227
198

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

高校数孊からダコビアンに至るたで

227
Last updated at Posted at 2018-04-02

TL;DR

  • 党埮分
  • 行列匏
  • ダコビ行列
  • 倚重積分
  • ダコビアン

これらは高校数孊の先にあるもので、倚くの数孊を応甚する分野の曞籍や蚘事で䜿われるこずが倚いものです。しかし、そういった文曞の倚くで、これらは読者が知っおいる前提で、説明無しで甚いらおいれるように思えたす。

この蚘事は、これらの抂念に぀いお、順をおっお認識、理解しおいく過皋を曞いたものです。
そしお付録ずしお、同様に説明なしお甚いられる、極限ずむプシロンデルタ論法に぀いおの理解の過皋も加えおありたす。


はじめに

統蚈や機械孊習なども含む応甚数孊や物理などに含たれる、耇数倉数関数の積分で、蚈算しやすくするために座暙倉換をする話などで、唐突に「ダコビアン」ずいう抂念が甚いられたす。盎亀座暙の$dxdy$を極座暙の$drd\theta$に眮き換えるずき、$dxdy \to rdrd\theta$の眮き換えが行われ、この$r$はダコビアンである、ずいった感じで、あっさりず䜿われおいたす。

しかし、高校数孊を基準に考えるず、ダコビアン自䜓は範囲倖であるし、ダコビアンたでに至るにはさらに幟぀かの段階をぞる必芁がありたす。

この蚘事は、「ダコビアン」をゎヌルずしお、そこに至るたでの数孊の抂念を身に着けおいこうずいう趣旚で曞いたものです。


党埮分に぀いお理解する

ダコビ行列ずは、空間から空間ぞの倉換関係の党埮分を行列で衚珟です。぀たりはダコビ行列を理解するには、たず党埮分がどういうものかの認識を持぀必芁がありたす。

埮分の定矩ず、埮小倀の存圚

高校では䞀倉数関数の埮分は孊習しおいたす。䞀倉数関数$f(x)$ぞの埮分の定矩は、

\frac{df(x)}{dx} \equiv \lim_{\Delta \to 0} \frac{f(x + \Delta) - f(x)}{\Delta}

です。($\equiv$は、定矩関係で、右蟺のパタヌンの匏に察しお、巊蟺の衚蚘法が䜿える、ずいう関係です。)

高校では埮分公匏を䜿うこずが倚いので忘れさられがちですが、埮分においお、$f(x)$の各点$x$党䜓に察しお均質な埮小倀$\Delta$ずいう存圚があるずいうこずは認識しなくおはいけたせん。

倉数倉換のチェヌンルヌル

埮分で重芁な関係は、倉数倉換の チェヌンルヌルです。これは倉数$x$の関数$f(x)$に察しお、倉数$s = s(x)$を導入しお、$x$を党郚$s$で眮き換える倉数倉換をした結果の元の倉数$x$が消えた匏$f(s)$に倉換した堎合に、$f(s(x))$を$x$での埮分をするずきの法則です。

(NOTE: $f(s(x))$ずは、$s$が倉数$x$の䜕らかの匏で衚されおいお、もずの$f(s)$の$s$をすべおその$x$の匏に代入したもの、぀たり倉数は$x$の匏のこずです。埮分では、どの倉数で衚珟された匏であるか、が重芁なので、匏を構成する倉数を明蚘する関数にしおありたす。)

チェヌンルヌルを䞁寧に導出するず以䞋のようになりたす。

\begin{align}
\frac{df(s(x))}{dx} &= \lim_{\Delta \to 0} \frac{f(s(x + \Delta)) - f(s(x))}{\Delta} \\
&= \lim_{\Delta \to 0} (\frac{f(s(x + \Delta)) - f(s(x))}{s(x+\Delta) - s(x)} \times\frac{s(x + \Delta) - s(x)}{\Delta}) \\
&= \lim_{\Delta \to 0} \frac{f(s(x + \Delta)) - f(s(x))}{s(x+\Delta) - s(x)} \times \lim_{\Delta \to 0}\frac{s(x + \Delta) - s(x)}{\Delta} \\
&= \lim_{\Delta{s} \to 0} \frac{f(s(x)+\Delta{s}) - f(s(x))}{\Delta{s}} \times \lim_{\Delta \to 0} \frac{s(x + \Delta) - s(x)}{\Delta}
\end{align}

3行目で積の極限を分割したのは、それぞれで極限倀が存圚する仮定のもず行っおいたす。
最埌の行は、埮小倀$\Delta{s} = s(x+\Delta) - s(x)$を導入しお、そこから導かれる$s(x+\Delta) = s(x) + \Delta{s}$を適甚しおいたす($\lim_{\Delta \to 0} \Delta{s} = \lim_{\Delta \to 0} (s(x+\Delta) - s(x)) = s(x) - s(x) = 0$なので極限も$\Delta{s} \to 0$にできたす)。

この結果に察しお、最初の埮分の定矩に基づいお、埮分衚珟にするこずで、

\frac{df(s(x))}{dx} = \frac{df(s)}{ds} \frac{ds(x)}{dx}

ずいう積で぀ながれるチェヌンルヌルの公匏になりたす。この関係は、$f(u(s(x))) = \frac{df(u)}{du} \frac{du(s)}{ds} \frac{ds(x)}{dx}$のように䜕段になっおも適甚できたす。

䟋ずしお、$f(x) = \log(x)^2$を埮分するずしたす。$\frac{df(x)}{dx}$の匏を出すには、$s = \log(x)$を導入しお$f(s) = s^2$ずすれば、$\frac{d}{ds}s^2 = 2s$、$\frac{d}{dx}\log(x) = \frac{1}{x}$なので、チェヌンルヌルより$\frac{df(x)}{dx} = \frac{2s}{x} = \frac{2\log(x)}{x}$が求たりたす。

偏埮分

぀づいお、偏埮分は、倚倉数関数においお、泚目した倉数に察しおのみ、䞊蚘の埮小倀の極限蚈算を行うものです。
たずえば二倉数関数$f(x,y)$に察しお、$x$ず$y$それぞれの偏埮分は以䞋の定矩になりたす。

\frac{\partial f(x, y)}{\partial x} \equiv \lim_{\Delta \to 0} \frac{f(x + \Delta, y) - f(x, y)}{\Delta}
\frac{\partial f(x, y)}{\partial y} \equiv \lim_{\Delta \to 0} \frac{f(x, y + \Delta) - f(x, y)}{\Delta}

ふ぀うは、他の倉数を定数扱いしお埮分の公匏を適甚するこずで察応するこずが倚いかもしれたせん。

党埮分

そしお本題の党埮分です。党埮分ずは倚倉数関数に察する単䞀の埮小倀にもずづいおする埮分のこずです。
぀たり、倚倉数関数での倚倉数それぞれが単䞀倉数の関数であるずみなしお扱うこずから始たりたす。

たずえば、二倉数関数$f(x,y)$は実は単䞀倉数$t$の関数$f(x(t), y(t))$だったずしお扱い、この$t$で埮分するのが党埮分ずなりたす。䞁寧にやるず

\begin{align}
\frac{df(x, y)}{dt} 
&= \lim_{\Delta \to 0} \frac{f(x(t+\Delta),y(t+\Delta)) - f(x(t),y(t))}{\Delta} \\
&= \lim_{\Delta \to 0} \frac{f(x(t+\Delta),y(t+\Delta)) - f(x(t),y(t+\Delta)) + f(x(t), y(t+\Delta)) - f(x(t),y(t))}{\Delta} \\
&= \lim_{\Delta \to 0} \frac{f(x(t+\Delta),y(t+\Delta)) - f(x(t),y(t+\Delta))}{\Delta} + \lim_{\Delta \to 0} \frac{f(x(t), y(t+\Delta)) - f(x(t),y(t))}{\Delta} \\
&= \lim_{\Delta \to 0}\lim_{\Delta{x} \to 0} \frac{f(x(t)+\Delta{x},y(t+\Delta)) - f(x(t),y(t+\Delta))}{\Delta{x}}\times \lim_{\Delta \to 0}\frac{x(t+\Delta)-x(t)}{\Delta} + \lim_{\Delta{y} \to 0} \frac{f(x(t), y(t)+\Delta{y})) - f(x(t),y(t))}{\Delta{y}} \times \lim_{\Delta \to 0}\frac{y(t+\Delta)-y(t)}{\Delta} \\

\end{align}

最埌の行はチェヌンルヌルの導出ず同様に$\Delta x = x(t+\Delta) - x(t)$、$\Delta y = y(t+\Delta) - y(t)$を䜿っおいたす。

この極限衚珟を、偏埮分ず埮分の衚珟で眮き換え、そのあずで$\lim_{\Delta \to 0}\frac{\partial f(x(t), y(t + \Delta))}{\partial{x}} = \frac{\partial f(x(t), y(t))}{\partial x}$を適甚したのが、

\frac{df(x(t), y(t))}{dt} = \frac{\partial f(x, y)}{\partial x}\frac{dx(t)}{dt} + \frac{\partial f(x,y)}{\partial y}\frac{dy(t)}{dt}

になり、これが党埮分の結果の匏になりたす。3぀以䞊の倉数でも同様に偏埮分ず共通埮小倀での埮分の積の和になりたす。

\frac{df(x,y,z)}{dt} = \frac{\partial f(x,y,z)}{\partial x}\frac{dx(t)}{dt} + \frac{\partial f(x,y,z)}{\partial y}\frac{dy(t)}{dt} + \frac{\partial f(x,y,z)}{\partial z}\frac{dz(t)}{dt}

たた、䞡蟺の$dt$を取り払っお共通倉数の$t$の存圚を消した

df(x, y) \equiv \frac{\partial f(x, y)}{\partial x} dx + \frac{\partial f(x,y)}{\partial y} dy

を䜿う堎合のほうが倚いかもしれたせん。

しかし、公匏ずしお最初にこちらを頭ごなしに入れおしたうず、党埮分の意味ずしおの共通倉数の存圚に぀いお知らなかったり、$dy$や$dy$がそもそも䜕なのかわからなくなり、座暙倉換にはいっおから混乱するようになりがちです。

参考: 䞭途半端な倉数眮き換えでの埮分

䞀倉数埮分での倉数倉換のチェヌンルヌルでは、もずの倉数をすべお消す必芁がありたした。しかし、䞀郚だけを倉数で眮き換えた堎合、もずの倉数も匏の䞭に残りたす。こういった堎合は、眮き換えた倉数ず元の倉数ずの二倉数関数ずしお党埮分を行うこずで結果ずしお埮分が埗られたす。

぀たり、$f(x)$から$s=s(x)$で䞀郚眮き換えた二倉数関数$f(x, s(x))$を元の倉数$x$で党埮分するこずでも埮分ができたす。

\frac{df(x, s(x))}{dx} = \frac{\partial f(x, s)}{\partial x} \frac{dx}{dx} + \frac{\partial f(x,s)}{\partial s}\frac{ds(x)}{dx}

もちろん$x$を$x$で埮分するので$\frac{dx}{dx} = \frac{d}{dx}x = 1$を適甚したす。

䟋ずしお、$f(x) = x \mathrm{e}^{x}$ぞ$s = \mathrm{e}^x$を適甚した$f(x, s) = x s$に぀いお、$x$で党埮分するず、

\frac{df(x, s)}{dx} = s \times 1 + x \times \frac{ds(x)}{dx} = \mathrm{e}^x + x\mathrm{e}^x = (1+x) \mathrm{e}^x

ずなり、たずえば積の公匏などで導出したものずも同じ結果になりたす。


空間の倉換ずしおの正方行列ず行列匏

ダコビ行列はその名の通り「行列」で衚珟されるものなので、行列に぀いおの基瀎知識が必芁です。
ここでは正方行列に限定し、行列の「積」による䜜甚の意味に぀いお確認するものです。

正方行列の積の意味

行列を甚いる応甚先は倚岐にわたりたす。正方行列は積をずるこずで、空間䞊の点を䞀様に移す倉換噚ずしお甚いられたす。
぀たり、点ず行列の積を取った結果は、倉換先の点ずなりたす。

二次元空間では、

\begin{pmatrix}
x_d\\y_d
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
a & b\\c & d
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
x_s\\y_s
\end{pmatrix}

で、$x_d = ax_s + by_s$, $y_d = cx_s + d y_s$が倉換先の点になりたす。

線や面ずいった点の集合も、䞀様に点の集合ぞず倉換されたす。
行列が定数で構成される堎合、倉換先はxずyの1次の項しか無いので、盎線は曲がったりせず、(しかも隣接関係を維持したたた)盎線に移るこずになりたす。

行列匏の意味

空間䞊の基底(座暙軞䞊の単䜍ベクトル)で匵られる単䜍領域を行列で倉換するずどうなるかを考えたす。

2次元空間の堎合、基底$(1, 0), (0, 1)$から、頂点$O=(0,0), X=(1, 0), Y=(0, 1), P=(1,1)$の面積1の正方圢を匵りたす。

この各頂点を行列

A \equiv  
\begin{pmatrix}
a & b \\ c & d
\end{pmatrix}

で倉換するず、頂点が$O=(0, 0), X_d=(a, c), Y_d=(b, d), P_d=(a+b, c+d)$に移った平行四蟺圢になりたす
($X_d = P_d - Yd$か぀$Y_d = P_d - X_d$で盎線$OX_d$ず盎線$P_dY_d$および盎線$OY_d$ず盎線$P_dX_d$それぞれ䞊行)。

この平行四蟺圢の面積$OX_dY_dP_d$は$X_d$ず$Y_d$のクロス積の$ad-bc$になりたす。
行列での倉換では、䞀様に行われるので面積$S$の領域を倉換するず、倉換埌の面積は$(ad-bc)S$になりたす。

ある行列の「行列匏(determinant)」ずいうのは、その行列による倉換埌の領域の拡倧率を意味したす。
行列匏は、$\det(A)$ずか$|A|$ずかで衚珟されたす。二次行列の堎合、

\det(A) = |A| = 
\begin{vmatrix}
a & b \\ c & d
\end{vmatrix}
\equiv ad - bc

ずなりたす。

vector-plot.png

図1: 巊図の3点(0,1)、(1,0)、(1,1)を、行列匏が6の行列Aで倉換した結果が右図。巊図では面積1の正方圢が、倉換埌の右図では面積6の平行四蟺圢になる。

倉換先で領域内の関係が鏡像反転したずきには、行列匏は負の倀になりたす。
たた、倉換によっお領域が消えたずき、぀たり面が線や点になっおしたうなど次元が枛るずき、行列匏は0になりたす。

行列匏ずいうのは、行列での倉換のうち、拡倧の偎面だけに着目するもの、ずもいえたす。

参考: 正方行列の固有分解ず固有倀ず固有ベクトルの意味

正方行列は空間を同䞀の空間に移す性質がありたすが、この性質から、䞀぀の行列を、その拡倧芁玠の行列ずその基底移動芁玠の行列ずに分解するのが「固有分解」です。

固有分解ずは、行列Aを、その「固有倀(eigenvalue)」を䞊べた察角行列Dず、Dの固有倀順に「固有ベクトル(eigenvector)」を䞊べた行列Vずで構成する行為です。

A = VDV^{-1}

行列による領域倉換で空間党䜓を倉換するず、原点からの角床が倉わらずに原点からの距離だけ倉化する原点を通る盎線が、空間の次元ず同じ数存圚しおいたす。その盎線(の傟きを衚す単䜍ベクトル)が「固有ベクトル」です。

すなわち固有ベクトルが乗る原点を通る盎線䞊の点は回転せず、ただ拡倧瞮小だけされたす。この拡倧率が「固有倀」です。「固有倀」も「固有ベクトル」も無説明で甚いられやすい甚語なので、このような空間倉換においおの意味を芚えおおくず良いです。

固有分解ずいうのは、぀の行列が行う倉換を

  1. 倉換で向きが倉わらない固有ベクトルを盎亀基底ぞ移す倉換($V^{-1}$)を行い
  2. ぀づいお基底の拡倧瞮小($D$)を行い
  3. 最埌に盎亀基底をそれぞれの固有ベクトルに移す(回転せん断)倉換($V$)をする

ずいう぀の(単玔な)倉換の連鎖で衚したものです。

基底から固有ベクトルぞの倉換をする$V$及び$V^{-1}$の行列匏は、互いに逆数になっおいるため($\det(V^{-1}) = \frac{1}{\det(V)}$)、基底の拡倧瞮小が領域の倧きさを倉える本質になりたす。そのため、元の行列の行列匏の倀は、固有倀の察角行列$D$の行列匏の倀ず同じになりたす。

そしおこれは、それぞれの基底での拡倧、぀たり、行列の固有倀$\lambda_i$を、すべおかけ合わせた倀ず同じになりたす。

\det(A) = \det(VDV^{-1}) = \det(D) = \prod \lambda_i 

eigen-plot.png

図2: 巊䞊 - 基底ベクトルずその正方圢領域(青)、および、行列Aの固有ベクトルずその平行四蟺圢領域(èµ€)。それぞれのベクトルの長さは1。
右䞊 - 基底ベクトル及び固有ベクトルに、固有ベクトルの逆行列をかけた結果(赀の固有ベクトルが基底に移る)。
å·Šäž‹ - 右䞊にさらに固有倀の察角行列をかけ合わせた結果(固有ベクトルが、察応する固有倀ぶん掛け合わされた長さになる。)。
右䞋 - 巊䞋にさらに固有ベクトルの行列をかけ合わせた結果(基底ベクトルの倉換埌の平行四蟺圢の面積は、巊䞋での固有ベクトル領域の倉換埌の矩圢の面積ず同じ、固有倀の積ずなる)。


空間倉換ずしおの座暙倉換ずダコビ行列

ここで、党埮分ず行列から、ダコビ行列を導出し、それがどういった意味なのかを確認しおいきたす。

空間倉換ずしお座暙倉換を認識する

たずえば盎亀座暙から極座暙ぞの座暙倉換は、ふ぀うの認識では同䞀空間での点の違う衚珟方匏ずいしお扱い、$(x, y) = (r \cos(\theta), r \sin(\theta))$のように衚珟したす。

しかし、埮分や積分のこずを考える堎合、同䞀点の衚珟の眮き換えずしおの認識をするのはやめお、ある二次元空間の点$(r, \theta)$ から、党く別の二次元空間の点$(x, y)$ぞの倉換である、ず認識したほうが理解しやすいです。

぀たり぀の空間があっお、単にその間の点どうしの察応関係が

\begin{pmatrix}
x \\   y
\end{pmatrix}
 = 
\begin{pmatrix}
r \cos(\theta) \\  r \sin(\theta)
\end{pmatrix}

である、二次元空間から別の二次元空間ぞの察応関係に過ぎないのだず認識するこずです。$(x,y)$空間での$x$ず$y$ず同じように、元の空間の䞊では$r$ず$\theta$の間に半埄だ角床だずいった特別な意味や関係はありたせん。

図圢でいうず、元の空間は$r$軞ず$\theta$軞が盎亀しおいお、そのうち$r \geqq 0$か぀$0 \leqq \theta < 2\pi$の領域の点から、$x$軞ず$y$軞で匵る空間党域の点ぞ察応付けたものです。
より具䜓的な極座暙から盎亀座暙ぞの倉換むメヌゞは、$\theta$軞ず䞊行な$(r, 0)$から$(r, 2\pi)$たでの線分が、$xy$空間䞊の半埄$r$の円呚の線ぞず曲げるものです。

xy-space and rtheta-space

図3: 巊図 - XY空間党域ず原点を䞭心にした同心円。 右図 - rΞ 空間におけるXY空間の領域ずXYでの各同心円に察応する盎線。

空間倉換の党埮分ずダコビ行列

二次元の極座暙空間から二次元の盎亀座暙空間の察応関係

\begin{pmatrix}
x \\   y
\end{pmatrix}
 = 
\begin{pmatrix}
r \cos(\theta) \\  r \sin(\theta)
\end{pmatrix}

を党埮分したす。各芁玠ごずに党埮分したす。

\begin{pmatrix}
\frac{dx}{dt} \\   
\frac{dy}{dt}
\end{pmatrix}
 = 
\begin{pmatrix}
\cos(\theta) \frac{dr}{dt} - r \sin(\theta) \frac{d\theta}{dt}\\  
\sin(\theta) \frac{dr}{dt} + r \cos(\theta) \frac{d\theta}{dt}\\ 
\end{pmatrix}

これを点$(r,\theta)$の呚りの埮小領域$(\frac{dr}{dt}, \frac{d\theta}{dt})$から、点$(x,y)$の呚りの埮小領域$(\frac{dx}{dt}, \frac{dy}{dt})$ぞの倉換ずみなし、倉換行列ずの積で衚珟したす。

\begin{pmatrix}
\frac{dx}{dt} \\   
\frac{dy}{dt}
\end{pmatrix}
 = 
\begin{pmatrix}
\cos(\theta) & - r \sin(\theta)\\  
\sin(\theta) & r \cos(\theta)\\ 
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\frac{dr}{dt} \\   
\frac{d\theta}{dt}
\end{pmatrix}

ある空間倉換での関係においおの、この埮小領域から埮小領域ぞの倉換行列のこずを「ダコビ行列」ず呌びたす。

このような具䜓䟋ではなく、任意の2空間$(u,v)$ず$(x,y)$の間の倉換関係においお䞀般化するず、ダコビ行列は偏埮分を芁玠ずする行列になりたす。

\begin{align}
\begin{pmatrix}
\frac{dx}{dt} \\   
\frac{dy}{dt}
\end{pmatrix}
&= 
\begin{pmatrix}
\frac{\partial x(u,v)}{\partial u}\frac{du}{dt} + \frac{\partial x(u,v)}{\partial v} \frac{dv}{dt}\\  
\frac{\partial y(u,v)}{\partial u}\frac{du}{dt} + \frac{\partial y(u,v)}{\partial v} \frac{dv}{dt}\\ 
\end{pmatrix}\\

&= 
\begin{pmatrix}
\frac{\partial x(u,v)}{\partial u} & \frac{\partial x(u,v)}{\partial v}\\  
\frac{\partial y(u,v)}{\partial u} & \frac{\partial y(u,v)}{\partial v}\\ 
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\frac{du}{dt} \\   
\frac{dv}{dt}
\end{pmatrix}
\end{align}

すなわちダコビ行列$J_{(u,v)}$は、

J_{(u,v)} \equiv 
\begin{pmatrix}
\frac{\partial x(u,v)}{\partial u} & \frac{\partial x(u,v)}{\partial v}\\  
\frac{\partial y(u,v)}{\partial u} & \frac{\partial y(u,v)}{\partial v}\\ 
\end{pmatrix}

ずなりたす。3次以䞊の空間ぞに察しおも同様の偏埮分芁玠の行列になりたす。

泚意点ずしおは、ダコビ行列は各点ごずの行列である、ずいうこずです。
すなわち、パラメヌタずしお点が必芁な関数の行列であるこずです。

これは普通の䞀倉数関数の埮分倀が各点によっお倉わるこずず同じ意味になっおいたす。
ダコビ行列は倚次元空間ぞの(å…š)埮分を衚すもの、ずもいえたす。

その点での傟きずしおみるず埮分$\frac{dy}{dx}$は、x軞での埮小倀$\Delta$ぶん増えたら$\frac{dy}{dx}\Delta$増えるものになりたす。すなわち埮分は、x軞䞊での埮小倀を、y軞での埮小倀ぞスケヌルを倉換させる倉換噚ずみなせたす。同様に、ダコビ行列は、空間の埮小領域から倉換先空間の埮小領域ぞの倉換噚であるずみなせたす。


領域ぞの倚重積分ず埮小領域倉換の拡倧率ずしおのダコビ行列匏

最埌に、倚重積分ずダコビアンの関係に぀いお確認したす。

倚重積分

倚倉数関数にたいしお、倚倉数でなす倚次元空間䞊の領域に察しお積分するこずを「倚重積分(重積分)」ずいいたす。(他には倚次元空間の曲線䞊で積分する線積分などがある)。

\iint_{D}f(x,y)dxdy

この$D$は積分察象の$(x,y)$の領域のこずで、実際には領域を衚す条件匏だったりしたす。領域ずは簡単に蚀うず、二次元空間なら面のような、繋がっおいる点の集たりのこずで、空間での量が枬れる存圚です。$D$郚分には、点集合衚珟そのものや、点集合の内包衚珟での条件匏が盎接埋め蟌たれるこずも普通です。

ずくに領域の圢が、空間䞊で矩圢(長方圢)領域になっおいる堎合は、䞀倉数積分の倚重化させた衚珟ができたす。

\int_{a_x}^{b_x} \int_{a_y}^{b_y} f(x,y)dxdy

矩圢領域での積分の堎合には、倉数ごずに分離しお積分するなどで、蚈算がしやすくなりたす。

倚重積分の座暙倉換ずダコビ行列匏

たず具䜓的な倚重積分での座暙倉換の䟋ずしお、円領域$\sqrt{x^2+y^2} \leqq a$での倚重積分を考えたす。これを盎亀座暙$(x,y)$で盎接積分するのではなく、極座暙$(r,\theta)$に倉換しお積分するこずを考えたす。

V_{(x,y)} = \iint_{\sqrt{x^2+y^2} \leqq a} f(x, y) dydx

極座暙ぞの倉換は、点$(x, y)$を $(r \cos(\theta), r \sin(\theta))$で眮き換えるこずです。しかし、倉換埌の$(r, \theta)$空間においおは矩圢領域ずしお積分したいずしたす。぀たりこの積分領域を、$0 \leqq r \leqq a, 0 \leqq \theta \leqq 2\pi$の矩圢ずしお積分する、ずいうこずです。぀たり、以䞋のスタむルの矩圢領域での倚重積分に倉換するのが目暙になりたす。

\int_{0}^{2\pi} \int_{0}^{a} g(r, \theta) drd\theta

しかし、倚重積分で求めたいのは$(r,\theta)$空間での倀はなく、$(x,y)$空間での積分倀を埗たいわけです。すなわち積分蚈算で䜿う埮小領域$drd\theta$は$(x,y)$空間での量で党領域ぶんを積み重ねおいく必芁がありたす。

぀たり、倉数倉換での倚重積分のためにはたず、埮小領域$drd\theta$の$(x,y)$空間での量を求める必芁がありたす。

V_{(x,y)} = \int_{0}^{2\pi} \int_{0}^{a} f(x(r,\theta),y(r,\theta)) (? \times drd\theta)

ここで出おくるのがダコビ行です。ダコビ行列$J_{(r,\theta)}$は、埮小領域の$(dr, d\theta)$空間を、埮小領域の$(dx,dy)$空間ぞ倉換する行列ずみなせたす。

\begin{pmatrix}
dx \\   
dy
\end{pmatrix}
 = 
\begin{pmatrix}
\cos(\theta) & - r \sin(\theta)\\  
\sin(\theta) & r \cos(\theta)\\ 
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
dr \\   
d\theta
\end{pmatrix}

倚重積分で必芁なのは$drd\theta$ぞ掛ける、埮小領域の量の**倉換埌の倧きさ(拡倧比率)**です。行列匏こそが倉換行列の拡倧率であるので、すなわち、ダコビ行列の行列匏$\det(J_{(r,\theta)})$が、この埮小領域の拡倧率ずいうこずになりたす。

\begin{align}
\det(J_{(r,\theta)}) &= \det
\begin{pmatrix}
\cos(\theta) & - r \sin(\theta)\\  
\sin(\theta) & r \cos(\theta)\\ 
\end{pmatrix} \\
& = \cos(\theta) \times r \cos(\theta) - -r \sin(\theta) \times \sin(\theta)\\
&= r (\cos^2(\theta) + \sin^2(\theta)) \\
&= r
\end{align}

よっお倚重積分の極座暙倉換は、

V_{(x,y)} = \int_{0}^{2\pi} \int_{0}^{a} f(x(r,\theta),y(r,\theta)) ( \times drd\theta)

ずなりたす。このうち埮小領域ぞの拡倧率である、ダコビ行列の行列匏が、「ダコビ行列匏」もしくは「ダコビアン」ず呌ばれるものです。

これを任意の二次元空間のあいだでの倉数倉換の衚珟にするず

\begin{align}
V_{(x,y)} = \iint_{D_{(x,y)}} f(x,y) dxdy 
&= \iint_{D_{(u,v)}} f(x(u,v),y(u,v)) \det(J_{(u,v)}) dudv \\
& \left( = \iint_{D_{(u,v)}} f(x(u,v),y(u,v)) (\frac{\partial x(u,v)}{\partial u}  \frac{\partial y(u,v)}{\partial v} - \frac{\partial x(u,v)}{\partial v}  \frac{\partial y(u,v)}{\partial u}) dudv \right)\\
\end{align}

ずなりたす。

簡単な䟋ずしお半埄$a$ず高さ$b$の円錐の䜓積を求めおみたしょう。

3d-cone-plot.png

図4: 2倉数関数f(x,y)による円錐の図

積分する円錐の匏は底点$(x, y)$での䜍眮の高さを衚す$f(x,y) = b(1 - \frac{\sqrt{x^2+y^2}}{a})$で、これを円領域$\sqrt{x^2+y^2} \leqq a$で積分するこずで求めたす。぀たり、

V_{(x,y)} = \iint_{\sqrt{x^2+y^2} \leqq a} b\left(1-\frac{\sqrt{x^2+y^2}}{a}\right) dydx

この倚重積分を、極座暙$(x,y) = (r\cos(\theta),r\sin(\theta))$より、$\sqrt{x^2+y^2} = r$ずなるこずを甚いお倚重積分の座暙倉換をしお、矩圢領域ぞの倚重積分ずしお解いおいく過皋は以䞋のようになりたす。

\begin{align}
V_{(x,y)} &= \int_{0}^{2\pi} \int_{0}^{a} b1 - \frac{r}{a})  drd\theta \\
&= \int_{0}^{2\pi} b\left( \int_{0}^{a}(r - \frac{r^2}{a})dr \right) d\theta \\
&= \int_{0}^{2\pi} b\left[ \frac{r^2}{2} - \frac{r^3}{3a} \right]_{0}^{a} d\theta \\
&= \int_{0}^{2\pi} b\left( \frac{a^2}{2} - \frac{a^2}{3} - 0 + 0\right) d\theta \\
&= \int_{0}^{2\pi} \frac{ba^2}{6} d\theta \\
&= \left[\frac{ba^2}{6}\theta \right]_{0}^{2\pi} \\
&= \frac{ba^2}{6} \times 2\pi - 0 \\
&= \frac{ba^2\pi}{3}
\end{align}

円錐の䜓積は、円柱の䜓積$a^2\pi \times b$の䞉分の䞀であるこずから、正しく算出できおいるこずがわかりたす。


付録: 極限の積の分割ずむプシロンデルタ

埮分のチェヌンルヌルの導出においお、極限の積分割を導入したした。

これは「$\lim_{x \to c}f(x) = a$か぀$\lim_{x \to c}g(x) = b$ならば、$\lim_{x \to c}f(x)g(x) = ab$が成立する」ずいう定理を䜿甚したものです。この極限倀の$a$ず$b$を極限衚珟に戻したものが、極限の分割

\lim_{x \to c}f(x)g(x) = \lim_{x \to c}f(x) \lim_{x \to c}g(x)

です。

ここで重芁なこずは、分割する$f(x)$ず$g(x)$双方に極限倀が存圚するこずが、前提ずなっおいる点です。

たずえば、$\Delta \times \frac{1}{\Delta}$では、埌者が収束せず極限倀が存圚できないので分割の条件が成立したせん。

極限ずむプシロンデルタ論法

極限の匏$\lim_{x \to c}f(x) = a$ですが、これは倀$a$に察しおむプシロンデルタ論法ずいう論理匏が成立するなら、その倀ず同倀扱いする、ずいう意味を衚しおいたす。

そしお、むプシロンデルタ論法ずいうのは以䞋の論理匏です。

\forall{\epsilon}\exists{\delta}.|x-c|<\delta \rightarrow |f(x) - a| < \epsilon

この論理匏が蚀いたいこずは、「$a$そのものではないどんな倀$(a\pm\epsilon)$に察しおも、より$a$に近い$f(c\pm\delta)$を出す$\delta$を提䟛できる」ずいう意味です。

これは「$x$を$c$に近づけおいけば、$f(x)$は($a$そのものではないかもしれないけど)、$a$ではない他のどんな具䜓的な倀ず比べおも、より$a$に近づいおいくものにはなっおいる」ずいう認識もできたす。

$\lim$を぀けた極限ずは、むプシロンデルタ論法的に際限なく近づいおいく倀は、その倀そのものず同倀ずみなしお扱うずいう操䜜であるずもいえたす。

有名な$0.999.... = 1$ですが、これは$\lim_{x \to 0} (1 - \frac{1}{10^{\frac{1}{x}}}) = 1$を意味するものだずいえるでしょう。$f(x) = 1 - \frac{1}{10^{\frac{1}{x}}}$は、$f(\frac{1}{2}) = 0.99$、$f(\frac{1}{3}) = 0.999$ず、$x$が0に近づくほど、$f(x)$は1に近づいおいきたす。($x$自䜓は0になれないし、$f(x)$自䜓も1にはならない点は泚目すべきずころです)

さおこの論理では、任意の$\epsilon$に察応した$\delta$が存圚する必芁がありたす。
すなわち**$\epsilon$をパラメヌタずした$\delta(\epsilon)$が定たる**必芁がありたす。

この䟋では、$\epsilon = 1 - f(x) = 10^{-n}$のずきは$x = \frac{1}{n}$になるので、それより小さい倀を$\delta$にすればよいのです。逆にこの$n$を$\epsilon$で衚珟するず、$n = -\log_{10}(\epsilon)$であるので、$x = \frac{-1}{log_{10}(\epsilon)}$ずなるので、

\delta(\epsilon) < \frac{-1}{log_{10}(\epsilon)}

の条件を満たす$\delta(\epsilon)$を䞎えれば良いこずになりたす。(たずえば、$\delta(\epsilon) = \frac{-1}{log_{10}(\epsilon)-1}$など)

極限の積の分割を導出する

極限の分割は、「$\lim_{x \to c}f(x) = a$か぀$\lim_{x \to c}g(x) = b$ならば、$\lim_{x \to c}f(x)g(x) = ab$が成立する」です。すなわち

  • $\forall{\epsilon_{a}}\exists{\delta_{a}}.|x-c|<\delta_{a}\rightarrow |f(x)-a|<\epsilon_{a}$
  • $\forall{\epsilon_{b}}\exists{\delta_{b}}.|x-c|<\delta_{b}\rightarrow |g(x)-b|<\epsilon_{b}$

を前提ずしお

  • $\forall{\epsilon}\exists{\delta}.|x-c|<\delta\rightarrow |f(x)g(x)-ab|<\epsilon$

を導出できれば良いこずになりたす。

ここで、たず泚意したいのは、論法の察象が$1-\frac{1}{10^{\frac{1}{x}}}$のような具䜓的な匏ではなく、関数衚珟のたたである点です。具䜓的な匏の堎合は$\epsilon$に察応する$\delta$のほうも具䜓的な匏ずしお衚珟できたすが、関数の堎合にはふ぀うそうは行きたせん。

もし$f(x)$が単射であれば、逆関数で$\delta = f^{-1}(a+\epsilon_0)-c$ずいうような圢で蚘述できたす。しかし単射が前提でない堎合には、「$f(c+\delta)=a+\epsilon_0$になるような$\delta$の䞀぀」ずいった衚珟をするこずになりたす。これがより短い、「この$\epsilon_0$に察応した$\delta$(が存圚するので論理匏が成立する)」のような衚珟が䜿われる意味です。

この時点で、具䜓的に導出する察象は$\delta$から、そのパラメヌタである$\epsilon_0 < \epsilon$な$\epsilon_0$ぞず移りたす。この**$\epsilon_0$を、$\epsilon$を始めずする匏䞭や前提に含む倉数を甚いた具䜓衚珟を䜜る**こずになりたす。

䞀方、前提のほうからは$\delta_{a}(\epsilon_{a})$ず$\delta_{b}(\epsilon_{b})$ずが存圚枈みで䜿甚できるこずを意味したす。しかし、こちらも察象が関数衚珟のたたなので、$\epsilon_{a}$ず$\epsilon_{b}$のほうぞ具䜓的な倀を割り圓おるこずがメむンになりたす。

この論理匏の導出では、$|f(x)g(x)-ab|$を倉圢しおいき、$\epsilon_{a}$ず$\epsilon_{}$ずを甚いお衚珟できる$\epsilon_0 < \epsilon$を芋぀けたす。

\begin{align}
|f(x)g(x)-ab| &= |f(x)g(x) - f(x)b + f(x)b - ab| \\
&= |f(x)(g(x) - b) + (f(x) - a)b|\\
&= |f(x)(g(x) - b) - a(g(x) - b) + a(g(x) - b) + (f(x) - a)b|\\
&= |(f(x) - a)(g(x) - b) + a(g(x) - b) + (f(x) - a)b|\\
&< |f(x) - a||g(x) - b| + |a||g(x) - b| + |f(x) - a||b|\\
&< \epsilon_{a}\epsilon_{b} + |a| \epsilon_{b} + |b|\epsilon_{a} \\
\end{align}

(前提にある$|f(x) - a| <\epsilon_{a}$ず$|g(x) - b| <\epsilon_{b}$を適甚したした。)

぀たり、

|f(x)g(x) - ab| < \epsilon_{a}\epsilon_{b} + |a| \epsilon_{b} + |b|\epsilon_{a} < \epsilon

の関係がありたす。

$\delta$の存圚蚌明ずしおは、$\epsilon_{a}$ず$\epsilon_{b}$はどちらも任意の倀が取れるこずから、「$\epsilon_0 = \epsilon_{a}\epsilon_{b} + |a| \epsilon_{b} + |b|\epsilon_{a} < \epsilon$を満たす$\epsilon_{a}$ず$\epsilon_{b}$による$\epsilon_0$に察応する$\delta$」が存圚するのでこの関係は成立するものである、で終われたす。

(以降は、存圚性だけでなく、具䜓䟋たで求める話です。)

より具䜓的な$\epsilon_{a}$ず$\epsilon_{b}$の導出をするには、3分割した$\frac{\epsilon}{3}$で抑えるような、それぞれの項を考えたす。

$|b|\epsilon_{a} < \frac{\epsilon}{3}$を満たすずすれば、$\epsilon_{a} < \frac{\epsilon}{3|b|}$になりたす。$|b|$が0になる堎合も考えお、$\epsilon_{a} < \frac{\epsilon}{3\max(1, |b|)}$にしお$\frac{\epsilon}{3}$より倧きな倀にならないようにしたす。同様に$\epsilon_{b} < \frac{\epsilon}{3\max(1, |a|)}$が埗られたす。

しかし、$\epsilon_{a}\epsilon_{b} < \frac{\epsilon}{3}$にもしたいので、($\epsilon>1$なら぀掛けるず倧きくなりうるため)$\frac{\epsilon}{3}$ではなく、$\frac{\min(\epsilon, 1)}{3}$で掛けお倧きくならないように抑えるこずにすれば、$\epsilon_{a}\epsilon_{b} \leqq \frac{\epsilon}{9}$で抑えられるこずが保蚌されたす。

぀たり、具䜓的な$\epsilon_{a}$ず$\epsilon_{b}$は、

\begin{align}
\epsilon_{a} &< \frac{\min(\epsilon,1)}{3\max(1, |b|)}\\
\epsilon_{b} &< \frac{\min(\epsilon,1)}{3\max(1, |a|)}
\end{align}

を満たすような適圓な倀を遞べばよいこずになりたす。たずえば、3の代わりに4で割った倀がそれに圓おはたる䟋のひず぀です。この$\epsilon_{a}$ず$\epsilon_{b}$を適甚した$\epsilon_0$は以䞋のずおりです。

\epsilon_0 = \frac{\min(\epsilon,1)^2}{16\max(1,|a|)\max(1,|b|)} + \frac{|a|\min(\epsilon,1)}{4\max(1,|a|)} + \frac{|b|\min(\epsilon,1)}{4\max(1,|b|)} < \epsilon

どんな$\epsilon$が来ようずそれより小さいこの$\epsilon_0$に察応する$\delta$が存圚するこずから、積の分割の関係は成立できるのです。

リンク

227
198
1

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
227
198

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?