耐震
耐震(たいしん、英: earthquake resistant)とは、構造物の地震への対処として、構造物自体の有する耐力で地震に対処する方法をいう[1]。免震や制震とは区別される[1]。
概要
[編集]耐震構造は構造物自体の耐力で地震に対処する方法であり[1]、具体的には構造物に耐震壁やブレースなどを配置したり柱で補強することによって、建物自体の強さや粘りで耐える構造をいう[2]。
建物の耐震強度を地域により割り引く「地震地域係数」があるが、輪島市等が0.9でコンクリート建築物も被害が発生したことから、国土交通省では基準を全国一律に見直す検討が始まった[3]。
| 耐震 | 免震 | 制震 |
|---|---|---|
| 構造物自体の有する耐力で地震に対処する方法[1](建物の構造体自体を堅固にして地震の揺れに耐える方法[4]) | 構造物と地盤との関係を柔軟化する装置を用いて地震動が構造物に伝わりにくくするとともに減衰を付加して応答を低減する方法[1](地盤と建物の間などに免震部材を設置して建物が地震動と共振するのを避ける方法[4]) | エネルギー吸収機構などをもつ装置を用いて地震動に対する応答を低減する方法[1](建物の内部に制震部材を取り付けて地震の揺れを制御する方法[4]) |
耐震補強は制震補強や免震補強に比べて、工期(設計期間含む)やコストを抑えることができ、地震応答解析も必要ないが、構造体の損傷、機能維持や財産の保護、工事期間中の建物使用などの面で劣る[2]。
耐震設計
[編集]耐震設計(earthquake-resistant design)とは、建設予定の建物について、耐震性能を満たすよう、構造的な計画・設計を行うことをいう[5]。
一般に、建築物が大きな被害を受ける可能性がある地震の強さは、加速度で100 gal(cm/s2)以上であると言われる[注釈 1]。
耐震診断
[編集]耐震診断とは、既存の建物について、その耐震性能を評価するもので、改修が必要かどうかを判断するとともに補強計画に参考にするものをいう[5]。
耐震性能は、強度(壁や柱などの断面積)、靭性(じん性)、建物のバランス(剛性率や偏心率などの形状指標)、劣化の度合いなどの要素で評価される[5]。
耐震補強
[編集]耐震補強の方法には、強度向上型、靭性向上型、強度・靭性向上型がある[2]。
強度向上型
[編集]靭性向上型
[編集]強度・靭性向上型
[編集]橋梁における技術
[編集]橋梁における耐震化は、地震力に対して高強度の材料を用いたり、大きな部材断面とすることで構造部材の強度を高めることをいう[6]。しかし、どのような規模の地震を受けても弾性域内で応答するように設計するのは不経済であることから、免震支承を用いた免震や制震デバイスを用いた制震の技術が取り入れられるようになった[6]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 4 5 6 “平成14年度実務者のための耐震設計入門別冊”. 公益社団法人土木学会. 2025年8月18日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 “はじめての耐震改修工事”. 日本建設業連合会関西委員会. 2025年8月18日閲覧。
- ↑ 日本放送協会 (2024年3月23日). “「地震地域係数」国が見直し検討 能登半島など低い地域で被害”. NHKニュース. 2025年3月20日閲覧。
- 1 2 3 “免震構造について(補足資料)”. 府中市. 2025年8月19日閲覧。
- 1 2 3 4 5 “耐震設計とは~耐震設計の基礎知識~”. 香川県土木部建築指導課. 2025年8月18日閲覧。
- 1 2 鋼橋の制震技術の最前線 日本橋梁建設協会、2026年5月2日閲覧。