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Photo bymayumihamano

実家を出た話。

    実家を出た。
    生まれてはじめて。
    色々変わった。
    そんなことを書いてみようと思う。
    まずはお引っ越し編。

    引っ越し先は、ずっと住んでみたかったエリア。
    知り合いがいなくて、土地勘もない場所。
    当時、フルリモートの会社勤めだったので、駅から遠くても広めの物件を選んだ。
    いや、順番が違うな。
    住みたい駅を決めた→条件に合う物件を探した→たまたま駅から遠かったというのが正しい。
    見つけてすぐに「あ、ここに住む」と決めた。
    理由はなかった。
    一目惚れだから。
    自分が入居出来ることを微塵も疑わず、
    建築予定の頃から年単位で待った1回目の募集は簡単に落とされた。
    が、2次募集で即決定。
    縁があるのか、勝ち取ったのか。
    入れればどちらでもいいか。

    物件が決まると引っ越すまでは早かった。
    正味2週間。
    仕事も繁忙期だった中、よくやれたなぁと今になって思う。
    契約、内見、引越し周りの調整、役所関係の手続き、必要なものの買い出し等々。
    やることが多すぎる。
    毎日頭も身体もフル回転。
    この時期だけで、5kgちょっと体重が落ちた。
    どの順番で進めればいいのか。
    漏れてる手続きはないか。
    ああ、これが終わってからじゃないとこっちは進められない。
    はじめてのことが多く今となっては楽しかったけど、引っ越しはもう少し簡単になるといいなぁ。

    引っ越し日まではひたすら荷造りの日々が続く。
    荷物が多いので安心の「おまかせパック」をお願いしたものの、欲張って断捨離要素を加えてしまった。
    時間がかかり過ぎる、大失敗。
    整理しながら詰める予定を、とりあえずすべて詰めるに変えたのは引っ越し日の3日前。
    終わらない、間に合わない。
    どうしよう、焦る焦る。
    そして諦めた、なんとかなるでしょ。

    引っ越し屋さんの荷造りの仕組みはよく出来ていた。
    ダンボール箱の上部と側面には、引っ越し元であった場所、引っ越し先での行き先、中身の詳細、コワレモノなどを記載する面があって、迷子にならないようになっている。
    また専用の梱包用テープは3色。
    一般的な荷物は白、コワレモノは赤、すぐ使いたいものは黄、色でも判断出来る。
    業者側の作業のしやすさと、引っ越しする当事者側の見分けやすさの配慮。
    感心感心。
    感心してる場合じゃない、詰めないと。

    結局、なんとかなったというよりは、引っ越し屋さんたちがなんとかしてくれた。
    彼等は本当にプロだった。
    あっという間にダンボールを組み立て、手際よく荷物が収納され、山が出来上がっていく。
    軽いものは大、重いものは小に次々詰め込まれていく。
    見ていて気持ちがいい。

    途中ダンボールが足りなくなること数回。
    ダンボールの補充が間に合わなくなり最後は見積もり時、このままでは運べないと言われたIKEAのソフト収納のままでも運んでくれることになった。
    臨機応変に対応頂いて感謝。

    引っ越し日当日は晴れ時々曇り。
    一番の心配事がお天気だったので、とりあえず雨でなくてよかったと一安心。
    最終便の為、トラックへの搬入作業はお昼過ぎからとなった。
    荷造りも並行しながら、どんどん運ばれていく荷物たち。
    ダンボールにまとめられ個数は減っているので(同じだけど)、トラックへの搬入作業は詰め込み作業よりもかなり早く進んだが、終わったのは16時過ぎとなった。
    出発前に引っ越し先での待ち合わせ時間を決めて一旦解散。
    すぐに電車移動しないと。
    リュックを取りに部屋に戻ると母はお風呂に入っていた。
    「行くね」
    「…」
    返事はない。
    これでいいんだっけ、目頭が熱くなる。
    もう一度
    「行くね」
    「(水滴の音)ポチャン」
    ドアを閉めた。
    急がないと。

    電車で約1時間。
    最寄り駅のドラッグストアでトイレットペーパーを購入し、新居へ向かうと既にトラックが到着していた。
    「荷解きは自分でする」のハーフプランを選んだ為、トラックの中身を全部部屋に移動させれば業者さんは任務完了。
    搬入はお任せして、シーリングライト、テレビ、電子レンジと電化製品の設置を進める。
    搬入は2時間弱、終わったのは20時近かった。
    「年内最後の仕事なんです」と笑顔の業者さん 3名に深々御礼を伝え、手を振って見送った。
    終わった。
    見送りついでにコンビニで冷えた缶チューハイを購入し、ダンボールの隙間で軽く食事をとる。
    ベランダで一服した後は、黄色テープのダンボールを開き、最低限の生活が出来る環境を整えた。
    届いたばかりのマットレスにカバーをかけ終わると、どうしようもない眠気に襲われそのまま眠りこんでしまった。

    朝陽に照らされ目が覚めた。
    外と隔たりのない無音の室内。
    今日はカーテンを買いに行こう。

    #創作大賞2026
    #エッセイ部門

     
     
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