
もしも学習指導要領が「弁当箱」だったら(上)
今月5日、文部科学省は学習指導要領の全面改定に向けて議論をしている中央教育審議会の特別部会で、これまでの意見をまとめた「論点整理」の素案を提示した。
この論点整理については、すでに多くの報道があり、SNS上でも様々な意見が散見される。
しかし、まずは「原典」である文部科学省の資料を熟読してみるべきだろう。
https://www.mext.go.jp/content/20250904-mxt-kyoiku-000043994_03.pdf
次期学習指導要領の策定に向けて議論が始まった当初、主要な論点の一つにカリキュラム・オーバーロードの問題があったと記憶している。
カリキュラム・オーバーロードとは、学校の教育内容や授業時間が過剰になり、児童生徒や教員に過度な身体的・精神的負担がかかっている状態のことだ。
この問題は日本だけでなく、世界共通の課題として認識されており、その国の状況に応じて学習内容の精選や授業時間の削減、柔軟なカリキュラム編成などの改善策が求められているのだ。
日本の場合、各教科・領域の内容や時間数の問題とともに、「○○教育」という横断的な教育課題がカリキュラム・オーバーロードの原因になっているという指摘がある。
たとえば、キャリア教育、プログラミング教育、人権教育、国際理解教育、健康教育、安全教育、防災教育、平和教育、主権者教育、消費者教育・・・。
細分化されたものまで全て数え上げていったら、確実に100は超えるだろう。
これを「弁当箱」にたとえると、
「美味しそうだから」
「体にいいから」
と、おかずを詰め込みすぎて、すでにパンパンの状態になっているのだ。これ以上、新たに何かを入れる隙間はない。
もし、どうしても入れたいのであれば、
「唐揚げを入れるかわりに、ウインナーをあきらめる」
「ブロッコリーを外して、ホウレンソウの胡麻和えを入れる」
という具合に入れ替えを考えていくしかない。
もちろん、余裕をもって
「もっと大きい弁当箱にする」
「弁当箱を2つにする」
という選択肢もあるだろう。
しかし、その場合にはさらに品数が増え、
「子どもたちも教職員も食べ切れない」
「無理に食べさせたら消化不良になる」
という問題に直面するはずだ。
(つづく)