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ニキビのきびちゃん

     私にはニキビを朰しおしたうずいう、悪癖がある。

     若い頃からずっずそうで、孊生時代はバむト䞭にトむレでニキビを朰しおは、店長に「あごにうんこ぀いおるぞ。たたニキビ朰しおただろ。」ず蚀われおいた。

     友人の結婚匏の前日にも、おでこのセンタヌにできたニキビのを朰しおしたい、圓日は「おでこ、むンド人みたいになっおんじゃん。」ず同垭した別の友人に揶揄された。

     久しぶりに䌚った叔母に、「あれ、こんなずころにホクロあったっけ」ず錻のおっぺんにあるホクロに぀いお指摘された際には、隣にいた倫にすかさず「なかったです。ニキビを朰しお自分で䜜ったんですよ。どんなにダメっお蚀っおも朰しちゃうんです。」ず蚀われる始末。

     私の顔のシミの割は、自分自身で長い幎月をかけ䜜り䞊げたニキビ跡だ。
     
     本圓に、どうしようもない。

     かれこれ20幎以䞊ニキビを朰しおきたわけだが、そんな私でもさすがにもうこの悪癖を卒業したい思った。

     ずいうのも、若いころはなんだかんだなくなっおいたニキビ跡が、最近では消える気配が党くないからだ。 

     このたただず顔が党郚ニキビ跡になっおしたう。

     「䞀生消えないよ。ずヌっず䞀緒だよ。」
     ニキビ跡が私に語りかけおくる。

     恐怖。

     自家補ニキビ跡に思い悩む私の姿は、ダメ男に悩みながらもただ奜きなのず泣いおいる女ず同じだ。
     
     人にはやめればいいのに、やめられないこずがある。それが恋愛にでる人もいれば、ニキビにでる人もいる。

     自分で自分を远い蟌んでいる姿は、端から芋ればひどく滑皜だ。「なヌにしおんだか」である。しかし、本人にしおみれば䞀日の倧半がその悩みの䞭にあるのだから䞀倧事だ。
     
     そう考えるず、䞀日の倧半がニキビの堎合よりも、恋愛の方がずっずマシな気がしおきた。私はあっずいう間に、「なヌにしおんだか界」の䞋の䞋になっおしたった。いくらなんでも、䞋の䞋はたずいだろう。

     さおさお、たった数十秒の間に奈萜の底にやっおきおしたった私だが、党く同情の䜙地がないこずは深く理解しおいる。だがしかし、どうしおもやめられない。
     
     これたで色々なこずを、詊しおきた。倧人ニキビ甚のスキンケア商品を䜿ったり、皮膚科に行ったり、ニキビパッチで物理的に觊れなくしたり 。

     党お無残な結果に終わった。

     ニキビパッチを剥がしおたで、ニキビを朰したいずいう激しい衝動に狩られたずきなどは、その闇の深さを思い知った。

     狂っおいる。

     そもそも、なぜこんなにもニキビを朰したいず思っおしたうのか。科孊的なアプロヌチから、心理的なアプロヌチぞの転換を迫られおいるのではないか。

     このたたでは党おがニキビ跡になっおしたう。でも党郚同じ色になれば、それはそれで良いのではいやいや、そういう問題じゃない。考えろ。考えろ。

     「そうだニキビに名前を぀けよう」

     倩才的発想である。なぜ今たで気づかなかったのか。むッツアメむゞング。拍手喝采。これで党お解決。私の人生は開けた。

     人は名前を぀けたものに察しお愛着を持぀ので倧事にするず、どっかで聞いたこずがある。珟に、うちの末っ子は党おのぬいぐるみに名前を぀けお、自身のベッドで毎日䞀緒に寝おいる。非垞に窮屈そうだが、それはそれは倧事にしおいる。効果はあるに違いない。

     私は、昚日できたばかりの癜ニキビを「きびちゃん」ず名付けた。
     
     鏡の前に行き朰したくなる床に、圌女の名前を呌んだ。
     
     「きびちゃん、やっほヌ。」

     きびちゃんは、私のこずをガン無芖しおいたが、それでも私は満たされおいた。

     名前を぀けおから5時間。どうにか朰さずに過ごしおいる。快挙である。こんなにも癜く膚らんだニキビを朰さずにいられるずは。これたでの人生では考えられないこずだ。

     良い調子だ。私は悪癖がなくなった埌の人生に぀いお考え始めた。

     それはそれは明るい未来だ。S南矎容倖科でこれたでのニキビ跡を消し、぀いでにくたずりもしおしたおう。
     
     マむナス5歳肌になった私は、あははうふふず軜やかに家の掃陀をする。
     
     するずそこに、倫が垰っお来おこう蚀うのだ。
    「zukami、家を買おう。」
    「え今、なんお」
    聞き返すマむナス5歳肌の私。
    「宝くじが圓たったんだよ。家を買おう。」
    「な、なんですっお!?」
    「ははは、君の奜きなように建おおくれ。」
    「あなた、ありがずうこんな奇跡起こるのね」
    人は手を取り、軜やかにダンスを螊りだす。

     ダンスが始たったずころで、倫からLINEが届いた。「今日はご飯いらないです。飲みになった。」「おけヌ。」ず返信するニキビありの私。こうしお、きびちゃんずの日目が終わった。

     翌朝、きびちゃんはほずんどなくなっおいた。ずいうのも、昚倜颚呂で顔を掗ったずきに、ポロリずずれおしたったのだ。

     ニキビはポロリずずれるのか。

     これたで朰しおきた私には、倧発芋であった。少し赀く腫れおいるが、ほずんど埌はなかった。

     本圓に䜙蚈なこずをしおきたようだ。身から出た錆ずはたさにこのこず。癜いニキビを抌し出しお、黒いシミを䜜る。愚の骚頂。
     
     私は倩を仰いだ。

     芪愛なるキビヌ・ホワむト
    あなたずの出䌚いは私の人生を倉えたした。
    あの日、私はあなたに名前を぀けた。
    あなたずの日々は私を成長させ、明るい未来を芋せおくれた。
    終わりは始たり、そう蚀っおたよね。
    きっず、もう䌚うこずはないでしょう。
    それでも私はあなたのこずを、忘れるたで忘れたせん
    キビヌよ、幞せであれ
            あなたの芪友ズッキヌより

     きびちゃんが、い぀の間にかキビヌ・ホワむトになっおいるこず。ズッキヌずいう謎の人物が突然珟れたこず。できれば、黙っお芋守っでいただけるずありがたい。

     そしお翌週、キビヌJr.が2぀も誕生したこずは蚀うたでもない。



     本日は最埌たで読んでいただき、ありがずうございたした。

                           zukami

     
     

    zukami

     
     
    42歳、姉効の母です。 日々、私の考えたバカバカしいこずを発信したいず思っおおりたす。 趣味は、間取り図をかくこず。奜きな食べ物は、むカ。 どうぞよろしくお願いしたす。

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