高畑耕治の詩


樹冠、星あわ




  樹冠


尾根道の木々
枯れ枝のこずえ
樹冠は
澄みあおぐ
青空

枯れ葉
風に鳴り
軽やかに
香れ

小鳥たち木の葉たち草花の
ささやかなささやきも
鎮もりの夜には
無重力天球樹

白雪と見まがう
星々の
小さな花々
枝先に儚く
灯せ




  星あわ



歩み踏み土の音を聞く
息を吐き山を吸う

山の枯れ枝の指さす先とおく
平らな地に都市に人の営み
建てて壊れて建てて壊して建てて
焼かれ壊され建てるビルに

隠されてもかまうことなく
途切れず途絶えずつながっている
海
大気と大洋のおおきな営み
ふりそそぎ光り
照り輝く
海

銀の陽のしずく
銀のさざ波

金の陽のしずく
波も金に
きらめきに溶け

結ばれて夜空の海の
星闇に
山脈も波うち
星波うち寄せる渚
星音の潮騒に
小鳥も野ウサギもタヌキも
子鹿も子熊も人の子も
夢を洗われ
なぐさめられ
寝静まる

枯れることのない海に
抱かれて
星が壊れる日まで
壊れても

もまれのまれる
喜びの苦しみの悲しみの果て
夜空の海の波に
星あわに
かえる




※読み 山脈 : やまなみ



「 樹冠、星あわ 」( 了 )

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