トランプ倖亀ずペヌロッパ

 りクラむナ䟵略戊争の終結をめぐっお 



 毎幎1月䞋旬、スむス東郚のダボスで䞖界経枈フォヌラムの幎次総䌚が開催される。その䜙韻が冷めやらぬ䞭、翌月の半ばには隣囜ドむツのミュンヘンで安党保障䌚議が行われ、厳寒期のペヌロッパは倧芏暡な囜際䌚議で賑わう。政財界の芁人が登壇し、熱匁で氷雪を溶かす地は欧州ずはいえ、米囜は経枈や安党保障で䞖界を牜匕しおおり、これらの䌚議でも重芁な圹割を果たしおきた。2025幎、この特性は顕著になり、倧統領に返り咲いたトランプが文字通り台颚の目ずなった参照。いわゆるダボス䌚議が開幕した1月20日、ワシントンD.C.では倧統領就任匏が行われ、圌は倧西掋を枡っおいないが、ヘリコプタヌで飛来したれレンスキヌ倧統領を含め、䌚議参加者が泚目しおいたのは新政暩の動向である。

ダボス䌚議ずミュンヘン安党保障䌚議

 ダボス䌚議の3日目2月22日、トランプはホワむトハりスからリモヌトで姿を珟すず、茞入品に高い関皎を課す方針を瀺し、物議を醞した。貿易自由化の流れに反するこの措眮は䌁業に米囜内での生産を促すものである参照。たた、前幎秋の倧統領遞では「24時間以内」にりクラむナ䟵略戊争を終わらせるず豪語しおいたが、これを「6ヶ月以内」に改めた䞊で、プヌチン倧統領ず早期に䌚談を持぀意向を明らかにした参照。実際に終戊に導くこずができれば、ノヌベル平和賞に倀するず目されおいるだけに、和平は望たしいこずであるが、ペヌロッパ諞囜やEUには懐疑的に受け止められた。これは2022幎2月の開戊埌、欧州ではこずあるごずに䌚合が持たれ、和平が暡玢されおきたが、アメリカはそれを出し抜いた圢でロシアず亀枉するず受け止められたからである。ペヌロッパ諞囜は停戊䌚議に招埅されおいない。たた、䞖界䞭のどの囜よりもりクラむナを軍事的に支揎しおきたアメリカが同盟囜ず協議するこずなく方向転換し、停戊の仲介圹に回るのも諞囜の意衚を突くものであった。それ以䞊にペヌロッパが譊戒しおいるのは、停戊の道筋がりクラむナを陀倖しお敷かれるこずである。米ロ䌚談は霧䞭にあり、りクラむナの安党や利益がないがしろにされる危険性は払拭されおいない参照。

 このようにペヌロッパ諞囜やEUがトランプ政暩を譊戒しおいるのは、米欧関係は圌の第1期目の時点ですでに冷え切っおおり、新たな冬の到来が予枬されるためである。

 1776幎、むギリスから独立し、建蚭されたアメリカは、ペヌロッパ諞囜から干枉されるのを避けるため、自らも干枉しない孀立䞻矩を採甚しおきたが、1930幎代䞭頃、倧西掋の東岞でファシズムが勢いを増すず方針を改めるに至った参照。民䞻䞻矩ず自由を守る䜿呜感の䞋、第2次䞖界倧戊に参加するず、フランスやベルギヌを始めずする囜々をナチス・ドむツから解攟した。戊埌は倧芏暡な経枈支揎マヌシャル・プランを実斜し、荒廃したペヌロッパの埩興を助けるずずもに、NATOを発足させ、西欧を゜連の脅嚁から守っおきた。珟圚、この軍事機構には29のペヌロッパ諞囜が加盟しおいるが、それらの軍事力を党お合わせおもアメリカ1囜に及ばない。なお、米軍は日本だけではなく、ドむツ、むギリス、むタリア、ポヌランド、ルヌマニア、トルコずいったペヌロッパ諞囜にも10䞇人芏暡で駐留しおおり、その防衛力に倧きな圱響を䞎えおいる。合衆囜の支揎がなければ、物資の調達や防空システムにも支障が生じる。なお、たしかに、むギリスずフランスも栞兵噚を保有しおいるが、その芏暡は䞡囜を合わせおもアメリカの1割匷であり、英仏の栞戊略は他のペヌロッパ諞囜の保護を想定しおいない。぀たり、欧州の安党保障は米囜に倧きく䟝存しおいる。

 ゜連の解䜓埌、りクラむナは「ペヌロッパぞの埩垰」やNATO加盟を目指すようになった。それをめぐっお囜政は倧きく倉動し、芪ロシア掟が政暩を担っおいた時期もあるが、珟圚はペヌロッパ路線が確立しおおり、2019幎にはEUやNATOぞの加盟が政策目暙ずしお憲法で定められた。NATOが門戞を開攟するず、ロシアの猜疑心を煜るこずになり、䟵略戊争に発展したが、民䞻䞻矩や法の支配だけではなく、垂堎経枈が確立しおいないりクラむナのNATO加盟は圓初より非珟実的であった。ロシアずの戊争はこれを決定的にしおおり、戊時䞋にあるりクラむナの新芏加盟は排陀されおいる。2025幎になっお、これを明確に衚明したのがトランプであり、れレンスキヌもそれを受け入れた参照。なお、トランプは倧西掋を枡るずいう負担を持ったアメリカがより倚くの資金を投入しお同盟囜を守る必芁はないずする持論を改めお瀺しおいる。そのため、ペヌロッパ諞囜はアメリカに頌らない防衛䜓制を構築するだけではなく、米囜に代わっおりクラむナを保護する必芁性に迫られるようになった。これはロシアの脅嚁が増す䞭で喫緊の課題である。

1. 停戊に向けたトランプ倖亀

 前述したように、ペヌロッパ諞囜は安党保障をアメリカに䟝存しおいる。ロシアず亀戊䞭のりクラむナが米囜の支揎を呜綱ずしおいるのは蚀うたでもない。米偎もそれを自負しおおり、「アメリカが助けなければ、りクラむナは2週間で滅びる」「りクラむナは米囜に感謝すべきであるが、謝意を瀺しおいない」ずはトランプ政暩の匁である参照。

 なお、米囜は盎接的な軍事介入を避けおきた。新政暩もこれを螏襲しおいるが、トランプは前政暩の政策を倉曎し、停戊を掚進するようになった。和平に至る最初のステップずしお、ホワむトハりスは30日間の攻撃停止を提唱しおおり、圓事囜間で停戊協定を結ばせようずしおいるが、これたでロシアは幟床も取り決めを砎棄しおきただけに、りクラむナは停戊に懐疑的である。しかし、米偎が軍事支揎の停止ずいうカヌドで圧力をかけた結果、態床を軟化させるようになった埌述参照。

 かねおより思慮に欠ける発蚀を繰り返し、喧噪を厭わないトランプだけに、その倖亀手腕は匷匕である。圌は「りクラむナに切り札はない」ず臆するこずなく述べおおり参照、ロシアではなく、米囜ぞの「無条件降䌏」を半ば匷芁しおいるず蚀っおも過蚀ではない。たた、れレンスキヌ倧統領の任期はすでに2024幎5月20日に切れおいるものの、倧統領職に留たっおいる状況参照を「遞挙を経ない独裁者」ず揶揄しおおり、「独裁者」ならば即時に行動すべきであり、停戊に応じなければ支揎を打ち切るずいった匷硬路線で臚んでいる。なお、れレンスキヌが職務を継続しおいるのは戊時法に基づいおおり、違法ではない。

 このようにトランプが停戊を匷匕に抌し進めおいるのは、アメリカの埩暩を目指す匷い野心に駆られおいるためだけではなく、ロシアずの倖亀関係正垞化を詊みおいるためである参照。戊争が勃発する前より米囜はりクラむナ軍の匷化に貢献しおきた。開戊埌は歊噚を䟛䞎するだけではなく、ポヌランド、ルヌマニア、バルト3囜ずいったりクラむナ呚蟺のNATO加盟囜に軍隊を駐留させ、有事に備えおいるが、ロシアずの関係を改善するには、これを早急に終わらせなければならない。さらに、ロシア・りクラむナ間の戊争が第3次䞖界倧戊に発展するこずを阻止する狙いがある。なお、アメリカにずっおロシアは緊密な同盟囜ではなく、トランプが行う関皎匕き䞊げの察象から陀倖されおいるわけでもない。1月22日、ダボス䌚議にリモヌトで参加したトランプは、プヌチンが停戊に応じなければ、関皎ず制裁を課すず述べおいた参照。その䞀方で、プヌチンず停戊亀枉をスムヌズに行うため、圌を独裁者ないし䟵略者ず呌ぶこずは避けおいる。

 なお、2024幎3月、ロヌマ教皇がりクラむナに和平亀枉の実斜を呌びかけた際には、それはりクラむナではなく、ロシアに芁請すべきだずいう批刀が沞き起ったが参照、戊闘はその埌も継続し、出口は芋えないため、トランプ倖亀に察する批刀は少ない。実際に圌が掚進する「停戊」は「終戊」に向けた䞀歩ずなる参照。もっずも、その嚁圧的であり、か぀、突拍子のないポピュリズムは譊戒されおいる。䜕より問題なのは、トランプが提唱する停戊にはりクラむナの安党保障が含たれおいないこずである。たた、ロシアに占領された領土の回埩を保蚌するものでもないが、同囜に返還の意志はない参照。停戊埌、倧統領遞挙が実斜され、れレンスキヌが倱職するこずをロシアは狙っおいる。

 米囜が掚進する停戊をロシアが受け入れ、か぀、誠実に守る保蚌はないが、プヌチン倧統領は自分ずの玄束を砎ったこずはないずトランプ倧統領は考えおおり、亀枉に前向きである。そもそもプヌチンに䟵攻を止める考えはないため、停戊は成立しないずする芋方が有力であるが参照、圌にもトランプの面目を぀ぶす意図はない。実際に停戊が成立した際には、その埌の掚移が仲介圹であるトランプの嚁信や米ロの関係に圱響を䞎えるこずは避けられず、アメリカは戊争に巻き蟌たれるこずになる。なお、トランプずプヌチンがどのような内容で合意するかは明らかになっおいない。りクラむナの利益がどこたで保護されるか泚目される参照。

◎ トランプ倖亀の過皋

 停戊に向けたトランプ倖亀は、2025幎2月12日、プヌチン倧統領ず1時間以䞊に亘り電話で䌚談するこずで本栌化した。1月20日の就任埌、初ずなるこの銖脳䌚談の埌、トランプはサりゞアラビアで改めお「サミット」を開く予定があるこずを明らかにしおいるが、りクラむナ偎は招埅されおいない。たた、その他のペヌロッパ諞囜やEUも蚊垳の倖に眮かれおおり、すでに第1期就任䞭に生じおいた「倧西掋の溝」はさらに深たるこずになった参照。

 なお、サりゞアラビアが銖脳䌚談の開催囜に指定されおいるのは、同囜がロシアやりクラむナず良奜な関係を築いおいるこずによる。この䞭東の産油囜はロシアから安䟡な石油やディヌれルを賌入する䞀方、りクラむナには人道的支揎を行っおきた。たた、2018幎に悪化した米囜ずの関係正垞化を目指しおいる参照。

 前述したように、トランプは停戊に向け、先にプヌチンず接觊しおおり、れレンスキヌを排陀した亀枉は1938幎9月のミュンヘン䌚談を圷圿させる。圓時、ドむツのヒトラヌは隣囜チェコのズデヌデン地方の䜵合を画策しおいたが、この独裁者ずの察立回避を優先する英仏はチェコを加えずにドむツず協議し、䜵合を認めた参照。

 実際にはりクラむナが倖亀亀枉の堎から排陀されおいるわけではなく、トランプ政暩は同囜にも停戊の話しを持ちかけおきた参照。それず同時に、りクラむナの鉱物資源ず匕き換えに支揎埩興揎助の継続を衚明しおいる。これはペヌロッパ諞囜が思い぀かなかった政策であり、トランプ政暩の手腕が光った。なお、レアアヌスの䞀郚は珟圚、ロシアが占領する地域に埋蔵されおおり、アメリカの「手抜かり」を指摘する声もあるが、その採掘に関し、米偎はすでにロシアず合意を結んでいる可胜性も排陀されない。

 2月末、れレンスキヌ倧統領は資源の暩益に関し取り決めるため枡米した。ホワむトハりスにおけるトランプ倧統領ずの䌚談は和やかに始たったが、米囜はロシアのクリミア䜵合や本土䟵攻を阻止できなかったこずをれレンスキヌが指摘するず、同垭しおいたノァンス副倧統領が反発し、「ホワむトハりスで米偎の行動を批刀すべきではない」「れレンスキヌ倧統領は米囜に感謝すべきであるのに謝意を述べおいない」ず反撃に回った。たた、トランプが「あなたは第3次䞖界倧戊を匕き起こそうずしおいる」「倚くの囜民の呜ず匕き換えに、ギャンブルを行っおいる」ず発蚀するず、れレンスキヌは「私はトランプをしお遊んでいるわけではない」ず答えおいるが、米偎に冗談は通じず、䌚談は打ち切られるこずになった。なお、れレンスキヌは「りクラむナはペヌロッパを守っおいるのであり、埌にロシアはNATO加盟囜を攻撃するようになる」ず述べおいる参照。぀たり、第3次䞖界倧戊の勃発を排陀しおいないが、手段や方法はさおおき、その阻止に動いおいるのがトランプである。

 前代未聞の察立で終わった䌚談の䞀郚始終は䞖界各地に䞭継され、倧きな衝撃を䞎えたが、3月4日、トランプ政暩はりクラむナぞの軍事支揎の打ち切りを決定し、より倧きな衝撃を䞎えた。これによりりクラむナは窮地に立たされたが、その埌、れレンスキヌが軟化し、米偎が提唱する30日の停戊に応じるに至った。3月11日、䞡囜の代衚団はサりゞアラビアで萜ち合い、停戊に぀いお合意しおいる参照。

2. トランプ政暩ずペヌロッパ

1米ロ電話䌚談やミュンヘン安党保障䌚議ぞの察応

 2003幎3月、ブッシュ倧統領がむラク戊争を開始した際、フランスやドむツを始めずするペヌロッパ諞囜は戊争に反察し、米政暩ず察立した。圓時、欧州にはアメリカ寄りの囜もあり、これらの「新しいペヌロッパ」ず仏独を䞭心ずする「叀いペヌロッパ」に分かれるこずになったが、確執が長く続くこずはなかった。

 このような状況を決定的に倉えたのがトランプである。2017幎1月、第45代アメリカ倧統領に就任した圌は、第2次䞖界倧戊埌、70幎に亘り築かれおきた「西偎」の䟡倀芳を厩し、倧西掋の䞡岞にか぀おない倧きな溝を䜜った。2021幎1月、民䞻党が政暩に埩垰するず、関係は修埩されたが、トランプの再遞はそれを壊し぀぀ある。

 2024幎秋の倧統領遞においお、ほずんどのペヌロッパ諞囜はトランプの再遞を支持しおおらず、れレンスキヌが応揎しおいたのも察立候補のハリスであった。トランプが支持されない芁因は非協調性にあり、「アメリカ・ファヌスト」には譊鐘が鳎らされおいる。2月12日に行われた米ロ銖脳の電話䌚談もその延長線䞊にあり、ペヌロッパ諞囜に知らせるこずなく行われた䌚談は停戊協議から欧州を排陀するものず解され、反感を買った。埌にサりゞアラビで開催が怜蚎されおいる䌚議にもペヌロッパ諞囜は招かれおいない参照。その芁求に反し参照、欧州を排陀したたた停戊亀枉が進められるずすれば、アメリカに察する反発はさらに匷たる。

 なお、米ロはりクラむナの安党や利益を床倖芖しお停戊を取り決めるこずにならないか譊戒されおおり、ペヌロッパ諞囜はりクラむナを察等に扱うこずを求めおいる参照。アメリカが採掘を蚈画しおいるりクラむナの鉱物資源の䞀郚は、珟圚、ロシアが占領する地域にあり、その暩益に関し、アメリカはロシアずすでに極秘で協定を結んでいるこずも吊定されない。りクラむナ䟵略戊争が3幎目に入った2月24日、トランプ倧統領はロシアずも経枈協力を進めるこずを発衚しおいる。

 トランプずプヌチンの電話䌚談が倧西掋䞊に暗雲を䜜る䞭、開幕したのがミュンヘン安党保障䌚議である。電話䌚談の2日埌に始たったこの囜際䌚議は䞡岞の察話を促進し、東岞が抱く懞念を払拭させる機䌚になりえたが、実際には距離を広げるこずになった。初日、米囜のノァンス副倧統領はペヌロッパの脅嚁はロシアや䞭囜ではなく、ペヌロッパ内に朜んでいるずし、欧州では民䞻䞻矩や衚珟の自由が脅かされおいるず䞻匵した参照。これはEUによるSNS芏制や、ミュンヘンに極右政党が招埅されおいないこずを受けたものであるが、これは民䞻䞻矩や基本暩保護を基本的䟡倀ずしお䜕よりも尊重しおいるEUの神経を逆なでするものである。極右政党ずの協力がありえないこずは蚀うたでもない。ホスト囜ドむツのシュタむンマむダヌ連邊倧統領は、アメリカはペヌロッパずは異なる䟡倀芳を持っおおり、確立した秩序に反する米囜の独自路線は受け入れられないず厳しい口調で応酬した参照。実際にノァンス副倧統領の挔説は前䟋のない䟮蟱にあたる参照。
 
 ペヌロッパの銖脳陣の䞭で、トランプ倧統領ず比范的良奜な関係を築いおいるのがフランスのマクロン倧統領であり、䞡者はりクラむナ䟵略戊争が3幎目に入った2025幎2月24日、ホワむトハりスで䌚談を行い、友奜関係をアピヌルした参照。なお、前幎12月、トランプはパリに枡り、ノヌトルダム倧聖堂の再建匏に参列しおいる。もっずも、プヌチンの評䟡に関し、䞡銖脳の立堎は異なっおおり、マクロンはプヌチンを䟵略者ずしお批刀する参照。

動画出展 The Guardian

 かねおより欧州の団結を掚進しおきたマクロンは欧州政治共同䜓に぀いお、埌述参照、2月17日、パリでEU加盟囜銖脳䌚議を招集した。この緊急䌚合の目的は、サりゞアラビアで開催されるであろう米ロ䌚談をにらみ、停戊の条件やりクラむナの埩興支揎に関するEUないし27の加盟囜の立堎をたずめるこずにある参照。なお、ペヌロッパ偎が䞭東での䌚談に参加できるか、たた、停戊やりクラむナの埩興にどのような圢で関われるかは明らかではなく、その立ち䜍眮の䜎䞋が懞念されおいる参照。仮に停戊亀枉ぞの参加が認められるずすれば、䞍利になるため、ロシアはEUの出垭を認めおいない参照。

2ロンドン・サミットの開催

 2月28日に米り銖脳䌚談が䞭断された際にも、ペヌロッパの銖脳は䌚合を開き、「アフタヌケア」を行っおいる。なお、タむミング良く、3月2日に行われたこの「サミット」は急遜、招集されたのではなく、ロンドンでの開催が事前に決たっおいた。たた、2020幎1月に「ペヌロッパの家」、぀たり、EUから退いたむギリスがむニシアチブを発揮したこずで泚目された。2024幎7月に銖盞に就任したスタヌマヌ劎働党はEUずの関係改善にも積極的である。3月2日の銖脳䌚議に先立ち、英政府はりクラむナ支揎に27億4000䞇ナヌロ、支出するこずを衚明しおおり、その財源は同政府が差し抌さえおいるロシアの財産より賄われる。りクラむナはそれを利甚しお、防空システムを敎える予定であり、それを支揎するのがフランスである。

 ”Securing Our Future” ずいう衚題が付けられたロンドン・サミットはこれらのペヌロッパ諞囜、぀たり、英仏が䞭心ずなっお開催されおおり、EUが䞻催したものではないが、その参加は欠かせない。ブリュッセルの機関を代衚しお欧州委員長のフォン デア ラむ゚ンが出垭し、議長垭に最も近い「右手」に着座した。䌚議埌、委員長は蚘者団に察し、ペヌロッパは迅速に軍備を増匷しなければならないず述べおいるReArm Europe。たた、EUはりクラむナ支揎を匷化する甚意があるこずを瀺した参照。この発蚀に衚われおいるように、銖脳䌚議ではホワむトハりスから远い出されたれレンスキヌに゚ヌルが送られおおり、圌はチャヌルズ囜王のもおなしも受けおいる。

 䌚議埌、ホスト圹のスタヌマヌ英銖盞は、停戊に貢献し、か぀、りクラむナの安党を守るため、有志連合を立ち䞊げるこずになったず発衚しおいるが、肝心の参加囜に関する情報は瀺されおいない。たた、欧州が重芁な圹割を果たす必芁があるが、アメリカの埌ろ盟なくしお和平は実珟できず、有志連合は米囜ず察立するものではないず述べおいる参照。なお、スタヌマヌが進蚀したこずもあり、れレンスキヌはトランプずの関係を改善するこずになった。

 ずころで、䟵略戊争の勃発から3ヶ月が経過した2022幎5月、フランスのマクロン倧統領は欧州政治共同䜓EPCの発足を提唱しおおり、ロシア、ベラルヌシの敵察囜ずバチカンを陀いた党おのペヌロッパ諞囜が参加する政治フォヌラムが同幎10月に始たった。これは47ヶ囜䜓制をずるが、有志連合にはより緊密な連携を目指す囜々が加わるものず解される。なお、メンバヌシップはペヌロッパの囜や組織に限定されおいるわけではない。

 ロンドン・サミットには16のペヌロッパ諞囜ずカナダ、さらに、EUずNATOが参加しおいる。その倧半はEU加盟囜であり、有志連合もメンバヌのほずんどはEU加盟囜ず解されるが、その䞭には䞭立を掲げおいるため、連合には参加できない囜もある。その䞀方で、EUから離脱したむギリスが加わるだけではなく、匷いむニシアチブを発揮するこずが想定されおおり、有志連合にはEUずは異なる意矩がある。なお、玄40幎前1987幎にEU加盟を申請するも、目暙を達成する芋通しが党く立っおいないトルコはフィダン倖盞をロンドン・サミットに掟遣した。

 前述したように、ロンドン・サミットは事前に開催が蚈画されおいたが、米りの「倖亀砎綻」は、りクラむナを孀立させおはならないずいう䜿呜の䞋で、アメリカを陀いたNATO加盟囜の結束力を高めるこずにもなった。銖脳䌚談埌、むタリアのメロヌニ銖盞は西偎を分裂させおはならないずし、諞囜の結束を蚎えた。たた、ポヌランドのトゥスク銖盞EU加盟囜銖脳䌚議である欧州理事䌚の初代垞任議長、珟EU理事䌚議長囜の銖盞は、ペヌロッパはようやく目を芚たしたず述べおいる。なお、旧゜連の干枉を匷く受けおきたポヌランドは最もアメリカに接近しおいるペヌロッパ諞囜の䞀぀であり、その芪米路線が倉曎されるずは解されない。有志連合も米囜ずの協力を基盀に据えおいる参照。

Securing Our Future, London Summit on 2 March 2025
Securing Our Future, London Summit on 2 March 2025
© European Union, 2025
画像は筆者により切り抜かれおある。

2025幎3月2日のロンドン・サミットに参加した17囜50音順、䞋線付きはEUに加盟する囜である。なお、りクラむナを陀く16ヶ囜はNATOにも加盟しおいるむギリス、むタリア、りクラむナ、オランダ、カナダ、スりェヌデン、チェコ、スペむン、ドむツ、デンマヌク、トルコ、ノルりェヌ、フィンランド、フランス、ポヌランド、ポルトガル、ルヌマニア

参加した囜際機関EU、NATO

むギリス政府によるず、2025幎3月21日の時点で「有志連合」のメンバヌは31に増えおいるが、詳现は明かされおいない参照。

3) その埌の察応ずペヌロッパの動向

 その埌、EUは3月6日の銖脳䌚議に続き、数床、りクラむナ支揎に向けた䌚合を開いおいる。それず䞊行し、むギリスのスタヌマヌ銖盞の䞋で停戊に向けた協議も進められおいるが、重芁課題の䞀぀であるアメリカに頌らない安党保障䜓制の確立は進んでいない。

 珟圚、ペヌロッパには49コ゜ボを加えるず50の囜が存圚し、それにはロシアやベラルヌシも含たれる。EUに加盟しおいるのは玄半数の27ヶ囜に過ぎないが、EUずペヌロッパが同䞀芖されるこずも少なくない。前述したように、䟵略戊争の勃発埌、新たに欧州政治共同䜓EPCが結成され、これにはロシア、ベラルヌシ、バチカンを陀く党おのペヌロッパの囜々やEUが参加しおいるが、りクラむナ支揎を行えるわけではなく、それを担っおいるのは専らEUである。なお、この超囜家的組織も安党保障分野での掻動は限定されおおり、りクラむナに軍隊を掟遣するこずはできないそもそも軍隊を持っおいない。これはEUが垂堎統合を䞻たる目的ずしおいるこずによるが、EUは経枈分野で䞎えられおいる暩限を生かし、りクラむナぞの財政・人道支揎難民保護を含むやロシアに察する経枈制裁を行っおきた参照。なお、2015幎秋に難民危機が発生するず、難民の受け入れをめぐり、䞀郚の加盟囜がEUの政策に反発するようになった。そのような囜の䞀぀であるハンガリヌはEUぞの抵抗の䞀環ずしお、EUがロシアに制裁を課すこずに抵抗しおいる参照。同様にポヌランドもEUの政策に批刀的であり、法の支配や基本暩保護を培底しおいないずしお批刀されおいるが、ハンガリヌずは異なり、ポヌランドは隣接するりクラむナの支揎に積極的である。2025幎前半、ポヌランドはEU理事䌚の議長囜を務めおおり、フランスず共にりクラむナぞの支揎匷化ずりわけ軍隊の掟遣を目指しおいる。

 ペヌロッパには、オヌストリアやスむスのように䞭立を謳う囜があり、党おの囜がりクラむナ支揎に参加しおいるわけではない。非䞭立で、NATOに加盟しおいる囜であれ、軍事力はアメリカに及ばす、むしろ同囜に安党保障を䟝存しおいる。トランプはペヌロッパに駐留する米軍の削枛を打ち出しおいるが、それを補うだけの予算はペヌロッパ諞囜にはない。ずりわけナヌロ導入囜は財政赀字の削枛を矩務づけられおいるため、囜債を発行し、防衛費を調達するこずが困難な状況にある。そのため、「トランプ・ショック」の圱響を受け萜ち蟌んでいる囜内経枈を掻性化させ、皎収を増やすこずが重芖されおいる。経枈面で力を発揮するこずができるEUはむノノェヌションず芏制緩和を打ち出し、EUの囜際的プレれンスの匷化を目指しおいるが、加盟27ヶ囜の経枈芏暡を党お合わせおもアメリカ1囜に及ばない人口こそ米囜を䞊回っおいるが、囜土は玄半分である。前出のロンドン・サミットにおいお、欧州委員長のフォン デア ラむ゚ンは加盟囜が防衛支出を増やす必芁性を指摘しおおり、財政芏埋を芋盎す動きも出おいる。なお、トランプはGDPの5を軍事費に充おるよう欧州のNATO加盟囜に求めおいるが、米囜自身も3.42024幎ず、その氎準に達しおいない。その割合が最も高いのは、りクラむナ䟵略戊争の勃発埌、急速に軍事費を増やしおきたポヌランドの4.1であり、フランスは2.1に過ぎないが、マクロンはGDPの33.5を党加盟囜の目暙倀ずしお提唱しおいる。

 防衛力の匷化や囜債の発行による軍事費の増額には憲法の改正が必芁な囜もあり、それを経た法埋の敎備も決しお容易ではない。2025幎3月、ドむツは憲法改正を実珟したが、その他の囜でも兵員の確保は困難な課題にあたり、城兵制の導入ないし埩掻も怜蚎されおいる参照。

※ ペヌロッパ防衛共同䜓の創蚭

 第2次䞖界倧戊の終結埌、ドむツ、フランス、むタリアずベネルクス3囜は䞉぀の欧州共同䜓を蚭立した。その加盟囜は貿易や蟲業、運茞、たた埌に通貚ずいった非垞に倚くの分野における暩限を共同䜓に移し、経枈統合特に関皎同盟の創蚭、垂堎・通貚統合の実珟を実珟しおきた。1993幎11月、それを基瀎ずしおEUが発足したが、1950幎代初旬には欧州防衛共同䜓を立ち䞊げ、軍事に関する䞻暩を囜際機関に移すこずも蚈画されおいた。しかし、圓時、フランスはむンドシナで戊っおおり、戊争の継続に必芁な暩限を保有するため、防衛共同䜓の創蚭を阻止した。安党保障に関する暩限は䞻暩囜家の特暩ずする考えは他の囜にも広たり、垂堎・通貚統合が実珟したのずは察照的に、軍事分野での統合は倧きく進展しおいない。その結果、EU内には各加盟囜ごずの、぀たり、27の防衛機構がある。この状況はりクラむナ䟵略戊争の勃発によっおも倉わるこずがなかった。ロシアずの軍事力には倧きな差があり、個々の加盟囜が単独で軍事倧囜に察抗できないのは蚀うたでもない。

 珟圚、欧州で栞兵噚を保有しおいる囜はロシアを陀けば、むギリスずフランスのみであるが、䞡囜の栞戊略はペヌロッパの安党保障を想定しおおらず、ずりわけ、ロシアに隣接するバルト3囜やフィンランドを保護するものではない。これらの囜はNATOに加盟しおおり、その䞻導囜であるアメリカの栞の傘に入っおいるが、トランプ政暩はペヌロッパからの撀退を蚈画しおいる。それを補う方策ずしおは、欧州の囜々が䞻暩を攟棄ないし制限し、軍事共同䜓を創蚭するこずが挙げられるが、NATO同盟囜に軍事費の増額を求める米囜がペヌロッパの軍事統合を了承しおいるわけではない。たた、軍事匷化はロシアを刺激し、かえっお安党を害するこずもありうる。りクラむナ䟵略戊争の勃発埌、マクロン倧統領はフランスの栞戊略をペヌロッパ党土に拡匵する甚意があるこずを瀺すようになったが、倖郚の反発もあり、実珟しおいない。

 なお、EUに加盟する27ヶ囜のほずんどはNATOにも加盟しおいる。そのため、䞡者の調敎が図られるこずになり、EUは経枈統合を䞻芁な目的ずするが、NATOの枠組みを利甚し、軍事分野でも行動できるようになった。もっずも、りクラむナ䟵略戊争ではNATOも軍隊を掟遣しおいない。

参照
  • Ukraineドむツ公共攟送局ARDのサむト

2025幎3月28日蚘 3月30日曎新