは、「未来を想像できる人」です。
家を建てる前に、こんなことを一緒に考えた方たちです。
・変動金利が上がった場合、月々の返済はどうなるか
・子どもが中学・高校・大学に進む頃、教育費はどれくらいかかるか
・転職・独立した場合、収入はどう変わるか
・どちらかが病気や怪我で働けなくなった場合、家計は維持できるか
・親の介護が始まった場合、時間的・金銭的な負担はどうなるか
・老後のローン完済後も、修繕費・固定資産税・管理費がかかり続けること
こういった「変化」を前提に、今の家づくりの計画を組んだ人は強い。なぜなら、余白を持った設計になっているからです。借入額に余裕がある。固定費が抑えられている。手元の現金がある。だから、何かが起きても対応できる。
家づくりというのは、完成した瞬間がスタートではなく、その後35年間・40年間にわたる「暮らしの旅」のスタート地点に立つことです。その旅が豊かであるかどうかは、家の豪華さよりも、家計の持続可能性で決まります。
私は建築士として、これからの時代は「豪華な家」よりも「家計が壊れない家」の価値が高まると確信しています。
それは質素でみすぼらしい家を建てろということではありません。
本当に必要なものに投資して、不要なものは削ぎ落とし、長期的に安心して暮らせる家を選ぶということです。
住宅ローン1.7%時代が2028年に本当に来るかどうか、正確なことは誰にも分かりません。
予測は予測に過ぎず、金利が想定より上がらない可能性もあります。
でも、備えることはできます。
シナリオを考えておくことはできます。
今日から動けることが、必ずあります。
家づくりは、完成した瞬間がゴールではありません。
その家で、家族が笑顔で、安心して暮らし続けること。子どもが独立した後も、老後も、ずっとその家で豊かに生きていくこと——それが本当のゴールのはずです。
おわりに|なぜ私はこれを書き続けるのか
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
私がこういった記事を書き続けているのは、シンプルな理由があります。
「後悔する家づくり」を、一件でも減らしたいからです。
建築士として家づくりの仕事をしていると、引き渡しの瞬間は皆さん笑顔です。
でも数年後、「もっとちゃんと考えればよかった」「あのとき誰かが教えてくれていれば」と後悔するご家族に会うことがあります。
その後悔は、設備の話ではなく、お金の話であることがほとんどです。
そして多くの場合、情報があれば防げた後悔です。
住宅会社の営業さんは売ることが仕事です。
ファイナンシャルプランナーは金融商品を勧めることが仕事です。
誰も「借りる額を減らしましょう」とは言ってくれません。
だから私が言います。
少し余裕を持って借りてください。
削れるコストは削ってください。
でも断熱・動線・メンテナンスだけは削らないでください。
金利が上がった世界をシミュレーションしておいてください。
これは建築士として、同じ子育て世代の一人のパパとして、本当に伝えたいことです。
あなたの家族の家づくりが、後悔のないものになりますように。
そしてその家で、長く、豊かに、安心して暮らせますように。
これからも、プロの目線と当事者の目線で、家づくりとお金のリアルな話を発信していきます。「参考になった」「続きが気になる」と思ってもらえたなら、ぜひフォロー、いいねしておいてください。
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【この記事を書いた人】
1級建築士 | 2児のパパ |建築に携わって15年以上
家づくりの本音を届けます