2026年10月09日 23:00 雪歩「私を……私を捨てないでぇぇ!」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/09(木) 20:18:48.81 :Fgu/BWnK0 765プロ いつもの事務所にて…… ガチャ 雪歩「ただ今戻りましたぁ」 P「お、お疲れさん雪歩! レッスンの調子はどうだ?」 雪歩「もう、バッチリですぅ!」 P「そりゃよかった! 最近は、本当に調子がよさそうだな!」 雪歩「はい! これも全部、プロデューサーのおかげですぅ!」 P「え、俺の?」 雪歩「そうですよぉ!」 P「はあ……?」 読む →
2026年10月09日 22:00 真姫「スニーキングしたい」 元スレ 全てのレス 再掲 2: ◆lzM7T65Vr2:2014/09/12(金) 05:40:22.91 :IhAoRN9Oo ―真姫宅― レオナルド『スニーキングの基本その1、まず見つからないことだ』 ケニー『そんなことわかってますよ!!俺に任せてください!!』 ケニー『………大丈夫だ俺、俺ならできる…』 敵兵『!? 誰だ!?』 ケニー『しまった!!!』 レオナルド『やっぱりな』パスッパスッ レオナルド『その2、対処は迅速に』 真姫(………かっこいい) 読む →
2026年10月09日 21:00 女神「たまには下界に遊びに行くとするかのう」 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/07(火) 00:16:45 :0zGL3NuU <天界>武神「おや……? 女神、どこに行く?」女神「たまには下界に遊びに行こうと思ってのう」武神「下界へ? 珍しいこともあるものだな」邪神「もしかして、なんか用事でもあんのか?」女神「実は少し前に、ある村を災害から救ったことがあるのじゃ」女神「その時、また行くと約束しておったのでな」武神「ほう、少し前というのはいつ頃だ?」女神「ちょうど300年前じゃ」武神&邪神「!?」 読む →
2026年10月09日 20:00 洋榎「にんじんめっちゃ美味しいわ~」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/08(水) 17:14:46.91 :mFNZwzXk0 愛宕家 雅枝「もう、洋榎はまたにんじんだけ残して!」 洋榎「だってにんじんなんて不味いだけやん」 雅枝「好き嫌いしてたら大きくなれへんで」 洋榎「うちはもう十分大きいからええわ」 雅枝「はぁ…絹恵はちゃんと食べとるのに」 洋榎「なら絹にやるわ。ほれ」ヒョイ 絹恵「ありがとうお姉ちゃん」 読む →
2026年10月09日 19:00 海未「H(>>2)N(>>4)K(>>6)」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/02(木) 21:29:54.39 :5pksyvC70 ことり「HNK…?」 海未「はい。HNKです」 ことり「NHKじゃなくて?」 海未「HNKです」 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/02(木) 21:30:30.47 :1YSy4hytO 本当に 4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/02(木) 21:30:55.50 :rMQdOv6OO 憎たらしい 7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/10/02(木) 21:31:39.60 :786LuxqAO ことり 読む →
2026年10月09日 18:05 黒崎一護「媚薬…だと…?」 元スレ 全てのレス 再掲 1:1 ◆HsA3St32Rs:2014/10/06(月) 23:18:08.57 :OiKlgM7TO マユリ「そうだヨ。私の新薬の実験台なれるんだ、光栄だと思いたまえ」 一護「嫌に決まってるだろ!」 マユリ「もう遅いヨ。すでに投与した」 一護「なん…だと…?」 マユリ「効能は至って単純。君の半径100メートル以内に入った者は、君から発生される特殊なフェロモンにより異常なほどの性的欲求にかられるようになるはずだヨ」 一護「そんなバカなことが…」 マユリ「試しに外へ出てみたまえ。私やネムを含め、十二番隊の隊士には効かないようにしてあるからここにいては効果が検証できない」 一護「ふざけんな!じゃあ、効果が切れるまでここに居座らせてもらうぜ」 マユリ「それは残念だネ。この薬の効果はワクチンを投与するまでざっと1ヶ月という所だヨ。…まあ、1ヶ月間私の研究の実験台になるなら置いてやらなくもないがネ」 一護「おじゃましましたっ!!」バッ マユリ「行ったか。さて、観察させてもらうとするヨ」ニヤッ 読む →
2026年10月09日 15:00 姫川友紀「ほろ酔い恋心」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/09(木) 20:06:17.44 :NLcskzdU0 ワァァァッ ユッキー、ユッキー! 友紀「みんなー、ありがとー!」 P(姫川友紀。うちの事務所のアイドルだ) P(少し前までは飲んだくれの野球好きだったが…総選挙をきっかけに今ではうちの事務所のエース格に上り詰めた) 友紀「それじゃラスト1曲、いっくよー!」 P(今日は地方のライブ活動。俺も付き添いとして同行することになった) 読む →
2026年10月08日 23:00 モバP「こら!ぴにゃこら太!」 元スレ 全てのレス 再掲 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/10/04(土) 07:07:17.77 :TMYtbw/E0 モバP「ダメじゃないか!勝手にちひろさんの財布からお金取っちゃ!」 ぴにゅ「ぴにゃ♪(これ、やるよ!)」 つ 諭吉さん モバP「え?諭吉さん1枚をくれるってのか?」 ぴにゃ「ぴっぴぴー!!(これで風俗でも行ってきな!)」 モバP「いや、でもそれはちひろさんのお金だからな!窃盗だぞ!」 ぴにゃ「ぴにゃにゃ!!(んだよ、諭吉一人じゃ戦力不足か?この欲しがりさんめ・・)」 つ 諭吉さん×5 モバP「ご、五万円だとぉ!!高級ソープだって夢じゃない・・・」 ぴにゃ「ぴにゃー!(あの守銭奴の金なんざむしりとっても何の問題もねーさ。俺はお菓子買ってくるからな。お前も俺の飼い主なら同罪だぞ。)」 モバP「ぐぬぬぬ・・・よし、ちひろさんには内緒だぞ♪」 ちひろ「何が内緒だって言ってるんですか?」 読む →
2026年10月08日 22:05 兎角「クッ…!カレーが切れて力が出ない…っ」ガクッ 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/08(水) 06:39:13.00 :obM2yF8Yo 晴「兎角さーん!新しいカレーだよーーっ!」バッ 兎角「晴っ!」パクリ 兎角「うむ、美味い!」テーレッテレー♪ 兎角「元気100倍、東兎角!」ババーン! 兎角「うおおおおおお兎角パーンチ!」バキッ しえな「う、うわぁ~!おぼえてろーーっ!!」ぼがーん! 晴「やったね兎角さん!」 兎角「ああ、晴のカレーのおかげで今日もバッチリだ!」 読む →
2026年10月08日 21:00 小林P「幸子と結婚したらとんでもないことになった」【モバマス】 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/10(金) 03:17:26.47 :mQwhMsyeo 小林P「……幸子」 幸子「ん? どうしましたかプロデュ、いやPさん」 小林P「お前……なんか、老けたか?」 幸子「老けたって、いきなり失礼ですね!」 幸子「ボクはいつだってカワイイボクですよ!」 幸子「あ、でも結婚してからは大分オトナっぽくなったんじゃないかってよく言われるんですよ」 小林P「そうか……」 読む →
2026年10月08日 19:00 穂乃果「なんでもない休日」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/01(水) 22:12:16.33 :lCnd+GqP0 雪穂「お姉ちゃんー?」ガチャ 穂乃果「ぐぅ……」スヤスヤ 雪穂「まだ寝てるし……」 雪穂「お姉ちゃん起きて、もう朝だよ」 穂乃果「うーん……まだ眠いよぉ」ムゥゥ 穂乃果「だいたい今日は日曜日だし……後5時間……」 雪穂「お母さんが店番やれってさ」 穂乃果「…………え?」パチッ 読む →
2026年10月08日 18:00 冬馬「お◯ぱいを…揉ませてくれ…」 元スレ 全てのレス 再掲 1: ◆5m18GD4M5g:2014/10/08(水) 20:02:36.52 :cE9c1yYW0 北斗「先生…、冬馬はあとどれくらいですか?」 医者「あと数時間って所でしょう…」 北斗「そんな…」 医者「手は尽くしましたが…」 翔太「冬馬君…」 冬馬「………」ピッ ピッ 読む →
2026年10月08日 15:00 提督「初春、なんぞ、めでたいのう」 元スレ 全てのレス 再掲 2: ◆gKIVhd2ytqPb:2014/10/07(火) 21:42:28.73 :qYOD9r/v0 初春「電殿は、なんぞ変わった掛け声をするのう」 提督「なんだ、知らなかったのか初春」 提督「アレは『ナノ粒子レベルまで粉砕してやるのです』を略したものだぞ」 初春「真か!?」 時雨「提督、初春に嘘を教えるのはやめるんだ」 読む →
2026年10月08日 12:00 エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」 元スレ 再掲 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 00:48:42.35 :ABky3MGk0 開けた草原の中に一定の間隔で点在する家屋。 マサラタウンで起こる出来事、噂は大小関わらず一時もすれば街全体に広がっていく。 そんな場所で唯一世界に発信出来る場所、ポケモン界の権威オーキド博士の研究所内で、新しい二人のトレーナーが初戦に望んでいた。 「泣き虫でしかもポケモンも満足に扱えないのな! レッド」 「……」 レッドとグリーン、この街に住む二人の少年の力関係はこの会話で推して知るところだ。 グリーンはヒトカゲと共ににやついた顔でポケモンバトル勝利の余韻に浸り、レッドは目から零れそうになる雫を必死でこらえ、手を震わせながら倒れ伏したフシギダネにモンスターボールのリターンレーザーを当てた。 (勝負とは残酷なものじゃな) オーキド博士は孫の勝利を喜ぶわけでもなく、ため息を必死でこらえるような表情でレッドを見ていた。 悲しくはないが少々虚しくはある。レッドは昔から口下手で、年の近いグリーンには毎度合うたびいじめられており、そのたびグリーンの姉やオーキド博士がグリーンを叱りつけるものの、劣等者を痛めつける喜びを覚えてしまった子供、グリーンを御しきれていなかった。 レッドが精神的に強くなってくれればあるいは、またポケモントレーナーとして二人に共通の話題ができればと思っていたのだが……。 「よさんかグリーン!」 「うるせえじじい! 俺はもう姉ちゃんからタウンマップもらって旅に出るからな! ばいびー!」 そそくさと出て行くグリーンをオーキド博士はあっけにとられたまま見送ってしまった。顔を伏すレッドとオーキド博士の間で沈黙だけが残る。 「レッド……」 3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 00:49:53.51 :ABky3MGk0 レッドのポケモンを回復させる。レッド自身も慰めなければならないだろう。 しかしいつもならレッドがぐずりだすところだが……。 「……っ!」 「レッド!」 レッドは涙を振り払い一目散に研究所から駆け抜ける。 「あら?」 「!?」 レッドはドアまで走った所で人にぶつかりそうになり、少し減速した。 マサラでは見ない女性だった。肩まで伸びる黒い髪、山吹色の和服からにじみ出る優雅な立ち振る舞いと気品。しかしレッドは彼女と目を合わせるのを避けて駆け出して行く。 「オーキド博士、あの子は?」 「おお、エリカさん。この前言っていたポケモンをあずける予定だった子の一人なんじゃが……。初戦に負けたショックで飛び出してしまってなあ」 「まあ……どんなバトルでしたの?」 「相手はわしの孫でグリーン、使ってたのはヒトカゲじゃ。今飛び出していったのがレッドで使ったのはフシギダネ。二匹とも今日が初めてだから、ひっかくと体当たりの応酬じゃったのう」 「なるほど。本当に初めてでしたのね」 「おお、しまった。旅立ちのついでにトキワタウンから荷物を持ってきて欲しかったんじゃが、二人に頼みそびれてしまったわい……」 「それなら私にお任せください。飛行ポケモンを持ちあわせていますので」 「おおすまんのう。ジムリーダーにおつかいなんてさせてしまって申し訳ない」 「いえいえ。オーキド博士のお役にたてるのなら、些細なことでも光栄なことです。それと一つ教えていただけたいのですけど」 「なんじゃ?」 エリカはふわりと微笑む。 「レッドくん、どこに行ったのか心当たりはございますか?」 4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/13(日) 00:50:35.48 :ABky3MGk0 彼は弱かった。 彼は負け続けていた。年の近いグリーンを相手に、喧嘩でも、かけっこでも、川泳ぎでも。 グリーンは口々にレッドを罵り、レッドは言い返せない歯がゆさと悔しさで逃げ出すしかない。 それでもレッドは新しい勝負からは逃げなかった。グリーンに勝てることを一つでも、その負けん気の強さだけは誇りだった。 そしてポケモン勝負。自分だけじゃないポケモンの強さを借りれば、あるいは。 しかし、結果はいつもの敗北だった。 「……」 草原に雨が降っていた。どこまで走ったのか、帽子と服が水分を吸って体に張り付いていたが、レッドからすれば大した問題じゃない。 「……」 少し疲れた。レッドは座り込み、雨に打たれる水たまりをなんの意味もなく見つめていた。 (なぜ、勝てないのだろう) グリーンと自分は何が違うのだろう。グリーンはいつも自信満々だ。いつも自分は勝てるという確信があり、好戦的な笑顔を張り付かせて勝負に望んでいる。 しかしレッドはそうではない。きっと勝てる。今回は勝てる。そんな想いと裏腹に、また負けるんじゃないか、自分はグリーンには勝てっこないんじゃないか。 そんな感情が目の前を覆ってくる。いつもそうだ。 (一生、勝てないのかな) 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/13(日) 00:51:27.36 :ABky3MGk0 俯いた顔、雨が後頭部から目尻まで垂れてきて、地面に1つ2つと雫となって落ちていく。 「そんなところにいると、風邪を引いてしまいますよ」 その言葉とともに、レッドの頭上に傘があった。しかしレッドから落ちる雫が止まらない。 レッドは目元を一度拭ってから目線を横に移し、先ほどすれ違った和服の女性を視認してから、またすぐに地面へと顔の向きを戻した。 (ありゃ) エリカは肩を落とした。噂に聞いていた少年は大分敗北が堪えているらしい。 彼を知るグリーンの姉曰く、 「レッド君、けっこう無口だからグリーンが調子にのっちゃうのよね……」 オーキド博士曰く、 「レッド自身は優しい子なんじゃがなあ……。グリーンが一度怪我をしたことがあったんじゃが、すぐに走って大人を呼びに来てくれたんじゃよ。しかしグリーンは"レッドに見捨てられた"って勘違いしてしまってのう。後でグリーンに訳も話したんじゃが、それ以来グリーンとレッドが勝負事をするようになってしまったんじゃよ」 そしてレッドは連戦連敗中。彼が逃げ出すと大抵この場所で塞ぎこむという。 エリカは別にレッドに一目惚れしたとか、泣き虫な男の子を叱咤激励したいとか、そこまでの思いがあってレッドを追ってきたわけじゃあない。 (新しいポケモントレーナーの門出に、少しだけ手助けしてもかまわないでしょう) 聞けば彼が使うポケモンは草ポケモンのフシギダネだという。エリカも草タイプを司るジムリーダーの一人。 「レッドさん」 6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/13(日) 00:56:18.38 :ABky3MGk0 「!」 レッドの体がぴくりと動いた。 「オーキド博士にお名前をお聞きしました。私はエリカ、ポケモントレーナーをしております」 レッドはなおも動かない。 「グリーンさんに、ポケモンバトルで勝ちたくはありませんか?」 エリカは返答を待つ。数秒の沈黙の後、レッドはゆっくりと口を開いた。 「無理だよ。どうせ勝てない」 「どうして?」 「いつもそうなんだ。こっちがどんだけ頑張っても、グリーンはいつも僕よりも上なんだ。どうせ頑張ったって、無理だよ」 「なるほど……」 中々手強い。さてどんなアプローチがいいだろうか。 「……レッドさんは、ポケモンの公式試合を見たことがありますか?」 レッドがエリカの方を見ずに応える。 「テレビで、ニドリーノとゲンガーが戦っているのは見た」 「最近の公式戦ですね。あれはいい試合でした」 7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/13(日) 01:05:19.66 :ABky3MGk0 エリカが弾むように続ける。 「ポケモンバトルに必要な戦略、戦術、技術……それら必要な要素が全て噛み合った試合はとても心躍るものです」 レッドは無感動に、 「勝てなきゃ意味無いじゃん」 とにべもない。 「ええ。試合、特にプロの公式試合はなによりも結果が求められます。しかしプロの公式試合だろうと、ポケモンを初めて持ったトレーナー同士の試合であろうと、ポケモンバトルで最後に勝敗を分ける、不変の要素があります」 エリカは一度言葉を区切って、 「何だと思いますか?」 レッドに微笑みかけた。 レッドは不思議そうな顔をして、 「ポケモンの強さじゃないの?」 「いいえ違います」 ばっさりと切り捨てられた。 「わかんないよ、ポケモンの強さより必要なものなんて」 「……ポケモンバトルで勝つために一番大切な要素、それは」 雨が、勢いをなくしてきている。 「トレーナーとポケモンとの、絆です」 8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/13(日) 01:14:34.07 :ABky3MGk0 「……絆?」 「レッドさん、フシギダネを出してみてください」 レッドは手元のモンスターボールを地面に放った。 「ダネフシッ!」 地上に出たフシギダネは、雨の中嬉しそうに背中を揺らしている。 「なんで、喜んでるんだ?」 「レッドさん、オーキド博士からいただいたポケモン図鑑をフシギダネに向けてみてください」 「えっと……」 レッドはポケットから赤い電子図鑑を取り出し、フシギダネへ向けた。 フシギダネを感知した図鑑から電子音が響く。 『フシギダネ。たねポケモン。生まれてからしばらくの間は、背中の種から栄養をもらって大きく育つ』 「たねポケモン……そうか、雨で背中の種から栄養もらえて喜んでいるんだ」 「ええ。レッドさんこれを」 「これは……?」 レッドはエリカから茶色い種子のようなものを受け取る。 「ポケモンフードです。これをフシギダネに」 「あっ」 9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 01:29:06.86 :ABky3MGk0 レッドがかがみフシギダネに差し出すと、フシギダネは一度匂いを嗅ぎ、はむはむと頬張った。 「ポケモンは剣や盾では決してありません。この地上に住む生物の一つ。好き嫌いがあり、感情があります」 食べ終わったフシギダネが、もっと欲しいとキラキラした目でレッドを見つめる。 「ポケモントレーナーとはひとつひとつのポケモンを知り、そして相手に知ってもらい、絆を育み共に強さを目指す……。レッドさんあなたは今、フシギダネの一部を知りました」 エリカがレッドにポケモンフードの箱ごと手渡す。 「しかしフシギダネの全てではありません。これからレッドさんはもっとフシギダネの事を知り、そしてフシギダネにあなた自身を知ってもらう必要があります」 「僕自身をフシギダネに知ってもらう?」 「ええ」 フシギダネがまだかまだかと、レッドの周りを回り始める。 「互いの事を知り、共に切磋琢磨して絶対に切れない絆のもとに、望む勝利の光がある……。それがポケモントレーナーです」 「……」 レッドは餌を食べるフシギダネを見つめる。初めてグリーンのヒトカゲと戦った時、自分はなにを考えていただろうか。 『グリーンに勝ちたい!』『このポケモンバトルでなら!』 『なんであっちの攻撃の方が強いんだ!』『あっちのポケモンにすればよかった!』 『どうせまた、勝てない』 「……」 10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/13(日) 01:39:47.68 :ABky3MGk0 「……僕も」 レッドは初めて、エリカの瞳を真正面から見つめた。 「僕も、なれるかな。そんなポケモントレーナーに」 「なれるかどうかは、この世界の誰にもわかりません。大事なのは」 エリカは抱擁力がこもった声で言う。 「"なりたい"という意思があるかどうか。レッドさん、ポケモントレーナーになりたいですか?」 レッドは目をつぶった。 『レッド、お前ポケモンバトルも弱いんだな!』 『レッド、少しはグリーンに言い返したらどうじゃ?』 『レッドくんごめんね。グリーンにはいつも言ってるんだけど……』 強くなれるだろうか。 もうあんな目で見られることはなくなるだろうか。 ポケモントレーナーになれば、グリーンに勝つことができるのだろうか。 ……いや、勝つことができるかどうかじゃない。 自分は望んでいる。なににも変えがたい強さを。 勝利の光を。 「……ポケモントレーナーになりたい。なって、グリーンに勝ちたい」 「はい。それでは、レッドさんはまずなにを始めますか?」 「もっとフシギダネの事を知りたい。ポケモンのことも、ポケモンバトルの事も」 「ええ」 エリカが本当の意味で微笑む。 「その、エリカ、さん」 「はい?」 レッドがフシギダネを抱え上げる。 「よかったら、少し教えてくれませんか? ポケモンのこと、ちょっとでいいんで」 「もちろん。構いませんわ」 雨はもう止んでいた。 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 01:52:37.71 :ABky3MGk0 トキワシティ。ここにはトキワジムの他、ポケモントレーナーの殿堂であるセキエイ高原に続く道がある。 その途上に目を合わせたポケモントレーナー二人の姿があった。 「ようレッド。この先はジムバッジが8個ないと進めないってよ! まったくケチンボだぜあの警備員」 レッドは答えない。グリーンは気にした様子もなく言葉を続ける。 「そういやレッド、あれからお前ポケモンは捕まえられたか? じいちゃんの言葉に従うのは癪だけど、俺は一応集めてる。もう4匹も捕まえちゃったぜ。レッドは何匹だ?」 「……2匹」 「俺の半分かよ! そんな調子じゃポケモン図鑑の完成も俺が先にしちゃうかもな!」 はははっ! とグリーンは軽く笑う。そして腰のモンスターボールに手をかけた。 「知ってるかレッド、旅の途中でポケモントレーナーの視線が合ったら、やることは一つ」 「……」 レッドが身を低くしてモンスターボールを構える。さまになっているレッドの姿に以外だったのか、グリーンが口笛を吹いた。 「へへっ。今度は長くもてよ。レッド! いけっ! オニスズメ!」 「いけっ!ポッポ!」 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 02:15:43.85 :ABky3MGk0 鳥ポケモンのそれぞれの鳴き声が響く。 「オニスズメ! つつく!」 「ポッポ、すなかけだ!」 オニスズメの攻撃に耐え、ポッポは正確にオニスズメの目にすなをかけていく 「相手のHP(ヒットポイント)を減らさなきゃ勝てないんだぜ、レッド!」 グリーンが電子図鑑でポッポのHPを確認する。 「ポッポ、すなかけ!」 「はっ、つつくだ! オニスズメ! この前と一緒だなレッド!」 「……」 「なあレッド。お前とお前のポケモンのために言っとくぜ、ポケモントレーナーなんてやめちまえよ」 「!」 「ポケモントレーナーていうのはな、ポケモンを道具のように自在に扱って勝利を勝ち取るもんだ! どんなに強いポケモンを使おうが、命令してる奴がヘボだと勝てねえんだよ」 「……」 「お前て弱い上に口下手だろう? 使われてるポケモンがかわいそうだぜ! 俺なんかじいちゃんの孫だからポケモンのことだってお前よりわかってるし、バトルも強い! そうだ、俺が勝ったらポケモンよこせよ! お前の分も頑張ってやるよ。このグリーン様が、未来の世界チャンプのポケモントレーナー様がな!」 「…………」 ポッポにオニスズメの攻撃が続く。レッドは顔を伏せ、帽子のつばで目線を隠す。 「…………違う」 確かな、しっかりとした言葉だった。 「あん?」 「ポケモントレーナーは、そんなものじゃない!」 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 02:23:36.12 :ABky3MGk0 レッドは顔を上げ、グリーンを正面から見据えた。 「ポケモントレーナーとはポケモンとの絆を育み、勝利の光を目指すものだ。好き勝手に命令して、道具のような扱いをして勝てるようなものじゃあない!」 「なっ!?」 グリーンは知らない。こんな、こんな意思をもった煌きを放つ瞳のレッドなど、知らない。 「それを証明してやる! ポッポ! かぜおこし!」 攻撃に耐えていたポッポの眼が開き、一気にオニスズメから距離をとって羽ばたく。 「くっ! オニスズメつつくだ!」 しかしオニスズメの攻撃は外れた! 「なに!どうして!? もう一度だ!」 グリーンは気づかない。オニスズメの攻撃がポッポのすなかけによって、途中から空を切っていたことを。 レッドはオニスズメの命中率が十分に落ちてから、反撃にでたことを。 「トドメだ! かぜおこし!」 ポッポが一段と甲高く鳴き、羽ばたいて作り出した風のかたまりをオニスズメにぶつける。 オニスズメは力のない鳴き声を上げて、倒れ伏した。 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 02:25:11.80 :ABky3MGk0 「そんな……俺の、オニスズメが……」 グリーンが呆然とした表情でオニスズメをモンスターボールに戻す。 「こんな……こんなの認めねえ! 畜生!」 グリーンはバトルを中断して、走り去っていく。 「待てグリーン!……」 レッドは追うのをやめて、ポッポに近寄った。 「よくやったぞポッポ。頑張ったな」 「ポー♪」 ポッポにキズぐすりを使って背中を撫でると、ポッポが陽気にレッドへ擦り寄ってくる。 「皆、出ておいで」 レッドが残り二つのモンスターボールをほおる。フシギダネとコラッタが元気に飛び出した。 「お前たちの出番、今回はなかったな。でも油断せずに行こう」 フシギダネとコラッタ、そしてポッポがレッドの周りに集まる。 「さて道を変えて、まずはトキワの森か、今度はどんなところかな」 (あっ……そういえば、僕、グリーンに勝ったのか) しかし、今は些細な事に思える。不思議だ。 「ダネフシ?」 もっと大事なことが、できたからだろう。 「……なんでもないよ。さて行こうか皆。まだまだ旅は始まったばかりだよ」 少年は本当の意味で歩み始める。 ポケモントレーナーになるために。 タマムシシティであの人に礼を言うために。 ポケモン達と共に勝利の光を目指す旅に。 21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 21:33:55.60 :ABky3MGk0 ニビシティ。そこではニビ科学博物館で宇宙博覧会が行われており、多くの観光客や研究者が訪れている。 またニビシティにもトキワシティと同じくポケモンジムがあり、代々岩タイプを司るジムリーダーが訪れるポケモントレーナーの挑戦を受けていた。 「……ふう」 ここはニビシティジムリーダーの事務室。 普段は多くの関係者が出入りし、隣接するバトルスペースには多くの掛け声やポケモン達の咆哮が響く場所だったが、今はガランとして静かで、一人の男のため息だけが漏れていた。 コン、コン。 「はい」 「入るわよ、タケシ」 「カスミか」 ニビシティジムリーダータケシはデスクで片付けていた書類を置き、同業者であるハナダシティジム所属のカスミを出迎えていた。 タケシは茶色いTシャツに緑のズボン、カスミは丈の短いTシャツとショートパンツのへそ出しルック。互いにかしこまった関係ではないことが見て取れる。 ハナダシティはニビシティと隣接しており、またカスミとタケシは歳が近いこともあって、ポケモンの事を話すことは少なくなかった。 二人の間の空気は静かだった。 タケシは元来口数が多い方ではなかったが、今日は一段と寂しげな雰囲気を纏っており、カスミもそんなタケシを認めながらもさして興味なさげに人のいないジムを眺めていた。 カスミはただの広い空間になったジムの天井を見上げ、声を響かせる。 「本当にやめるのね。ジムリーダー」 「ああ、明日がニビジムの、いや、ジムリーダータケシの最後の営業になる」 「ふーん。代わりの人はすぐ来るの?」 「もうポケモン協会の方が新しいジムリーダーを選定しているそうだ。長くても一週間もすれば新しい人間が来るだろう」 「そう、一週間ね。その間旅のトレーナーは待ちぼうけってわけ」 カスミの語気は強くない。ただ事実を言っているだけだった。 「俺を止めに来たわけじゃなさそうだな」 「そりゃそうよ。止める理由がないもの」 「……そうだな」 22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 21:43:18.01 :ABky3MGk0 カスミが今は誰も居ないバトルスペース中央、モンスターボールを模した白線の中央に立つ。手を頭の後ろに組んで目をつぶった。 タケシはカスミの大分後ろに立って、明日で最後になるバトルスペースを眺めた。 「じゃあカスミはここに何しに来たんだ? バトルならまあ、今なら付き合うが」 タケシは苦笑しながら言った。カスミは水のエキスパート、対してタケシは岩。自分で言っといて勝ち目は薄い。 カスミは目を開ける。タケシを見ない。どこか中空を見ている。 「バトルは別にいいわ。あんたがどんな顔してるか、興味があっただけ」 「なんでやめるのかは聞かないのか?」 「別に興味ないわ。まあでも、あんたの顔が見れてよかったわ。少し判断材料になった」 「ジムを姉に任せて、最近ハナダに戻ってないって聞いたぞ」 「別に問題ないでしょ。ジムバッジ譲渡の権限は私達4姉妹なんだから、誰かいればいいわ」 「お前が4姉妹の中で一線を画す強さなのにか?」 カスミはタケシに返答せず、タケシの横を通りすぎて手をひらひらと振る。 「明日最後の挑戦者を待つつもりだ。暇だったら来てくれ」 タケシの言葉にカスミは何の反応もせずジムを去った。 「……さて、書類を片付けるか」 23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 22:22:05.09 :ABky3MGk0 タケシが庶務を終えた時にはもう日が落ちていた。街灯に沿った道のりに人通りは少ない。 「今だ、フシギダネ! ようし、いいぞ!」 「ん?」 道から少し外れた場所、家々から離れた場所で掛け声が聞こえた。 見たところ、10歳そこそこの子供。フシギダネというところからまだポケモンをもらったばかりのトレーナーだろう。 いいコンビネーションだな、とタケシは感じていた。フシギダネの行動と反応を見てから、ちゃんと次の命令を繰り出している。 「いい連携だな、少年」 「え?」 「すまない、邪魔をしてしまったかな」 タケシは気づいたら声をかけていた。ジムリーダーという仕事はジム所属のトレーナーの指導も多い。タケシはそれが嫌いではなかった。 「君は、ニビシティの子ではないのかな? あまり見ない顔だけど」 「うん、マサラタウンから来たんだ。ここではジムに挑むつもりで、今はその練習」 「名前は?」 「レッド」 「そうか。俺はタケシ」 フシギダネがレッドの腕に飛び込み、レッドもフシギダネを抱きかかえて笑顔で撫でる。 24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/13(日) 22:23:03.63 :ABky3MGk0 「タケシさんもポケモン持ってるの?」 「……ああ」 タケシは少し考えてから腰のモンスターボールを選び、自らの隣に放る。 「コンっ!」 現れたのは赤い毛にこじんまりとした6つの尻尾が特徴的なポケモン、ロコン。 「わっ。はじめて見るっ!」 「ロコンというんだ。この辺では珍しいかもしれないな」 タケシはかがみ、ロコンの体を撫でる。ロコンは心底リラックスしたように、タケシに体を任せた。 「すごく懐いてるね」 「ありがとな。なあ少年、一つ聞いてもいいか?」 「ん、なに?」 「ジムに挑むということは、その先にあるポケモンの殿堂、セキエイ高原を目指すんだろう? どうしてそうしようって思ったんだ?」 「どうしてって……? ポケモントレーナーは皆目指すんじゃないの?」 25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/13(日) 22:25:35.37 :ABky3MGk0 「ポケモンとの付き合い方は様々だよ。セキエイ高原を目指す人は多いだろうが、中にはポケモンをペットとする人、ポケモン研究者や、土木作業や治水工事、ポケモンのケアや健康を扱うポケモンブリーダーという職業もある」 タケシはロコンから手を離し、レッドに向かい合った。 「人それぞれのポケモンとの付き合い方がある中で、どうして君はポケモントレーナーになったんだい?」 タケシは努めて優しく言った。別に糾弾しているわけじゃない。このフシギダネと良い関係を築いている少年がどうしてバトルの道に行ったのか、純粋な興味だった。 「……勝ちたいから、かな」 「勝ちたいから?」 「うん。ポケモンバトルってさ、僕だけじゃなにもできないじゃない。でもポケモンだけがいても、なにもできない。ポケモンがいて、トレーナーがいて、二つの心が通じあって初めて、勝てる」 「……」 「一人だけじゃできないことでも、ポケモンと力を合わせれば。仲間と一緒に勝ちたいから、喜びを分かち合いたいから、バトルで勝ちたいから、かな」 少年の表情はキラキラしていた。タケシは憧憬にも似た感情でそれを眺める。 「ごめん、ちょっとうまく言えないかも」 「……いいさ。立派だな、君は」 26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/13(日) 22:27:11.60 :ABky3MGk0 ニビシティジムで毎日連戦する日々。しかしタケシはある日、傷ついたポケモンを癒やすポケモンクリニックでのブリーダーたちの献身さを見て、迷いが生まれていた。 自分はポケモンに戦いを強制してしまっていないか。もっと他の、ポケモンを愛する者としての付き合い方があるのではないか……。 そんな迷いが生まれていた矢先、先日ヒトカゲを伴った挑戦者が来た。 一度目はタケシが退ける。相性から見て当然の結果で、タケシはがまんやタイプ相性の事をレクチャーしようと思ったのだが……。 「……うっ」 その時、ヒトカゲを連れた少年から放たられた憤怒の視線。強烈な敵意。それに圧倒され、声をかけれずに彼を見送ってしまった。 時を置かずしてその少年は再来した。今度はリザードを伴って。 タケシは相手が持っているジムバッジの個数によって使うポケモンが決められている。 リザードの力はタイプ相性をものともせずに、タケシのイシツブテとイワークを撃破していった。 力技で押し通るのは悪いことじゃない。しかし、バトル相手に対しギラついた視線で攻撃してくるトレーナーとリザードの姿が、どうしても脳裏から離れなかった。 (俺がやっていることは、正しいことなんだろうか) この迷いに対して、タケシは考える時間が欲しかった。気づけば空いた時間、1から始めるポケモンブリーダー教本なんてものを読んでいる。 (今の俺は、ジムリーダーをやるべきじゃない) 周囲の反対をよそに、タケシは一度自分の道を見直すことを決めた。 27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/13(日) 22:28:47.80 :ABky3MGk0 「そういえばレッド君は、ポケモン博物館に行ってみたかい?」 「ううん」 「貴重なポケモンの化石や、ポケモンに関わる岩石を展示している。時間があれば行ってみるといい」 「うん、そうするよ」 「今日はもうほどほどにしときなさい。明日ジムに挑戦するなら、体調もポケモンも万全にしとかないと」 「わかった。ありがとうタケシさん!」 「ああ、おやすみ」 少年が駆けていくのをタケシは笑顔で見送る。 自分もさっさと今日は寝よう。明日は朝一番に元気なフシギダネ使いが来るだろう。 (……俺の、ラストマッチのためにも) 32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/14(月) 21:23:55.72 :IwkOwqpW0 心地良い朝だった。天気は快晴。湿度も程よく、ポケモンたちのコンディションが万全であることは一目見て分かった。 「おはよう皆」 ニビジムにタケシ他、ジム所属のトレーナー達が勢揃いしている。皆一様に、複雑な顔をしていた。 タケシの門出を祝うべきなのか、寂しさから彼を引き留めていいのだろうか。 「タケシさん、やめないでください! 俺……まだまだ1000光年だってタケシさんに教わりたいっすよ!」 「光年は距離の単位だぞ、まったく」 タケシがジムリーダーになってからジムに所属した少年が、こらえきれない涙を流しながらタケシに懇願する。 「ありがとな。今日の挑戦者の前座試合は、お前に任せる」 「……はい!」 「良い返事だ。さあ皆、俺の最後のジム戦だ。気合入れていくぞ!」 『はい!』 (今の俺には、ジムリーダーとして悔いが残っているかどうかすら自分でもわからない。だが、君のバトルに応えるくらいはできるだろう) ジムに開業のベルが鳴り、入り口のシャッターがゆっくりと音を立てて上がっていく。 バトルスペースに朝日が差し込むと同時に、赤い帽子を被った少年の影が伸びる。 「ようこそ、未来のチャンピオン!」 朝一番の挑戦者を受付が元気に向かい入れた。 33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/14(月) 21:38:17.43 :IwkOwqpW0 タケシは自分の出番が来るまで、自室で精神を集中させていた。 手持ちは相手のジムバッジの個数に合わせ、イシツブテとイワークの二体。イワークは耐久力を活かしたカウンター技、がまんを備えている。 正攻法で来る初心者相手に、相手を見る戦術性を教える極めて簡潔なデモンストレーションとも言える。 (ポケモン同士で傷つき傷を付け合うバトルにおいて疑問をもった俺でも、これから夢を目指す者の手助けくらいできるだろう。イシツブテ、イワークどうか俺に付き合ってくれ) 「!?……なんだ……!?」 今まで聞いたことのないような歓声だった。自室までバトルスペースの轟音にも似た人々の声が響いてくる。 「タケシさん、出番ですよ」 「あ、ああ。しかし、この声は……?」 「いけばわかりますよ、皆待ってます」 バトルスペースへの道を行く。いつもの数倍の眩しさと熱を感じるのは、気のせいではなかった。 「これは……!?」 まるで一級スタジアムのようだった。突貫で作ったのであろうイワーク達を利用して作った階段上の観客席。 そしてその席を埋める老若男女の大勢の観客たち、ニビシティの人口を考えれば驚異的な人数が集まっている。 『タケシさーん!』『頑張れー!』『その坊主つええぞー!!』『やめないでくれー!』 「にいちゃーん!! がんばれ~!」 タケシの弟と妹達まで勢揃いしている。 34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/14(月) 21:56:42.98 :IwkOwqpW0 「なっ……俺がやめることは、ジムの皆に口止めしていたはず……いや」 (……あのおせっかい娘め) 「すいませ~んタケシさん……負けちゃいました~……」 「わかった。後は任せろ」 タケシはバトルスペースに立つ。相対するは、 「タケシさんって聞いて驚きました。でもすごく光栄に思います!」 レッド。タケシの心に徐々に、熱い衝動が沸き起こってきている。笑っていた。 (馬鹿だな俺は。初心者にレクチャーなどど何を偉そうに。この観客達と、レッド君、そして俺のポケモンが望んでいることは) 「……俺はニビシティジムリーダーのタケシ。岩ポケモンを操るポケモントレーナーだ!」 「マサラタウンのレッド!」 『バトル開始い!』 「行くぞぉ! 行けぇ! イシツブテェ!」 「行け! コラッタ!」 35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/14(月) 22:30:59.82 :IwkOwqpW0 ポケモンの挙動ひとつひとつにジムが揺れる。 「コラッタ! 体当たりだ!」 「イシツブテ! 体当たりだ!」 文字通り低レベルの争い。しかし、観客たちと、戦うトレーナーとポケモンが持つ熱気はどうだ。 『そこだぁ!』『いいぞぉ!』『頑張れー!』 「コラッタ! もう一度体当たり!」 「イシツブテ! かたくなる!」 (この少年は本気だ! ポケモンが持つ力、ポケモンとトレーナーとの絆を信じて戦っている! 俺はどうだ!) タケシが久しく忘れていた感情が、目を覚ましかけている。 「コラッタ、しっぽをふる!」 (ここだ!) 相手がこちらの防御をさげようとした隙をつく。タケシとイシツブテの考えはシンクロしていた。 「イシツブテ! たいあたり!」 (イシツブテがこんなに早く! いや、俺の考えをイシツブテがわかってくれた) コラッタを倒したイシツブテがタケシをちらりとみる。タケシも頷いた。 36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/14(月) 22:32:26.60 :IwkOwqpW0 「さあ、レッド。まだまだこれからだぞ!」 「くっ! いけ! ポッポ! かぜおこし!」 イシツブテも連戦では長くもたなかったが、ポッポにある程度の打撃を与えることには成功していた。 「よくやったイシツブテ。もどれ」 レッドはたまらず、タケシに叫ぶ。 「タケシさん! 俺今、すごいわくわくしてる! これがジムリーダーとの戦いなんだね!」 「ああ! 俺も久しぶりに熱くなってきたぜ!」 タケシのポケモンは本気の編成ではない。だがそれがどうした。今持ちうる全ての力を出しきり、勝利を得ることになんの疑いを持とうか。 「これが切り札だ! いけ! イワーク!」 舞い降りる巨体。種族値こそ見た目に反しているが、その巨影はマサラからやってきたレッドを圧倒する。 (でかい……だけど、俺と俺のポケモン達の熱い闘志が囁きかけてくる。トレーナーとポケモンとの絆があれば、勝利の光をたぐり寄せることができる!) 「いくぞ! フシギダネ!」 37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/14(月) 22:34:07.47 :IwkOwqpW0 「草ポケモンか。だがその小さな体で、イワークの硬い体を打ち砕けるか?」 「超えれない壁などないと、俺は教わりました。俺とフシギダネの力を合わせれば、また一つ、見えなかった強さを身につけることができる!」 「なら見せてみろ! イワーク! たいあたり!」 「フシギダネ! たいあたり!」 (最初は体当たりの応酬、このフシギダネの火力なら耐えることができる! よし) 「イワーク、がまん!」 イワークの動きが丸まってとまり、フシギダネのたいあたりに対し反撃しなくなる。 「これは……一体?……まて! フシギダネ!」 (気づいたか。だが遅い、とめるのがあと一瞬早ければな!) 既に数発フシギダネの体当たりがヒットしている。 「イワークのがまん、知っていたのかレッド?」 「いえ、初めて聞く技です。だけど、イワークの挙動から予測はできる。フシギダネ! やどりぎのタネ!」 「なに!?」 フシギダネの背中のつぼみから種子が発射され、イワークの体を覆う! 「だが、イワークのがまんは開放される。イワーク! こうげきだ!」 「あとは削りきるまで! フシギダネたいあたりぃ!!」 イワークとフシギダネの額が激突し、あたり一面に砂埃が舞う。 「……」 「……」 38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/14(月) 22:35:38.00 :IwkOwqpW0 砂埃が晴れた時、立っていたのは巨影だった。フシギダネは倒れ伏している。 『……フシギダネ戦闘不能! ……え?』 イワークの巨体が傾き、ずしんと大きな音を立てて倒れた。その巨体からは地面を伝って、フシギダネへ養分を送るやどりぎが伸びていた。 それが一度脈打つと、フシギダネがゆっくりと立ち上がる。 『しっ失礼!……イワーク戦闘不能! 勝者! 挑戦者レッド!』 『うおああああああああああああああああ!!!』 「勝った…‥? 勝った……!! 勝ったぞ!!」 レッドがフシギダネに駆け寄って抱き上げる。 「やった……!!」 「おめでとう。レッドくん」 「タケシさん……」 イワークを戻したタケシが歩み寄る。 「こんな清々しいバトルは久しぶりだった。おめでとう。君にジムリーダーが認めた証、グレーバッジを進呈しよう」 「あ、ありがとうございます!」 レッドは副品としてがまんのわざマシンも受け取る。 「俺、こんなに楽しいバトル初めてでした。ジムリーダーのポケモントレーナーって、本当に憧れます」 「憧れ、か」 「だって、イシツブテもイワークとも息ピッタリだったじゃないですか。俺も、そんなトレーナーになれるように、頑張ります!」 「……ありがとう。君のフシギダネの扱い方も見事だった。誰かに教わったのかい?」 「教わったってほどではないんですけど……でも、今の戦い方見たら、優雅じゃないって言われそうです」 「優雅……?……!!」 草ポケモンを優雅なんて言う人は、タケシには一人しか思い浮かばない。 「いい師に巡りあったようだね。タマムシまで気が抜けないな」 「はい、それじゃあ」 「ああ、いい旅を」 39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/14(月) 22:36:31.36 :IwkOwqpW0 少年はまた駆け出していく。 しかし去ろうとするタケシに対し、歓声と拍手がなりやまない。 それを見て、ハナダのおてんば娘は微笑んでジムを後にした。 ジムのトレーナーたちがタケシに駆け寄ってくる。 「タケシさん、俺、俺」 「皆、話したいことがある」 ポケモンバトルで、ポケモンとの絆を証明している者達がいる。自分もそのうちの一人になりたい。熱いバトルを通して。 「書類を片付けたのが無駄になってしまうが、どうか俺を、ジムリーダーとして鍛えさせてもらえないか。まだまだ、ジムリーダーとして学ばなきゃいけないことがありそうなんだ」 「……!!」「もちろんです!!」「やった!! タケシさん!!」 『タ・ケ・シ・!』『タ・ケ・シ!』『タ・ケ・シ!』 (ありがとう、レッド。君ならばきっと……!) またひとり、ポケモントレーナーとして新たな扉を開く。 レッドの旅はまだまだ続いてく……。 41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/14(月) 23:40:13.18 :dpiqpRtG0 熱いな 43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 01:21:21.31 :W6G6U/Tgo 普通に泣けるわ 俺もタケシコールしたかった 44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/15(火) 22:41:42.84 :jtHkzUs+0 「おーし皆、集まってくれ」 オツキミ山のニビシティ側麓にある草むらの中、レッドはフシギダネ、コラッタ、ポッポ、バタフリーといった手持ちのポケモンたちをモンスターボールから外に出していた。 「俺達の新しい仲間だ。出てこい! コイキング!」 光とともに跳ねまわる魚影。地上におけるその姿は川から打ち上げられて身悶える魚の姿そのものでしかない。 「こいつはコイキング! 技は今は……攻撃技じゃない"はねる"しかないけど、俺達にとって貴重な水ポケモンの仲間だ。レベルアップして水の技を覚えれば、岩ポケモンの多いオツキミ山できっと活躍してくれる。皆サポートよろしくな!」 レッドの言葉にポケモンたちがそれぞれ鳴き声を上げて答える。皆レッドに大事に育てられて強くなってきたことをわかっており、新しい仲間のサポートにも理解を示してくれているようだった。 「さて、それじゃあオツキミ山の入り口を少し探索してみようか。ポケモンセンターにもよって、もう一度あの人にお礼を言っておこう」 ポケモンが500円で売っている。しかも草むらでは中々お目にかかれない水ポケモンということもあり、レッドはすぐに心惹かれコイキングを購入した。 純粋な少年は売ってくれた男性に対して深く感謝している。 (あれ、なんだろ?) ポケモンセンターから警察であるジュンサーが複数人現れ、布を被せた男を連れて行っている。 「あいつ、ポケモン売買の許可証を持たずにポケモンを販売してたのよ」 「え」 45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/15(火) 22:51:18.24 :jtHkzUs+0 レッドが振り向くと、そこにはノースリーブのTシャツにショートパンツといった様相の短髪の少女がいた。可愛さとワイルドさが同居している、そんな格好だった。 「売買って……」 「ってあら!? あなたこの前ニビジムに挑んでた子じゃない!?」 少女の声のトーンが急に上がり眼がきらりと光った。 「えっと、確かにこの前タケシさんと戦ったけど……」 「やっぱり! あの試合私も見てたの! 凄く楽しい試合だったわ!」 少女がはしゃぎながらレッドの手を握ってくる。こんな直接的に喜びをあらわしてくる同年代の少女に対し、レッドは気恥ずかしさと嬉しさから少したじろいだ。 「あっありがとう……」 「えっと確か、レッド君だったわね。私はカスミ。私もポケモントレーナーなの」 「え、そうなの!?」 「そうよ。あなたとポケモン息ぴったりって感じで最高だったわ。イシツブテもイワークもレベルが上なのに力を合わせてぎりぎりの勝利……! あなたみたいなポケモントレーナーって本当に素敵」 今度はうっとりとした表情でカスミはレッドを見つめてくる。 可愛らしい少女の好意を帯びた視線に、レッドの頬が純粋に紅潮する。 「そ、そこまで言ってくれるなんて……。でも、俺だけの力じゃないよ。皆がいてくれたから、あきらめずに頑張ってくれたから勝利できたんだ」 46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/15(火) 23:40:08.97 :jtHkzUs+0 「そうね……」 カスミが急に声のトーンを落とし、レッドから距離をとって背を向ける。 「?」 「ねえ、レッド君。君はこれからオツキミ山に入るんでしょ?」 「? うん。でもしばらくはオツキミ山でポケモンのレベルを上げるつもり。新しい仲間が入ったばかりなんだ」 「そう……」 カスミは体をよじり、レッドを流し目で見ながら、 「私も一緒に行っていいかな?」 と首を傾げた。 「う、うん。でも、しばらくここのポケモンセンターを行き来するけど……」 「構わないわ。さ、行きましょ!」 カスミがレッドの手を掴みぐいぐいと引いていく。レッドの初めての洞窟探検には、大きな渦が待ち構えていた。 オツキミ山内部、入ったレッドとカスミにはすぐさま野生のポケモンが出迎えた。 「野生のズバットよ」 「行け! コイキング!」 (!?) カスミが声を上げそうになるが、喉で押し殺してレッドの動向を見守る。 47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 23:42:01.03 :jtHkzUs+0 「よし、もどれコイキング! 行け! バタフリー!」 「……」 バタフリーがズバットを念力で倒し、ボールを収めたレッドは一息つく。 「ねえ、レッド君。そのコイキングって攻撃技もってないんでしょ? どうして育てているの?」 彼は知っているのだろうか。そのポケモンのポテンシャルを。 「えっと……初めて手に入れた水タイプのポケモンってこともあるんだけど、なんていうのかな」 レッドがぽりぽりと頭をかく。 「確かに今は強くないけど、これから戦いの経験を積めば、きっと強くなるって、そう思ったからかな」 レッドがコイキングの入ったモンスターボールを期待に満ちた目で見る。 育てれば進化するという知識をひけらかすわけではない。かといってとぼけているようにはとても見えない。 普通知識のない人間がコイキングを見ればなんと役に立たないポケモンと判断するだろう。 しかしレッドは、期待している。努力の積み重ねの先にあるものを。 「レッド君はさ」 「?」 「もし絶対に勝てない相手、何度戦っても実力の差を見せつけられるような相手がいたら、どうする?」 カスミはレッドではない虚空をみて質問している。 48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/15(火) 23:44:36.72 :jtHkzUs+0 (絶対に勝てない相手……) 『やい、泣き虫レッド!』 「……あきらめない。例え一時的に逃げることや、落ち込むことはあっても、でも絶対勝ってやるって、頑張るかな」 レッドの顔は真剣そのものだった。 「今は、一緒に頑張ってくれる仲間もいるしね」 そして手に握るモンスターボールを見てほころんで笑顔になる。 カスミはレッドの答えに高揚していた。 「うん、そうよね。私やっぱりレッド君のこと、好き」 「え!?」 「ポケモントレーナーとして、ね。そういう風に頑張れる人が、私は好き」 「あ、ああ、そういうこと」 レッドはいつになくどぎまぎしていた。 「……」 「カスミさん?」 (……) 49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/15(火) 23:46:21.61 :jtHkzUs+0 ハナダジム、カスミ達4姉妹がジムリーダーになったばかりの頃。 「カスミ! いい加減にしなさい! もう勝負はついていたわ!」 泣きながらジムから走り去った挑戦者に見向きもせず、カスミは姉の声に苛立っていた。 「はあ? 相手のヒットポイントは残っていたわ。そこに全力で技を放って何が悪いの?」 「相手に降参する隙を与えなかったでしょう。最初の一撃で力の差は明らかだったわ。相手もあきらめてた」 (くだらない) 「それがなに? ポケモントレーナーだったら最後の瞬間まで勝利を目指すのは当たり前でしょ?」 「ポケモンは戦いの道具じゃない。私達と同じ生き物なのよ。ポケモンとの正しい付き合い方、自分達の力量を把握して正しい決断をするのもトレーナーの仕事。そういうトレーナーとして必要な事を教えるためにジムがあるのよ」 「冗談じゃないわ! ポケモンバトルを行うトレーナーなら常に勝利が一番大事。ボタン姉達がそんな甘い考え方だから、私に一度も勝てないのよ」 「カスミ!!」 「スターミーも言ってるわ。もっと強い敵を圧倒的に倒す。……ジムリーダーになればカンナさんに近づけると思ってたけど、とんだ勘違いだったみたいね」 「カスミ、待ちなさい! カスミ!」 50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/15(火) 23:49:24.71 :jtHkzUs+0 (タケシもレッド君も、最後までポケモン達と勝利を目指したからあんな素晴らしい戦いができた。どうしてわからないの、お姉ちゃん……) 「カスミさん?」 「……? わっ!?」 気がつけばカスミの目の前にレッドの顔があった。 「ごっごめん! カスミさんすごくぼうっとしてるみたいだったから……」 「あはは、ごめんなさい。そのとおりでーす。ねえ、そのカスミさんっていうのむず痒いから、カスミって呼んで? 私もレッドって呼ぶからさ。お互い堅苦しいの無しにしようよ」 「そう? じゃあカスミ、そろそろフシギダネ達のHPが少なくなってきたから、ポケモンセンターに戻ろうと思うんだけど、いいかな」 「ええいいわよ。行きましょうか」 姉たちの考えが間違っていることを、この子も証明してくれている。勝利にむかって邁進する姿がポケモントレーナーの真の姿なのだ。 「うん? この石ってもしかして……」 レッドがきれいな鉱石を拾う。光が顔に反射して、あどけなさが残りながらもたくましさを備えつつある男子の瞳が洞窟に浮かび上がっていた。 (レッド、本当にいい子だな……。年下だけど結構……) カスミが持つレッドへの感情がゆるやかに上がっていく。しかし、そんなところに空気を読まない闖入者。 「待て、そこの二人! 俺達はロケット団だ!」 「有り金とポケモン全部置いてってもらおうかあ!」 54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/17(木) 00:15:01.56 :CXpFsnIc0 前方に一人、後方に一人。洞窟の道を塞ぎレッドとカスミ二人を閉じ込める黒尽くめの男たち。 「ロケット団……!?」 「気をつけてレッド。やつらはポケモンを使って悪事を働く不逞者よ。まさかこんな場所にまでいるなんてね……」 驚くレッドと対照的にカスミは落ち着いていた。少女の一人旅、この程度の修羅場は慣れているし、打開できる実力があると自身確信している。 「行くぞ、坊主の相手は俺だ」 「じゃあ俺は女の子だな。任せてよ兄貴!」 しかし位置がまずかった。前後ろに陣取られてはカスミが二人同時に相手にできない。 (まずいわね……レッドは今回復に向かおうとしていたばかり。戦えるポケモンは) 「大丈夫だよ、カスミ」 「え」 カスミの心配を悟ったのだろう、レッドが落ち着いた言葉を発する。 レッドの手持ちはコイキング以外大分疲弊している事をカスミはわかっていたが……。 「わかったわ。レッドはそっちをお願い」 「うん」 相対する4人が一斉にモンスターボールを構える。試合とはまた違う、息の詰まる戦いはレッドは初めてだった。 55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:16:33.78 :CXpFsnIc0 「行けっ!ズバット!!」「イシツブテ!」 「行きなさい! ヒトデマン!」 「行け! コイキング!」 『えっ!?』 驚愕。この状況でレッドが繰り出したのはコイキング! 「ぶっはははあははっは!!! なんだそのポケモンは! やけくそか!?」 「兄貴ぃ! 楽勝じゃないっすかあ!」 「れッレッド! 今はレベル上げなんてしてる場合じゃないのよ!?」 「ふざけてなんかないさ」 レッドは大真面目だった。帽子から垣間見える鋭い眼光にレッドに対していたロケット団の笑い声が止まる。 「……ほう。なら存分に痛めつけてやる! ズバット! きゅうけつ!」 「レッド! もうっ!」 「やっちまえ兄貴!」 (すぐにこいつを倒してレッドの援護に向かわなきゃ!) カスミからすればレッドが何を考えているかわからない。幸いイシツブテを出したこの相手は大したことなさそうだった。 56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:17:32.11 :CXpFsnIc0 「ヒトデマン! ハイドロポンプ!」 「ぐえっ!?」 カスミがイシツブテを出したロケット団の手持ちを蹂躙していく。 対して、レッドは全員の予想通り苦戦していた。 「どうしたどうしたぁ! この程度かよ」 「……頑張れ、コイキング」 レッドは静かに待っていた。勝利のチャンスを。 「ぐああ! 兄貴!」 「レッド! 今行く!」 そうこうしているうちにカスミが決着をつけたようだった。しかし、 「うおお! 兄貴の邪魔はさせねえ!」 「え!? しまった!」 カスミは逸る気持ちで油断していたのだろう。相手がまだ一体残していたことに気がつけなかった。そして最後に繰り出してきたイシツブテの狙いは、天井。 「いわおとしだ!」 「あっ!?」 狭い通路の中で岩の天井が崩れる。カスミは間一髪でかわしながらヒトデマンを操りイシツブテとロケット団の一人を戦闘不能にしたが、レッドと完全に分断されてしまった。 「レッド!」 57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:18:34.53 :CXpFsnIc0 「ははは、そんな弱っちいポケモン出してよくカッコつけれたもんだな坊主!」 「……」 しかしレッドの眼光の鋭さは変わらない。コイキングもよく耐えていた。 「ちっ! 気に入らねえなその眼! ズバット!」 「ギャア!!」 コイキングを襲っていた刃がレッドの頬をかすめる。 「あっあんた! レッド! どうして他のポケモンを出さないの!」 岩をどかし、かろうじて顔が見える程度に穴が空いた土砂からカスミの悲鳴が響く。 「違う」 「なに?」 レッドの声は、憤怒に満ちていた。 「あんたにはわからないのか。ズバットの気持ちが」 「ズバットの気持ちだあ? なにを訳のわからないことを」 「コイキングがここまでなぜ耐える事ができていると思う。あんたの命令に対して、どうして俺がこの程度ですんでいると思う?」 「なにぃ?」 ロケット団の男はレッドの顔を見る。確かに顔を切り裂いたつもりだったが、かすり傷程度ですんでいる。コイキングも思えば、硬すぎるような…… 58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/17(木) 00:21:39.94 :CXpFsnIc0 「ポケモントレーナーはポケモンと息を一つに合わせ、お互い理解しあわないと力を発揮できない。あんたが何回ズバットに命令しようと、俺と俺のポケモンは倒せない」 「何を馬鹿な! いい加減とどめを刺せ! ズバット!」 ズバットが何度もレッドの顔や体を襲う。しかし、レッドを守るかのようにコイキングがズバットの回りを跳ねまわった。 「ちょこざいな魚が! ……え?」 そこでロケット団の男は初めて気づいた。ズバットが傷んでいる。 水ポケモンのエキスパートであったカスミも、その言葉でやっと気づいた。 (コイキングははねてたんじゃない! あれは、"わるあがき") 「想いが通じあっていない力など、ありはしない! あんたもポケモントレーナーのはしくれなら、ズバットの声に耳をかたむけてみろ!」 「なっ……!?」 ズバットの羽ばたきが疲労からか、がくんと落ちた。 「そこだコイキング!」 コイキングのわるあがきは急所にあたった! ズバットは倒れた。 「嘘だろ……!?」 「嘘……!?」 カスミですら目を疑った。こんな勝利見たことがない。 59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:22:21.99 :CXpFsnIc0 「ぐっ……!」 「レッド!」 レッドも経験したことのない痛みに膝をつく。しかし、それでもなお彼は語りかけた。 「くっ……ポケモンを道具になんか使わないでくれ。俺は……あんなつらそうに戦うズバットを……見たくない……」 「なっ……!?」 (つらそうだと……こいつ、ポケモンの気持ちがわかるとでもいうのか!?) 「レッド!!」 カスミがレッドに駆け寄る。ロケット団の男の手持ちは残っていたが、コイキングが見せた常識外のガッツ、そして年端もいかない少年の感情に満ちた言葉に、なぜか体が動かない。 「小僧……お前は」 「あっ……兄貴! ジュンサーが!!」 オツキミ山で誰かが騒ぎを聞きつけて通報したのだろう。ロケット団二人はあっという間にお縄になった。 「レッド……」 「大丈夫、ありがとうカスミ」 レッドがカスミの手を借りて、なんとか立ち上がる。 60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:23:00.99 :CXpFsnIc0 「小僧、一つ聞かせろ」 ジュンサーに手錠をかけられた男が、レッドに問う。 「どうして、お前はコイキングで勝てると思った」 レッドは迷わずに言った。 「コイキングの熱い闘志が、伝わってきたからだ」 シラフでこんなことを言う奴がいる。ポケモントレーナーという称号は、こんな少年を生むのか…… 「熱い、闘志……」 カスミも思わず、レッドの言葉をつぶやく。 「……そうか。俺のズバットは、なんて言っていたのかな……」 「ちゃんと向き合うんだ。その手にモンスターボールを掴んだのなら。聞こえる日が来るはずだ」 「……」 「兄貴……?」 ロケット団の男は連れていかれる最後に、微笑んだような気がした。 61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:24:10.93 :CXpFsnIc0 「ふう、もうすぐ山頂だねカスミ」 「……そうね」 一度ニビシティまでもどった二人はレッドの傷の回復を待ち、オツキミ山の踏破に望んだ。 正直カスミは途中でレッドを残して引き返すつもりでいた。カスミはただ今家出中である。 しかしレッドと別れるのが名残惜しく、結局ここまでついてきてしまった。 「カスミ! あれピッピだよね!」 洞窟から外に出た山頂付近、満月の下の円形にくぼんだ場所にピッピが群れで円を作って踊っている。 「えっうそなにあれ!? 私もあんなの初めて見た……」 そのうちの一匹が円から外れ、レッドとカスミの手を引く。突然の友好的な動きにポケモンを出すという選択肢が頭に沸いてこない。 戸惑いながらも円の中心に導かれるレッドとカスミ。一匹のピッピが、レッドのポケットをしきりにつついている。 「あっ……そうか、博物館で見たのとやっぱり同じ、これは月の石か」 レッドはそれをピッピに導かれるまま、天高くかかげる。月の石が輝き、円になって踊っていたピッピ達が光の粒子をまとって宙に浮いていく。 可愛らしい鳴き声と共に夜空に光のカーテンを作りながら、月の石の力を得たピッピが夜空に舞いながらピクシーへと進化していく…… 「綺麗……」 「すごい……」 62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:25:14.48 :CXpFsnIc0 「レッドへの、ご褒美かもね」 「ご褒美?」 「オツキミ山の平和を魔の手から守ってくれたっていう、ご褒美」 「それだったら、カスミも同じじゃないか」 「私は別にいいわ」 光のカーテンが終わり、ピクシーが夜空へ消えていく。 それと同時に、カスミはレッドから距離をとった。 「カスミ?」 「ここからは一本道だから、ハナダシティまで迷うことはないわ。私は一足先に行ってるね」 「カスミ……?」 カスミがレッドへ背中を向ける。 「ハナダで待ってる」 その一言でカスミは闇に消え、レッドから見えなくなった。 カスミが待っているであろう場所が、レッドの頭に浮かぶ。 なんの根拠もなかったが、不思議な確信があった。 コイキングの勝利を疑わなかったのと同じような確信が。 63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:26:13.96 :CXpFsnIc0 (私があの時、レッドと同じ状況だったらコイキングを勝利に導けただろうか) ハナダジムは波立っていた。久方ぶりの帰還。ジムリーダーだけが許される最奥の間、出て行く時は陰鬱でしかなかったこの場所が、今は妙に馴染んでいる。 「一体どういう風の吹き回し、カスミ」 「お姉ちゃん……」 姉はカスミを咎めなかった。今の言葉も笑顔で言っている。 「勝手してごめんね、おねえちゃん。私がここで抱いた疑問、お姉ちゃんに言われた言葉……私の心に霧がかっていたものの形が見え始めてる」 あのロケット団の男の心には確かに、ポケモントレーナーの火がくすぶり始めていた。そうさせたのは間違いなく……。 (ただ勝つだけじゃない。ポケモンと人との心のつながり) 「その霧は、あの子によって晴れるのかしら」 姉が入り口に現れた男の子を見つめる。 「わからない。でも私は、確かめたい!」 おてんば娘はモンスターボールを手にする。 64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:26:55.41 :CXpFsnIc0 「待っていたわレッド」 「カスミ……」 「ふふっ。驚いた?」 「少しね。でも、納得したかな。今のカスミはきっと、俺が今まで相手してきた誰よりも手強い気がする」 「気がする、じゃないわよ」 水辺のバトルスペース。互いに好戦的な笑顔を向け合い、構える。 「私はハナダジムリーダーのカスミ。水を司るポケモントレーナーよ!」 「マサラタウンのレッド!」 『バトル開始ぃ!』 65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:28:05.38 :CXpFsnIc0 「行け! フシギソウ!」 「行きなさい! ヒトデマン!」 フシギソウのつるのムチを、ヒトデマンが水鉄砲の水圧ではたき落とす。 (私は勝利こそがポケモントレーナーの至上の喜びだと思っていた。勝利を目指せない奴はただの根性無しで眼中に入れる必要なし。そう思っていた。だけど、レッドの考えは違う。ポケモントレーナーで一番必要なのは勝利じゃない! ポケモンは私達と同じ、感情のある生き物) フシギソウのつるのムチが逃げるヒトデマンを追い詰めるが、ヒトデマンはひるまずフシギソウに肉薄する。 カスミは懸命にヒトデマンを見つめる。今草ポケモンに追い詰められたヒトデマンになにを命令すればいい。 (ヒトデマンはフシギソウを恐れてない! ならば!) 「ヒトデマン! スピードスター!」 「なに!?」 『フシギソウ戦闘不能!』 (昔の私だったら、ヒトデマンをあきらめて即効で次のポケモンで仕留めようと考えてたわね……) 「さすがだ。カスミ」 「当然よ。さあまだ終わりじゃないでしょ」 「もちろん。行け! コイキング」 「容赦しないわよ」 しかし、ヒトデマンの動きが鈍った。蔦が絡みついてる。 (やどりぎ!?) 「コイキング、たいあたり!」 『ヒトデマン、戦闘不能!』 66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:29:04.04 :CXpFsnIc0 (そうよねレッド。私達は強くなれる。ポケモンと二つ心を合わせれば、どこまでも!) 「行きなさい! スターミー」 コイキングが光がかやき、青き龍となってスターミーに相対する。 レッドが図鑑を確認し微笑む。 「すごい……やったなコイキング。いや、ギャラドス! 行くぞカスミ!」 「ええ、この戦いで決めるわよ!」 「バブルこうせん!!」 「かみつく!!」 大口を開けたギャラドスがスターミーに迫り、その口めがけてスターミーのバブルこうせんが炸裂する。 迫るギャラドスの動きはゆっくりになるが、確実にスターミーに迫る。スターミーのバブルこうせんの勢いは止まらなかったが、ギャラドスの勢いもまた、止まらなかった。 ガシッ! 「行けっ! ギャラドス!!」 「スターミー!!」 カスミは勝利のためスターミーを懸命に見た。そして、理解した。スターミーが引いている。 (あ………あんた、結構臆病だったのね……ごめん) 『スターミー戦闘不能! 挑戦者レッドの勝利!』 67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:32:18.11 :CXpFsnIc0 「新しいポケモンかと思ったわ……」 「まさかあれが預かりボックス開発者のマサキさんとは……」 戦いが終わり、レッドはカスミにそのまま腕を引かれハナダの岬にまで来ていた。 名目はポケモントレーナーならば一度ポケモン預かりボックス開発者のマサキさんに会った方がいいという事だったが、どうやら本命はその帰り道にあったらしい。 「かっカスミ……ここって」 「ふふ、なに恥ずかしがってるの?」 二人がいるのはハナダで話題のデートスポット。夕焼けが綺麗に見えるハナダの岬。レッドとカスミの回りには多くのカップルが自分たちの世界に浸っている。 「私達もそう見えるかしら?」 カスミはいたずらっぽい笑みを浮かべて舌を出す。レッドからすれば本気なのか冗談なのかわかりかねる。 「えっと……」 「レッド、目をつむって」 「え」 レッドの顔が赤くなる。恐る恐る目を瞑ると、カスミがレッドに近づき…… 「はい、これ」 「あ」 カスミがレッドの手を取り、何かを握らせる。目を開けるとハナダジムバッチが輝いていた。 「ハナダジムリーダーカスミがレッドの実力を認め、これを進呈します」 「ぷっ、似合わないよ」 68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 00:33:41.74 :CXpFsnIc0 二人静かに笑い合う。そして、ゆっくりと見つめ合う。 「私、もう一度ジムで頑張ってみる。ポケモントレーナーとして強く、大きくなりたいから」 「そっか、じゃあお別れだね」 「レッドは、これからどこへ?」 「とりあえず、タマムシシティを目指すよ。フシギダネとの付き合い方を教えてくれた、大切な人がいるんだ」 「それって……」 カスミに芽生えた静かな対抗心。 「レッド、眼を瞑って」 「え、さすがに二回目は……」 と言いながらも目を瞑るレッド。 チュッ 「…………!?!?!?」 呆然としたレッドをよそに、真赤になった顔を悟られまいとカスミが逃げ出し、距離があいたところで振り返って叫ぶ。 「中途半端な所であきらめちゃだめよ! レッド!」 「……ああ!」 ハナダの岬で、二人のポケモントレーナーが一つ扉を開く……。 72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/17(木) 04:18:13.02 :r51QYpCAo 青春ですなあ 73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/18(金) 23:33:32.14 :83B6E8Xo0 「そこだフシギソウ!」 「フシ!」 フシギソウが木々から落ちる葉っぱをつるのムチで正確に撃ち落としていく。 豪華客船サントアンヌ号が停泊する港町クチバシティ。レッドは3個目のバッチ、クチバシティジムへの挑戦のため郊外でポケモン達とトレーニングを進めていた。 「OKだフシギソウ。少し休憩にしよう」 「フシー」 レッドは地面から突き出た木の根に腰を下ろし、フシギソウにポケモンフードを投げた。フシギソウは元気に口で受け取る。 レッドの気分は期待で高揚していた。ニビのタケシ、ハナダのカスミ、二人共ポケモン達と強い絆で結ばれている素晴らしいポケモントレーナーであり、そのバトルは非常に心躍るものだった。 クチバシティジムリーダーとはどんなポケモントレーナーなのか、どんな熱いバトルができるのか。今から楽しみで仕方がない。 「わあ、すごい!」 「ポケモンだぁ!」 「ん?」 「フシ?」 レッドよりも背の低い男の子と女の子。二人はフシギソウの事を物珍しそうにキラキラとした目で見つめている。 74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/18(金) 23:34:03.09 :83B6E8Xo0 「フシギソウを見るのは初めてかい?」 レッドは優しく微笑んで二人に話しかける。 「うん!」 「ねえ、触ってもいい?」 「ああ、フシギソウ」 レッドが声をかけるとフシギソウが二人に近づいていく。二人は歓声を上げてフシギソウに手を伸ばして頭をさすった。フシギソウも嬉しそうだ。 「ねえ、お兄ちゃんはポケモントレーナーなの?」 「ああ。ジムバッジ8つ集めて出場できる、ポケモンリーグを目指してるんだ」 「すごい! 今何個?」 「今は二つ。これからクチバシティのジムに行くつもりだよ」 「いいなあ」 「私もポケモン欲しい……」 「慌てなくても大丈夫さ。10歳になれば誰だってポケモントレーナーになれるんだ。君たちだってすぐに……?」 「……」 そこまで言って、レッドは二人の顔が沈んでいることに気づいた。レッドも戸惑う。 75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/18(金) 23:35:17.76 :83B6E8Xo0 「旅の方、その子たちはポケモントレーナーになれないんじゃよ」 「え」 レッドたちから少し離れたところから、紳士服に黒のシルクハット、白い立派なひげにサングラスをかけていながら、丸々とした体で愛嬌のある老人が歩いてきていた。 「あなたは……?」 「失礼、わしはこの街に居を持つポケモンだいすきクラブの会長じゃ」 「ポケモンだいすきクラブ?」 「ポケモンが好きな者達が集まる集会のことじゃ。その子たちの親もポケモンだいすきクラブの会員なんじゃよ」 「そんなクラブが……えっ、でもそれならなぜこの子たちはポケモントレーナーになれないんですか?」 「……ポケモンだいすきクラブへの入会にはいかなる制限も設けておらん。ただポケモンが好きならば誰でも歓迎するクラブなんじゃ。じゃが……」 老人がサングラスの奥に悲しさを臨ませる。 「中にはポケモンを好きなあまり、ポケモンを戦わせるのを良しとしない者達もいるのじゃ。他人のポケモンでもバトルを見るだけで拒否反応をしめしてしまう。その子たちの親もな……」 「……!……だからポケモントレーナーにはさせないと……!?」 レッドは驚愕で目を見開き、固まってしまった。フシギダネと出会い、バトルを通して様々な人とポケモンと大切な絆を築き上げてきたレッドからすれば、この事実は晴天の霹靂だった。 「ねえ、お兄ちゃん。ポケモンで戦うことってだめなことなの?」 「無理やり戦わせることは、野蛮なことなの?」 「え……」 76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/18(金) 23:37:18.78 :83B6E8Xo0 二人の少年少女の純粋な視線が突き刺さる。会長もレッドを見ていた。 レッドは目をつむり、心を落ち着かせる。そして湧き上がる自分の正直な気持ちを伝えた。 「そんなことはないさ。俺とフシギソウは今まで様々なトレーナーと戦ってきたけど、戦わなかった方がよかったなんて思ったことはない」 レッドがフシギソウを手招きし、フシギソウがレッドが差し出したてに頬を寄せる。 「ポケモンは感情のある生き物。だからこそ共に心を通わせて自分たちが目指す高みに一緒に登ることができる。喜びも悲しみも分かち合い、辛くて諦めそうになっても自分の中の弱さに打ち勝ち、新しい自分に成長できる」 あの人が最初に教えてくれた、ポケモントレーナーで最初に必要で、もっとも大切なこと。 「熱いバトルを通して絆を深めることができる、それがポケモントレーナーのポケモンバトルなんだ!」 二人の少年少女にレッドの熱が伝染したのか、二人は拳を握りしめて頬を緩ませわくわくしている。 老人は一度下を向き、なにか意を決したのかレッドに向き直る。 「旅の方、その心意気を見込んで、一つ頼まれてはくれんか」 「頼み?」 「クチバシティのジムリーダーマチスは、戦争帰りのポケモントレーナー。戦いを助長させるとして、最近うちの一部の者達と一悶着おきてしまってのう」 「……それで、俺がなにを?」 「クチバシティジムリーダーに挑むさい、マチスとトラブルを起こした者達を観戦させたいのじゃ」 「え!? でもそれって」 「ポケモンと人とはそれぞれに合った千差万別の付き合い方がある。ポケモンをだいすきと称する者達として、ポケモンバトルに好悪があっても理解はして欲しいのじゃ……」 「会長さんは、バトルのことは?」 「積極的に戦いはせんし、観戦する趣味も持っとらん。だがのう、ポケモンと人とが一つになれる舞台であるとは思うておる」 「……」 「君はポケモンと確かな絆を築いているようにわしは見た。どうか、ポケモンを愛するが故視野が狭くなった者たちに、あっと目を覚まさせるようなバトルを見せてくれんか」 77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/18(金) 23:39:17.97 :83B6E8Xo0 (俺は……) レッドの脳裏に、穏やかな草ポケモン使いの淑女が浮かぶ。 『ポケモンに一つ命令するのもこんなに難しいんだね。フシギダネと呼吸を合わせられない……』 『なら諦めますか』 『まさか。……でもフシギダネは、命令を聞くのが嫌なのかな』 『最初から心が通じ合うことはそうありません。相手の気持ちを考え、そして自分の考えを伝える。通じるまで伝え合うことが肝要です』 『通じるまで、か……。でも例え全部伝え合っても、考えが違ったら? 考えの違いで衝突することもあるんじゃない?』 『結構なことじゃないですか。お互いの本音をぶつけ合わずに得た絆など、紙のように薄いものです。一体何を目指しているのか、目指しているものがぶれなければ、その道程で曲がりくねっても引き返しても、歩みは決して無駄なものではありません』 『目指している、もの……』 レッドの瞳を真っ直ぐに貫き、厳しさと優しさを伴った彼女の言葉を、レッドは心に刻んでいる。 『"その先にある喜びを、大切な仲間と共に"。……その心を忘れなければ、ポケモン達はきっと、応えてくれますよ』 「……やります。俺と仲間で、ポケモンとポケモントレーナーとして、できることがあるなら」 読む →
2026年10月07日 23:00 八幡「自意識過剰だ……」 元スレ 全てのレス 再掲 1: ◆GZkHdKovso:2014/10/02(木) 22:48:57.85 :jLUW2A2y0 ※このSSはフィクションであり、 実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。 2: ◆GZkHdKovso:2014/10/02(木) 22:50:00.85 :jLUW2A2y0 ①未だ俺の自意識は空回っている 自意識過剰 今までの人生でコイツに振り回され、時に励まされ、 はたまたどん底に叩き落されたこともあった 俺の人生を語るのに自意識過剰は外せない そして、今もまた俺の目の前に現れて間違えた選択をさせんとしている ああ、全くこんなことを思い悩むなんて…… × × × 読む →
2026年10月07日 22:00 春香「千早ちゃんが悩みを抱えてるみたい……」 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/10/03(金) 18:06:35.68 :G1xUWHu80.net 春香「どうも>>4が事情を知ってるみたいだけど……」 4:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/10/03(金) 18:07:54.25 :gk+6OPvG0.net 春香 読む →
2026年10月07日 21:00 モバP「そうか、夜更かししてるから飛鳥の胸は」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/01(水) 01:21:15.29 :lj/e84nV0 飛鳥「…………………」 P「小さ、さあって今日も仕事だ仕事!」 飛鳥「待って」 読む →
2026年10月07日 20:00 穂乃果「う、海未お姉ちゃんのバカー!」海未「なっ!?」 元スレ 全てのレス 再掲 1: ◆t8Gj1/Z0u9vC:2014/10/02(木) 15:57:11.20 :qYEd9saiO 私!高坂穂乃果8歳! 海未お姉ちゃんは穂乃果の近所のお姉ちゃんで高校生なんだ! 読む →
2026年10月07日 18:00 ハタタテネジリンボウ「やっやぁ…」ニシキテッポウエビ「なによあなた」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/23(火) 00:57:32.19 :VZ12NsAkO ハタタテネジリンボウ「い…いい波加減だね…」 テッポウエビ「そうね…で?何の用?」 ハタタテネジリンボウ「いや…特に用ってわけじゃ…」 ハタタテネジリンボウ(白地に赤い曲線…可愛いなぁ) ニシキテッポウエビ「あらそ。生憎わたしはそんなに暇じゃないの」 ニシキテッポウエビ「今こうしてる間にも何に襲われるかわからないしね」 ニシキテッポウエビ「穴を掘っておいていつでも隠れられるようにしとくのよ」 ハタタテネジリンボウ「そ…そうなんだ…なんかごめんね」 ニシキテッポウエビ「わかってくれた?じゃあもうあっちへ行って。あなたの その色といい長い背鰭といい目立つのよね」 ハタタテネジリンボウ「う…うん」 ハタタテネジリンボウ「…」 読む →
2026年10月07日 17:00 照「誠子以外のレギュラーのみんなで、ドライブに行って帰ってきた」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/27(土) 01:17:26.39 :f02Oo8Tv0 照「それにしても……菫は本当に世話がやけるな」 淡「本当にね~~」ゴシゴシ 尭深「……」ズズー 菫「あのな……そもそも、お前が言い出したんだろ。運転免許取ったから、ドライブ行きたいって」 菫「こんなことになるなら、私が運転すれば良かったよ」 照「……とりあえず、帰って来れてよかった」 誠子「みんな、待ってましたよ」 照「遅くなった。いろいろと、手続きをしていた」 読む →
2026年10月07日 15:00 P「響に好きな男がいる?」 元スレ 全てのレス 再掲 1: ◆p3yuNM37DY:2014/10/07(火) 00:02:22.97 :/qeubRI60 小鳥「えぇ……というか、気づいてなかったんですか?」 P「知らなかった……そんな……」 小鳥「事務所の皆は、とっくに気付いてますよ?」 P「えぇ!?そうなんですか!?」 小鳥「てっきり、プロデューサーさんも気付いてるかと思ってましたよ」 P「なんてこった……」 P(アイドルに好きな奴がいるだなんて、世間に広まってしまったら……) P(アイドルとしての響の人生が、終わってしまう!!) 読む →
2026年10月06日 23:00 一夏「シャルル…シャルル…」シコシコシコシコ 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/24(日) 23:03:28.21 :k4KVYnTk0.net シャル(うわぁ…一夏ったらボクの名前呼んでオナニーしてる。やっぱりボクの事好きなんだ///) 一夏「シャルル…シャルル!!」 シャル(クスッ。たまたま部屋に遊びに来たらいいものみちゃった。あとでラウラにでも自慢しよっと) 一夏「ああシャルル!かわいいよシャルルゥー!!」ドプドプ 読む →
2026年10月06日 22:05 キョン「ツンデレ?」 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/29(火) 00:31:53.73 :QLPnCkja0.net 最近、ハルヒの様子が少しおかしい。いや、おかしいのはいつものことで、それにおかしいと言うといささか語弊がある。 率直に現状を述べるとするならば、どうやら俺はハルヒに嫌われたらしい。別にこれは、何の根拠も無い俺の被害妄想ということでは断じてない。 根拠というか……まあ、言葉にしてはっきりと嫌いと言われたわけなのだが、ショックだった。嫌いと言われたことではない。 ハルヒに嫌いと言われたことにショックを受けている俺自身にショックを受けたのだ。ややこしいが、二重にショックだったわけだ。 それにしても、いきなり面と向かって嫌いだなんて、いくら思っていても心の中でひっそりと言えばいいだろうに。 そんなわけで、ここ数日はもやもやとした気分で過ごしている。仮病を使うことも考えたが、それはそれでなんとなく悔しいのでこうして学校に通っている。 長い長い坂道が憂鬱を加速させていく。 「やれやれ……」 こうやって溜め息をこぼすのも果たして何度目やら。とにもかくにも、今日も嫌な日常が始まるのだった。 読む →
2026年10月06日 21:00 ネコ娘「鬼太郎の家、きったないわね」ガーガー 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/04(土) 02:22:07.78 :4HTNaDmI0 鬼太郎「掃除は自分でやっとくから、母さんはお茶でも飲んでてよ」ゴロゴロ ネコ娘「誰が母さんよ! そういっていつも掃除しないじゃない、まったく……。ほら鬼太郎、邪魔!」ゲシッ ガーガー 鬼太郎「掃除なんかしなくても死なないよ」ゴロゴロ ネコ娘「あたしが嫌なの! これじゃネズミ男と変わんないじゃない」ガーガー スッ 鬼太郎「あ、その漫画また読むからそこ置いといて」 ネコ娘「ダメ。その考えがゴミ屋敷を生み出すの。だいたいいつまで漫画なんか読んでんのよ」ヒラヒラ 鬼太郎「ネコ娘には分からないよ、ボーボボの面白さが。だからその漫画を開かずにそっと置くんだ」 読む →
2026年10月06日 20:00 P「やよいのお父さんが765プロの運転手になった」 元スレ 全てのレス 再掲 2:1:2014/09/29(月) 10:53:13.14 :1YDuTxyp0 9月30日夜、東京都調布市高槻家。高槻やよいとその両親は話し合っていた。 やよいの父が仕事を解雇されたのだ。 やよい父「すまない。みんなに迷惑をかけて。」 やよい「大丈夫だよ、お父さん。私、もっと稼いでくるから。」 やよい母「やよい、あなたは学業が第一だから、それを優先しなさい。私も残業を増やすから。」 読む →
2026年10月06日 19:00 穂乃果「それでは、μ'sの活動を支えてくれているメンバーを紹介します!」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/03(金) 15:22:50.05 :efa6QqyK0 観客「ワアアアアアアアアアア!」 穂乃果「まずは作詞担当、園田海未ちゃん!」 海未「詩を見られるのはいつも恥ずかしいですが……精一杯書かせて頂いています!」 穂乃果「お次は作曲担当、西木野真姫ちゃん!」 真姫「ヴエエッ!? き、聞いてないわよこんなの……ま、まぁこのくらい私なら出来て当然って言うか……」 穂乃果「そして、この可愛らしい衣装を作ってくれているのは南ことりちゃん!」 ことり「衣装制作はいつも大変だけど、みんなが一番可愛くみえる衣装を頑張って作ってます!」 穂乃果「そしてμ'sのメンバーではないけどいつも私たちのライブを手伝ってくれる大切な友達も紹介します!」 読む →
2026年10月06日 18:00 サル「おむすびと柿の種を交換してくれないか?」カニ「いいよ!」 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/03(金) 17:15:22 :Hyl6lB4k サル「よう、カニ」カニ「サルじゃないか。やけに頬がこけてるけど、どうしたんだい?」サル「実はオイラ……最近あまりメシ食えてなくてさ」サル「お前の持ってるおむすびと、この柿の種を交換してくれないか?」カニ「もちろんいいよ!」サル「サンキュー! 恩に着るぜ!」 読む →
2026年10月06日 17:00 愛「プロデューサーの日高愛です!」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/23(火) 23:29:42.37 :pbJBDK/oo 愛「スーツは事務所にあったのを使いました!」ドヤ! ザワザワ ザワザワ 絵理「わ、わー……」パチパチ 涼「あの、どういうことです?」 石川「どうもこうもないわ。今日からしばらく、愛にはプロデューサーもやってもらいます」 涼(わけが分からない……) 絵理「愛ちゃん、アイドルは……?」 愛「勿論やります! 今日からアイドル兼プロデューサーです!」 石川「具体的には、候補生のみんなを中心に面倒を見てもらうわ。プロデューサーもこうしてついたことだし、これまで以上にデビュー目指して頑張って」 ザワザワ ザワザワ 涼「社長、候補生のテンションが凄い勢いで下がっていきます」 石川「大丈夫、みんなご存知日高愛のプロデュースよ」 絵理「だから? だと思う」 愛「絵理さんと涼さんも楽しみにしててくださいね!」 涼「え?」 絵理「私、尾崎さんがいるから?」 石川「話しは通してあるわ。サポートという形になるわね」 絵理「大人って……」 読む →
2026年10月06日 15:00 モバP「ユッコの欲望がダダ漏れになった」 元スレ 全てのレス 再掲 2: ◆agif0ROmyg:2014/10/05(日) 21:23:30.75 :OAacdeX80 モバP「(最近、ユッコのサイキックトレーニングが目覚ましい成果を見せている)」 モバP「(それ自体は、凄いことだ。一応サイキッカーアイドルということで売り出してきた裕子だが、実際この世に超能力があるなどと信じる人間はそういない。俺もその一人だった)」 モバP「(しかし現実は違った。どうも裕子は本物だったらしい)」 モバP「(ただ……正直言って、対処に困る面があるのも事実だ)」 モバP「(というのも)」 裕子「ただいま戻りましたー!」 モバP「おう、おかえり。今日のレッスン、どうだった」 裕子「なんということはありませんよ! エスパーユッコのサイキックにかかればね!」 モバP「(裕子は、口ではこんなことを言っている。しかしちょっと意識を集中してみると)」 裕子「(でも今日のメニュー、ちょっとキツかったですね。よくやったな~とか言って褒めてくれると、凄く嬉しいんですけど)」 モバP「(このように、心の声が聞こえてくる)」 モバP「(裕子はテレパシー能力に目覚めたらしいのだ)」 モバP「(彼女自身、このことには気づいていないらしい。心の声が聞こえるのも、俺の他にはいないらしい)」 モバP「(もしかしたら、俺の方に能力が目覚めたのかもしれないが……その可能性は、とりあえず置いておこう)」 モバP「(サイキックトレーニングしてた裕子に力が発現した、と考える方が色々自然だ)」 モバP「(どっちにしても、今のままでは真相など分からない)」 モバP「(俺が妄想に取り憑かれてる……とは思いたくないが、まだ何の確証も無いのだから)」 モバP「(裕子としても、心の中が駄々漏れになってたと知っていい気はしないだろう)」 モバP「(結局、俺はこの状況を上手いこと利用し続ける他無いのだ)」 モバP「そうか、頼もしいな。でも今日のメニューは、結構ハードだったって聞いてるぞ」 モバP「よくやりきったな。さすがエスパーだ」 裕子「え、えへへ……それほどでも、ありますよ!」 裕子「(ああーいい気分です! もっと!もっと褒めて、プロデューサー!)」 モバP「(なんて分かりやすいやつだ……テレパシー要らないんじゃないか)」 モバP「(というわけで、まだ裕子の周辺に大きな変化は起きていない)」 モバP「(彼女の要求がダイレクトに届くようになって、俺の仕事が幾分楽になったくらいだ)」 読む →
2026年10月05日 23:00 八幡「やはり雪ノ下は病んでいる」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/05(日) 11:59:34.95 :W4y6jT5k0 八幡「うーっす」ガラ 雪ノ下「あら比企谷君、今日も水晶体に寄生虫を飼っているのね」 八幡「ここ最近生魚は食わなかったぞ」 雪ノ下「あら、誰もアニサキスとは言っていないわよ、アニサ谷君」 八幡「もろ言ってるじゃねぇか」 雪ノ下「うふふ、面白いのね、貴方」クス 八幡「俺にとってはお前の方が実に興味深いよ・・・」 雪ノ下「・・・・・・そう」 読む →
2026年10月05日 21:00 卑怯勇者「魔王討伐? 行くわけねーだろ、そんなもん」 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/02(木) 00:31:49 :wjmfHxWs ─ 王国城 ─玉座に座る国王に、ひざまずく勇者。国王「おおっ、勇者よ!」国王「今までは修業中とのことで、なかなか要請に応じてくれなかったが……」国王「ついに魔王討伐の旅に出る決心を固めてくれたのだな!」勇者「はい」勇者「必ずやこの私が、魔王討伐を成し遂げてみせます!」国王「うむ……そうか!」勇者(魔王討伐? 行くわけねーだろ、そんなもん) 読む →
2026年10月05日 20:00 エーリカ「ここがトゥルーデのハウスね!」 元スレ 全てのレス 再掲 1: ◆Vl./v7e1n6:2014/10/03(金) 23:34:25.77 :qkBpvfaz0 アニメやらifやらごっちゃ 2: ◆Vl./v7e1n6:2014/10/03(金) 23:35:34.79 :qkBpvfaz0 ゲルト「」 ガチャッ ゲルト「来たかハルトマン」 エーリカ「……わお」 ゲルト「なんだ」 エーリカ「トゥルーデがエプロン着けてる」 ゲルト「料理中だ。エプロンくらいは付ける。……大体、お前の恰好だって私から見れば驚きだ。お前、ワンピースなんて着るのか」 エーリカ「ふっふっふー。セクシーエンジェルエーリカちゃんの私服を見た感想はどうだー」クルーン ゲルト「良く似合ってる」 エーリカ「えっ」ピタッ ゲルト「すぐ食事にする。上がって待っててくれ」 エーリカ「あ、うん。お邪魔します」 イソイソ エーリカ「出鼻くじかれちゃったなあ、もう」 読む →
2026年10月05日 19:00 和「咲さんと過ごす特別な日」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/04(土) 21:22:26.49 :qFG3aE+A0 9月下旬。 最近お互い忙しくて顔を合わせることのなかった咲さんから電話がかかってきた。 電話自体珍しい、なんて思いつつも着信とともに知らせたその名前に脈が少し早くなる。 和「もしもし」 咲『あ、和ちゃん?』 耳元で聞こえてきたその声に顔が緩む。 声が聞けるだけでこんなに嬉しい。 読む →
2026年10月05日 18:00 妹「お兄ちゃん、こたつの中だからって無法地帯じゃないんだからね」 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/10/06(月) 11:56:43.67 :bB0iLJMX0.net 兄「んだよ~お前が左にズレれば何もかもうまくいくだろ」 妹「机の足とぶつかるの」 兄「くそ~…バタ足するぞ」 妹「火傷しても知らないよーん」 兄「それは怖い」 妹「黙って私の足の下で寝そべってなさい」 兄「…………」 妹「お、静かになった」 兄「……お前って足の裏弱かったよな」 妹「へ……?」 兄「くっくっく……」 妹「それやったら怒るよ?」 兄「それはフリか?」 読む →
2026年10月05日 15:00 渋谷凛「私とロボットプロデューサー」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/28(日) 15:19:42.29 :yPV+2AXGo 凛「お疲れ様でした」 トレーナー「お疲れ様。…あの凛ちゃん、時には気分転換も必要よ」 凛「お気遣いありがとうございます。それでは失礼します」バタン 凛(ふう…今日のレッスン、同じところを何度も指摘されちゃったなあ…) 凛(何だか最近調子が悪い…でも特に思い当たる原因もないし、なんだろうな) 凛(なんとなく不調っていうのが一番困るんだよね) 読む →
2026年10月05日 12:00 俺「ふふふ……今どこを触られてるのか言ってごらん?」 チ◯コ「う……裏筋……です……ひゃう……」 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/10/14(火) 16:21:46.63 :RgEC8goU0.net チンコ「ひゃあ……!だ、駄目!尿道に爪立てないで!」 俺「おいおい口ではいやがってても濡れ濡れじゃないか」 チンコ「そんなこと……や、駄目!漏らしちゃう~~!」 ジョボボボ…… 俺「ククク……おもらししちゃうとはまるで赤ちゃんだな」 チンコ「ひぅ……ごめんなさい……」 読む →
2026年10月04日 19:00 憧「鏡の国のアコス」 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/12(日) 18:39:50 :bzfMVJLY 全国大会終了後 阿知賀女子麻雀部部室憧「あっという間に過ぎた全国大会…。私たちは決勝戦で和のいる清澄に敗れた」憧「悔しかったけど、全力は出しきった…。和とはその後、また絶対戦おうって誓い合って別れた」憧「今日からまた、新しい気持ちで部活が始まる…。来年のリベンジへ向けて!」憧「気合十分!やってやるわよ!」憧「…そう思って部室に来たら、今日は珍しく一番乗り」憧「誰もいない部室ってのも久しぶりね…」憧「……あれ?」憧「なにこの鏡…? 随分でっかい姿見だけど…」憧「こんなの部室にあったっけ…? 誰かが持ってきたのかな…?」スッバチッ 読む →
2026年10月04日 18:00 葛城ミサト「あなたはもう何もしないで」 碇シンジ「わかりました」 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/10/08(水) 18:54:43.91 :uWA25dci0.net 【伊吹マヤ】 ーー股の間でバイブが揺れている 伊吹マヤはそれをじっと見ていた。 2年前のあの日、碇シンジはエヴァに乗る事をやめた。 結果、なにも起きなかった。 サードインパクトも人類補完計画も全ては空論であった事を知る。 ゼーレ、ネルフ共に活動停止を表明、ヴィレも事実上解体となった。 それでも良かった。 伊吹マヤにとって組織は重要ではなかった。 あの人と一緒にいる事こそが居場所なのだ。だから付いていくつもりだった。 ヴィレ解体の翌日、赤木リツコは自殺した。 衝動的ではなくあらかじめ計画していたかのように、静かに死んだ。 誰も知らされていなかった。親友の葛城ミサトさえも。 だからしょうがないと思う。 頭では理解しているのだが自分は赤木リツコの一部になれなかった事を思うと 胸が締め付けられる。 赤木リツコの葬儀の日、伊吹マヤは日向マコトに処女を捧げた。 読む →
2026年10月04日 17:00 加蓮「ねえ、キスタップって知ってる?」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/11(土) 21:27:10.27 :7xttPLFb0 事務所 加蓮「ねえ、キスタップって知ってる?」 奈緒「何だそれ?」 凛「去年ぐらいから流行ってるやつでしょ」 加蓮「あ、凛、知ってるんだ……てか去年? さっきコンビニの雑誌で読んだばっかりだけど……」 凛「その雑誌って、これでしょ」 加蓮「あ、それそれ」 奈緒「なあ、だからキスタップって何なんだ?」 読む →
2026年10月04日 15:00 シャーリー「彼女を振り向かせる方法?」 元スレ 全てのレス 再掲 2:あろ ◆OgclIj/fZUTX:2014/09/28(日) 22:24:53.43 :Fe9Xh1G/0 シャーリー「なんだこの雑誌…。」 シャーリー「えっと…なになに…『今よりももっと仲良くなりたい女の子はいませんか?』……ふむ…。どれどれ。どうすればいいんだ。」 シャーリー「え…『ちょっと無視してみる』…?。…」 シャーリー「無視って…印象悪いなぁ…。ん?『逆にそれが相手に自分を意識させることになる』…?な、なるほど…そうか…」 シャーリー「ま、まぁ物は試しだ。とりあえずやってみよう…」どきどき 読む →
2026年10月04日 12:00 春香「見て!ジュピターの二人がテレビに出てるよ!」 元スレ 全てのレス 再掲 1: ◆5m18GD4M5g:2014/09/26(金) 23:00:51.94 :/Uy9lH6O0 北斗『まさか司会者さんがこんなに美しいとは思いませんでした』 MC『美しいってそんな///』 北斗『美しさの秘訣を教えてもらいたいのですが?』 MC『えーっと…』 翔太『こらこら北斗君、質問される側が質問しちゃってどうするのさ』 北斗『おっと、そうだった』 ハハハハハハ 春香「相変わらず凄い人気ですね」 律子「あの画面越しからでも伝わる圧倒的なオーラ…、侮れないわね」 司会『それでは二人に歌ってもらいましょう! 曲はAlice or Guilty』 キャー キャー 春香「やっぱり二人ともうまいね」 律子「二人だけでよくあれを踊れるわね」 読む →
2026年10月03日 22:00 東郷あい「ピースの匂いがする」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/06(月) 21:14:23.92 :Ha53zHbko 「タバコの匂いがするな」 あいさんは助手席に座ると、物珍しそうに僕を見た。 仕事など、彼女と一緒の時は吸わないようにしているのだけど、 さっき時間をもて余していたものだからつい吸ってしまった。 「ピースだろ?」 「よくわかりますね」 「私も、前に吸ってたからね。ピース」 あいさんはピース、と手でピースサインを作った。つい笑ってしまう。 「意外だな。あいさんが吸ってたなんて」 「大学生の時にね。とっくにやめたが」 「なんでやめたんですか?」 「恋人が嫌がってね」 何気ない質問に、予想外の答えが返ってきた。 僕は僅かなショックを隠せなかった。 読む →
2026年10月03日 21:10 まどか「魁!!見滝原中学校」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/29(月) 00:18:44.38 :fKRP1Wr80 注意 ・魔法少女まどか☆マギカのキャラと魁!! クロマティ高校の世界観を合わせた何か ・ギャグメインでキャラ崩壊上等 それでは始めます 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/09/29(月) 00:22:24.60 :fKRP1Wr8o 第1話 前略 ママ様 私は無事に見滝原中学の2年目を迎えており、引き続き健やかな学園生活を過ごしていきたいと思っております。 ですが… 「目玉焼きとは固焼きですか?それとも半熟ですか?」 「どっちでもいいんじゃないかと」 「いやぁ~、目玉焼きなんて人間扱いしちゃ駄目っすね」 「あはははは、やり方さえ分かっちゃえば目玉焼きなんて簡単なもんだね」 未だにこの学校になじめずいささか困惑しております。 読む →
2026年10月03日 20:00 響「なんくる ないから♪なんくるないから♪」ハイハイ 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/31(日) 00:31:08.28 :P+B8v7wU0.net 春香「す、すみません! 機材壊してしまって...」 「君これが初めてじゃないでしょ!!?」 「一体どれだけのもの破損させれば気がすむんだ!!」 春香「ほんとうに、本当にごめんなさい!!」 2:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/08/31(日) 00:32:19.08 :eRsOcYf10.net さすがはるるん 読む →
2026年10月03日 19:00 雷「Love is over」 元スレ 全てのレス 再掲 1: ◆2aMEvQTozY:2014/10/02(木) 22:06:13.67 :IYthXvdUO 1 雷「司令官……私達もう別れましょ」 読む →
2026年10月03日 18:00 岡部「ダルの性別を変える」 元スレ 全てのレス 再掲 1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/10/03(金) 21:52:33.74 :ONgxhdEg0.net 紅莉栖「ねぇ、やっぱりこんなのやめましょう」 まゆり「まゆしぃは女の子のダル君も見てみたいなーって思うのです☆」 ダル「今更だけど僕もちょっと怖いお…おにゃの子になるなんて…」 岡部「問題ない、仮にもし何か大変な事態に陥ったとしてもルカ子の様に送ったDメールを取り消せば良いだけだ」 岡部「これよりオペレーションマイフェイバリットライトアームネカマチェンジを開始する!」 読む →
2026年10月03日 17:00 モバP「あー、ヤバい、辛い...」 元スレ 全てのレス 再掲 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/10/03(金) 14:26:19.19 :iMteGBZi0 P「はい...はい...では、よろしくお願いします」 P「ええ、資料は後日お送りいたしますので...」 P「はい、では失礼します」ガチャッ P「ふぅ...よし、とりあえずオッケーだ」 Prrrrr♪ P「はい、お電話ありがとうございます、CGプロです」 P「はい!お世話になっております!」 P「...変更ですか、はい、承知しました」 P「ええ、ではこちらも資料を訂正しますので...」 P「はい、明日までには必ず...」 読む →
2026年10月03日 15:00 伊織「これは友達の知り合いから聞いた話なんだけど…」 元スレ 全てのレス 再掲 3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/03(金) 00:28:35.50 :FG/rku5Ho 亜美「う~…暑いYO~!暑すぎだYO~!」 あずさ「スタッフさんは空調の不具合だって言ってたけど…いつになったら直るのかしら~?」 伊織「まったく、この伊織ちゃんをなんだと思ってるのかしら!控室のクーラーが壊れてるなんて前代未聞よ!」 律子「仕方ないわよ… まあ幸い、本番までまだ時間もあることだしゆっくり直るのを待ちましょう」 読む →
2026年10月03日 12:00 女「いやっ…!」 男「くそっ大人しくしろ!」 俺「…」 元スレ 全てのレス 再掲 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/10/03(金) 21:00:25.50 :zsSY/ACVo 女「あっ…!そこの人助けて!」 男「」ビクッ 俺「…」 男「へっ…なんだビビらせやがって…痛い目みたくなきゃさっさと失せなデブ」 女「お願い!私…こんな…!」ポロポロ 俺「ヴ…」 男「あん?」 俺「ヴオオオオオオオオオオオオ!!!!!」ドズッドズッ 男「ひっ!?」 読む →
2026年10月02日 23:00 雪歩「私はプロデューサーのア◯ルホール」 元スレ 全てのレス 再掲 1: ◆eYw0lnfieY:2014/09/10(水) 11:31:17.94 :72YMlb1yO 抱き合う形になるとプロデューサーが右手を腰から下へ、下へ……スカートを軽くめくるとショーツの上からお尻のラインを撫でて……中指で私のソコに触れます くにくにと少し弄ってから、プロデューサーは抱き合った状態から器用にローションを垂らして、直接手を滑り込ませて来ました ちょっと冷たいです 人差し指と薬指でお尻を拡げられて、中指の腹でソコを擦られます。気持ちいい……わけでは無いけど、変な声が出ます 指先が穴に触れるとまだ怖くて、体が強張ります。力を抜いてと言われてもそう簡単にはいきません…… それを見るとプロデューサーはちょっと面倒臭そうに私を強く抱きしめてくれます。抱きしめて、空いた左手で背中をさすってくれます ホッとして、体の力が抜けると同時に、プロデューサーの指が、侵入してくるのがわかりました 読む →